Gemini 3 Flashは「速いだけ」のモデルなのか
この速報回は、ふだんの深掘り回とは別に、最新のAIトレンドを手早く紹介する回です。しぶちょーさんが用意した話題は8つで、かねりんさんは「過去最高じゃないの?」と驚いていました。
最初の話題は、Googleが公開した新モデルGemini 3 Flashです。かねりんさんはすでに収録や会議の最中によく使っていて、とにかく答えがすぐ返ってくる点を気に入っています。
あのー、Flashじゃないモデルも結構早いじゃん。だから、あんまりかなって思ってたけど、まあ意外と速攻返ってきて欲しい時とかに使えるなと思って。
しぶちょーさんによると、Gemini 3 Flashは速さだけのモデルではありません。性能は1つ前のGemini 2.5 Proを上回り、処理速度は3倍とされています。上位のGemini 3 Proと比べても、ベンチマークスコアで「遜色がない」水準です。
しぶちょーさんは「遜色がない」という言い方について、実際には3 Proをやや下回っているという意味だと補足しています。複雑な推論が必要な作業では3 Proのほうがよいものの、日常で使う分にはFlashで十分だと感じているそうです。
価格も魅力です。しぶちょーさんの説明では、APIの入力料金は100万トークンあたり0.5ドルほどで、3 Proが2ドルほどだったとすると4分の1程度になります。
かねりんさんは「DeepSeekを意識しているのでは」と尋ねましたが、しぶちょーさんはその見方を否定しました。DeepSeek ── 中国のAI企業が開発する大規模言語モデル。高い性能と非常に安いAPI料金で注目を集めましたのほうがまだ安く、Gemini 3 Flashは速くて安い選択肢が増えたこと自体に価値があると話しています。
見落とされがちな画像・動画・音声の読み込み速度
しぶちょーさんが強調したのは、Gemini 3 Flashのマルチモーダル ── テキストだけでなく、画像・動画・音声など複数の種類のデータを扱えること性能です。文字の返答が速いことに注目が集まりがちですが、画像や動画を読み込ませたときの理解も非常に速いといいます。
しぶちょーさんは、生成AIで作った歯車の3Dモデルを動かす自作動画をGeminiに入れてみました。すると、音声を文字起こしするのではなく、映像の内容そのものを短時間で読み取ったそうです。
それ(自作の動画)をそのままGeminiに入れたら、生成AIで歯車の3Dモデルを生成して、こういう風に動かしてる動画ですっていう風に何か出てきて。しかもめっちゃ早く。
音声の文字起こしも、Geminiに音声ファイルをそのまま入れればできるとしぶちょーさんは話します。最初の読み込みには時間がかかるものの、これまでの体感と比べると大幅に速くなったそうです。
一方で、Gemini 3 Flashには向かない用途もあります。しぶちょーさんによると、画像の生成はこれまでどおりNano Banana Proが担うため、速さは変わりません。モデルを選べないNotebookLM ── Googleが提供する、アップロードした資料をもとに要約や質疑応答をするAIノートツールで使えるかどうかも、仕組みが公開されていないためわからないとしています。
(Gemini 3 Flashでは)画像をね、読み込ませるっていうのをまずやってほしいね。動画とか。
GPT Image 1.5は「劣化版バナナ」なのか
2つ目の話題は、ChatGPTの新しい画像生成モデルGPT Image 1.5です。かねりんさんがNano Banana Proを超えたのかと尋ねると、しぶちょーさんは少し強い言い方で答えました。
(GPT Image 1.5は)劣化版バナナです。
劣化版ってちょっと失礼かもしれないけど。
しぶちょーさんがこう言ったのは、あえてGPT Image 1.5を選ぶ理由が見当たらず、Nano Banana Proで十分だと感じているためです。ただし、ChatGPTの中の画像生成として見れば革命的な進化だとも評価しています。
しぶちょーさんが挙げた改善点は、指示への追従性、色やポーズを変える画像編集、そして日本語フォントも出せるテキストレンダリングの3つです。Nano Banana Proの登場で遅れていた部分を埋めるモデルだろう、というのがしぶちょーさんの見立てです。
使い方も簡単で、ChatGPTに「画像を生成して」と頼めば自動的に新モデルが使われるそうです。無料ユーザーが使えるかどうかは、収録時点では調べていないとしぶちょーさんは断っています。
ChatGPT画像生成の歩みと四コマ漫画の使い道
かねりんさんは、ChatGPTの画像生成に関するニュースは長らく途絶えていたと振り返ります。ジブリ風画像が話題になったのは、もう1年近く前のことです。
しぶちょーさんは、その経緯を思い出しながら説明しました。もともとChatGPTでは画像生成モデルのDALL-E 3と言語モデルが別々に動いていましたが、2月ごろに基盤モデルへ統合され、指示に沿った画像を作れるようになりました。GPT Image 1.5は、そこからさらに進化したものだと位置づけています。
モデルごとの「っぽさ」もあるといいます。SNSではNano Banana Proで作ったとわかる絵柄の四コマ漫画が多く出回っていますが、GPT Image 1.5で作った四コマはChatGPTらしい絵柄になったそうです。
使いやすさについては、しぶちょーさんは四コマ漫画に関してはNano Bananaと同じだったと評価しています。ストーリーを作らせてから漫画にしてと頼むと、きれいに仕上げてくれたそうです。
明確に超えてるっていう部分があんまり見受けられないって感じかな。同じもの作りましたみたいな。
追随したよっていうのが正しい認識かもしれない。
かねりんさんは「いかにもAIという感じがして冷める」と、画像生成をあまり使わないそうです。一方、しぶちょーさんはSNSで毎日発信しているため、過去の投稿を手直しするときの画像作りに重宝しています。番組の切り抜きを四コマにして公開時に添える、というアイデアも出ました。
ChatGPTのアダルトモードが2026年に来る意味
3つ目の話題は、ChatGPTのアダルトモードが2026年に登場するという報道です。しぶちょーさんによると、記事では関係者が記者団に対し、第1四半期、つまり春までには導入される見込みだと語っていたそうです。
クリスマスプレゼントとして来るかもと期待していた2人は、年内の登場がなかったことにも触れました。しぶちょーさんは記事を読んだうえで、OpenAIのサム・アルトマン氏には「エロを生成させる」という過去の発言があり、それを強く引きずっているのが今のChatGPTの様子だと説明しています。
しぶちょーさん自身は、以前は別の受け止め方をしていたそうです。性的な話題が禁止されていることで深いコミュニケーションが取れなかったり、悩みを相談できなかったりする状況を解消する狙いではないか、と考えていました。
しかし、しぶちょーさんはアルトマン氏の発言がはっきり生成を指しているため、よくわからなくなったといいます。アルトマン氏と他の経営陣で意見が分かれていそうだとも話し、かねりんさんは「また追放されちゃうよ」と冗談で返しました。
しぶちょーさんは、そもそも目新しさがあるのかにも疑問を示しています。性的なコンテンツの生成はGrok ── イーロン・マスク氏のxAIが開発する生成AI。X(旧Twitter)と連携し、表現の制限がゆるいことで知られますですでにできるため、ChatGPTの動きはその後追いに見えるからです。これ以上過激さを競うのはよくない競争だ、とも指摘しました。
かねりんさんは、日本で担当する女子児童の卑猥な画像を生成させた人物が逮捕されたというニュースに触れました。2人は、絵や漫画と生成AIによるリアルな画像の境目がどこにあるのかわからない、と話しています。
しぶちょーさんが心配するのは、性的な画像の生成が一般に広がることです。今は技術を理解している一部の人しかできないことが、誰でもできるようになります。
あの時代(StableDiffusionでGPUを回していた頃)のあれが、よりおじさんたちが簡単にできるようになるってことだもんな。
あいみょんの偽画像に「驚かされた」しぶちょーさん
アダルトモードの話は、ディープフェイクのリスクへと移りました。しぶちょーさんは、番組をやめなければならないと思うほどの出来事があったと打ち明けます。
X上に、あいみょんさんの胸元が大きく開いたフェイク画像が出回っていました。しぶちょーさんもそれを本物だと思って見ていたところ、あいみょんさん本人が公式Xで「生成AIによる画像が出ているようでクソキモいです」という趣旨の投稿をしたそうです。
落ち着けAIっていう番組やってんのに、あいみょんのおっぱい偽画像に驚かされた俺はもうパーソナリティとして失格だと思って。
かねりんさんが画像を検索すると、ほどよく画質が落とされていて、いかにも本物らしく見えたそうです。しぶちょーさんは、元の画像の一部だけを変えたのではないかと推測しています。
しぶちょーさんが問題視するのは、性的な話題はセンシティブで扱いにくい一方、話題としては強いため、偽画像が広まりやすいことです。Grokは実在の画像を元にした性的な動画生成は制限しているものの、名前を指定すればその人らしい架空の人物を作れてしまうとも説明しています。
ちなみに、しぶちょーさんのnoteでいちばん読まれている記事は、Grokでイーロン・マスク氏の画像を作って脱がせた体験を書いた「GrokがドスケベAIすぎた件」だそうです。他の記事の3倍ほど読まれていて、今も毎週通知が来るといいます。
これ(ChatGPTのアダルトモード解禁)はね、まあふざけないで見ないといけないなと思うね。
ChatGPT Appsの本格始動で何が変わるのか
4つ目の話題は、ChatGPTのアプリストアが本格公開され、開発者向けにChatGPT Appsの申請受付が始まったというニュースです。以前番組で紹介したPhotoshopなどAdobeのアプリがChatGPT内で使えるようになったのに加え、開発キットであるSDK ── ソフトウェア開発キット。アプリを作るために必要なツールや資料をまとめたものも公開されました。
しぶちょーさんによると、開発者は自分でアプリを作って申請し、審査に通ればChatGPT上で公開できます。かねりんさんはあまりピンときていない様子でしたが、しぶちょーさんは番組にも関わってくる変化だと考えています。
しぶちょーさんが例に挙げたのは、すでに連携しているApple Musicです。1989年生まれのしぶちょーさんが「思春期に流行った曲のプレイリストを作って」と頼むと、すぐに曲を並べてくれたそうです。
そのプレイリストには、大塚愛さんの「さくらんぼ」、平井堅さんの「瞳をとじて」、Mr.Children、ORANGE RANGEの「花」や「ロコローション」が入っていました。しぶちょーさんは「面白っ!」と思ったと話しています。
しぶちょーさんは、今の音楽サービスではこうした気分や条件で曲を探すことができないと指摘します。多くの人は、誰かが作った「ランニング用の曲」のようなプレイリストを借りて聴いているからです。
ChatGPTはポッドキャストの新しい入り口になるのか
しぶちょーさんがChatGPT Appsで最も注目しているのは、Spotifyとの連携です。Spotifyのアプリは9月に公開されていますが、収録時点ではまだ海外だけで、日本では使えません。
それでも、ChatGPTでポッドキャストを探せるようになるのは時間の問題だとしぶちょーさんは考えています。Spotifyの中ではすでに文字起こしが行われているため、話の中身をもとに番組や回を探せる可能性があるからです。
だからAIのポッドキャスト聞きたいんだけどって言った時に、落ち着きAIがポーンって出てくる。ChatGPT上でっていうのは余裕であり得る。
かねりんさんは、公開しても聴かれないというポッドキャスターの悩みが少しずつ減っていくのではないかと受け止めました。しぶちょーさんも、ChatGPTがポッドキャストの新しい流入経路になる可能性は十分あると話しています。
会話で相談
「こういう話をしている番組ない?」とChatGPTに聞く
アプリ連携
Spotifyなどのアプリが番組を探す
文字起こしを参照
番組の中身に合う回が見つかる
新しい流入
聴かれにくかった番組にも届く道ができる
かねりんさんは「ちゃんと中身をいろいろ話しておけば聴かれるようになる」とやる気を見せつつ、下ネタが多いとセーフティ機能で弾かれるのではないかと冗談を言っていました。しぶちょーさんは、音楽や旅行、デザインなど、ChatGPTを通じてさまざまなサービスを言葉で操作する体験が増えていくと見ています。
「驚き屋」にメンションしたかねりんさんの正義感
ChatGPT Appsの話から、かねりんさんのSNSでの一件に話が移りました。番組の前週、2人はChatGPTで使えるPhotoshopについて、今の段階ではそこまで本格的に使えるわけではないと話していました。
その後、GMOの熊谷さんが、PhotoshopのChatGPT連携を「これマジ衝撃」と紹介する投稿をしました。かねりんさんはそれを引用し、しぶちょーさんをメンションしたうえで「何がそんなに驚くに値するのか」「こんなものゴミだと言っていましたが」という趣旨の投稿をしたそうです。
俺をメンションに入れるんじゃないよと。ゴミとは言ってないし。
かねりんさんは、「驚き屋さんはダメでしょ」という番組のビジョンに照らして、正義感が出てしまったと説明します。しぶちょーさんは、その行動をかねりんさんの元刑事という経歴と重ねて言語化しました。
しぶちょーさんは、交通違反を取り締まる警察と交通マナーを教える人がどちらも必要なように、2人のやり方はどちらも必要だとまとめています。熊谷さんを犯罪者扱いしているわけではなく、あくまで例えだと念を押していました。
発信の根源に切り込む。しぶちょーさんいわく「刑事魂」
受け手が影響されないよう教える。Xではポジティブな発信のみ
しぶちょーさんは、反応しやすいように言葉を柔らかくしてほしいと頼みました。かねりんさんは2026年は「切り込み」でいくと宣言し、SNSを少しずつ再開していると話しています。
Web3とAIは近いようで遠い世界?
かねりんさんは、SNSを再開してから届くDMの多くがWeb3関連だと話します。そこで気づいたのは、暗号資産からAIに移る人はいても、AIから暗号資産に来る人はほとんどいないという点です。
しぶちょーさんも同じ見方で、ビットコインなどはお金や投資が絡むイメージが強い一方、AIには技術者もビジネスパーソンもいて文脈が広いと話しています。かねりんさんは、ミーム ── ネット上で広まる独特のネタや言い回し。暗号資産の界隈では、それをもとにしたミームコインも生まれていますのような独特のノリも入りにくさの一因だと付け加えました。
しぶちょーさん自身は、ものづくりの人間として機械や制御など物理的なものに惹かれるといいます。ただ、NFT ── 非代替性トークン。ブロックチェーン上でデータの唯一性を証明する技術ですには興味を持ったことがあり、機械の図面を唯一無二の成果物にするアイデアを考えたことがあるそうです。
(機械の図面が)唯一無二でここにしかないよってなったら、なんか宝箱の中に入ってるさ、宝の地図みたいな感じで面白いなと思って。
しぶちょーさんは以前、コインチェックの会社が運営するメタバース系のコミュニティ「オアシス」で、AI分野のリーダー役を務めていたこともあるそうです。期間はすでに終わっています。
かねりんさんは、Web3は投資や投機ではなくキャッチアップする価値が絶対にあると話します。今はWeb3を活動の中心に置いていないものの、分権や分散、中央集権からの脱却といったビットコインの思想に共鳴しているといいます。
かねりんさんによると、メタバースやDAOのブームが去ったあと、使えるものを実際に使う実装の段階に進んでいます。しぶちょーさんはそれをハイプサイクル ── 新技術への期待が過熱し、幻滅期を経て実用化に至るまでの流れを示したモデルに当てはめ、厳冬期を越えて社会実装に入ったと受け止めました。かねりんさんは、黎明期から熱狂期までの知見を生かして、今もアドバイスや設計に関わっているそうです。
しぶちょーさんは、Kindle本も含めてWeb3関連の本が多すぎ、コミュニティの力でレビューも持ち上げられているため選べなかったと話します。かねりんさんは流行に乗った本ではなく古典的な本を勧めると約束し、おすすめ本は概要欄に載せることになりました。
ポッドキャストのコミュニティは正解なのか
おすすめ本の話から、番組の活動費をどう生み出すかに話が広がりました。かねりんさんは、1000円のnote記事のような情報商材めいたやり方は避けたいと話します。
では書籍はどうかというと、しぶちょーさんは「全然儲からない」と答えました。時給に換算すると100〜200円ほどになるといい、AIの本はすぐ古くなるという難しさもあります。
かねりんさんが望むのは、活動費になりつつ、みんなで気持ちよくわいわいできる関係性です。ただ、最近はポッドキャストのコミュニティが流行していて、それが本当に正解なのかという疑問もあるといいます。
やってみたら(コミュニティは)別にお互いにそんなにWinでもなくねみたいなことはちょっと思うんだよね。
しぶちょーさんは、ファンクラブ、オンラインサロン、コミュニティは同じ集まりでも種類が違うと整理しました。コミュニティと呼ぶなら参加者同士の横のつながりが重視されるはずだ、というのがしぶちょーさんの考えです。
パーソナリティが中心にいて、そこに人が集まる。ポッドキャストのコミュニティはこちらに近い
特定のヘッドがいなくても、参加者同士が横につながって活動が起こる
しぶちょーさんが提案したのは、既存の枠を使うことです。かねりんさんは3月にG検定を受けると宣言していて、合格者のコミュニティシードルに入れば、AIに関心を持つ仲間を集めやすいと話しています。
ハードル大事だよ、コミュニティ。誰でも入れますよって、それはお金を取るっていうのもそうだし。
しぶちょーさんによると、高いハードルでなくても、平坦か段差があるかだけで集まりはかなり変わるそうです。最後は、リスナーと一緒にG検定を受ける「集団受験」から始めようという話にまとまりました。
Microsoft TRELLIS.2は動かせたのか
収録が54分を過ぎたところで、しぶちょーさんは残りの話題を急いで進めました。5つ目は、Microsoftが公開した3D生成モデルTRELLIS.2です。
しぶちょーさんによると、TRELLIS.2は40億パラメーターを持つ大規模な3D生成モデルで、オープンソースとして公開されています。以前番組で紹介したItem3Dと同じ種類のモデルで、画像生成でいえばStable Diffusionのように自分で環境を作ってローカルで動かすイメージです。
しぶちょーさんは本当は動かした感想を話したかったものの、エラーを解消できず、収録には間に合いませんでした。Google Colaboratory ── ブラウザ上でPythonを実行できるGoogleのサービス。機械学習の実験によく使われますでの環境構築に手間取ったそうです。
評価はかなり高いものの、開発に協力しているのは中国の清華大学や中国科学技術大学などで、似たモデルを作っているところと近いため、大きな差はないかもしれないとしぶちょーさんは見ています。動かせたら改めて報告する予定です。
SAM Audioは音声編集の何を変えるのか
6つ目はSAM Audioです。かねりんさんは「サム・アルトマン?」と反応しましたが、開発したのはMetaです。
しぶちょーさんによると、SAM Audioは複雑に混ざった音から特定の音だけを抽出して分離できるAIモデルです。1本の音声で2人の声が混ざっていても話者を分けられ、動画に映る犬を選べば犬の鳴き声だけを取り出すこともできます。
しぶちょーさんは、SAM Audioをポッドキャストに使えるのではないかと期待しています。バンドの演奏からボーカルやギター、ドラムだけを取り出したり、1本のマイクで録った2人の音量差を解消したりできる可能性があるからです。かねりんさんも「めちゃめちゃいい」と反応しました。
これまでオープンソースなのよ。なんか自分で環境さえ作れば無限に使えるみたいな。
アカウントを作らなくても、Web上のプレイグラウンドで試せるそうです。自分の音声データを入れて試すこともできます。
かねりんさんは、以前しぶちょーさんに教わったAdobeのEnhance Speechとの違いを尋ねました。しぶちょーさんの答えは、できることは近いものの、SAM Audioのほうがより複雑に分離できるというものです。
ノイズ除去が目的。話し声に対して背景ノイズを消す
話者や楽器ごとに分離でき、抜き出す音をプロンプトで指定できる
デモでは、カフェで話す女性の声だけを切り出したり、逆に店員の足音だけを残したりしていたそうです。かねりんさんは、iZotope ── 音楽やポッドキャストの制作現場で使われる音声処理プラグインで知られるメーカーのようなプロ向けのツールを超えてくるかもしれないと期待していました。
しぶちょーさんは、プロ向けのツールは設定できるパラメーターが膨大だと指摘します。SAM Audioは、こだわりのない人でもすぐにきれいな音にできる方向で、Vlogのノイズ除去などに使われていくだろうと見ています。
Manus 1.6 Maxは2時間で何を作ったのか
7つ目は、自律型AIエージェントManusの新バージョン1.6です。しぶちょーさんによると、注目は1.6 Maxという新しいモデルで、自律型の中でも特に長時間作業を続けてくれるといいます。
しぶちょーさんは、Manusでウェブアプリを作ることには懐疑的でした。ところが試してみると、1回指示を出しただけで50分ほど作業を続け、食事から戻ると「できました」と表示されていたそうです。
しぶちょーさんが最初に作らせたのは、1日のタスクを並べ、期限が過ぎたら通知するタスク管理アプリで、すぐに完成しました。次に作ったのは、ポッドキャストの最新エピソードのリンクを集めるアプリです。
しぶちょーさんはSNSに投稿するとき、必ず番組のショートリンクを貼っています。そのためには各配信サービスから元のURLを集める必要がありますが、かねりんさんがDiscordで作った仕組みは、URLが届かなかったり一気に何通も届いたりと不安定でした。
しぶちょーさんがManusで作ったアプリは、Apple、Spotify、Amazon、YouTube、LISTENの5つの最新話URLを一度に取得できます。テキストでコピーしたりJSONファイルでダウンロードしたりでき、自作のPythonプログラムに渡してショートURLを発行する流れをつなぐものです。
俺が二週間ぐらいかけて作ったDiscordの、バージョン34までかけて作ったゴミ。もうやだ。
しぶちょーさんのアプリは2時間ほどで完成し、エラーもほとんどなかったそうです。Amazonのリンク取得には苦労していましたが、バックエンドまで実装してくれたといいます。1.6からはAndroidのスマホアプリも作れるようになったと説明しています。
Manusのクレジット消費と文字起こしでの意外な活躍
しぶちょーさんはManusを高く評価する一方で、クレジットの消費が大きいという欠点を挙げました。年契約で6万円ほど払っていて、月に1万2000〜1万5000クレジットほどもらえるそうです。
ところが、ポッドキャストのURLアプリ1つで約7000クレジット、タスク管理アプリで約3000クレジットを使い、1日でかなりの量を消費してしまいました。しぶちょーさんは「課金がはかどってしまう」と苦笑しています。
しぶちょーさんによると、作ったアプリはManusの中で公開でき、アカウントを持つ人なら誰でも使えます。自分のアプリがどれだけ使われるかをすぐに検証できる点も利点です。
バイブコーディング ── AIに自然言語で指示し、細かなコードの中身を気にせず感覚的にアプリを作っていく開発スタイルに否定的だったしぶちょーさんも、こうした使い方は悪くないと感じたそうです。ただし、中身はわからないとも付け加えています。
かねりんさんも最近Manusを使っているといいます。長い音声ファイルをGemini AI Studioで文字起こしすると、話していない会話が差し込まれるという「ホラー」のような不具合が起きていました。
かねりんさんがGeminiに問いただすと、文脈を読んでAIが勝手に作ったと認めたそうです。Manusなら音声を分割して処理し、最後に統合してくれるため、3時間の音声でもエラーなく文字起こしできたといいます。しぶちょーさんは、タイムスタンプもずれにくいと補足しました。
ChatGPT研究所の忘年会で感じたコミュニティの質
最後の話題は、2人で参加したChatGPT研究所の忘年会です。ChatGPT研究所は、名前をAGI Labに変える予定だそうです。
しぶちょーさんの説明では、ChatGPT研究所はnoteのメンバーシップです。もとはChatGPT関連の情報発信から始まり、今は多くの人がAIツール全般の記事を書いて情報をまとめています。
月額は3000〜4000円ほどですが、しぶちょーさんは記事の質が高く、情報も早いため十分に元が取れていると話します。番組のための情報収集として購読していて、かねりんさんは値上げ前の初期に入会したそうです。
かねりんさんにとっては、AI系のイベントに参加するのは初めてでした。しぶちょーさんと一緒だから行けたと話し、初めて会う人がたくさんいたこと、番組の宣伝も十分にできたことを振り返っています。番組として公開収録以外のAI系リアルイベントに参加したのも、初めてだったかもしれないそうです。
編集しない速報回と、年末年始も止めない配信
気づけば速報回は1時間20分を超えていました。しぶちょーさんはこのあと、深夜1時から自分の番組の収録も控えていて、毎日1回収録しているため撮りためはできないといいます。
かねりんさんは、アウトプットを続けていると不要な作業をしなくなると話します。この速報回も、話しながら編集点を打っているため、収録がそのまま編集作業を兼ねているそうです。
本来だったら、これじゃあ1時間半やりました。はい、これまた1時間半聞きますみたいな話になるけど、聞かないよ。
この日は年始に配信する深掘り回も収録していて、合計3時間ほど話したそうです。それでも、収録から2時間後には公開するといいます。
年末年始も配信スケジュールをずらさないことについて、かねりんさんは「鬼畜すぎる」と言います。しぶちょーさんは、長期休暇だからといって休んだことはないと答えました。
かねりんさんは来年、スタジオに戻らなくても出張先から最小限の機材で収録できるようにしたいと話しています。Xのコメント返しは、今年最後の配信となる翌週に持ち越しとなりました。
まとめ
今回の速報回では、8つのAIニュースそれぞれについて、しぶちょーさんが実際に試した感触をもとに、驚いてよい点と冷静に見るべき点が語られました。話題の大きさではなく、自分で触って確かめた手応えを基準にしていることが、この回の特徴です。
- Gemini 3 Flashは速くて安いだけでなく、画像・動画・音声の読み込みの速さが見落とされがちな強みとされた
- GPT Image 1.5はNano Banana Proへの「追随」、TRELLIS.2は未検証、ChatGPTのアダルトモードはディープフェイクの問題も含めて「ふざけないで見るべき」ニュースと位置づけられた
- ChatGPT AppsとSpotifyの連携は、ポッドキャストの新しい流入経路になる可能性があると期待された
- SAM Audioは音の分離をプロンプトで指定でき、Manus 1.6 Maxはアプリ開発や長時間の文字起こしで成果を出したが、クレジットの消費が大きい
- 驚き屋への向き合い方や、Web3、コミュニティのあり方についても、2人の立場の違いが率直に語られた





