睡眠実践編、二人目はなぜスムーズなのか
今回はジーナ式をテーマにした睡眠回の第2弾、実践編です。前回は赤ちゃんの体内時計やジーナ式の押さえどころを扱いましたが、ヒヤマさんは「とはいえ実践の話は山ほどある」と、より具体的な悩みを持ち込みます。
ばたこさんも「完璧にできた話はないし、これをやればうまくいくという正解もない」と前置きします。二人目のジーナ式をどうするか、といった具体的なところから話が始まりました。
二人目だとさ、結構軌道に乗るのは簡単だったりしない?(上の子の)睡眠環境とかがもうある状態じゃん。
正直言うと、一人目の時よりも全然悩みは少ない。
ヒヤマさんの0歳の下の子は、夜は6時ごろに寝て、10時に一度起こしてミルク、あとは5〜6時に起きるという流れ。昼寝と朝寝を合わせて日中2〜2時間半、夜が11〜12時間で、合計13時間半〜14時間ほど眠っているそうです。
ばたこさんの下の子も6ヶ月の頃で1日平均14時間14分、昼寝は2時間45分ほど。二人とも十分に眠れているものの、ヒヤマさんには気になる点がありました。
5時ぐらいに起きると結構しんどいから、せめて6時を超えたいっていうのがあって、(それが)お悩みその一。
もう一つの悩みは、昼寝の長さにムラがあること。離乳食が関係しているのかもと、仮説を探しているところでした。
睡眠を整える5つのレバー
ばたこさんは、赤ちゃんの睡眠トラブルの要因は大きく分けて5つだと整理します。この5つが、睡眠を調整する「レバー」になるという考え方です。
1つ目は空腹です。夜中に起きて授乳するとすぐ寝るなら、お腹が減って起きていた証拠。昼寝が途中で切れたときも、直前にミルクを足すと寝続ける可能性があると話します。
2つ目の疲れすぎは、いちばんよくある要因です。赤ちゃんが起きていられる活動時間は月齢で決まっていて、6ヶ月なら3時間持つか持たないかくらい。それを超えると疲れすぎてしまいます。
疲れすぎ2つあって、疲れすぎて寝付けないもあるし、疲れすぎててパタッと寝てしまったが故に、翌朝にその余韻が来ちゃう、早朝覚醒が来ちゃう。
疲れすぎで寝付けなくなるのは、直感と反する話です。ばたこさんは、これが赤ちゃんの睡眠を学んで最初に驚いたポイントだったと振り返ります。
対策として勧めるのが、夕方の「うたた寝」です。6ヶ月ごろは夕寝がなくなるタイミングですが、疲れすぎているときは短いうたた寝が効くと言います。
5分、10分、ちょっと抱っこ紐でうとうとするぐらいでいい。(夕ご飯を)作りながらちょっとおんぶ紐、抱っこ紐入れとくぐらいで。
ただし、うたた寝は15分以上させると二度寝の威力が上がりすぎるので15分以下がよい、というのがばたこさんの目安。大人も15分ほどで睡眠のモードが変わるという話と重なります。
3つ目は昼寝のしすぎ。ばたこさんの2歳児は昼寝がほぼいらないのに、保育園で1時間半ほど寝てくると、わかりやすく5時ごろに元気に起きてしまうそうです。
4つ目は光です。朝日が入ると目が覚醒してしまうため、赤ちゃんの頃は一筋の光も漏らさないよう遮光してみる価値があると話します。
5つ目は温度と湿度。ばたこさんは、寝つきはやや涼しいほうがよく、その後は一定がよいと考えています。ただし冬の22度と夏の22度は体感がまったく違うのが落とし穴です。
温度、定量だけで見てるとマジでミスる。
ばたこさんは全部屋にSwitchbotの温度計をつけ、天気アプリのウィジェットで前日の気温推移や翌日の予測まで把握しているそうです。外気温によって同じ室温でも体感が変わるからです。
世間一般の声を代表して言うと、自分の部屋の温度すらそんなちゃんと見てないから、外の温度見ないのよ、まず。
湿度についてばたこさんは50%前後でよい派。冬は加湿すると、喉や肌の乾燥による夜中の目覚めが減ると話します。ヒヤマさんも、保湿剤と加湿器で夜中にかゆくて起きることがなくなったと共感しました。
この5つは、いつもと違うレバーはどれかを探すためのチェックポイントになります。荒れているときに「出かけて刺激が多かったかな」「昼寝がうまくいかなかったな」と仮説を立てやすくなるわけです。
ヒヤマ家のケーススタディ、夕寝は必要か
ここからは、ヒヤマ家の1日のリズムを具体的に見ていきます。下の子は5時半前後に起きるものの、リビングには連れて行かず、同じ部屋で横並びに寝て過ごし、6時半ごろに部屋を出て初めて光を浴びるそうです。
その後は朝食のミルク、上の子の幼稚園送迎を経て9時ごろに朝寝。11時ごろに離乳食とミルクで、昼寝は12時前後という流れです。ヒヤマさんは、昼寝が短くなるのは疲れすぎかもしれないと気づきます。
問題は夕寝でした。ヒヤマさんはジーナの本に忠実に、よほどでない限り夕寝はさせていませんでした。しかしばたこさんは、話を聞く限りむしろ夕寝をさせたほうがいいと勧めます。
起こすまで寝ている以外であれば夕寝していいと思う。
ヒヤマさんは以前、幼稚園のお迎え前に散歩して10分ほど寝かせていたものの、最近は寝なくなってやめていたそうです。外の世界に興味を持ったのか、抱っこ紐で覆っても目が合ってしまう、という子育てあるあるで盛り上がります。
ばたこさんは、夕寝をさせても就寝を後ろに引っ張りすぎないよう注意します。夕寝は就寝を遅らせるためではなく、疲れすぎを解消して総睡眠時間を延ばすためのものだからです。
後ろ倒すために夕寝をさせてるわけじゃなくて、疲れすぎを解消するためにしてるだけだから。
寝る前ルーティンという「素地」づくり
話は、二人目がスムーズな理由へ移ります。ヒヤマさんは、その要因は自分たちの中に流れができているからだと考えます。ばたこさんも、大人にリズムがあり、上の子が当たり前のように協力してくれることが軌道に乗りやすさにつながると話します。
そのうえでばたこさんが重視するのが、寝る前のルーティンです。オルゴールが鳴ったら寝る、というように行動を染みつかせておくと、あとが楽になります。
ばたこ家では、Alexaの「眠れる子守歌」を長年愛用。15〜20分でだんだん音が小さくなって消える仕様で、上の子は3〜4歳の頃、それを流すだけであくびをしていたそうです。
ここに来たら寝るとか、これをされたらちょっと眠くなるみたいな。まあ暗示みたいなもんよね。
ばたこさんは、赤ちゃんの頃はこうした「素地」を作ることが重要だと強調します。素地とは、生活リズムと「何をしたら寝るか」という暗示のことです。
ヒヤマ家は寝る前にホワイトノイズを流していますが、この話を受けて、オルゴールから切り替える形にしておけば後々楽なのかもと先を見据えます。ばたこさんも、それが流れたら寝るとわかっていれば「かけないで」と言われても続ける、と応じました。
ライナスの毛布と、遮光をどこまでガチるか
続いて、愛着の対象となるアイテムの話へ。ばたこ家には上の子も下の子も「ねんねタオル」があり、特定のタオルやぬいぐるみに強い愛着を持つ状態を指す言葉があるといいます。
ヒヤマ家の4歳の上の子も、旅行にぬいぐるみを持っていくのが近い現象。匂いや肌触りに安心を感じているのだろうと二人は話します。
そして遮光の話へ。ヒヤマさんは昼寝や明け方に一筋の光が入っていて自信がないと打ち明けます。ばたこさんが挙げた暗さの目安は、かなりの徹底ぶりでした。
(部屋の暗さの目安は)20センチ先で5とか、数字を指で出して見えないって書いてあった。
遮光グッズとしてばたこさんが勧めるのが、意外にも防草シート。農業で草を防ぐために使うシートで、遮光率が高く、遮光カーテンの中に張っていたそうです。
ほんまに防草シート張ってるよ。すご。
ただし完全に遮光すると窓が開けにくくなり、部屋がずっと暗くなる難点もあります。ばたこさんは、最初に光を取り込むことも大事なので、上をマジックテープで剥がせるようにしていたと工夫を語ります。
ヒヤマさんの悩みは、引き戸の横から漏れる光。ばたこさんは一人目のとき、引き戸の前に突っ張り棒で暗幕をかけ、舞台の袖のような二重ドアにして光を防いでいたそうです。
さらにガチ勢としての事例も。ばたこ家は家を建てるとき、まず全自動シャッターを入れ、寝室とリビングを違うフロアにしたといいます。
(寝室とリビングを違うフロアにしたのは)寝た後楽しくテレビが見たいというオーダーです。
生活習慣は親からの贈り物
睡眠環境のために何かを犠牲にしている節もある、というヒヤマさんの言葉に、ばたこさんは「おかげでスクスク育っているので良かった」と受けます。そして、この回の核心となる考え方を語りました。
ねんねの習慣というか、睡眠の環境ってさ、親からのプレゼントだと思ってるから。
ばたこさんは、幼少期に睡眠習慣がついている子は、思春期に夜更かしするようになっても、その素地があるかないかで全然違うと考えています。ガチガチに管理しようという話ではなく、幼少期は睡眠が大事だという、それだけだと言います。
ジーナ式には子供主導で授乳する「ディマンドフィード」という言葉が出てきます。一見、親が子供を思い通りに動かしているようにも見えますが、ばたこさんの捉え方は逆でした。
結局回り回って子供のスケジュールに合わせてると私は思ってるんだよね。
親の都合に合わせていたら、子供は夜中まで眠い目をこすってテレビを見て起きていることもできてしまう。そうではなく、子供が寝たいタイミングでちゃんと寝かせるためのサポートをしている、という捉え方です。
ヒヤマさんは、ジーナの本のよさは「こういうスケジュールがある」というサンプルがある点だと言います。時間割のような参照点があると、自分たちの現状と比べる「間違い探し」ができ、試行錯誤の余地が生まれます。
この生活リズムは、最終的に大人の朝・昼・おやつ・夜という食事リズムに同調していくための準備でもある、とばたこさんは見ています。日が大きくなるにつれ、他の時間を調整して朝昼晩にボリュームが出るようにしていくわけです。
たとえば3時ごろの授乳で飲ませすぎると、夜ご飯で飲めなくなり、空腹で寝てすぐ起きてしまう。すべてが紐づいていると、ばたこさんは実際にやって初めてわかったと振り返ります。
日常と非日常、そして親の一貫性
一人目と二人目の違いも話題に上がりました。ヒヤマさんは、一人目が基礎問題、二人目は一人目がいる前提の応用問題だと表現します。ばたこさんは、二人目は上の子の習い事や外出に合わせざるを得ず、応用でしかないと応じます。
ここで問題になるのが、スケジュールをどこまで守るか。上の子が公園に行きたがる一方、下の子は良い環境で昼寝させたい、という板挟みは親が試される場面です。
どこまでそれを徹底するかって、結構親が試されるなって感じ。
そこでばたこさんが示すのが、日常と非日常を分ける考え方です。花火大会のような特別な日で1日ずれるのは戻せる、というのが判断の基準になります。
完璧に固定しなくても、起床時間を揃える、同じ流れを作るといった軸を持っておく。特別を日常にしてしまうと途端に崩れる、というのがポイントです。
さらに、子供が交渉して特別を続けさせると成功体験になってしまうため、親が言ったことを親が守る一貫性が大事だと話します。会社や学校のダブルスタンダードにたとえながら、子供を混乱させないことの重要性を確認しました。
親の胆力求められるよね。
ばたこ家の苦悩、ママの取り合い
一貫性の話から、ばたこさん自身の生々しい悩みが飛び出します。次女が「ママのトントンじゃないと寝ない」状態で、寝る部屋も別なため、最後の5〜10分は姉妹どちらか一人だけになってしまうのです。
長女も「今日はママに話を聞いてほしい」ときがあり、姉妹で「ママがいい」と喧嘩になる。基本は1日おきにパパの日・ママの日と交代しているものの、次女はママがいないと30分ほど泣き続けるそうです。
(次女は)パパに抱っこされながら泣いてんねん、ママがいいって。
パパがかわいそう。
ふだん実践知を語るばたこさんの悩みに、ヒヤマさんは「ばたこさんも人の親なんだなって思いました」と受けます。ばたこさんは、上の子を先に寝かせてから次女の部屋に行ってトントンする日々を送っていると明かしました。
それでも一人で寝ることには意味があるとばたこさんは考えます。朝までは一人で寝られるので寝かしつけの時だけの問題であり、一緒の部屋にすると旅行のときに大暴れになってしまうそうです。
なんか心の自立にもいいしな。睡眠の深さも多分深いだろうし。
寝言泣きと、泣いたときの見守り方
最後は、赤ちゃんが泣いて起きたときの対応です。すぐ抱っこしてはいけないとよく言われるものの、では何分我慢すればいいのか、上の子が起きそうでハラハラする、という難しさをヒヤマさんが挙げます。
ばたこさんはまず、根本原因を解決するのが前提だと整理します。疲れすぎや空腹など、5つのレバーのどれかが潜んでいることが多いからです。表層の泣きへの対応と、根っこの原因は別だという整理です。
そのうえでの持論が、1分〜1分半は様子を見ること。というのも、その時間に泣いてそのまま寝つく場合は、実は「寝言泣き」で本当に寝ているからだそうです。
一分半以内に泣いて、そのまま寝つけた場合は本当に寝てるっていうのが(あるらしい)。
座り込んでいても寝ていることがある、というのは赤ちゃんならでは。まだ喋れないぶん、寝言が泣き声になるわけです。ばたこ家の下の子も、様子を見ているうちにパタッと目をつぶって寝ていることがあるといいます。
ただし放置すると本気泣きにつながるパターンもあり、その兆しを見極めて対応する難しさは残ります。夜中の3時4時に叩き起こされて仏の心で待つのは無理だ、という本音も語られました。
夜中の三時とか四時に叩き起こされたらさ、もう眠くて目が覚めなわけよね。
結局、原因の方を探りつつ、起きてしまったときはもう頑張るしかない。上の子を寝不足で幼稚園に行かせたくないという事情もあり、起こしたくない気持ちは自分のものでもある、と二人は共感し合いました。
まとめ
赤ちゃんの睡眠トラブルは、空腹・疲れすぎ・昼寝しすぎ・光・温度湿度という5つのレバーで仮説を立てて対策できます。根っこはこの5つで整えつつ、泣いたときの表層の対応は無理せずソフトでいい、というのがこの回の着地点です。生活リズムそのものが、親から子への贈り物だと語られました。
- 睡眠トラブルは空腹・疲れすぎ・昼寝しすぎ・光・温度湿度の5つのレバーで原因を探る
- 疲れすぎは寝付けなさと早朝覚醒の両方を招く。夕方の短いうたた寝で解消する手もある
- オルゴールなど「これで寝る」という寝る前ルーティンが、生活リズムの素地になる
- 「今日は特別」はOKでも「毎日特別」はNG。日常と非日常を分ける親の一貫性が大事
- 1分〜1分半の泣きは寝言泣きのことがある。根本原因を探りつつ、泣いたときは無理せず対応する




