J-TANはどんなプロジェクトなのか
ボードゲーム作家の育成と世界進出を支援するプロジェクト「J-TAN」が誕生しました。マナさんは「ほんとすっごいプロジェクトが出た」と、この発表を興奮気味に紹介しています。
J-TANという名前は、「Japan Tabletop Advancement Network」の略だそうです。
J-TANの狙いは、日本のボードゲームを世界に広げることです。日本では個人のクリエイターがよく頑張っている一方で、個人の力だけでは海外への情報発信や作品の普及が難しいという実情が、このプロジェクトの背景にあるといいます。
その個人の力だけですと、なかなか海外に対していろいろと情報を発信したりだとか、ボードゲームを広めていったりだとか、そういったところはなかなかできないよねっていうような、まず実情というか背景がありますと。
J-TANには、アークライトさんや、ジェリカフェを運営するピチカートデザインさんなど、ボードゲーム業界の大手が参加しているとマナさんは紹介しています。
マナさんが特に大きいと見ているのは、企業が独自に始めた取り組みではなく、国の側のバックアップが付いている点です。J-TANは文化芸術活動基盤強化基金 ── 文化芸術分野の活動基盤を強化するために設けられた国の基金。採択された事業は、人材育成などの取り組みに対して支援を受けられますに採択された事業で、採択のニュース自体は以前から出ていました。何をやるのかと思っていたところに、具体的なプロジェクトとして形になったというわけです。
セミナーから海外遠征費まで、何を支援してくれる?
J-TANの支援内容は、大きく分けて3つあります。1つ目は、アナログゲームのクリエイターに向けたセミナーです。マナさんは、作り方の解説や、すでに活躍している人の登壇があるのかもしれないと予想しています。
2つ目は海外展開の支援です。たとえばエッセン ── ドイツのエッセンで毎年開かれる世界最大級のボードゲーム見本市「SPIEL」の通称。世界中のメーカーやデザイナーが新作を発表しますは、マナさんの言葉を借りれば「ドイツのゲムマ」のようなイベントです。ただ、ドイツは日本からとても遠く、旅費も出展費用もかかります。
日本の個人クリエイターにとっては、この費用が世界に挑戦しにくい壁になってきました。J-TANでは、こうした海外渡航の費用なども支援してくれるそうです。
うーん、これ(海外渡航費の支援)めちゃめちゃすごいですよね。
3つ目は、実践的な育成プログラムです。支援をただ渡すのではなく、やり取りをしながらクリエイターをバックアップし、可能性のある日本のクリエイターを世界へ発信していくと、公式ホームページで発表されています。
育成対象はわずか20名、しかも公募制
J-TANのセミナーは年4回、春・夏・秋・冬のシーズンごとに開かれる予定です。一方で、トレーニングを含む育成プログラムの参加者はかなり絞られます。
今回選ばれる育成対象者は20名です。育成プログラムでは、プログラム終了後もクリエイターが自分の力で世界に挑戦し続けられるようになることを目指すといいます。
マナさんが注目するのは、20名が指名制ではなく公募で選ばれる点です。目立っている人に声がかかるのではなく、参加したい人が自分から応募できる仕組みになっています。
募集開始は10月14日12時からです。ゲームマーケット2026秋の会場でも説明会が開かれる予定で、マナさんは会場に行く人に話を聞いてみることを勧めています。
これ(J-TANの募集)結構殺到するんじゃないですかね。
プロモーションに悩む人や、ボードゲームの作り方を学びたい人は多くいます。費用の壁を支援してもらえるうえ、ボードゲーム作家として独り立ちできるよう「すごい人たち」が教えてくれることもあり、マナさんはJ-TANの倍率はかなり高くなると見ています。
「2年間コミットできるか」が問われる人物像
J-TANの募集要項には、特別に高いハードルがあるわけではないようです。たとえば「10年以上の制作歴」や「何万個の販売実績」といった条件は設けられていないといいます。
その代わりに、J-TANの募集要項には「求める人物像」が書かれています。マナさんの紹介によると、ポイントは大きく3つです。
コミットメント
約2年の育成期間、ボードゲームを作り続けると約束できる
グローバルな視点
海外のボードゲーム文化を吸収し、作品を世界に広めたいという強い意欲
フィードバックへの姿勢
メンターや講師からの指摘を真摯に受け止め、よい作品づくりに努める
3つ目のフィードバックへの姿勢について、マナさんは自分の経験も踏まえて補足しています。インディーズのクリエイターは、言ってしまえば好きなものを好きに作っている立場です。
チェックバックとかもらってもちょっとイラッとしちゃうみたいな、そういったクリエイターとかも意外といるんじゃないのかなと思うんですけども、そういった人たちはちょっと今回はごめんなさいみたいな、そういったところみたいです。
J-TANの育成では、メンターやセミナー講師など多くの人が関わり、辛辣な指摘を受ける可能性もあります。マナさんは、育成される側がちゃんと育成してもらうスタンスが欠かせないと強調しています。
求める人物像は数字では測れない部分です。そのためマナさんは、2年間コミットできるか、世界に発信したいと思えるか、厳しいフィードバックを受け入れられるかを、応募する人自身が見つめ直してほしいと呼びかけています。
応募資格のカギは「熱量を裏付ける実績」
J-TANの「求める人物像」が運営側の期待だとすれば、「応募資格」はそもそも応募できるかどうかの基準です。マナさんは、応募資格こそめちゃめちゃ重要だと話しています。
応募資格の冒頭には、応募者の熱量を裏付けるものとして、これまでの活動実績を重要な指標にすると書かれています。口で「世界に発信したい」と言うだけでなく、それを示す活動の実績が必要だということです。
さらにJ-TANの募集要項は、活動歴の長さだけがすべてではないと明言しています。マナさんは、この点が新人クリエイターにとってのチャンスだと受け止めています。
逆に、長く趣味の範囲で続けているだけでは、熱量を示す実績にはならないとも書かれているそうです。
長い期間、趣味の範囲で続けているだけの活動歴
短い期間でも熱量と深さを示せる活動
選ばれた後に守るべき必須要件
J-TANの応募資格には必須の要件もあります。国内セミナーへの参加、テストプレイへの参加、エッセンへの同行などに、優先的に参加することが求められます。
選ばれたのにこれらに参加しない人はNGだということです。応募の時点でどう確認するのかは、応募フォームが公表されていないため不明ですが、マナさんは誓約事項への署名のような形になるのではと推測しています。
J-TANのセミナーは受けて終わりではありません。セミナーや研修の後にはレポートの提出が求められ、学んだことを自分の中で消化してアウトプットするまでが条件になっています。
出展回数より「活動の深さ」が問われる
J-TANが見る実績としてわかりやすいのは、ゲームマーケットなどのイベントに継続的に出展し、オリジナル作品を発表していることです。ただし重視されるのは出展回数ではなく、活動の深さだそうです。
過去に何回以上出展していないと足切りされる、といった基準はないといいます。マナさんは極端な例として、ゲームマーケットに1回だけ出たクリエイターでも、深く熱量の高い活動を示せれば十分ではないかと話しています。
J-TANの選考では、作品の完成度、今後のビジョン、世界に向けたポテンシャルが総合的に判断されます。マナさんは、自己PRや過去実績の紹介を提出する必要がありそうで、応募するだけでもハードルは高いかもしれないと見ています。
それでも、熱心に活動している人にとっては「応募して損はないようなプロジェクト」だと、マナさんは評価しています。
年齢・居住地などの条件と、2年間の実施期間
J-TANには年齢制限があり、2026年10月14日時点で満18歳以上であることが条件です。マナさんは、海外に行く機会もあるためだろうと推測し、若くてすごいクリエイターも多いだけに残念な点だと触れています。
そのほかの応募条件は、日本に住んでいること、日本語でコミュニケーションできること、反社会的勢力と関わりがないことなど、当たり前とも言える内容です。定員は20名で、マナさんは何百もの応募が来るのではないかと予想しています。
J-TANのプログラムは2027年春から2029年3月までの約2年間です。内容には、エッセンへの参加や海外の専門家・関係者へのプレゼンテーションを含む海外研修、国内セミナー、テストプレイや作品のブラッシュアップへの伴走が含まれます。
マナさんが「最高」と喜ぶのは費用面です。指導、国内外のセミナーや研修、海外への渡航費まで含めて、すべて無料で受講できるといいます。
募集から合否通知までのスケジュール
J-TANの募集は10月14日12時に始まり、11月30日に締め切られます。マナさんは、約1か月半の期間があるので、しっかり準備したほうがよいとアドバイスしています。
選考は書類審査がメインで、ポートフォリオや志願理由などをもとに20名程度が決まります。審査結果は翌年1月下旬ごろにメールで届く予定です。
マナさんは補足として、J-TANの実行委員会にはアークライトさん、ピチカートデザインさんに加えてイエローサブマリンさんも参加していると紹介しています。主催は文化庁、独立行政法人日本芸術文化振興会、株式会社アークライトです。
マナさんがJ-TANに応募したい理由
マナさんは、J-TANで活躍できるようになれば今後のボードゲーム活動に大きなプラスになると考え、自分も応募したいと話しています。
熱量だけならですね、なかなかあると思うんですよ。
マナさんの根拠は情報発信の量と深さです。ボードゲームの紹介ではなく、ボードゲームをどう作り、どう広めるかという考察や探求をここまで発信している人は少ないのではないかと話し、制作した作品の数も増えてきたといいます。
一方で、マナさんは自身の懸念も率直に挙げています。制作歴はそれほど長くなく、イベントはゲームマーケットにしか出ておらず、交流会にもあまり参加できていないため、リアルな人脈は意外と少ないそうです。
その分(オフラインの活動が)できないからこそ、オンラインでなんとかしたいなっていうふうに思って、Xであったりだとか、noteであったりだとか、ポッドキャストであったりだとか、
この姿勢は、J-TANが「長さよりも活動の深さ」を見ると明言している点と重なります。マナさんは、自分の考察や活動の深さには手応えがあると考えているようです。
学びを共有して業界全体を盛り上げたい
もしJ-TANに選ばれれば、マナさんにとってはスリリングで「超楽しみな二年間」になるはずだといいます。そこで得た気づきや経験は、ポッドキャストやnote、Xでどんどん共有していきたいと話しています。
マナさんがJ-TANでの学びを共有したい理由は、選ばれた一部のクリエイターだけが成長しても、日本のボードゲーム業界全体が盛り上がるわけではないと考えているからです。
マナさんは、日本のボードゲーム業界全体の底上げに自分も一役買いたいと語ります。J-TANの件で進展があれば番組で報告するとして、エピソードを締めくくりました。
まとめ
J-TANは、国の基金に採択された、日本のボードゲーム作家を世界へ送り出すための育成プログラムです。費用面の手厚い支援と引き換えに、2年間のコミットメントと、熱量を裏付ける活動実績が求められます。
- J-TANは文化芸術活動基盤強化基金に採択され、アークライトなどが関わるボードゲーム作家の育成プロジェクト
- セミナー、エッセンなどの海外研修、作品のブラッシュアップ伴走を、渡航費も含めて無料で受けられる
- 育成対象は公募で選ばれる20名で、募集は10月14日12時から11月30日まで
- 選考では活動歴の長さより熱量と活動の深さが重視され、新人クリエイターにもチャンスがある
- マナさんは自ら応募したいと考え、得た学びを発信して業界全体の底上げにつなげたいと語った



