「何でもできる」とは具体的に何を指すのか?
Spotifyでこの番組を聴いているゆうやさんから、おたよりが届きました。PMが「何でもできる」と話していたことについて、具体的に何を指すのかを尋ねる内容です。
何でもできるとおっしゃってましたが、具体的にどんなことを指していますか?技術面の理解なのか、調整や資料作りなどの実務なのか、イメージを伺いたいです。
ゆうや さんから
やましょーさんは、番組内で「PMになって何でもできるようになった」と話していたことに、ゆうやさんが反応した質問だと整理します。そのうえで、すぅさんに「技術的な知識の話か、調整や資料作りのスキルの話か」と意見を求めました。
何でもできるのではなく、何でもやらされている?
すぅさんは、「何でもできる」というより「何でもやらされている」と言うほうが正しいのではないか、と答えます。何でもやらないと前に進まないので、結果としていろいろやっているだけだといいます。
システム開発がめっちゃ詳しいとか全然ないので、その辺のプロフェッショナルの人に比べればできない。
ただ、できないなりに、プロジェクトを前に進める上で必要な観点や視点は、多分持てている。だから協働してうまく進められている感じです。
すぅさんは、やらないといけないことをしぶしぶやっているうちに、ある程度できるようになった、というのが実態に近いと話します。規模が大きくなるほど、自分よりできる人がやったほうがいいことも増えるとも述べています。
「何でも屋」とは、誰も拾わないこぼれ球を拾う人?
すぅさんは、PMの「何でも屋」とは「何でも雑務します屋」に近いのではないかと言います。誰が持っているのか分からない、こぼれ球を全部やる役割が一番しっくりくるそうです。
やましょーさんも、タスクにいち早く気づくのはPMであることが多いと話します。PMが最初にボールを投げ込み、それでも球がこぼれて、自分で拾いに行くことも多いといいます。
タスクに気づく
PMが誰よりも早くタスクに気づく
ボールを投げる
PMが担当者へタスクを渡す
球がこぼれる
誰も拾わず、タスクが宙に浮く
自分で拾う
PMが走って取りに行く
浅く広く知っておくのは、なぜ必要なのか?
やましょーさんは、物事は「知っている」から「できる」になるまで、さらに誰にも負けないレベルになるまで、非常に時間がかかると話します。PMは浅く広い知識のまま、戦わざるを得ない場面が多いといいます。
やましょーさん自身は器用貧乏タイプで、一つの分野で誰にも負けないと言い切れないそうです。そのため、プロジェクトを進めるときに不安にならないよう、いろいろな分野で人の話が聞けるくらいには知っておく、という考え方です。
すぅさんは、そういう人がいないとプロジェクトは回らないと応じます。メンバーはそれぞれの役割の立場から主張しがちなので、間に入って調整し、推進する人が必要です。
たとえば、エンジニアが話した内容を営業に分かりやすく伝える場面があります。両方の意見が分かる浅く広いスキルは、大事なスキルだとすぅさんは話します。
少人数チームでPMは何役をこなすのか?
やましょーさんは、体制が充実したチームなら役割分担がうまくいくと話します。一方、少人数のチームでは、PMをしながら設計も最後まで担当する形になりがちです。
体制図には「プロジェクトマネージャー 山翔」の下に、運用設計や商品開発の担当としても山翔が並ぶことがあるそうです。やましょーさんはこれを「影分身」と表現し、全体を見ながら詳細も詰めるダブルワークになっていると話します。
AI時代に、PMだけをする人は必要なのか?
すぅさんは、少人数でやる今の時代は、PMだけをする人は正直いらないと話します。プロジェクト管理だけをする人はあまり必要とされず、他の領域もできることを増やすしかない、という考えです。
すぅさんは自分の会社でLP、マーケティング、営業まで一人でやっています。やってみると意外とできることが多く、AIの力でできるレベルも強くなっていると感じているそうです。
「何でもできる」は「何でも決められる」ことなのか?
やましょーさんは、実務や作業はAIでもできるし、できなければ他の人に頼むこともできると話します。PMの大きな仕事は意思決定であり、「何でもできる」を言い換えると「何でも決められる」ではないかと提案しました。
やましょーさんは、判断材料を集め、それを煮込んで料理として完成させるようなところに価値があると例えます。
作業は正直AIが全部やってくれるから、何をどうしたいかを決められる力が、ある種、何でも力というかもしれないですね。
エクセル忍者の時代は終わったのか?
やましょーさんは、ショートカットキーが異様に速い「エクセル忍者」のような人がかつていたと話します。すぅさんも自分がそうだったと言い、今ではショートカットをほとんど忘れたといいます。
すぅさんは、ボタン付きマウスにマクロを割り当てていた時期もありましたが、今はMacのトラックパッドだけを使っています。細かな作業のレベルよりも、何をしたいか、何を決めるかに、業務の重心が移っていると話します。
質問1への答えとして、やましょーさんは次のようにまとめます。調整のような人との関係のスキルはありつつ、手を動かす部分はAIでもできる。そのため、理解してさばき、判断がつくようになることが大事で、知っているほど判断材料が増えるという整理です。すぅさんも「基本そうだと思います」と同意しました。
ショートカットやマクロなど、作業の効率化ができること
何をしたいか、何を決めるかを判断できること
何をやって何をやらないかの判断力は身につくのか?
2つ目の質問は、何でもやっていると時間が足りなくなるため、何をやって何をやらないかの判断が大事だと思う、というものです。判断力は自然に身につくのか、意識して身につけるのか、2人がどう磨いてきたのかを尋ねています。
何でもやっていると時間が足りなくなるので、何をやって何をやらないかの判断が大事だと思っています。この判断力は身につくものなのか、身につけるものなのか、意識して。お二人がどう判断力を磨いてこられたのかも伺いたいです。
ゆうや さんから
やましょーさんは、最近は「判断待ち」のAIセッションが夜にいくつも並び、諦めて寝ることが増えたと笑いながら話します。すぅさんも、全部やったら終わらないことばかりだと応じました。
うまく回すPMは、なぜめんどくさがりなのか?
すぅさんは、いい感じにPMをしている人にはめんどくさがりが多いと感じています。生真面目に全部やろうとする人は、まず回らないという見立てです。
意外とうまくいってる人は、適当に流して、勝手にやらない判断をしたりしてる。
めんどくさいから、一旦これでいきましょうって、その場で決めるものをその場で決める。変に自分で球を持たないんですよね。
すぅさんは、真面目に全部を受け入れて判断しようとする人は、パンクして倒れてしまうことが多い気がするとも話します。性格か意識かは分からないとしつつ、感覚としての意見です。
「マメだけど雑」な人がプロジェクトを回せる?
やましょーさんは、自分の言葉では「マメだけど雑な人がうまく回せそう」だと話します。いろいろなところに気づいて手を伸ばすものの、これはやらなくていいと割り切り、60%の仕上げで満足して回していく人です。
やましょーさんは、そうした人は「ちゃんとしている」と評価されると話します。評価されるのは、いろいろなところを見られているという側面で、全部を磨き込むことではないという見方です。
すぅさんは、磨くべきところは勝手に分かるので、逃してはいけない点は確実に押さえると話します。決めなくていい点は、早く決めてほしいなら「一旦これでいいことにします」とし、リスクを分かったうえで後から対応できる範囲で判断しているといいます。
全部やろうとして回らなくなり、パンクしやすい
広く気づきつつ、60%の仕上げで回し、逃せない点だけ磨く
判断の嗅覚は経験から生まれるのか、第六感なのか?
やましょーさんは、質問の中心は、判断の嗅覚が経験から生まれるのか、第六感のようなものなのかだと整理します。すぅさんは、先天的か後天的かの話であり、別テーマで長く話したいと答えました。
やましょーさんは、経験が判断力を磨くことは間違いないと考えています。判断には「正しい判断」と「素早い判断」の2種類が思いついたそうです。
素早い判断は、WBSを見ながら「これは絶対さばく」「これは適当でいい」と処理する場面で効くため、経験が活きやすいといいます。一方、正しい判断は、誰に何を聞くか、どの評価軸が大事かを一つずつ追えば、経験が少なくても決められそうだと話します。
WBSを見て、さばくものと適当でよいものを分ける。経験が効きやすい
評価軸やシミュレーションを経て、ゴールに近い一手を選ぶ。手順を追えば経験が少なくても決めやすい
質問2への答えは?
質問2への答えとして、すぅさんは「一定磨ける」と答えます。ただし、磨き方のスタイルは人それぞれで、絶対にうまくいく成功のやり方はあまりないとも話しました。
こうしたら絶対にうまくいくっていう成功のやり方はあんまりない気がするので、これ(自分のスタイル)を見つけられるかどうかが大事かなって感じですかね。
やましょーさんも、自分にとって一番決めやすく進めやすい方法がありそうだと応じ、「ふわっとした回答」と笑います。このテーマは、改めて別の回で扱うことになりました。
おたよりはこれからも待っている?
すぅさんは、「全部人による」という回答ばかりになるかもしれないと冗談めかします。それでも2人とも、思った以上におたよりが届いたことが嬉しいと話しています。
やましょーさんは、今後もゆるく楽しく発信していきたいと述べ、チャンネル登録やコメント、おたよりを呼びかけました。
まとめ
PMの「何でもできる」は、技術や作業を極めることではなく、こぼれ球を拾いながら何でも決められることだと2人は語りました。判断力は一定磨けるものの、そのスタイルは人それぞれだという結論です。
- 「何でもできる」は、実際には「何でもやらされている」「こぼれ球を拾う何でも屋」という面が大きい
- 浅く広い知識は、立場の違う人の意見をつなぎ、判断材料を増やすために役立つ
- AI時代は作業よりも「何をしたいか、何を決めるか」という判断の比重が高まっている
- うまく回すPMは、全部をやらず、逃せない点だけ磨くめんどくさがりでマメな人が多い
- 判断力は経験で一定磨けるが、自分に合う判断のスタイルを見つけることが大切






