初めての休みと、ストックを作らない理由
あずまさんの「もくもくもく脳ラジオ」は、前回まで13回休まず更新してきましたが、先週初めてお休みをしました。舌が腫れ、扁桃炎の延長のような症状でうまく喋れなかったためで、今はすっかり元気になったそうです。
連続更新が止まったことを、あずまさんは少し残念に思いつつも「致し方ない」と受け止めました。こういうときのためにストックを作っておくべきかとも考えましたが、まだピンと来ていないといいます。
毎週毎週台本を決めてるんですね。その台本を決める作業をする営みの中で、あ、今自分こういうこと話したいんだなとか、こういうこと興味あるんだなっていうことに気づける時間でもあったんで。
あずまさんにとって、毎週の台本作りは自分の関心を知る時間でもあります。ストックを作るとそのテンポ感が変わるため、あえて作っていなかったのだそうです。自分で選んだことだから「しゃあなし」と思えた、と話しています。
毎日noteを4週間、周りの挑戦を見て抱えていた後ろめたさ
本題は、文章プラットフォームのnoteで毎日更新を4週間続けた振り返りです。noteでも週ごとの振り返りは書いてきましたが、書ききれなかったことを声で残し、何より自分の振り返りのために話しておきたいといいます。
あずまさんはnoteのアカウント自体は以前から持っていたものの、更新は1年に数回ほどでした。それを毎日書いていこうと始めたのが今回の挑戦です。
きっかけの背景には周囲の存在がありました。あずまさんが関わるパーソナル編集者の受講者や編集者仲間が、7月1日や8月1日といった月初に次々と挑戦を宣言し、30日連続で書き上げていたのです。
みんなしかもそこでちゃんと30日とかね、連続で書いていって、アウトプットしていって、すごい、うわ、こんなん自分にできるわけないやっていう風に思ってたんですけど。
あずまさんは、できていない自分へのコンプレックスや後ろめたさも正直あったと振り返ります。いつかはやりたいと思いながら、一方でできる気がしないという気持ちもずっと抱えていました。
本当のきっかけは、自分の時間を無駄にした苛立ち
あずまさんはnoteの1本目で、毎日noteは「直感でやるべきだと思った」と書いていました。ところが後からふと思い出した本当のきっかけは、自分の時間を大事にしなければと痛感した出来事だったといいます。
自分が自分の時間を無駄にしてしまっている事実への結構苛立ちとか憤りみたいなものがすごい自分の中で生まれてきて、あ、なんでこんな時間無駄にしちゃったんだろうっていうのをすごい思って。
その苛立ちは人と話していて感じたもので、相手が悪いわけではなく、生活や仕事の中で積み重なってきた自分自身の問題だった、とあずまさんは強調しています。心の中に重たいものとして引っかかっていたそうです。
そこであずまさんは、日々あったことを書き残せば、悲しみや苛立ちを払拭できるのではないかとハッと思いつきます。30日は無理かもしれないので、せめて1週間だけ毎日書こうと決めて始めました。
1週間はやってみると意外にあっという間でした。エッセイを7本書くと考えるとハードルが高いため、日記でも短い文章でも書けばOKというルールにしたことで、気楽に書き進められたといいます。
30日は長い。1週間ずつ区切る短距離走なら続く
結果としてあずまさんは、7日間×4の28日間、つまり4週間書き続けました。この収録の時点でも、書くこと自体は続いています。
4週間を終えて改めて気づいたのは、短距離走なら続くということでした。30日間毎日と考えると、ゴールが遠すぎてしんどいのだそうです。
30日って長くない?長いなと思って。
あずまさんがとったのは、期間を短く区切って延長していく方法です。
まず1週間
とりあえず1週間だけ毎日書いてみる
もう1週間
まだできそうなら、もう1週間やってみる
さらに1週間
それでもいけそうなら、また1週間続ける
結果
気づけば4週間・28日間書き続けていた
あずまさんは、自分は長距離走型だと飽きて続かないタイプであり、これまで続かなかったのもそのせいかもしれない、と振り返っています。
「渾身のCDシングル」から、自分のために書く文章へ
毎日noteを続けたことで、発信のハードルも下がっていきました。あずまさんは人のnoteをサポートする仕事をしながら、個人のnoteは年に1〜2本しか出していなかったといいます。
個人の発信は、しずかなインターネット ── 日記やエッセイなどを静かに書くことを重視した文章投稿サービス。いいねや数字を競う要素が控えめな設計が特徴ですという別のサービスでコツコツ書いていました。あずまさんにとってそこは、人に読まれにくいクローズドな「実家のような安心感」の場所です。
一方のnoteは人が多く、ふとした時に目に触れる可能性もあるため、ちゃんと作らなければと身構えていたそうです。
もう本当にシングルのCD一曲出すみたいな。渾身の一本っていう感じで結構出してたんですけど、毎日noteをやる中で、そんなん毎日やっぱやってられないんですよね。
毎日書くとなれば、文章が短い日も、こだわらないものを出す日も出てきます。それを繰り返すうちに気が楽になり、誰かに読まれるためというより自分のために書く感覚になっていったといいます。
年に1〜2本、CDシングルのような渾身の一本として出す
短くてもこだわらなくてもいいから、自分のために毎日出す
文章が暗い?素で書いて筆が速くなった
毎日書く中であずまさんが気づいたのは、「自分の文章、暗いんじゃないか」ということでした。
ポッドキャストでは頭の中を垂れ流すコンセプトとはいえ、聞き手がわかりやすいように台本を組んで話しています。そのためラジオでのあずまさんは、素ではあるものの、比較的元気な、対人向けの姿だといいます。
一方で毎日noteは、続けるために一番書きやすい形を追求するうちに、内側へ内側へ潜っていく文章になりました。頭に浮かんだことをそのままキーボードで打ち込むと、文章が暗くなったそうです。
それでもいいやって思えたから、こうやって出し続けることもできたし、また次少し力を入れた文章を書こう、渾身のnote作ろうと思った時にも、素に近いテンションで、ナチュラルに書こうって思えるから。
あずまさんは、力を入れた文章を書くときも素に近いテンションで書けるようになり、前より筆が速くなったと話します。毎日noteを続けた効能として大きかったと振り返っています。
仕事しかしなかった日にも実体がある
あずまさんが良かったと挙げるもう一つが、1日1日に実体を感じられたことです。もともと自分の時間を大事にできていないという憤りから始めたので、天気、メンタル、食べたものだけでも書き残すことに意味がありました。
あずまさんは毎日noteを、仕事が終わった夜に書いていました。疲れていて、今日は仕事しかできなかった、書くことなんてないと思う日もあったそうです。
そうするとすごい、あ、生きてた生きてた自分みたいな。
それでもネタを探して1日を振り返ると、考えていたことや楽しかった会話が見つかります。あずまさんは、振り返る営みがあったから実体感があったのだろうと考えています。
1日の実体感が積み重なって1週間の実体があり、1ヶ月の実体がある。その感覚が、当初の目的だった「自分の時間を大事にする」ことにつながっていたのではないか、とあずまさんは話しています。
やめるのがもったいない。歩みを止めずに書き続ける
あずまさんは当初、4週間を終えたらいったん終わりでいいと思っていました。しかし実際には、終えるのがもったいなくなったといいます。
完全にさ、歩みを止めてしまったら、次のやつ書き出すのってちょっとハードルまた高くなる感じがするんですよね。
ジョギング程度でも、日記的なものだけでも書き続けておけば、何か出したいと思ったときにするっと出せるのではないか。あずまさんはそう考え、歩みを止めずにいたいと話します。放送時に更新していなかったら笑ってほしい、とも付け加えていました。
2週間坊主を脱却。自分の取扱説明書が手に入った
あずまさんにとって大きかったのは、自分が続けられる人だったという自信です。2026年の目標をNotion ── メモやタスク、データベースなどを1か所で管理できるオールインワン型のノートアプリに書いていて、その中に「2週間坊主を脱却する」という言葉があったそうです。
3日は続くものの、その先が続かないことにあずまさんは悩んでいました。今回、短距離走で区切る、人に宣言するといった、続けるための手法を手に入れた感覚があるといいます。
あずまさんは最近、自分の成功パターンとアンチパターンを言語化しておくことの良さを感じています。言葉にしておけば再現性が生まれる、という考えです。
今回この取り組みを通じて得たナレッジというか、自分の取扱説明書のようなものが手に入ったことによって、すごく応用が利くようになったのは結構自分の中ではでかいなと思いますね。
たとえば絵の練習やスポーツ、習い事を続ける場面でも、この取扱説明書が応用できるとあずまさんは考えています。一方で、30代半ばでこんなことをしているのは遅いと思われないか、という不安も口にしていました。
後ろめたさが成仏し、自分の時間の大切さに気づく
パーソナル編集者としてクリエイターの創作を支えるあずまさんは、自分の実体験で語れないのは良くないと考えています。続けられずに悩む人に、渡せるものができたことも大きかったといいます。
10人いたら10人当てはまるわけではないかもしれない。けれども、10人いたうちの1人でもそれが刺さってくれたりとか、何かの助けになったらすごくいいなと思うし。
あずまさんは、メンバーシップや有料マガジンにも挑戦したいと考えています。そこは次のステップとして経験を積み、語れる状態にしたいそうです。
さらに大きかったのは、自分の時間を大事にすることの意味に改めて気づけたことです。最近は仕事でAIをたくさん使い、没頭する生活を続けるうちに忙殺され、土日や夜は寝るだけという切羽詰まった状態になっていたといいます。
書き残す営みを通して、あずまさんは生活に余白がある状態がいいのだと気づきました。健やかで心地いい生活を持続可能にするために、書き残すことが良いエッセンスになったと振り返っています。
毎日noteは三行日記でいいし、1日に始めなくていい
あずまさんはリスナーにも毎日noteを勧めます。周りの挑戦を見るとしっかりした企画やエッセイが並んでいてハードルが上がりますが、全部日記でも、三行日記でもいいと話します。
何が大事なのって、続けることであり、何かを書き残しておくことなんじゃないかなと思うので。
あずまさんはもう一つ、毎日noteを月の1日に始めなくてもいいと付け加えます。みんなで同じ日に始めれば励まし合える良さがある一方、一人で黙々と向き合う良さもあったといいます。
スタートラインが一緒で、周りがやっていると励まされる
自分のペースで、1週間やってだめならやめればいい
マイペースに進めることも一つの選択肢だというのが、あずまさんの考えです。この話が誰かの励みになれば嬉しい、と締めくくっていました。
まとめ
あずまさんの4週間の毎日noteは、自分の時間を無駄にした苛立ちから始まり、続けられない自分への後ろめたさを手放すところへたどり着きました。短く区切ってハードルを下げることで、書く習慣だけでなく、自分の取扱説明書と生活の余白を手に入れた回です。
- 30日ではなく1週間ずつ区切る「短距離走」にしたことで、28日間続けられた
- 日記や短い文章でもOKにしたことで、渾身の一本主義から抜け出し、筆も速くなった
- 夜に1日を振り返って書くことで、1日1日の実体感が生まれた
- 続けるための手法を言語化したことが、2週間坊主を脱却する自信と応用力になった
- 毎日noteは三行日記でもよく、月の1日に始めなくても自分のペースでよい





