そもそもIP化とは何か
番組冒頭で、パーソナリティのManaさんは今回のテーマを「ボドゲのIP化」だと切り出します。まずIPという言葉自体に馴染みがない人もいるとして、その意味から説明を始めます。
Manaさんの説明では、IPとはいわゆる知的財産のことです。著作権や版権の大本になる創作物やアイディア、特にキャラクターや作品などを指すと話します。
そのうえでManaさんは、単に有名なタイトルというだけでなく、名前や世界観が周りにきちんと認知され、集客力があるものがIPだと整理します。
さらにポイントとして挙げるのが、展開の広がりです。他の媒体やメディアに展開されても、大本のものが変わらないという点をManaさんは強調します。
マリオ・ポケモンに見る、IP化しやすいもの
Manaさんは、IP化しやすいものの代表として小説、漫画、アニメを挙げます。有名なタイトルが出ると、実写化やグッズ、小説版、ゲーム版などへ次々に展開されていくと説明します。
具体例として挙げるのがワンピースです。プレイステーションのゲームやカードゲーム、ぬいぐるみ、映画、実写版まで、さまざまな形に展開されていると話します。
Manaさんによれば、こうした状態こそ「ワンピースというキャラクターたちのIPがある」ということで、それをきっかけにいろいろなものへ展開していくのだと言います。
一方で、ゲーム業界でもIP化に成功している事例はあるとManaさんは続けます。その筆頭に挙げるのがマリオです。誰もが知る存在で、任天堂のすごさを感じると語ります。
マリオのきっかけは、もともとファミコンのゲームだったとManaさんは振り返ります。ただのゲームキャラクターが人気を集め、グッズや映画、テーマパークへと広がっていったと説明します。
もうある意味、マリオっていう存在自体がもう任天堂の手を離れてというか、ゲームの手を離れて、もうしっかりとマリオという世界観がいろんなものに展開されていってる。
さらにManaさんは、市場規模で世界最大のIPとしてポケモンを挙げます。これも元々はゲームで、映画やアニメ、小説、グッズへと広がったと話します。
なかでもManaさんが凄まじいと評するのが、ポケモンカードゲーム、いわゆるポケカの展開です。ほかにもバイオハザードやディズニーシリーズをIP化の成功例として挙げます。
IP化はキャラだけじゃない、世界観という切り口
IP化の主体になるのは作品の世界観が強いため、小説や漫画、アニメから始まる場合が多いとManaさんは整理します。ゲーム発のIPは、その中ではややレアな事例だと言います。
ゲーム発のIPとしてポケモンやバイオハザード、マリオ、カービィを挙げつつ、Manaさんは重要な指摘をします。バイオハザードは特定のキャラクターが主体ではないという点です。
Manaさんによれば、バイオハザードで売りになっているのは世界観そのものです。Tウイルスを作るアンブレラ社と、それに翻弄される人々という設定が、主人公が変わりながらも展開されていると説明します。
ここからManaさんは、IP化はキャラクタービジネスだと思われがちだが、実はそうとは限らないと話します。ゆるキャラやご当地キャラの流行もあり、キャラ中心のイメージが強いと言います。
Manaさんは、誰かが考えて作ったものにきちんと名前がつき、その名前がこういうものだと認知されること、それがIP化だとまとめます。
その例として挙げるのがクトゥルフです。名前を聞けば「ああいう世界観」「タコっぽいやつ」とわかるとして、これもIP化が進んでいる例だと話します。ほかにファイナルファンタジーなども挙げます。
ボドゲでIP化はできるのか
ここでManaさんは本題として、IP化の主体がボードゲームであっても十分できるのではないか、と問題提起します。
ただし現状については慎重です。ボドゲ市場がまだ小さいためか、ボドゲ主体のIP化の成功事例はすぐには思いつかないとManaさんは正直に話します。
それでも、可能性や展開のしやすさを感じるものはあると言います。改めてManaさんは、IPとは物の種類にこだわらず、頭の中で作ったものに共通の名前とイメージがつき、いろんな媒体へ展開できる状態だと整理します。
そのうえで、ボードゲームは名前やキャラクター、世界観を作りやすいのではないか、というのがManaさんの見立てです。
なんじゃもんじゃに感じるIP化の可能性
IP化しやすそうな具体例として、Manaさんがパッと思いついたのが「なんじゃもんじゃ」です。キモかわいいキャラクターにあだ名を付けていくゲームだと紹介します。
Manaさんは、なんじゃもんじゃの世界観はそのままアニメや絵本にも展開できそうだと話します。海外のバーバパパやローカルアニメの雰囲気に近いと例えます。
さらに最近のちいかわの流行にも触れ、その方面で展開すればウケるのではないかと予想します。特に絵本あたりから攻めるのがいいのではないかと語ります。
メーカーはすでにキーホルダーなどのグッズ化を進めており、そうした展開もしやすいとManaさんは指摘します。名前が決まっていないという世界観と、キモかわいいイラストのタッチを総称して「なんじゃもんじゃ」と呼ぶ、この点がIP化に近いと考えています。
ゲームには関係ない「世界観」がIP化の鍵になる
続けてManaさんは、特定のキャラクターだけで伸ばすより、世界観の作り込みに注目します。ボードゲームには世界観を相当作り込んだ作品があると話します。
ただ、Manaさんは冷静な指摘も加えます。世界観は没入感やバックボーンの深みには効果的でも、実際のゲームプレイにはあまり関係ないというのです。
あなたはなんとかの職業です、だからこういうことを目指しましょうぐらいでも、全然ゲームとして遊べる。
キャラクターの過去や人物相関図は実プレイに関係ないとしつつ、そこを作り込んでいる作品もあるとManaさんは言います。では、その作り込みは何に使えるのか、と問いを立てます。
Manaさんの答えは、世界観が作り込まれているほどIP化を進めやすいというものです。面白いだけでなく、ストーリーに自分が参加している気になれる点に価値があると話します。
その感覚を、Manaさんは娘とのアニメ視聴で説明します。ハンターハンターのキメラアント編を見返しながら、戦い方や作戦について「もっとこうすれば勝てるのに」と話し合うそうです。
そうした「自分ならこう動く」をゲームで実際にプレイできるのが面白いとManaさんは言います。世界観が作り込まれているほど入り込めるため、そのままIP化にも展開しやすいという理屈です。
小説化から広がる展開の可能性
世界観の作り込みが優れた例として、Manaさんはガンナガンを挙げます。そのまま小説も書けるくらい作り込まれていると評します。
ここでManaさんは、小説にできること自体が、すでにIP化が進んでいる証だと言い直します。ゲームの世界観を主体に話を膨らませ、最終的に小説版を出せる状態だからです。
さらにManaさんは、小説が出せればゲームのイラストを基に漫画化もでき、キャラクターグッズ、アニメ、映画へと展開できると、連鎖するように広がる可能性を語ります。
ゲームの世界観
作り込まれた世界観・イラストが土台になる
小説版
世界観をもとに話を膨らませて小説化
漫画・グッズ
イラストを基に漫画化、キャラクターグッズ化
アニメ・映画
人気が出ればさらに映像作品へ展開
IP化は狙って育てられる
Manaさんは、ボードゲームのIP化という概念はまだ強くないとしつつ、狙っていけると力を込めます。根拠として、マリオやバイオハザードも最初からIP化を狙っていたわけではないと指摘します。
最初はゲームの面白さを追求し、必要なキャラクターを考えるところから始まった。人気が出たから展開していった、というのがManaさんの理解です。
Manaさんは、IP化を狙う過程でも大本のゲームの面白さは犠牲にならないので、やっておいた方がいいと勧めます。
一方で注意点も挙げます。メインのゲームの面白さとは別のところに労力やコストがかかる。それがIP化にこだわりきれない理由になるとManaさんは認めます。それでもこだわれば、将来的に面白いことが待っているのではないかと話します。
インディーズで一つの世界観を共有する構想
ここからManaさんは、やってみたいことを語り始めます。特定のボドゲのIP化とは少し違う構想です。
そのヒントが、冒頭で例に挙げたクトゥルフです。いろんな小説家が同じ世界観で書き合ったところから世界観ができあがった点に、Manaさんは注目します。
Manaさんの構想は、これをボードゲーム、特にインディーズの中でできたら面白いのではないか、というものです。一つの大きな世界観のガイドラインを用意し、その世界の動きをいろんなゲームで描くイメージです。
同じ世界を生きている人たちのお話のサイドストーリーがいろんなゲームでできてるよみたいな。
たとえば、ある戦の話や身近な話が、実は同じ世界線・同じ時代を生きる人々のサイドストーリーになっている。そこまでいくと面白いことになると語ります。
ただしManaさんは実現の難しさも自覚しています。どれだけの人が賛同してくれるか、そして魅力的でありつつガチガチに縛りすぎない、ガイドライン程度の統一が必要だと話します。創作活動がしにくくならないためです。
世界観は作り込んでいい、まず小説から
最後にManaさんは、ゲームを作り世界観も考えているなら、時間や労力に余裕があれば世界観はとことん作り込んでいいと勧めます。ボードゲームと一緒に小説を出すのもアリだと言います。
印刷・販売がコスト的に大変なら、購入者特典としてPDFでダウンロードできる形でも十分だとManaさんは現実的な方法を提案します。
Manaさんは番組の姿勢として、ボードゲームの作り方だけでなく、IPビジネスのようなビジネス視点も交えて発信していると説明します。
Manaさんにとって、ボードゲームは自分の感性や経験、面白いと思ったものが組み合わさってできる作品です。それをどう売り、どう広め、どう展開していくかという広がりまで見据えることを勧めて、配信を締めくくります。
まとめ
今回の配信でManaさんは、ボードゲームを起点にしたIP化の可能性を、既存の成功例と自身の構想の両面から語りました。IPの本質はキャラクターより世界観にあり、作り込んだ世界観こそが他媒体への展開の鍵になるという視点が軸になっています。
- IPとは、名前や世界観が認知され、他媒体に展開しても大本が変わらないもの。マリオやポケモンなどゲーム発の成功例もある
- IP化はキャラクターだけでなく、バイオハザードやクトゥルフのように世界観そのものでも成立する
- なんじゃもんじゃなど、世界観を持つボードゲームは絵本やアニメ、グッズへ展開できる可能性がある
- 作り込んだ世界観は小説化を起点に、漫画・グッズ・アニメ・映画へと連鎖的に広げられる
- IP化は最初から完成するものではなく、方向性を狙って育てられる。まずは小説やPDF特典から始めるのも一手





