長年の夢、持ち劇場CHIMNEY THEATERへ
今回の公開収録で語られたのは4つのトピックです。もうすぐ夢が叶いそうなこと、CHIMNEY COFFEEの新しい動き、米国債の手続き、そして西野のやりとりがアメリカっぽくなってきたこと。
最初のテーマは「もうすぐ夢が叶う」というものでした。7月31日に毎週キングコングの公開収録が行われる河口湖音楽と森の美術館内のコンサートホール。この場所に劇場名をつけようと考えているといいます。
理由は実用面にあります。「河口湖音楽と森の美術館内のコンサートホール」といちいち説明するより、劇場名で言えたほうが伝わりやすいからです。
さらにエンタメ業界の視点も加わります。特定の劇場のステージに立つことは、演者にとって一つのステータスになると西野は話します。
そこで考えているのがCHIMNEY THEATER ── 西野が展開するブランド「CHIMNEY TOWN」の名を冠した劇場名。チムニーは英語で煙突を意味し、代表作『えんとつ町のプペル』にちなむという名前です。チムニータウンのシアター、という意味です。
僕もう国内外の劇場回りまくってるんで、ここをもうイケイケの劇場にする自信あるんですよね。
音響や照明に手を加えれば、自信を持って良い劇場にできるといいます。これが実現すれば、長年の夢だった「持ち劇場」ができることになります。
この案はまだ美術館側には提案していない段階です。ただ、劇場名をつければマンスリースポンサーを募集でき、その収益を美術館の開発や修繕に回せるため、断る理由がないと西野は見ています。
CHIMNEY COFFEEに「IPの力」を加える
2つ目はCHIMNEY COFFEEの動きです。渋谷で2店舗、本店とブックアンドベッド店を旗艦店のように展開していますが、収支ではオンラインの売り上げのほうが大きいといいます。
西野が毎日飲んでいるカフェオレベースなどのオンライン商品が主力です。そのなかで店舗をただの旗艦店で終わらせない工夫が語られました。
後輩が店舗にガチャガチャを設置したところ、いい仕事をしているという話を聞き、西野は改めて気づいたといいます。自分たちはIPを持つ会社であり、それを使わない手はない、と。
ただしIPを押し出しすぎるのは避けたい。たとえば「鬼滅の刃カフェ」のように振り切ると、そのファン以外は入りにくくなるからです。
そこでIPの濃度を調整しつつ、各店舗ごとにオリジナルポスターを作りました。ルビッチがミニモフを持ち上げる絵柄で、店舗ごとに色味が違います。
このポスターはオンラインでは売らず、各店舗でしか販売しません。全部そろえたい人は店を回る必要がある、という設計です。
西野はポスターに集客だけでなく「想起」の効果も期待しています。家に飾られたポスターが目に入れば、また行こうと思い出すきっかけになるからです。
米国債は「自分が実験台になってから」紹介する
3つ目は米国債の手続きを始めたという話です。以前から気になっていた仕組みで、良いものなら紹介したいと考えていました。
ただし金融商品である以上、自分が試さないまま勧めるのは避けたいといいます。まず自分で買って触ってみて、良ければ紹介するという順番です。
ここで語られたのが老後の貯金の話です。たとえば2000万円を残しても、それで安心とは限らないといいます。
仕事を終えた後の貯金は減る一方です。1000万円を切ったあたりから、怖くてお金を使えなくなる人が多いのだといいます。
2000万円残してても1000万円しか使わないみたいなことがある。
自分の寿命に合わせて貯金をちょうど0円にするのは不可能です。あと5年、10年と生きるかもしれない不安から、後半はお金を使えなくなる。結局、貯めた分が無駄になってしまうと西野は指摘します。
リスナーからも「父が現金の減るのが不安であまり使っていない」というコメントが寄せられました。
そこで、貯金が減り続けるのではなく、毎年の利息でその年を乗り切れたら良いのではないか、という発想が出てきます。米国債にはその可能性があると西野は考えています。
一回人体実験として先に西野がやってみますということで、米国債の手続き始めましたというご報告でございました。
メリットもデメリットも両方必ず伝えたうえで、あとは各自で判断してほしい。そのために自分が先に実験台になる、というスタンスが語られました。
「アメリカっぽい」と言われた契約への向き合い方
4つ目は、西野のやりとりがアメリカっぽくなってきたという話です。きっかけは、ミュージカル『えんとつ町のプペル』の演出のミツオさんに指摘されたことでした。
ある会食の場で、メディアの人と一緒にやりませんかという話がふわっと進んでいました。そのとき西野が口にしたのは「口約束ではなく、このタイミングで契約を結んでほしい」ということでした。
理由はスタッフの生活を背負っているからです。途中でやめられてしまうとスタッフを守りきれない。だからこのタイミングで契約を結び、無理なら今回はなかったことにしよう、と伝えました。
その際、相手が嫌いになったわけではなく、縁が切れることも絶対にない、とも念を押しています。あくまで事情があってのことだ、という姿勢です。
アメリカっぽって言われた、光男さんに。
言われて西野もはっとしたといいます。日本のエンタメ業界では、いきなり契約の話はせず、もっと口約束で進み、時にはドタキャンさえある世界です。
自分もずっとその世界で生きてきたのに、いつの間にか契約を重視するようになっていた。この2、3年はずっと契約ベースで動いてきたといいます。
それは相手を信用していないからでも、嫌いだからでもありません。事故らないためです。ミュージカルならスタッフとキャストで200人、映画なら500人が関わり、突然の中止の責任は取れないからだと説明します。
一方で西野は、何でもかんでも契約が良いとは思わないとも話します。日本の口約束には、ふわっとさせておく良さもあるからです。
たとえば9月に横浜で行う知人のトークイベントにゲストで出る約束は、契約書など交わしていません。口約束でパッと決まるものにいちいち契約を持ち込めば、工数が増える一方です。
規模の大きいプロジェクトほど、早めの契約が必要になる。西野はこの変化を「もしかしたら成長したのかもしれない」と振り返りました。
何でもかんでも契約結んだらいいっていうわけではないと思うけれど、口約束でいいところもあるなと思いつつ。
まとめ
公開収録で語られたのは、持ち劇場、コーヒー店のIP活用、米国債、そして契約観の変化という4つの話でした。いずれも西野が今まさに動かしているプロジェクトであり、その判断の背景まで共有されました。
- 河口湖の劇場にCHIMNEY THEATERと名づけ、長年の夢だった持ち劇場を実現しようとしている。
- CHIMNEY COFFEEは店舗限定のオリジナルポスターで、IPを活かしつつ想起とリピートを狙う。
- 米国債は自分が先に試し、メリットもデメリットも両方伝えたうえで紹介するという方針。
- 大規模プロジェクトほど早めの契約を重視する一方、口約束の良さも残すバランスを意識している。







