能力だけで評価されたい、という訴え
いただいたおハガキには、こう書かれていました。
「成績は悪いけど上司に取り入るのがうまいやつが、あからさまにではないけど優遇されている。定量的に見て自分の方が上なのに評価を得られない時がある」と。
「会社なら結果とか能力だけを見てほしい。そこに人付き合いとか酒飲みに行くとかの評価をマジで入れるなよと思う」ということでした。
いや、いいですね、こういうおハガキ。って言うと怒られるかもしれませんけど。
気持ちはすごくよくわかるんです。昔はもっとあからさまでしたからね。
タバコ部屋に行って話を聞いて仕事を回してもらうとか、上司と飲みに行って「お前面白いから次の仕事一緒にやるぞ」なんて言われるとか。
そういうのが昔は普通にありました。今みたいに、飲みに行く行かないをやいのやいの言われることもなかったし、まあそれが同調圧力だったと言えばその通りなんですけどね。
なので、今がいいとか昔が悪いとか、そういう話をするつもりはありません。
性格や立ち振る舞いを「評価するな」は、たぶん無理
そのうえで正直に言うと、性格とか立ち振る舞いを評価するな、というのは残念ながら無理だと思うんです。
なぜかというと、たとえばの話なんですけど、学生時代を思い出してみてほしいんですよね。
性格がめちゃくちゃ悪くて、話せば嫌味しか言わない、今でいうマウントを取ってくるような人がいたとします。
でも成績はクラスでトップ、学年でトップクラス。この人を、途中の物言いの部分を全部無視して、もろ手を挙げて尊敬できるかということなんですよ。
学生にとっての一番大きな評価は、出席が足りている限りにおいては学力ですよね。
じゃあ成績一番なら、どんなに性格が悪くても「彼は本当にすごい」って言えるかというと、やっぱり私は言えないと思うんです。
「あいつ成績はいいけど、口の利き方マジむかつくよね」って、もうその時点で性格や人付き合いの部分が評価に入ってるんですよね。
これが老害というか、昭和だからそう思うのか。そこは今のところまだわからないんですけど、少なくとも今の私はまだ間違ってないと思っています。10年後はわからないですけどね。
結局、仕事は人と人でやっている
社会人になっても、結局は人と人とで仕事をやってると思うんですよ。
だから純粋な能力だけで評価するというのはまだ難しくて、性格や人付き合いという要素が入ってしまうのは、致し方ないかなという気がします。
特にこの番組の冠のとおり、ウェブディレクターという仕事で言うならなおさらです。
どんなにいいプレゼンをしても仕事が来ない時もあるし、多少理詰めになってなくても「君、面白いね」って言われて仕事が来る人もいるんですよね。
それをコミュニケーション能力と言っていいかはわからないけど、オーラとか雰囲気とか、そういうものも評価のうちに入ってしまうんじゃないかと思うんです。
接点の回数、正確に言うと接点の頻度ですよね。それが多い少ないで、「この子と一緒に仕事してみたいな」と思えるかどうかも、いろいろ見えてくるじゃないですか。
だからこそ「上司に評価をさせてください」
ちなみにうちの会社は、どちらかというと定量的に評価をしている方だと思います。
ただ、私は「上司が評価する」んじゃなくて、「上司に評価をさせてください」という考え方なんです。
どういうことかというと、部下側が上司を説得しなさい、と。この半年でこれだけやったんだから僕の成果を認めてください、とプレゼンをしなさいというノリなんですよね。
上司だって人間だし、四六時中横にいてくれるわけじゃない。部下が何をやってるか全部把握しとけなんて、物理的に無理ですよ。
だから頑張ったと本人が言っても「それは定性的なところだよね、定量的にはどうだったの?」という話になる。そういう意味で、あんまりバイアスは感じていないんです。
そのうえで、もし「あなたならどう評価するの?」と聞かれたら、やっぱり一緒に飲みに行って話をしたメンバーは、と答えると思います。
飲みに行ったから偉いんじゃなくて、話した結果「ああ、君ってそう考えるんだ」とわかったら、じゃあ一緒に仕事しようかなと思う。それくらいのがいいと思ってるんですよ。
相互理解がないまま、人が足りないから仕事お願いします、いざやったら「なんだあいつ」ってなっちゃうのは、お互いに相当不幸だと思うので。
気持ちはわかる、でもまだ無理だと思う
結局のところ、能力だけで全員がドライに判断できるかというと、私はまだ無理だと思うんです。
だからタナポンさんの「マジ意味がわからん」という気持ちは、そうだろうなと思うところもあるんです。
でも人と人として仕事をしているのなら、「この人と一緒にやりたい」「この人の手助けをしてあげたい」という気持ちは、けっこう大きな原動力になるんですよね。
特にディレクターにとっては、これはすごく大事だと思っています。
だから、そういう考え方もあるんだなと思ってもらえたら、とても嬉しいです。
まとめ
能力だけで評価される世界の方がフェアに見えるのはよくわかります。でも仕事は人と人でやっているので、性格や関わりの深さが評価に入るのは、いまの私にはまだ避けられないことに思えるんです。10年後はどうか、正直わかりませんけどね。
- 性格や立ち振る舞いを評価から完全に外すのは、たぶん無理だと私は思う
- 仕事は結局、人と人でやっている。だから純粋な能力だけの評価はまだ難しい
- うちでは「上司が評価する」のではなく「上司に評価させる」つもりで、部下がプレゼンする
- 接点の頻度が増えると相互理解が深まり、一緒に仕事したいと思えるかどうかが見えてくる






