閉店間際のベスト電器で見つけたロジクールM850L
最初のコーナーはガジェットレポート。那覇市天久のベスト電器が閉店するという話から始まります。
報道によれば閉店は8月30日。神森さんは「そのうち売り尽くしセールをやるだろう」と高を括っていたそうです。
ところが先日、たまたま近くを通って店を覗いてみると、いつの間にかセールが始まっていました。
しかも、ある意味で時すでに遅し。店内はほとんど物がなくなっていたと言います。
テレビやブルーレイレコーダーはもちろん、カメラもドローンもGoProのようなハンドヘルド系も残っていませんでした。安くなったら真っ先になくなるものばかりです。
いつか買うかも、あわよくば欲しいなみたいなものって、こういう時に限って買われちゃうんですよね。
そんな中、キーボードとマウスのコーナーに行くと、ロジクールのマウスが並んでいました。
神森さんが使っていたのは3台のデバイスを切り替えられるエレコムのマウス。ただ最近、たまにクリックが反応しないことがあり、買い替えを考え始めていたタイミングでした。
なぜロジクールを選んだのか
切り替えができる別のマウスを探そうとしていた矢先、見つけたのがロジクールのM850L、ブラックのモデルでした。
そもそもロジクールを探していた理由は、以前のエピソードで紹介したキーボードK780にあります。
なんだかんだ言って、ロジクールってやっぱりMacとの親和性が結構高いと思うんです。
キーボードがそうなら、マウスもそうだろうという期待が一番の理由でした。
もう一つ、おまけのように気になっていたのがFLOWという機能です。
その場でスマホで調べると良さそうだったため、閉店売り尽くしで20%オフ、レジで6000円という価格に即決したそうです。
正式名称はシグネチャー コンフォート プラス M850L。今年6月に出たばかりの新しいモデルで、Amazonでは7000円台だったといいます。
初のパームクッションは「手のひら」ではなかった
このマウスの一番の特徴は、手のひらが当たるところにクッションが入っていることです。ロジクールとしては初のパームクッションだそうです。
ほかにも静音クリック、Bluetoothで3台まで切り替え、多くのボタン、専用アプリでのカスタマイズといった機能を備えています。
購入は8月16日。ただ宮古島に行っていたこともあり、まだ使いこなせてはいないとのことです。
それでも接続は普通のBluetoothで、Mac側で選ぶだけ。特別な設定はなく、違和感なく使えていると話します。
一方で、パームクッションの当たり方は公式の説明とは少し違ったそうです。公式には「手のひらを支える」と書かれています。
実際に握ってみると、人差し指と中指の付け根がクッションの真ん中あたりに来て、その前後がかかる感じだと言います。手のひらというより、指の付け根あたりが当たる感覚です。
手が吸い付いてる感じっていうんですかね。思っていたよりいいかもしれません。
作業を早くしそうな「Actions Ring」
ここからが神森さんが一番話したかった部分です。このマウスはボタンが多く、どのボタンに何を割り当てるか、慣れるまで時間がかかりそうだと言います。
その割り当てを専用アプリで自由に変えられる点がすごいと感じたそうです。
中でも便利そうなのがActions Ringという機能です。
この機能は、Finderだけでなくアプリケーションごとに自動で設定されているようで、中身も自分でカスタマイズできるとのことです。
使いこなせれば作業がかなり早くなりそうですが、まだそこまでは至っていないと話します。
さらに、この専用アプリではキーボードのK780も一緒に設定できることに気づいたそうです。
アプリを買っただけのつもりだったのに、手元のキーボードまで面倒を見てくれたみたい。ちょっと得した気分ですね。
切り替えはMac miniとMacBook Airにつないでいます。デスク作業とリビングや出先の使用を行き来するため、切り替えられるのはありがたいと言います。
ただし気になる点も。デバイスの切り替えボタンがマウスの底面にあり、切り替えるたびにひっくり返さないといけないのです。
ちょっとスマートじゃないですよね。そこだけは慣れるまで気になりそうです。
広報と広告は、どちらもマーケティングの中にある
ここからはワークトークのコーナー。テーマは広報と広告の違いです。
前提として、広報も広告もどちらもマーケティングの枠の中に並んで入っているもので、その上で役割が違う、と神森さんは整理します。
ただ、この2つをごっちゃにしている人は結構多いのではないか、と指摘します。それは会社の中だけの話ではありません。
プレスリリースの配信サイトを眺めていると、これでプレスリリースなのかと思うものに出会うことがあるそうです。
何が引っかかるかというと、自分の紹介文のようなもので終わっているから。「うちの会社はこういう会社です」で完結してしまっているのです。
それ自体は間違っていないものの、メディアの人が「記事にしたい」と思うものにはなっていない。そこがもったいないと話します。
「自分で言う」広告と「語ってもらう」広報
広告は原則として、お金を払って枠を買い、自分たちが言いたいことを言いたい形で出すものです。だから行動を作ることが得意だと言います。
買ってもらうことを前提にメッセージを出し、「買ってください」「申し込んでください」が最終的なゴールになります。
一方で広報は逆です。自分で言うのではなく、誰かに語ってもらうもの。中心はメディアですが、SNSの時代には使ってくれる人や社員かもしれません。
語ってもらうためには、語られやすい形になっていないといけない。だから整えることが大事なんです。
例えばテレビCMを見て、その会社を信頼するかというと、そうはならない、と神森さんは言います。
「こんな会社があるんだ」「こんな商品が出たんだ」という認知までは届きます。ただ、信頼を持ってもらわないと人は語ろうとは思わない、という指摘です。
逆に、炎上のように悪い意味で語られることもあります。基本的には会社やサービスを好意的に語ってもらうことが大事で、そのためには信頼が欠かせません。
お金を払って枠を買い、自分が言いたいことを言う。行動を作るのが得意
誰かに語ってもらえるよう整える。信頼を積み上げる
信頼はどこから来て、どう使い分けるのか
では信頼はどこから来るのか。その会社が何をやっているのか、そのサービスが社会にどう役立っているのかが伝わったときだ、と神森さんは考えます。
だから、自分たちの取り組みが社会にどんな貢献をしているのかを知らせることが、信頼を得る上で大事だと言います。
ただし、それを自分で言うと少し違う。「うちはこんなに社会の役に立っています」と自分で言っても「そうですか」で終わってしまいます。
同じ内容でも、他の誰かが語ってくれると受け取られ方が変わる。そこが信頼が増していくことなんじゃないかなと。
そして今日一番言いたいところとして、これはどちらかを選ぶ話ではない、と念を押します。
期間を決めて一気に売りたいときは、お金を払って枠を買える広告が向いています。
逆に、時間がかかっても「この会社はちゃんとしているな」と思ってもらいたいときは広報。すぐに数字にはならないものの、じわじわ後から効いてくると言います。
2つの違いがわかっていれば、今はどっちの場面なのかという判断ができるようになるという点が、この回の核心です。
逆にここがごちゃごちゃしていると、片方しか手がない状態になってしまう。予算がないから何もできない、プレスリリースを出したのに売上が上がらない、といった事態です。
女性ボーカル×日本語詞に初挑戦、サビの字余りとの戦い
最後のコーナーはSuno AI Lab。これまで「Hands to the Sky」の各国版ミックスを作り続けてきましたが、ここで一度区切りをつけたそうです。
これまで作った各国語版はプレイリストにまとめてあり、聞き比べると同じ曲でも国ごとに表情が変わるのがわかると言います。
今回は久しぶりの新曲。これまでやっていなかった女性ボーカル×日本語詞の組み合わせに挑戦しました。イメージしたのは透明感のある曲です。
歌詞は夏の終わりの話。ひと夏の恋が夏の終わりとともに一気に終わる、そんな内容を、湿っぽくではなく明るく仕上げたかったそうです。
一番苦戦したのがサビでした。最初は「See you See you」と英語を2回繰り返し、その後ろに日本語の歌詞を続けると、どうしても字余りになってしまったのです。
そこで行を分けました。英語だけで1行、日本語は次の行。すると音がすっと乗るようになりました。同じ行に詰め込んでいたのが原因だったのです。
さらにもう一段いじり、英語だけの行を「See you See you See you again」と3回重ねる形に。次の行の「またね、またね、またいつか」も同じメロディーに揃えました。
文字数を揃えたら音符に乗った、Aメロの発見
実は一番苦労したのはAメロだった、と神森さんは明かします。書いた歌詞が音符に綺麗に乗らないという悩みは、これまでの曲でもずっと続いていました。
一行の中で言葉がハマったり足りなかったりして、歌わせると無理やり詰め込んだように聞こえてしまう。シティポップのように一音に複数の言葉が入る感じになってしまうのです。
今回はAメロの一行の文字数を全部揃えてみました。同じ音数で、同じところで切れるように書いてもらったのです。
「改札の前で/待っていた時間」のように前半と後半で分かれる形にし、それを全部の行で揃えました。
そしたら、やっと素直に乗ってくれたんですね。ここは「ほう」って思いました。
もう一つ試したのが、Bメロを作らないという構成です。普段はAメロ、Bメロ、サビと進みますが、今回はAメロからそのままサビへ行きました。
その代わりAメロもサビも長めに。サビが早く来るので聞いていて待たされず、聞きどころが真ん中にドーンと乗る構成になったと言います。
Aメロ(長め)
文字数を揃えて音符に素直に乗せた
サビ(長め・Bメロなし)
英語のフックを3回重ね、日本語も同じメロディーに揃えた
18回作り直して見えた、歌詞を変えると曲が動く
Bメロをなくした理由には、制作中の気づきがありました。ガチャを重ねると、だんだん同じような曲ばかり出てくるようになるのです。
最初のうちは毎回違うものが出ますが、数を重ねると雰囲気が固まり、特にサビが似たり寄ったりになってきます。
そこで歌詞のほうを変えてみました。行の分け方を変えたり、言葉を足したり、Bメロをなくしたのもその一つ。すると、メロディーが動き始めたそうです。
行き詰まった時は、スタイルの指定ばかりいじってもあまり変わらないなと。今回は本当に何度も歌詞を書き換えました。
キーとテンポも指定していましたが、面白いことが起きました。B♭メジャーと指定したのに、出てきた曲を解析するとBメジャー。半音上がっていたのです。
神森さんは、フラットの記号を全角で入れたためSunoが読めなかったのではないかと推測します。次はアルファベットの小文字bで試してみたいと話します。
こうして完成までに18回。神森さんが一番好きだと言うのは、Aメロの「名前を呼ぶ声」の後です。
同じメロディーが来ると思って聞いていると、そこだけ違うコードが入ってくる。いわゆる私の大好きな借用和音、そこが一番の聞きどころだと語ります。
自分に言い聞かせる歌、最後の一行だけは相手へ
曲を聞き終えたあと、神森さんは制作の意図を振り返ります。夏の終わりの曲ですが、あまり寂しくならないように作ったつもりだと言います。
歌詞も相手に語りかけるというより、自分に言い聞かせている感じにしたそうです。振り返らない、悲しい顔はしない、という姿勢です。
ただ、一番最後の一行だけは相手の方を向いているんですよね。そこだけはそうしたかったんです。
聞き返してみると、その辺が自分でも気に入っているところだと話します。
最後に告知として、9月12日のWeb Creator Podcast Day 2026に触れました。ウェブクリエイターのポッドキャスト13番組が原宿のスタジオに集まり生放送を行い、この番組も出演します。
まとめ
閉店セールで手に入れたマウス、混同されがちな広報と広告、そして久しぶりの新曲。EP32は、身近な買い物から仕事論、音楽制作の試行錯誤までをゆるやかにつないだ3本立てでした。
- ロジクールM850Lは初のパームクッションとActions Ringが特徴で、閉店セールで6000円という価格が決め手になった
- 広告は「自分が言いたいことを言う」もの、広報は「相手が受け取りやすいように整える」もので、どちらもマーケティングの中で使い分ける
- 信頼は自分で言うのではなく、他の誰かに語ってもらうことで増していく
- 新曲「See You」は女性ボーカル×日本語詞に初挑戦し、歌詞の文字数を揃えることで音符に素直に乗るようになった
- 行き詰まったときはスタイル指定より歌詞を書き換えるほうが効き、完成までに18回作り直した






