ココフォリアのSwitch 2対応は、なぜ大きなニュースなのか
TRPGのセッションツールであるココフォリアが、Nintendo Switch 2版として実装されるという発表がありました。Manaさんはこのニュースを「ものすごくでかいこと」と受け止めています。
ココフォリア ── オンライン上でTRPGを遊ぶためのセッションツール。ブラウザ上に部屋を作り、背景やコマ、ダイスなどを共有しながら離れた相手と遊べますは、もともとTRPGのセッションツールとして生まれました。デザインなどを設定すれば、離れた人と同じ画面を見ながら遊べるため、ボードゲームを遊ぶ場として使う人も多いといいます。
Manaさんによると、ココフォリアはゲームマスターとして自分でルームを作る人たちに大人気です。シーンの切り替えやダイスロール、デザインの読み込みができ、手軽で使いやすいことが支持の理由として挙げられています。
これまでのココフォリアはパソコンとスマートフォンで扱うものでした。Manaさんは、Switchを経由して遊べるようになれば、ココフォリア上で作られたゲームを販売できるような形にもなっていくのではないかと見ています。
いわゆるインディーズのクリエイター、いわゆるユーザーですね、そういった人たちが作ったゲームでコンテストを開いたりだとか、そういった中で面白い作品とかをSWITCH2版に実装する、そういったことも言及されているんですね。
公式の開発者インタビューでは、ユーザーが作ったゲームのコンテストを開き、面白い作品をSwitch 2版に実装する構想にも触れられていたそうです。実現するかはまだわからないとしつつも、自作のボードゲームがSwitchに載る可能性が出てきたことに、Manaさんは強く期待しています。
Manaさんは、Switchにはチェスや将棋、マンカラなどを収録した『遊び大全』のようなソフトもあると振り返ります。プレイのチャネルが広がることは、インディーズのボードゲームの知名度やプレイ人口を広げるうえで有意義だと話しています。
有志が作ってくれた『ルース』のココフォリア版
ManaさんがココフォリアをテーマにしたきっかけはManaさん自身の作品にあります。Manaさんの作品『Burst of Mana』にはすでにココフォリア版があり、販売もしています。
オンラインで遊べるため、手元の実物を映せないVTuberさんなどにも『Burst of Mana』をプレイしてもらえたといいます。Manaさんはこの点をとても良いと感じていました。
さらに最近、あおいぬの遊び場さんという方が、Manaさんのカードゲーム『ルース』のココフォリア版を作ってくれました。じゃんけんに近い『ルース』を気に入り、「ぜひ作らせてください」と声をかけてくれたそうです。
単純にカードがそのセッションツール上で扱えるよってだけではなくてですね、やっぱりUI、ユーザーインターフェース、遊びやすくするような工夫とかもしっかりと実装してくれたわけなんですよ。
あおいぬの遊び場さんが作った『ルース』のココフォリア版には、専用のボードや勝利点の記録機能が用意されています。ココフォリア上での扱い方や、サマリーに近いわかりやすいルール説明もデザインされていました。
『ルース』はカード9枚で3つの遊び方ができるゲームです。3つのルールでは必要なボードや扱い方が違うため、1つのルームでどう切り替えるかが課題になります。
(遊び方の)ボタンも実装いただきまして、それを押すとその遊び方に特化したボードであったりだとか説明であったりだとか、ガラッと一気に変わるわけなんですよ。
1つの盤面で3つの遊び方を兼ねるのではなく、ルールごとに適した盤面を用意してくれたことに、Manaさんは改めて感謝を述べています。
一方で、Manaさんがオンライン化している作品は他にもあります。香水をテーマにしたトリックテイキング『THE SCENT OF JEALOUSY』は、3Dでボードゲームを遊べるユドナリウムコネクト ── オンラインでボードゲームやTRPGを遊べるツール。3D表示の卓上でコマやカードを動かして遊べますで実装済みですが、まだ販売していません。
『THE SCENT OF JEALOUSY』を販売していない理由について、Manaさんは手が回っていないことを挙げます。データをダウンロードしてもらうだけでは不十分で、使い方のマニュアルも用意すべきだと考えているためです。
『Burst of Mana』のココフォリア版は、ココフォリアへの反映方法や簡単な使い方をまとめたマニュアルと一緒にダウンロードできる形にしています。『ルース』のココフォリア版も同様にマニュアルを準備中で、整い次第告知するとしています。
BGAと試遊ツールは、ボードゲームの売り方を変えるのか?
オンラインで遊ぶボードゲームが最近流行している中で、Manaさんは自分で実装しやすいココフォリアやユドナリウムコネクトと、ボードゲームアリーナ ── 世界中のボードゲームをブラウザで遊べるオンラインプラットフォーム。略称BGA。多数のタイトルが公式に実装されていますを比べています。
BGAは世界中のボードゲームが遊べる人気のプラットフォームですが、自分で実装するには技術力が必要だといいます。公式側が作ってくれる場合もあるそうで、そうなれば世界各国の人が遊んでくれる状態になるとManaさんは見ています。
海外展開とかをしっかり考えている人は、BGAを狙った方がいいんじゃないのかなとは思います。
ココフォリアやユドナリウムコネクトも海外の人と遊べますが、海外にリーチするには自分でプロモーションをかける必要があります。BGAは規模が大きいため、載せておけばある程度ユーザーが見つけてくれる点が強みだと話されています。
| ツール | 実装のしやすさ | 海外への届き方 |
|---|---|---|
| ココフォリア・ユドナリウムコネクト | 自分で実装しやすい | 自分でプロモーションが必要 |
| BGA | 技術力が必要(公式が作る場合も) | 載せればユーザーが見つけてくれやすい |
Manaさんはもう1つの動きとして、最近立ち上がっているオンライン試遊ツールに注目しています。どんなゲームかを軽く体験できる、体験版のようなサービスです。
食べ物であれば試食、試食ってあるじゃないですか。うん。で、音楽であれば試聴ってあると思うんですね。
ボードゲームの試遊は、その場所に行かなければならず、5分10分で合わないと思ってもすぐ次に行けないという大変さがあります。オンラインで手軽に雰囲気をつかめる試遊は、カタログを見る感覚でゲームを選べる新しい試みだとManaさんは考えています。
以前の配信では、AIで説明書を写してブラウザゲーム化することへの疑問を話していました。それに対して今の試遊サービスは、作者の許可を取り、デザインをもらって実装し、内容を確認してもらうため、品質も担保された健全な形だと区別しています。
Manaさんは、オンラインで遊んで面白ければ実物が欲しくなると考えています。オンライン版は売り上げを下げるのではなく高める要因になると期待しており、試遊ツールが業界のプロモーションの転換期になる可能性を見ています。
オンライン版は売るべきか、無料で配るべきか
Manaさんがオンラインで遊べるようにしている作品は、『ルース』『THE SCENT OF JEALOUSY』『Burst of Mana』の3つです。他の作品もオンライン化したいと考えていて、どのツールが最適かを検討している段階だといいます。
そのうえでManaさんが悩んでいるのが、オンライン版を販売するか、プロモーション用に無料で配るかという点です。
販売する場合、オンラインの無形商品なので在庫や原価がほとんどかからず、利益率は良いとされています。ただ、有料にするとすでに遊びたいと思っている人しか買わないため、せっかくオンラインなのにプレイ人口の伸びは期待しにくいといいます。
無料で配る場合は、試遊と割り切ったプロモーションになります。オンラインで面白ければオフラインでも買ってもらえるはずなので、無料提供も良い選択肢だとManaさんは考えています。
在庫や原価がほぼかからず利益率は良い。ただし遊びたい人だけが買うため、プレイ人口は伸びにくい
試遊のようにプロモーションとして割り切る。ただし無料にしてもダウンロードが増えるとは限らない
確実に有料にするとダウンロードする人が減るはそうなんですけども、無料にすると増えるかっていうとそうでもない。
Manaさんの体感では、無料で置いておくだけではほとんど遊んでもらえません。ボードゲームは30分や1時間といった時間が必要で、他のゲームや映画と可処分時間 ── 1日のうち、仕事や睡眠などを除いて自由に使える時間のこと。娯楽サービス同士がこの時間を奪い合うとよく表現されますを奪い合うことになるためです。
さらにManaさんは、無料であってもダウンロードや登録は購入活動に近く、そこ自体のハードルが高いと指摘します。その点では、ブラウザでサクッと遊べる試遊のほうが、プロモーションとしては分があると考えています。
ココフォリア版やユドナリウムコネクト版をどう扱うかは、現時点では悩んでいる最中です。Manaさんは、方針を決めたら配信で報告し、試した結果も発信していくと話しています。
まとめ
ココフォリアのSwitch 2対応は、インディーズのボードゲームが遊ばれる場を広げる可能性を持っています。一方でManaさんは、オンライン版をどう届けるかには、販売か無料か、ツール選び、プロモーションの工夫という課題が残ると話しています。
- ココフォリアのSwitch 2版では、ユーザー作品のコンテストと実装の構想も語られている
- 有志が作った『ルース』のココフォリア版は、3つの遊び方をボタンで切り替えられる
- 海外展開を考えるならBGA、自分で実装しやすいのはココフォリアやユドナリウムコネクト
- 許可を得たオンライン試遊は、実物の購入につながるプロモーションになりうる
- 無料で配るだけでは遊ばれにくく、可処分時間やダウンロードのハードルを踏まえた宣伝が必要



