尻ん棒ダンスと「バーの送り」
『劇団ひとりVS西野ファイナルマッチin東京国際フォーラム』で、僕が一番思い出に残っているのは「尻ん棒ダンス」です。
リンボーダンスではありません。頭にお尻の「尻」が付きます。
もともとは『ゴッドタン』で春先に放送しようとしていたものの、ポコチンを出しすぎてオンエアできずにお蔵入りになった収録がありました。それを今回のイベントでみんなで見ようや、ということになったんです。
その中でやっていたのが尻ん棒ダンス。台の上に僕がまたがって、その股の間を、ひとりさんがリンボーダンスで通り抜けるという競技です。
僕がバーなわけですね。どこまでギリギリまでバーを下げられるか、という勝負です。
ところが何回やっても、ひとりさんが僕の股の下をくぐるときに、ちょうど肛門のところで引っかかって止まってしまう。僕の肛門にひとりさんの鼻がペタっとついて、そこから全然動かないんです。
これに対して、矢作さんだったと思いますが「いや、そのバーも頑張れよ」と言われました。
ひとりも頑張ってるんだから、バーの西野も頑張れよ、と。おぎやはぎのお二人に言われて、小木さんからも「西野がもうちょっと送りを入れなきゃいけないんだよ」と言われました。
バーの送りなんて初めて聞きました。
お三方いわく、引っかかっているのを全部ひとりのせいにしちゃダメだ、これは共同作業なんだ、と。だから僕の肛門をクイックイッと前に出して、引っかかっている鼻を送り出しなさい、ということなんです。
「何なんだよ、送りって」と言いながら、僕もよくわからないまま腰を前に振って「これでいいですか?」とやっている映像を、みんなで見てゲラゲラ笑っていました。
アンコールで、4000人の前で生の尻ん棒ダンス
イベントは大団円でした。2時間ずっと大爆笑です。
へとへとになって「どうもありがとうございました」と舞台袖にハケた瞬間、客席から「アンコール、アンコール」と声が起きました。
何よ、アンコールって。音楽のライブでも何でもないぞ、と。
その瞬間、ひとりさんがぶわーっと走って、舞台袖にあるパイプ椅子を2つ取りに行って「尻ん棒ダンスやろう」と言い出したんです。
形を説明すると、パイプ椅子が左右に2つ並んでいて、僕は左足を片方、右足をもう片方に乗せて、客席の方を向いてまたがっています。凱旋門みたいな感じです。
その凱旋門の下を、僕の背中側からひとりさんがリンボーダンスでくぐるわけです。ただ、凱旋門には肛門とか金玉とかがついちゃってるので、そこにひとりさんの鼻が毎回引っかかる。
4000人の前で、前張りだけ張った、ほぼ全裸の状態です。
Vであれだけ見て、あれだけ研究したのに、生でやったときもやっぱり、ひとりさんの鼻が僕の肛門にカポッと引っかかるんですよ。
おぎやはぎのお二人からは「いや、だから送れよ、西野」と言われて。仕方がないので腰をグイグイ前に出すんですけど、前に出したら当然戻さなきゃいけない。戻すと、ひとりさんの鼻も一緒に後ろに戻ってくるんです。
すると小木さんに「西野、お前送った後に戻しも入れてしまってる」「戻しは入れちゃダメなんだよ。送れ」と言われました。
どうすりゃいいんすか。「今送ってます、俺」とか言いながら、4000人の前で何してるんだと思いました。
よくよく考えたら、普通のリンボーダンスや棒高跳びなら、バーに当たればコロンと落ちます。でもこの尻ん棒ダンスには、落ちるという仕組みがそもそもないんです。
ひとりさんの鼻が僕の肛門に刺さったまま、僕は送りが下手らしく、「送れよお前、いい加減にしろよ。ひとりがかわいそうだろ」と怒られ、ひとりさんは「前に行けない」と泣いていました。
その危ない橋を渡っても、何もない
では成功したら、その先に何があるのか。何もないんです。
舞台袖はピリピリでした。ステージ上で股間や肛門が見えたら書類送検されてしまうぞ、ということで、「カメラ後ろ回るな」「絶対ここで事故なんか起こしちゃダメだぞ」と怒号も飛んでいました。
その怒号は客席には聞こえていなかったので、お客さんはただ笑っているだけだと思っていたはずです。
でも、なんでみんなしてこの危ない橋を渡っているのか。渡った先に何かがあるなら渡ろうかとなりますけど、危ない橋を渡っても何もないんです。
尻ん棒ダンスなんて、始めた時点で失敗なんですよ。大人として失敗してるんだから。
俺たちはずっと、何もないところを走っている。これが、なんだかすごく残りました。
ちなみに、僕は下の毛を剃ったんですが、プロデューサー陣によるちゃんと剃れているかのチェックまでありました。
肛門の周りに毛が生えている場合もあるので、それもスタッフさんに見せなきゃいけない。46歳で四つん這いになって「大丈夫ですか、これ見えてないですか?」です。つらい。
世界の西野とか言ってるし、トニー賞とか取ったんですよ。『チムニータウン』の若手スタッフは、悲しそうにしてるよ。
打ち上げで出た「これ、最終回じゃん」
終わってから、楽屋で軽い打ち上げがありました。おぎやはぎさんはその後ラジオがあるので、本当に軽くです。
そこで出たのは「これやった後、何が残ってるん?」「ひとりバーサス西野はこの後どうすんの?」という話でした。
最終回ですよ、あれは。肛門にひとりさんの鼻が刺さって、送れと怒られて、「送ってます」と言っている。バラエティの最終回をやっちゃってるんです。
もうこれ以上何もないよね、という話になっていたのが印象的でした。
でも、スタッフさんも含めて、素晴らしい先輩方に囲まれているなと。ちょっとありがたいなと思いました。
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それでは素敵な一日をお過ごしください。じゃあまたね。
まとめ
劇団ひとりさんとの対決で僕に一番残ったのは、何も得られない危ない橋を、出演者もスタッフも本気で渡っていた光景でした。くだらなさの中で、いい先輩方に囲まれていると改めて感じました。
- 東京国際フォーラムのファイナルマッチで一番の思い出は、尻ん棒ダンスだった
- アンコールで生でもやったが、ひとりさんの鼻は僕の肛門に引っかかり、「送れ」と怒られ続けた
- 舞台袖は本気でピリピリしていたが、成功しても先には何もない。その「何もないところを走る」感覚が残った
- 打ち上げでは「これ最終回じゃん」という話になり、先輩方やスタッフさんへのありがたさを感じた




