100万人に1人は「覇王色」並みの希少さなのか?
サエキタカフミさんは現在35歳と半年です。転職市場では35歳でひとつのラインが引かれることもあり、サエキさんはこれまでの歩みとこれからやりたいことをよく考えるといいます。
そんなときにサエキさんが出会い、教訓になっているのが、100万人に1人の人材になる方法を説いた本です。著者は藤原一裕さんで、リクルート出身で現在は校長先生をされている方だったと記憶している、とサエキさんは紹介しています。
100万人に1人と聞くと、とても稀な存在に思えます。サエキさんは漫画『ワンピース』の覇王色の覇気になぞらえ、それくらいの希少性だと受け取る人が多いのではないかと話します。
ワンピースでもね、覇王色の覇気を持つ人物は何百万人に1人だみたいに言ってるんで、まあ覇王色持ち人材ぐらいの希少性だと思えばいいのかなって思うんですけど。
ところが、0の数を分解すると見え方が変わります。100万分の1は、100分の1を3回掛け合わせた数です。
本の主張は、100人に1人の何かを3つ持ち、それを掛け算することで100万人に1人になれるというものです。
サエキさんが注意点として挙げるのは、足し算では意味がないということです。100分の1を3つ足しても100分の3にしかならず、強み同士が掛け算になる組み合わせでなければいけないと話しています。
100分の1は5年で手に入る
では、100分の1の強みを1つ身につけるにはどうすればよいのか。サエキさんによると、本では基本的に1万時間ほどかけよと言われていて、ある業務に1万時間を費やせば100人の中で突出できるという考え方です。
サエキさんは何度か計算を言い直しながら、1万時間を会社の仕事に置き換えて分解していきます。
1万時間
100人に1人になるための目安
1日8時間
会社の仕事で費やす時間
年250日
1年間の稼働日数
約5年
1つの仕事で100分の1になる期間
つまり、1つの仕事を5年間続ければ、その仕事ではおおよそ100分の1の存在になっているという計算です。サエキさんは、1つの会社や1つの部門に5年勤めることは珍しくないと指摘します。
まあちょっとこう、覇王色じゃないやんって思えてくると思うんです、ちょっとずつ。
サエキさん自身が大事にしているのは、「1番」のハードルを勝手に上げないことです。会社で1番やSNSで1番を目指そうとすると苦しくなりますが、自分の周囲の100人の中で1番であれば、第一ステップはクリアできているといいます。
たとえば顔のカッコよさをSNSで競っても仕方がありません。サエキさんは、さまざまな母集団の100人を思い浮かべ、その中で勝てているものを3つ見つければよいと話します。
いや3つもないわいってなる場合もあると思うんですけど、あるんです、絶対これが。
サエキさんは、強み探しは見つけられるかどうかの勝負であり、自分には必ずあると極めてポジティブに信じて探すしかない、と考えています。
3つの強みは三角形の頂点として打つ
サエキさんがもう1つ「なるほど」と感じたのは、本の中で3つの強みの選び方が三角形の面積で説明されている点です。三角形の面積は底辺×高さ÷2なので、底辺からどれだけ高さを稼げるかで大きさが決まります。
1点目の強みはどこに打ってもかまいません。2点目は1点目とともに底辺になるので、離れているほうが良いものの、近すぎると1点と変わらなくなるため、少しだけ離れたところに打てばよいといいます。
で、やっぱ3点目こそは高くないと意味がないんですよね。
1点打つのに5年かかるとすれば、点を打つ時期は会社員としての年数と重なります。サエキさんは、この流れを会社員人生に当てはめて説明しています。
会社員10年目は、ちょうど今のサエキさんの立ち位置です。サエキさんは、3点目をどこに打つかがまさに自分たちの世代に問われていると話します。
そして本の著者は、3点目は意図的に離すべきだと書いている、とサエキさんは理解しています。サエキさん自身が3点目をどう打とうとしているかは、後編で語られる予定です。
自分を測る物差しは自分で選んでいい
前編でサエキさんが伝えたかったのは、100人に1人というハードルをもっと楽観視していいということです。1つの仕事を5年続ければ自然と身につくレベルのものでもある、とサエキさんは話します。
楽観視できる理由として、サエキさんは別の考え方も紹介します。同じ土地に生まれ、同じ小学校・中学校・高校を出て、今も同じ仕事をしている人は基本的にいません。
自分の生きてきた人生全てをこう棚卸ししてみると、その掛け算をしたら100分の1ぐらい絶対クリアできるんですよ。
狭い領域で1位を目指すとライバルが多くなります。サエキさんは、自分を評価する物差しは自分で選んでよく、仕事上の強みでなくてもかまわないと話します。
(専業主婦の方が)ご飯作るのマジ早いつっみたいな、全然それ本当に才能じゃないですか。
サエキさんは「長所」と言うと大がかりになるため、誰かと競わなくても自然と身についている「持ち味」として捉えます。その持ち味が社会的な強みと認識されるかどうかは、それを求める人とのマッチングでしかないといいます。
キャリアに悩む人ややりたいことがわからない人に向けて、サエキさんは、持ち味はすでに自分の中にあるはずだと語ります。生まれたときから遡り、ハードルを高く持たずに考えてみることが突破口になるかもしれない、というのが前編の結びです。
まとめ
100万人に1人の人材は、100分の1の強みを3つ掛け算すれば到達できる、というのが前編の要点です。サエキタカフミさんは、1つの強みは5年ほどで身につき、自分の人生そのものにも希少性があるとして、強み探しを楽観的に捉えるよう呼びかけています。
- 100万分の1は100分の1の3乗で、強みは足し算ではなく掛け算にする必要がある
- 1万時間は1日8時間×年250日で約5年にあたり、1つの仕事を5年続ければ100分の1に近づく
- 3つの強みは三角形のように打ち、3点目は意図的に離して高さを出す
- 周囲100人の中での1番でよく、自分を測る物差しは仕事以外でも自分で選んでいい






