なぜ今、Yahoo!知恵袋に回答するのか
ハイエナさんは育休を1年以上取得している父親で、普段から育児にまつわる小ネタをポッドキャストやnoteで発信しています。最近は、Yahoo!知恵袋の質問にがっつり考えて回答する取り組みを続けているそうです。
ハイエナさんが知恵袋を使うのは、10年ぶりくらいのことでした。久しぶりに使ってみて、いいサービスだと感じ始めたといいます。
なんか疑問点があって。でもTwitterとかだとよくわからない人がいっぱい湧くっていう中で、知恵袋は(質問に対して)みんな真剣に答えようとしているっていうのがあるのでね。
ハイエナさんの回答は、実際にベストアンサーに選ばれることが増えています。エピソード説明によれば、結果が出た6本のうち4本がベストアンサーでした。質問者が何に悩んでいるのかを考えながら答えると、感謝もされるといいます。
情報発信をする立場から見ても、知恵袋には利点があるとハイエナさんは話します。少なくともN1 ── マーケティング用語で「1人の具体的な顧客」を指す言葉。架空の平均像ではなく、実在する1人の悩みから考える姿勢を表します、つまり最初のユーザーがいる状態から発信を始められるからです。
里帰り出産か、夫の育休か
1つ目の質問は、出産を控えた女性からのものです。ハイエナさんは質問の内容を要約して紹介しました。
相談の要旨: 出産前に実家のすぐそばへ引っ越す予定。1ヶ月間里帰り出産をしてその後に夫が育休を取るか、里帰りせず近所の親に通ってもらい、その後に夫が育休を取るか、どちらがいいか。
ハイエナさん自身は里帰りの経験があまりないとしつつ、まず実家のサポートを得られること自体が「めっちゃ羨ましい」と話します。産前産後の女性はホルモン変化で体が弱り、見知らぬ人に会うこと自体がストレスになりやすいからです。
産後ケアホテルとかあるんですけど、うちの妻はね、それすら拒絶するぐらいに人に会うの嫌がっていたので、実家のサポートを得られるっていうのはめちゃくちゃ羨ましいです。
この質問者のケースでは、夫の育休が始まるのは出産後2ヶ月目ごろからです。ハイエナさんは、夫が仕事をしながら新生児のいる家で暮らすのは大変だと考え、個人的には里帰り出産のほうがよいのではないかと答えました。
ハイエナさんが考える里帰りの形は、夫が最初の1ヶ月は自分の料理や身の回りの世話を全部自分でこなし、育休に入ってから徐々に赤ちゃんを迎え入れるというものです。そのほうが夫婦双方のストレスは少ないのではないか、という見立てです。
ただし、ハイエナさんは里帰り出産には2つのリスクがあると付け加えます。
(1つ目は)奥様自身がそれを許せるかどうかですね。自分が大変だった時期に何もしてくれなかったじゃないかっていうのを言わない自信があるんだったら、僕は里帰り出産がいいと思います。
もう1つのリスクは、夫が新生児期の赤ちゃんと過ごす時間を失うことです。新生児と呼ばれるのは生まれてから1ヶ月だけで、それ以降は乳児になります。仕事でほとんど家にいなくても、その1ヶ月を一緒に過ごしたいなら、里帰りせず親に手伝ってもらうほうがよいとハイエナさんは話します。
2つの選択肢の判断の軸を整理すると、次のようになります。
夫婦双方のストレスが少ない。後で妻が「何もしてくれなかった」と言わない自信があるなら、こちらがおすすめ
妻が後で不満を言ってしまう可能性がある場合や、夫が新生児期の1ヶ月を一緒に過ごしたい場合に向く
最終的にハイエナさんは、個人的には里帰り出産がよい気がするとしたうえで、あくまで一意見だと締めくくりました。
ズボラな父が「もう無理」と言われたら?
2つ目の質問は、29歳の父親からです。ハイエナさんは「これは重いですね」と言いながら読み上げました。
相談の要旨: 生後2ヶ月の子どもがいて、夜は妻と交代で面倒を見ている。ティッシュカバーを捨ててしまったのをきっかけに、家事の細かなところを指摘され、日頃の不満をぶつけられて「もう無理」と言われた。ズボラな性格を直したい。
ハイエナさんは、この相談者と自分は「全く一緒」だと話します。ハイエナさん自身もかなりのズボラだといいます。
洗濯物もたためないし、後片付けもできないし、ゴミも捨てれないんですよね。
そんなハイエナさんが必須だと考えているのが、家事代行の活用です。根拠として紹介したのが、ヨッピーさんの著書『育児ハック』に書かれていた考え方でした。
育児っていうのは実を言うとベースに家事ってのがあって、そこに乗っかってるオプションなんですよ。
『育児ハック』によれば、家事の負担を0に近づけていけば育児は実は簡単で、家事をしながら育児をしようとするから大変になるといいます。だからこそハイエナさんは、家事の負担そのものを減らすサービスを、お金が多少かかってもどんどん使うのがよいと考えています。
ペーパータオル、ロボット掃除機、同じ靴下を何足も
ハイエナさんは、相談者の妻が指摘した不満を1つずつ取り上げ、性格ではなく仕組みで解決する案を出していきます。
ティッシュカバーの件については「逆転の発想」を提案しました。布のポケットティッシュカバーは家事を増やすので、そもそも減らしてはどうか、という考え方です。家事のコンサルのような人を呼んで、家全体を見直してもらうのもよいのではないかと話します。
雨の日の玄関や水回りの汚れには、汚れがつきにくくなるコーティング処理があるといいます。ハイエナさんの家でも、引っ越し前に清掃業者に水回りをコーティングしてもらい、頻繁に掃除しなくてもよくなったそうです。
ハイエナさんの靴下の話は、とくに具体的です。以前はユニクロの同じ靴下を10足買い、丸まっていても気にせず入れればいい形にしていました。さらに自分の靴下だけを洗濯ネットに入れ、乾燥機にかけたらネットごと持っていく運用にしていたといいます。
今は私[[ベアフットシューズ]]にハマってるんで、5本指ソックス履いてることが多いので、ちょっと(その)作戦が使えなくなったんですけどね。
妻の不満と、ハイエナさんが挙げた解決策を並べると次のとおりです。
| 妻の不満 | 解決策 | 方法 |
|---|---|---|
| 布のティッシュカバーの扱い | 家事を増やす物を減らす | 家事のコンサルなどに見直してもらう |
| 玄関や水回りの汚れ | 汚れにくくする | 清掃業者のコーティング処理 |
| 洗面所やトイレのタオルが交換されない | タオル自体をやめる | ペーパータオルに変える |
| 髪の毛が落ちている | 自動化する | モップ付きロボット掃除機を回しっぱなしにする |
| 靴下の脱ぎ方 | 管理をなくす | 同じ靴下を複数買い、洗濯ネットごと運用 |
| 枕カバーやスポンジを交換しない | 外に任せる | 家事代行に頼む |
ハイエナさんは、妻が怒っていることのいくつかは、自動化や便利な道具、アウトソースで解決できると見ています。男性はこれまで家事に真剣に向き合ってこなかったのではないか、自分も完全にそうだった、とも話します。
ハイエナさん自身は、コンサル時代はほぼすべての家事を家事代行に任せていました。ところが結婚後、妻から「家に知らない人を入れたくない」と言われ、そこから交渉が始まったそうです。
費用はできれば夫が出してほしい、とハイエナさんは付け加えます。お金を出しているからいいだろうと考えてしまうセルフライセンス ── よい行いをしたことを理由に、自分に甘くすることを許してしまう心理傾向。「自己許可」とも呼ばれますのマイナス面はあるものの、お金を出すことで汚すのを控えるようになる場合もあるからです。
掃除を1か所忘れて、妻が部屋に籠った
3つ目の質問は、31歳の父親からです。
相談の要旨: 生後1ヶ月の子どもがいる。掃除を1か所忘れて妻が不機嫌になり、ドアをバタンと閉めて部屋にこもり、口をきいてくれない。今後どうしたらいいか。
ハイエナさんは、いわゆるガルガル期 ── 産後の母親が、ホルモンの変化などから周囲に対して攻撃的・神経質になりやすい時期を指す俗語。医学用語ではありませんなのかもしれないとしつつ、妊娠から出産直後までの女性は神経質になる時期があるものなので、一回一回に一喜一憂しなくてよいと答えます。
部屋にこもってしまった妻への対応について、ハイエナさんの答えは「放置しておくしかない」というものでした。ハイエナさんの家でも同じことは何度もあったといいます。
幸いやっぱり子供が泣くので、そうするとね、授乳だったりミルクあげたりっていうことをやらないといけないので、(妻とは)子供が泣いたらそこで初めてなんか分かるかなっていう感じですね。
今後どうすべきかについては、育休中なら育児に専念すること、仕事もしているなら仕事と育児に専念すること、とハイエナさんは答えます。赤ちゃんは3時間に1回起きるので、それをこなしていれば妻が部屋にこもっていることも気にならなくなるのではないか、という見方です。
この相談者の妻は完璧主義だという話もあったため、ハイエナさんはここでも『育児ハック』を勧めました。生活のベースにある家事をシンプルにする話し合いは、落ち着いてからでよいといいます。
優先順位は、子供、妻、自分
ハイエナさんは、産後の妻とぎくしゃくしたときこそ、優先順位を明確にしておきたいと話します。
妻の機嫌を直す方法としては、食事を作っておく、美味しいおやつを通販で買うといった、小さな行動で十分ではないかといいます。こうした時期は大体3ヶ月で収まるので、後で笑い話にできるように頑張るしかない、とハイエナさんは話します。
さらにハイエナさんは、1か所のミスで怒られたように見えても、そもそも怒りたい気持ちが先にあり、たまたまそこを見つけた可能性もあると指摘します。男性にもむしゃくしゃしているときに何かされると怒りやすいことはあるので、とにかく考えすぎないのがいいというのがハイエナさんの結論です。
ハイエナさんは今後もnote、Twitter、知恵袋で、育児やキャリアの悩みに答えながら発信を続けるとして、この回を締めくくりました。
まとめ
今回ハイエナさんが答えた3つの質問に共通するのは、気合いや性格に頼らず、判断の軸と仕組みで乗り切るという考え方です。
- 里帰り出産は、妻が後で「何もしてくれなかった」と言わずにいられるなら、夫婦双方のストレスが少ない選択肢
- 育児の土台には家事があり、家事の負担を減らせば育児は楽になる
- ズボラは性格を直すより、ペーパータオルやロボット掃除機、家事代行など仕組みと道具とお金で解決する
- 産後の妻との衝突は一喜一憂せず、子供、妻、自分の優先順位で動く





