関西で活躍するMIKIHOが再登場、テーマは「一人で10分踊れますか?」
番組MCのPUNCHしょーへーさんが、第23回のゲストに前回に続きダンサーのMIKIHOさんを迎えます。今回は喋場cueの主催イベントに関わる「踊り場cue編」の後編という位置づけです。
前回の冒頭は二人とも緊張していたと振り返りつつ、今回はほぐれてテンポよく話せそうだと切り出します。
前回のこの冒頭、めっちゃ緊張してましたよね、僕ら。
めっちゃ緊張しました。
この回のメインテーマは「一人で10分踊れますか?ソロダンス公演とTENに込めた思い」です。TENは、一人10分のソロを並べる公演イベントで、MIKIHOさんとPUNCHしょーへーさんが企画し、昨年第1回を開催しました。
そのTENの前段階として、MIKIHOさんが元々続けてきたソロダンス公演があります。まずはその話から掘り下げていきます。
一人で1時間、10曲以上を踊るソロダンス公演の中身
MIKIHOさんのソロダンス公演は、休憩を入れながらではあるものの、1公演でおよそ1時間に及びます。演目は毎回10曲以上を一人で踊るといいます。
演目としてなんか何個ぐらいとか決めてるんですか?そのプログラム的には。
でもいつも10曲以上は踊ります。
PUNCHしょーへーさんは、このTENのきっかけがMIKIHOさんのソロ公演を見に行った体験だったと語ります。距離が近く、ストーリー性のある雰囲気とダンスの美しさに浸ってしまったといいます。
(MIKIHOさんの)ソロダンス公演、見に行かせてもらった時に、めちゃめちゃ良くて。なんか浸っちゃったんですよね、僕も。あの空間に。
コロナ禍で始めたソロ公演、きっかけは憧れのダンサーの舞台
MIKIHOさんがソロダンス公演を始めたのはコロナ禍でした。何が何でもやりたいと思っていたことを実現しようと動いたのが最初だといいます。
やりたいと思うようになったきっかけは、原田薫さんのソロ公演を見た体験でした。大好きなダンサーを1時間見られる贅沢さに感動したと語ります。
自分の大好きなダンサーを1時間見れるなんて、なんて贅沢なんだって思ったんです。
イベントのショーケースでは、憧れのダンサーも5分や3分で捌けてしまいます。同じくらいのチケット代なら、1時間見られるほうが絶対にいいと感じたことが始まりでした。
同じぐらいのチケット代払って1時間見れるなら絶対そっちの方がいいって思ったのがきっかけで、自分もそういうダンサーになりたいし。
自分を好きでいてくれる人にとっても、3分より1時間のほうがチケット代を払う甲斐があるだろう、という思いもあったといいます。第1回はコロナ最後の年ごろ、2022年頃の開催でした。
それこそ何もなくなって、時間ができた分、新しいことをやる方向に脳みそが動いてできました。
何もなくなって時間ができたからこそ、新しいことへ向かえたとMIKIHOさんは振り返ります。PUNCHしょーへーさんは、走り続けていた人が立ち止まったときにやりたいことへ行き着く感覚として、これに共感を示します。
主催公演は6回、一人で作品を作り続ける孤独と不安
MIKIHOさんのソロ公演はこれまで4回、デュオや4人公演も含めると主催で6回ほどになります。運営はイケちゃんという人と二人体制が基本で、スタッフを合わせて6人ほどでやってきたといいます。
踊るのは基本的に一人ですが、続ける中でのつらさもはっきりあると語ります。
どんなとこがやっぱ大変ですか?そのソロ公演は。
一人で1時間の作品を作り続けるのがやっぱ寂しいですね。
作品が生まれないときは苦しく、本当に一人だけの舞台を見に来てもらっていいのか、という不安もあるといいます。それでもやろうと思えるからこそ続けられていると話します。
寂しいし孤独やし、なんか生まれない時は苦しいし。あとほんまに(一人だけの舞台を)一人だけ見に来ていいの?みんな。みたいな。
モダンコンテンポラリージャズに、浸れる空間をつくる場を
MIKIHOさんは、自身の専門であるモダンコンテンポラリージャズダンスの領域では、競い合うよりもクリエイティブに自分のダンスを生み出して表現するのが好きな人が多いと感じています。
競い合うっていうことよりかは、クリエイティブに自分のダンスをこう生み出して表現してが好きな子が多いんじゃないかな。
大阪ではコンテスト文化が根づいており、技術を磨く場としては大事だとMIKIHOさんも語ります。一方で、観客に浸ってもらう空間を生み出したいダンサーには、発信できる場が少ないといいます。
そうしたダンサーがつまずくのが、スタッフを探す、人とつながる、会場を押さえるといった、公演を成立させるやり方がわからないという壁です。
スタッフさん探したりとか、つながったりとか、会場を押さえたりとかのやり方がまずわかんないみたいな。
その第一歩となる公演をつくりたい。その意味でTENはとてもいいと考えていると語ります。
一人10分という形が生む、ちょうどいいバランスと集中
第1回を見たPUNCHしょーへーさんは、コンテストやバトルに出たことはないが挑戦したかった、というダンサーからの声が多かったと語ります。同じ関西のダンスシーンにいながら異なる目線に触れ、新鮮な発見があったといいます。
MIKIHOさんは、若手にとって最も大きい壁は集客だと指摘します。どう告知するか、自分の舞台を「見に来てほしい」と言えるかどうかが、若いころほど難しいといいます。
(TENだと)一人じゃないじゃないですか。でも舞台としての形式と長尺とっていうので、ちょうどいいバランスかな。
PUNCHしょーへーさんは、一人10分を横に並べると約100分になり、見る側が疲れるのではと当初は心配したと明かします。しかし実際は全く飽きず、一瞬で終わったといいます。
一人10分の熱量が多分ちょうど、ぎゅっと凝縮されてるから、一番集中して見れる時間。また次の10分にはまた別の世界が待ってるんで。
一人で公演を打つのに比べ、TENなら過度なプレッシャーを感じずに一歩を踏み出せる、とMIKIHOさんは言い添えます。
会場やスタッフを一人で手配し、集客のプレッシャーもすべて背負う。ハードルが高い
一人10分・舞台形式で、複数のダンサーが出演。手の届く範囲の集客で第一歩を踏み出せる
スタジオでの手作りから舞台へ、環境を整える意味
MIKIHOさんは、本当にやりたければダンススタジオを借り、照明1本で友人と公演を作るところから始めても構わないと語ります。モダンやコンテンポラリーではそうした始め方をする人も多いといいます。
せっかくやるなら、こういうね、ちゃんと照明があるところでできた方がもっと楽しいとは思う。
PUNCHしょーへーさんは、会場にはムービングライトも照明の数も十分あり、音の低音もしっかり出ると説明します。一人で踊る環境として、良いものを提供できているといいます。
TENを開催して、自分自身にもまだできることがあると気合が入り、出演者から力をもらったイベントだったとPUNCHしょーへーさんは振り返ります。
若い時、私が若い時にあったらいいな。
MIKIHOさんは、自分が若いころにあったらよかったと思うことを、これからもっとやっていきたいと語ります。PUNCHしょーへーさんは、その時々にできることを次の世代へバトンとしてつないでいくことにダンサーの歴史があると受け止めます。
関東・横浜へ、腰を抜かす審査員2人を迎える第2回
今年は第2回として、まず関西で開催し、さらに初の試みとして関東・横浜での開催に踏み出します。PUNCHしょーへーさんは、蓋を開けてみないとわからないとしつつ期待を語ります。
関東開催の審査員について、MIKIHOさんは自身も主催側として加わりつつ、松田奈緒子さんと上野陽さんに依頼できたことを明かします。
多分皆さん聞いたら腰を抜かすと思います。
MIKIHOさんは松田奈緒子さんについて、WORLDVIEWというADHIPさんが手がけるジャズダンスのイベントで見て衝撃を受けたと語ります。小柄ながら太い芯を持ち、大きな舞台のように踊る姿がかっこよすぎて鳥肌が立ったといいます。
芯がその体からはみ出るんじゃないかぐらい太い芯を持ってはって。
上野陽さんについては、ジャズセンセーションのジャッジで一緒になった経験を挙げ、力強さと色気、要所で印象に残るシルエットを持つダンサーだと語ります。特に肘の質感が好きだといいます。
力強さと、あと私の大好きな色気がある。要所要所で、すごい印象に残るシルエットをお持ちの方。
肘の話に、ロックダンスを踊るPUNCHしょーへーさんも反応します。腕は肘から出さないとカクッと見えてしまうため、肘を意識することが大事だといい、ジャンルを超えて共感を示します。
ロックダンスもめっちゃ肘大事で。肘から出さないと本当なんかタヌキみたいになっちゃうんですよ。
関東開催の狙いは、関西のダンサーに贅沢な舞台を届けること
PUNCHしょーへーさんは、関東開催を通じてまだ関西中心だったTENを知ってもらいたいと語ります。関東のダンサーがどんな踊りを見せてくれるか、そのワクワクは大きいといいます。
一方でMIKIHOさんは、関西のダンサーにも関東へ出て踊ってほしいと語ります。松田奈緒子さんと上野陽さんが審査員を務める舞台でソロを踊れることは、さらに贅沢だといいます。
新しい環境でさらに動いていくっていう一歩を踏み出す、また新しいきっかけになるんじゃないかなと思ってます。
照明は、番組にも登場したH2さんが関東にも同行します。TENを知り尽くしたスタッフがいることで、初めての場所で踊るダンサーも信頼して挑戦できるとPUNCHしょーへーさんは語ります。
性格も背景も違う二人が、共通する下地でイベントを作る面白さ
PUNCHしょーへーさんとMIKIHOさんは、まだ開催前の段階から、翌年はフェスのような形をやりたいといった話を続けているといいます。
パンチくんとこんなに一緒にイベントをするとは思ってなかった。
MIKIHOさんは、全く違う環境でやってきたからこそ、理解し合えないところを面白く理解しようとし合える感覚が楽しいと語ります。
全然違う環境でこうやってきたからこそ、この理解し合えないところをこう面白く理解しようとし合えてる感が楽しいなと。
PUNCHしょーへーさんは、当時のダンスシーンの下地で見てきた景色に共通項があるからこそ、性格や考え方が違ってもイベントを一緒に運営できていると語ります。違うからこそ新しい視点や、今までにない形が生み出せそうだといいます。
九州にも広がる可能性、TENを全国でやりたい
PUNCHしょーへーさんは、来年は九州でも開催できるかもしれないと、まだ確定していない構想を語ります。前回のTENの映像を送ったことがきっかけで、九州のイベンターと話す機会があったといいます。
そのイベンターもソロダンスの魅力にハマっており、意気投合したと明かします。会場を共同で使う形など、自分たちの拠点でない場所でもイベントを生み出せそうな感触があるといいます。
このTENはもうでも自信持って全国でやりたいと僕はやっぱ思ってるんで。
TENであれば、チームや会場を用意しなくても、自分の身と10分の作品を引っ提げて足を運べば、その地域の人に自分のダンスを届けられます。PUNCHしょーへーさんは自分の身と10分間の作品を引っ提げて、いろんなところに足さえ運べれば、その地域の人に自分のダンスを届けることができる点に夢を感じると語ります。
しかもその地域の方と出会えて。
TENでは年齢も垣根も超えて、一緒に公演をやった仲間になれる。それがいつもいいと思うとMIKIHOさんは語ります。
出演ダンサーへ、贅沢な10分間を思いきり楽しんでほしい
最後に、PUNCHしょーへーさんはTENに出るダンサーへ一言をMIKIHOさんに求めます。
贅沢なね、10分間になるかなとは思うので、今自分がやりたいことを思いっきり楽しんでもらえたらな。
さらにMIKIHOさんは、TENの後の広がりについても語ります。自分でソロ公演をする、出会った仲間と公演する、デュオ部門に出る、コンテストにつなげるなど、何でもできるといいます。
またもしね、誰か新しい人と出会ってデュオしたいってなったら、次デュオ部門出てくれたりね。それも楽しいし、コンテストにつながってもいいし。
PUNCHしょーへーさんは、一人10分という一歩は決断のいる勇気ある一歩だとしたうえで、その先にはいろんな世界が待っていると語り、やって良かったと思えるイベントを一緒に作っていきたいと締めくくります。
まとめ
この回は、MIKIHOさんのソロダンス公演の歩みと、そこから生まれた一人10分の公演イベントTENの狙いを軸に語られました。競うのではなく、自分の表現を舞台で届けたいダンサーにとっての第一歩として、TENの意味が浮かび上がる回です。
- MIKIHOさんは憧れのダンサーの1時間のソロ公演に感動し、コロナ禍で自身のソロ公演を始めた
- 一人で作品を作り続ける孤独や不安を抱えながらも、それでもやろうと思えるから続けている
- TENは一人10分・舞台形式で、集客のプレッシャーを抑えつつ公演に挑戦できるちょうどいいバランスの場
- 第2回は関西に加え関東・横浜で開催し、審査員に松田奈緒子さんと上野陽さんを迎える
- 自分の身と10分の作品があれば各地に届けられる形として、全国への広がりも構想されている




