結局は「見積もります」しかないと思うんです
正直に言うと、こういうお客さんに感情論で説明して納得してもらうのは、ほぼ無理だと思ってます。
「頑張ってよ」「いや無理ですよ」「頑張ったらできるんじゃないの?」みたいなやり取りって、何の根拠もない話を延々してるだけなんですよね。
だから私が使うのは、予算とスケジュールだけです。機能が増えてるから見積もりが増えます。以上です、と。
スモールスタートというのは、例えば300万なのか500万なのか、その金額でやりましょうと決めたということですよね。
当時いただいていた要件定義に対してはこの金額でできます、機能が増えたぶんは足されます、というだけの話なんです。
「予算オーバーです」という言い方すらしなくていいのかもしれません。「わかりました、じゃあこれで見積もりますね。この金額です」で、まず止める。
「AIに聞いたらできるって」と言われたら
たぶんこの見積もりに対して、「いやAI使ったらこれぐらいでできるよ」って返ってくると思うんですよ。
だとしたら、もうこれは無理です、じゃあAI使ってやってください、という話になります。
要件定義もまとめません、開発もしません。だってできるんですよね、と。
私はよく建築や絵に例えるんですけど、街で家を建ててるのを見て「のこぎりとノミは図画工作でやったからできるよ」って言う人に、「じゃあ自分で全部建ててみてくださいよ」となるのと同じなんです。
ピカソの話も近いですよね。5分で描いた絵に高い値段をつけて「なんでですか」と聞かれ、「僕は何年と5分でこの絵を描いたんです」と答えたという。その5分だけで描いたわけじゃないんだよ、という話です。
実際にデータベースにどう繋ぐのか、開発環境やDockerの中でAIとどう繋げばいいのか、といった話も出てくるはずで、それも全部AIに任せられるなら、もう任せてくださいという世界です。
AIに投げたなら、それは「御社の総論」ですよね
ここが私がいちばん言いたいところなんですけど、AIを使ってチェックしたということは、極端に言えば社内で有識者みたいな人が出てきて、ああだこうだと判断したのと同じですよね。
だとしたら、それって御社としての総論なんですよね、ということになります。
やると決めた、できるかできないか、やりたい希望なのか、やるべきなのか。その判断まで全部して、いま私たちに投げてるんですよね、と。
私だったら、これを多分わりと淡々と言っちゃうと思います。
御社で決めたことであれば、改めてお見積もり出します、この金額です、どうですか、と。「なんでこんな金額になるの」と聞かれたら、機能が増えたからです、以上です、で返す。
これからのディレクターに残る価値
これからのWeb制作会社は、「AIに聞いたらこうなんだけど、なんでそんな金額になるの」と、絶対に言われると思うんです。
そのときに、任せたほうがいいよねと思ってもらえるだけのグリップができるかどうか。そこがディレクターのスキルなんじゃないかと思います。
AIに聞くよりも早い、AIに聞くよりも確からしい。そういう情報をちゃんとお客さんに出せるディレクターじゃないと、正直これから生き残るのはほぼ無理だと思ってます。
だからこそ、ディレクターの人にはAIを死ぬほど使ってほしいんです。一日の仕事をほとんどAIに任せるぐらいの気持ちで使ったほうがいい。
そのうえで、それ以外のところで自分のバリューって何なんだろう、というのを改めて再定義する時代になってきてるんじゃないかなと感じています。
まとめ
お便りをくれた方は、この最前線で血だらけになりながら頑張って受け止めてらっしゃるのがひしひしと伝わってきました。私の答えが正解だったかはちょっと言いづらいところもありますが、いまの時点ではこう考えています。
- AIに丸投げされた要求には、感情論ではなく「見積もります」で淡々と返す
- 機能が増えたぶん金額が増える、それだけの話として扱う
- AIに委ねて判断まで投げてきたなら、それは「御社の総論」として受け止める
- AIより早く確からしい情報を出せるかどうかが、これからのディレクターの価値になる






