Even G2とは何か。文字を出して音を拾うだけのメガネ
この回のテーマは、中国発のAIスマートグラス「Even G2」です。しぶちょーさんは実機をかけて収録に登場し、お盆休みに使い込んだ体験を話します。
しぶちょーさんは、ゴールを「かねりんさんが欲しくなって買うこと」と宣言します。これに対してかねりんさんは、次のG3まで待つと抵抗します。
もうさ、気持ちを話すと、もう全部買いたくなるからダメ。
もったいない。待ってる時間もったいないって。人生さ、そんなに長くないんだから。
しぶちょーさんがEven G2を「今こそかけておくべき」と言う理由は、もう少し先になれば別の形のハイテク製品になると考えているからです。今の技術と文化のもとでスマートグラスを日常に溶け込ませるなら、この形が最適だと使いながら感じたといいます。
Even G2の見た目は普通のメガネで、ゴツさはありません。機能は、レンズの限られた範囲に緑色の文字や絵を映すことと、マイクで音を拾うことの2つです。カメラはなく、スピーカーもついていません。
この2つ(文字表示と音声入力)、もう結構ミニマルなんだけど、機能としては。
しぶちょーさんは、機能を絞ったからこそ今の日常使いにフィットすると話します。そこで話は、スマートグラスの過去の失敗へ移ります。
なぜGoogle Glassは「Glasshole」と嫌われたのか
スマートグラスの歴史には大きな失敗が一度あり、それが2013年に登場したGoogleのGoogle Glass ── Googleが2013年に開発者向けに提供したメガネ型端末。視界に情報を表示し、カメラで撮影もできましたが、一般普及には至りませんでしたです。文字の表示、音声入力、カメラ撮影と、AIグラスとしての機能は一通りそろっていました。
しぶちょーさんによると、Google Glassは2015年に打ち切りになりました。原因はカメラで、技術ではなく文化に馴染まなかったといいます。
邪魔だった。邪魔だったというか、(カメラが)文化に馴染まなかった。
Google Glassをかけている人は、スラングの「asshole」と「glass」を組み合わせた「Glasshole」と呼ばれました。こっそり撮影されるかもしれないという不安が広がり、着用者を出入り禁止にするバーやレストランも出たと話されています。
画像を見たかねりんさんは、カメラが目立ちすぎて「照準を合わせている」ような感じがすると反応します。日本で出ていたら盗撮を疑われて通報されそうだ、という冗談も飛び出しました。
Ray-Ban Metaはカメラ問題をどうごまかしたのか
しぶちょーさんによると、いま伸びているスマートグラス市場をリードしているのはMetaです。製品は、日本でも発売されたRay-Ban Meta ── サングラスブランドRay-BanとMetaが共同で出したスマートグラス。カメラ、マイク、スピーカーを備え、音声でAIアシスタントを呼び出せますで、こちらもカメラを搭載しています。
しぶちょーさんがMetaの戦略としてうまいと見るのは、Ray-Banと組んで、みんなが知っているメガネの形にカメラを落とし込んだ点です。得体の知れないガジェットではなく、普通のサングラスにカメラがついたものとしてリブランディングしました。
価格の面でも差があります。Google Glassは1500ドル、かねりんさんの換算で約20万円でした。これに対してRay-Ban Metaは、今なら7万〜8万円ほどで買えると話されています。
しぶちょーさんは、Metaに「邪悪なイメージ」を持ちながらも、録画中は必ずLEDが光る仕組みを評価します。LEDを覆ったり壊したりするとカメラが起動しなくなる強制アップデートまで配信されたといいます。
それでも、点滅を消して録画する方法が出回ったり、監視技術だとして抗議活動が起きたりしました。しぶちょーさんの見立てでは、Ray-Ban Metaは気づかれにくくしただけで、カメラがあることの本質的な問題は解決していません。
本質的にカメラがあることによる問題っていうのはそもそも解決してないのよ、当時から。
それでもカメラが欲しい人はいる。育児と「おじさん」の視点
かねりんさんは、そもそもなぜカメラにこだわるのかと尋ねます。しぶちょーさんの説明では、Ray-Ban Metaには日本発売モデルで文字表示の機能がなく、カメラとスピーカーを組み合わせて使います。
たとえば「これは何?」と呼びかけると、写真が撮られてスマホに送られ、スピーカーから解説が流れます。AIと連携するうえで、画像を撮れることの価値は大きいとしぶちょーさんは言います。
しぶちょーさんはEven G2を妻に見せたエピソードも話します。ドラゴンボール好きの妻には「スカウター」で伝わりましたが、カメラがないと知ると、カメラはついているほうがいいと言われたそうです。
手が離せないけど、今写真撮りたいってシーンが多いんだって、すごく。
妻が挙げた理由は育児です。子どもを抱っこしていて両手が塞がっているときに、声だけで写真や動画を撮れるのは便利だといいます。
一方で、しぶちょーさんは「おじさん」なら話は別だと続けます。階段でメガネのカメラを疑われれば駅に連行されかねない、という冗談を交えつつ、カメラを向けられること自体への嫌悪感を持つ人は多く、持ち込み禁止の場所も多いと指摘します。
やっぱカメラってセンシティブなんだよ。みんなが思ってる以上に。
マイクだけなら問題はないのか
かねりんさんは、カメラがだめならマイクはいいのかと問います。しぶちょーさんは「いい質問」と応じ、Even G2にもマイクをめぐる問題は残っていると認めます。
Even G2は、マイクで拾った音声を文字起こしし、議事録まで作れます。AIボイスレコーダーのように使える一方で、データがサーバーに上がる以上、機密情報の場で使うのはよくないとしぶちょーさんは話します。
録音していなくても、録音できる機能があること自体が懸念になりうる、というのがしぶちょーさんの見方です。かねりんさんは、録音にはカメラのような赤いランプもないと付け加えます。
音の方がね、こっそりやりやすい。
それでもしぶちょーさんは、音声入力はスマートグラスに必要な機能だと言い切ります。
必要なのは2つだけ。G1からG2で何が変わったか
しぶちょーさんの整理では、スマートグラスに最低限必要なのは、文字情報を表示することと、音声を取り込むことの2つです。この考えから生まれたのがEvenシリーズで、先代のG1も同じコンセプトです。
G1は2024年6月に発売され、G2はその約1年5か月後に出ました。しぶちょーさんは、この流れならG3は来年の6月ごろではないかと予想しています。
G1からG2への変化は、主にハードウェアの改良です。しぶちょーさんは、重さの8gの差を体感できるかといえば変わらないとしつつ、もともと軽いものをさらに軽くした点をすごいと評価します。
| 項目 | G1 | G2 |
|---|---|---|
| 重さ | 44g | 36g |
| リフレッシュレート | 20Hz | 60Hz |
| 操作 | ツルをタップ | ツルのタップに加え操作リングEven R1 |
しぶちょーさんが一番効いたと感じているのはリフレッシュレートです。20Hzでは表示がチカチカしますが、60Hzなら動かしたときのもっさり感がないといいます。表示の解像度も上がりました。
操作リングとカンペ機能。試験でカンニングはできるのか
G2では、指にはめる操作リング「Even R1」が追加されました。リングがなくても、メガネのツルの横をタップすれば操作できます。ただ、しぶちょーさんはその動作が意外と面倒で、手元でリングに触れるほうが絶対に楽だと話します。
Even G2には、原稿を時間に合わせてスクロール表示するテレプロンプター ── 話し手の視界に原稿を流して表示する装置。テレビ番組やスピーチで、話し手が前を向いたまま原稿を読むために使われますの機能もあります。しぶちょーさんが試すと、まあまあ読めるものの、対面の相手からは目が泳いでいるように見えるようです。プレゼンや登壇の場なら筋のよい使い方かもしれないとしています。
かねりんさんは、試験のカンニングに使えるのではと話を振ります。しぶちょーさんは、リングだけで大量の文章から必要な箇所を探すのは難しく、分量の多いG検定 ── 日本ディープラーニング協会が実施する、AIやディープラーニングの基礎知識を問う検定試験では探しているうちに試験が終わると答えます。
カンペでなんとかなるテストはもう覚えてけって話なのよ。
自分のサーバーでAIに解析させる仕組みを作れば技術的には可能だとしつつ、しぶちょーさんは、記録機能付きの時計と同じく持ち込み禁止の対象になるはずだと話します。かねりんさんは、メガネを回収されたら目が見えなくなるため、過渡期ならではの問題が起きそうだと笑います。
引き算のガジェット。翻訳と用語解説は実用レベル
しぶちょーさんは、Even G2を「引き算」のガジェットだと表現します。カメラもスピーカーも載せなかったことで軽くなり、パッと見ではスマートグラスに見えません。レンズの反射も、ブルーライトカットのレンズだと思われる程度だといいます。
引き算なんですよ、このガジェットは。
そのうえで、しぶちょーさんはマイクの威力が大きいと話します。主な使い道は、音声での指示、会話の文字起こし、英語を日本語で表示するリアルタイム翻訳です。
リアルタイム翻訳は実用レベルで、英語のセミナーを字幕付きの映画のような感覚で聞けたそうです。会話の中で専門用語が出ると解説が表示され、議題が変わると右上にテーマが出る機能もあります。
一方、矢印で道案内するナビゲーションは、目的地にたどり着かず微妙だったといいます。文字起こしも速さは十分ですが、誤変換で吹き出しそうになることもあるそうです。
処理はメガネ本体ではなく、Bluetoothで接続したスマホ側のアプリが担っています。翻訳エンジンが何かはしぶちょーさんにもわからないものの、サブスクリプション料金はかからず無料で使えるといいます。
知ったかぶりツールじゃん。
Plaud NOTEとの違い。音声データは残らない
かねりんさんは、手元のAIボイスレコーダー「Plaud NOTE」と連携できないかと尋ねます。しぶちょーさんは、会議で全員の発言を録音するならPlaud NOTEのほうがマイク性能で優れていると話します。
ただ、自分が聞くだけの場面ならEven G2で十分だというのがしぶちょーさんの考えです。文字起こしの誤字は、後からテキストをAIに渡して文脈に沿って直してもらえばよいといいます。
収録中にアプリを確認したところ、Even G2に残るのは文字起こしの結果だけで、音声データはないことがわかりました。
しぶちょーさんの推測では、Plaud NOTEは本体のメモリに音声を録ってから後でスマホに送りますが、Even G2は音声をそのままBluetoothでスマホに送り、即座に文字起こしします。そのためリアルタイムで表示できる、という説明です。本人も「適当なことを言っているかもしれない」と断っています。
手ぶらでClaude Codeを動かすと何が起きるか
しぶちょーさんがEven G2で一番やりたかったのは、Claude Code ── Anthropicが提供するAIコーディングツール。ターミナル上で指示を出すと、AIがコードの作成や修正を進めますを声だけで動かすことでした。実際に試した感想は「体験としてよかった」というものです。
メガネに進捗が文字で表示され、作業が終わると通知が来ます。声で指示すると文字起こしされ、送信するとそのままClaude Codeへの入力になります。複数のセッションも並行して立てられるそうです。
しぶちょーさんによると接続方法は3パターンほどあり、定番はTailscale ── 端末同士を仮想的な専用回線(VPN)で安全につなぐサービス。同じアカウントに入れたパソコンとスマホが直接通信できますとEvenアプリの「ターミナルモード」を使う方法です。
しぶちょーさんは前日、ポッドキャストを収録しながら翌日の原稿をClaude Codeに書かせるという収録までしたそうです。ただ、その体験には疑問も残ったといいます。
日常生活において、これは本当に人間を幸せにするものなのかという疑問はある。
かねりんさんは、Even G2を「デジタルデトックスの真逆を行くガジェット」と表現します。なお表示は普段は消えていて、呼び出したときだけ10秒ほど表示されます。電池はメガネケースで充電でき、余裕で2日ほど持つと話されています。
チャイを煮出す時間にClaude Codeを動かしてしまった話
しぶちょーさんは最近、スパイスを煮出してチャイを作ることにハマっています。15分ほどを飲み物のためだけに使う「かけがえのない時間」が人生には必要だと考えて始めた習慣です。
作り方は、3〜4種類の香辛料を煮出し、紅茶を入れ、牛乳を加えてさらに煮出してから漉すというものです。無印良品の粉末チャイも美味しかったものの、その場で煮出したほうが香りの立ち方が違うといいます。
ところが前日、しぶちょーさんは「この時間にClaude Codeを動かせるんじゃないか」と思いつき、チャイを煮出しながら音声入力で原稿作業を進めてしまいました。
人間味を失うガジェットを手に入れてしまった。
かねりんさんは、瞑想と同じように脳が考えない時間が大事なのに、その時間をガジェットが壊していると指摘します。味は違ったかと聞かれたしぶちょーさんは、こう答えます。
香辛料としてデジタルを入れてる感じがしたよすごく。
コーヒーではなくチャイを選んだ理由も語られます。コーヒーには詳しい人が多く、始めるとすぐ教えられてしまうため、自分で試せる余地があるチャイがよかったそうです。かねりんさんも、紅茶は100gで6000円のような高価な世界で止まったと話し、チャイに興味を示します。
瞑想で「気づく」とはどういうことか
しぶちょーさんは瞑想も好きで、以前は毎日取り組み、今も時々続けています。収録中にも、5000円ほどする瞑想用の座布団を取り出して見せました。
瞑想の本を4冊ほど読んで始めたところ、気持ちを瞬間的に落ち着ける力はすぐについたといいます。難しい試験で焦ったときに腹式呼吸を数秒して、頭を空っぽにして解けたそうです。
しぶちょーさんはヴィパッサナー瞑想 ── 仏教に由来する瞑想法の一つ。身体の感覚や心の動きをありのままに観察することを重視し、ブッダが悟りを開いた方法とも言われますのセミナーにも参加しました。参加者が目をつぶって歩き続け、食事の一口ずつを知覚しながら食べる「異質な空間」だったといいます。
ビジネス向けにした瞑想。注意を体に向けて気持ちを整える
すべてを知覚し、自分に気づくことで悟りを目指す。1日1時間ほどの実践が求められる
無心になるんじゃなくて、全てを知覚するみたいなマインドなんだよね。
しぶちょーさんは、冷めた目で見て馬鹿にするのは簡単だが、一歩入り込むと視点が変わると話します。体験して初めて語れるという姿勢が、Even G2を瞑想の時間に使ってみた話にもつながっています。
AIは「近似解」。少しずつ自分がズレていく感覚
しぶちょーさんは、一度は極端に振り切ってClaude Codeを動かし続けてもいいと話します。そのうえで、AIを使い続けて感じている違和感を打ち明けます。
しぶちょーさんの感覚では、AIは作りたい「っぽいもの」は作れるものの、ドンピシャではありません。近いけれど少し違うものが積み重なり、やればやるほど自分のやりたかったことからずれていくといいます。
近似解
AIが作りたいものに近いが少し違うものを出す
妥協
「ちょっと違うけど、まあいっか」と受け入れる
蓄積
小さな差が積み重なる
ズレ
自分の考え方そのものがずれていく懸念が生まれる
これが蓄積していくと、なんかちょっと考え方がずれていってしまうのではないかという懸念はある。
かねりんさんは「まさしくあります」と即答し、日々ずれまくっている実感があると応じます。しぶちょーさんは、やりたいことが多く手が足りない人がClaude Codeに出会うと、常に動かしていないと不安になると話します。寝る前も料理中も、何でもいいから動けと指示してしまうことがあるそうです。
かねりんさんは、Even G2をかけるか外すかでオンとオフを切り替えるくらいがちょうどいいのではと提案します。
クラシックのダンスワークショップで起きた脳の目覚め
かねりんさんは、近く始まる番組「おちつきクラシック」の縁で、クラシック音楽に振り付けを考えて踊るワークショップに参加しました。ダンスの専門家と音楽家が組んだ初回の会で、10人ほどが4〜5時間かけて取り組んだといいます。
最初に15分ほどの曲を聴いたかねりんさんは、重々しい曲調に眠くなってしまいます。ただ、その感想が曲の意図に合っていると言われました。
ずっとその美女と野獣の美女が野獣の城に入って、ずっとどうなるか、どうなるかみたいな、このぐるぐるループかかってるような感じになって
参加者たちは、他人のアイデアから刺激を受けて自分の仕事や創作に生かしているそうです。かねりんさんは、ロジックと効率の世界で生きていると脳が半分寝ている気がした、と振り返ります。
しぶちょーさんもアナログを生活に混ぜる必要を感じていると共感します。二人は、AIが濃くなるほど反対側の人間らしい生活も濃くしてバランスを取る、というシーソーのたとえに行き着きます。
「Even」の名前に込められたバランスと、2日持つ電池
しぶちょーさんは、Even G2もバランスを大事にしたガジェットだと話を戻します。公式発表ではないとしつつ、「Even」という名前には、メガネとテクノロジーのバランスという意味合いがあるようだと説明します。
しぶちょーさんによると、カメラを外したことは電池持ちにもつながっています。Ray-Ban Metaの電池は8時間ほどでギリギリ1日持たないのに対し、Even G2は2日持つといいます。
カメラ・マイク・スピーカーを搭載。日本発売モデルは文字表示なし。電池は約8時間
マイクと文字表示のみ。カメラもスピーカーもなし。電池は約2日
カメラいらないでしょ。メガネとしてのバランスを取るためにいるということらしいですね。
表示の仕組みは、ツルの横に入ったプロジェクターから、2枚重ねのレンズの間へ光を反射させるものです。表示の距離や位置はアプリで調整できます。しぶちょーさんによると、Evenは光学技術の特許を多く取っている一方、AIに関する特許は取っていないそうです。真昼の強い日差しの下では、最大の明るさでも表示が薄くなるといいます。
アジア人の顔に合うメガネと、Even Realitiesという会社
しぶちょーさんは、メガネ店の話として、Even G2は鼻パッドが金具でしっかり付いたアジア人向けの作りだと紹介します。鼻の高い外国人の客がかけられなかった例もあったそうです。
かねりんさんも、海外赴任中にお土産で買ったサングラスを父親がかけられなかった経験を語ります。鼻パッドがなく、縁が先に頬に当たってしまったといいます。
開発元のEven Realities ── スマートグラス「Even G1」「Even G2」を開発する企業。中国を拠点とするスタートアップですについて、しぶちょーさんは中国の企業で、深圳が拠点ではないかと話します。CEOはAppleでApple Watchの開発に関わり、その後Ankerや単焦点プロジェクターで知られるJMGOにいた人物で、光学の知見が生かされているそうです。
文字起こしのデータがどこのサーバーへ行くかはわからないため、気になる人は文字起こし機能を使わないほうがいいかもしれない、ともしぶちょーさんは付け加えます。耳の後ろの出っ張りがヘッドホンや骨伝導イヤホンと干渉する点も、使ってみてわかった弱点です。
SDKで作った「夜更かしすると光るアプリ」
Even G2には、アプリを作るためのSDK ── ソフトウェア開発キットの略。特定の機器やサービス向けのソフトを作るための道具や作法をまとめたものが提供されています。しぶちょーさんは、SDKをClaude Codeに渡して作りたいものを伝えれば、アプリを作ってもらえると話します。
しぶちょーさんが自作したのは、決まった時間になると視界が激しく点滅し、睡眠不足の害を伝える文章が流れるアプリです。タバコのパッケージの警告表示から着想を得たといいます。
あなたが今前借りしてるのは睡眠時間ではなくて未来の人生ですけど
ただ、このアプリで寝られるようになったわけではなく、切りのいいところまで作業を続けてしまうこともあったそうです。さらに、時間などの外部のきっかけでアプリを自動起動できないため、アプリを起動したままにしておく必要があり、しぶちょーさんは「練習用」と位置づけています。リングで取った睡眠データにアプリからアクセスすることもできなかったといいます。
しぶちょーさんは度付きレンズを入れて日常のメガネとして使っているので、自分の意識の外から情報を出せる仕組みを求めています。今は、複数のパソコンで動くAIエージェントの状態をメガネで一覧できるアプリを作っているそうです。
公式の開発者プラットフォーム兼アプリストア「Even Hub」には、開始時点で2000人を超える独立系の開発者が参加しました。Notion連携や青空文庫を読むアプリなど、他の人が作ったものも使えます。こうしたコミュニティをしぶちょーさんはEven G2の強さの1つに挙げています。
メガネの中身を映す実機デモ
「Hey Even」と呼びかけるとアシスタントが起動する様子を見て、かねりんさんは、ビデオで表示を映せないかと提案します。しぶちょーさんがEven G2をカメラの前にかざし、文字起こしモードの画面を映すことに挑みました。
ピントは合いにくいものの、緑色の文字がちらちらと映りました。しぶちょーさんの声が文字起こしされ、上部には「文字起こし」という言葉への解説が出ていたようです。表示は両目に同じものが映るそうです。
締めくくりに、しぶちょーさんはG3でスピーカーが付くことはあってもいいと話します。ただしカメラは付かないと見ています。
価格は10万円ほどで、度付きレンズを入れるならさらに5万円ほどかかります。度付きは名古屋か銀座の販売店店舗名で扱っていて、度なしならヨドバシカメラなどの家電量販店でも買えるそうです。
お便り紹介。Even G2をどう使いこなすか
番組には、Even G2を持つリスナーからの相談が届いていました。
EvenG2をかけてみんなに自慢しているけど、「これ何に使えるの?そんなに価値ある?」って聞かれて、「それがわからないなら君はかける必要がない」って言ってるものです。自分も持っていますが、十分に使えているか疑問に思うことが多々あります。OpenClawやClaude Codeを外部操作しようと思ってますが、なかなか。どんな使い方をしているのかや、どんな導入方法かなど、みんなの意見が聞きたいです。
あすまれ さんから
しぶちょーさんは、まだ使い始めて2週間ほどだとしつつ、Claude Codeとの連携はからあげ先生の記事を参考にしたと答えます。記事には方法が3パターンほどにまとまっていて、Tailscaleとターミナルモードを使うのが一番手っ取り早いそうです。
もう1通は、ChatGPTに250件のテキストアートの意訳を頼むと著作権を理由に断られたのに、Claudeは全件やってくれたので乗り換える、というリスナーからの感想でした。
エンディングでは、チャイや瞑想の話で盛り上がり、収録が2時間ぎりぎりになったことが笑いとともに振り返られます。しぶちょーさんが最後に「チャイの世界に行こうかな」と言うと、かねりんさんは、チャイを作りながらEvenを使うのが今のところ一番いいと返し、AIとのバランスの話で幕を閉じました。
まとめ
Even G2は、Google Glassを失敗させたカメラをあえて外し、文字表示と音声入力だけに絞ったスマートグラスです。翻訳やClaude Codeの操作といった便利さの一方で、しぶちょーさんはAIに引っ張られて自分がずれていく感覚も語り、かけるか外すかでAIとの距離を調整するという付き合い方が見えてきました。
- Google Glassはカメラが社会に受け入れられず、2015年に打ち切りになった
- Ray-Ban Metaはデザインで摩擦を減らしたが、カメラの本質的な問題は残っているとしぶちょーさんは見ている
- Even G2はカメラとスピーカーを捨て、36gの軽さと約2日持つ電池を実現した
- リアルタイム翻訳や手ぶらでのClaude Code操作は実用的だが、人間らしい時間を奪う危うさもある
- AIが濃くなるほど、チャイや瞑想のようなアナログの時間も濃くしてバランスを取ることが大切だと語られた






