会社に教わったことは「できて当たり前」になる
まず前提として、会社から教えられて学んだことって、ものすごく定量的に言うと「君たちに教えたよね、だからできて当たり前だよね」という話になっちゃうんですよね。
たとえば会社で課題が出て、それをクリアしたとします。でもそれを自分以外のメンバーもやっているとしたら、その人との差は生まれないんです。
やれと言われたことができて、他の人もできる。それだと優位性はないわけですよ。
優位性がないということは、能力の差で評価を受けることができない。となると残るのはアウトプットですよね。
ディレクターなら進行管理、クリエイティブのメンバーなら作ったものがどう評価されるか。最後は売上や利益みたいな数字の差だけで判断されることになってしまう。
もし社内にディレクターが一人しかいないなら、評価者と「いや、こうなんですから」といくらでも交渉できると思うんです。
でも同じ職域の人が2人以上いて、2人とも同じ課題をこなしているとしたら、両方とも「やれと言われたことができている」だけになる。そこに差はないんですよね。
「会社で必要なスキル」は、実は会社の外でも使えるもの
ハガキには「会社で必要とするスキルなら会社が教えるべき」と書かれていました。でもここ、僕は少し引っかかったんです。
というのも、会社で必要とするスキルって、他の会社に行っても、もっと言えばWebじゃない仕事だったとしても使えるものが多いんですよね。
もちろん、その会社だけの製品の使い方や特殊技術、マニュアルみたいなものは、会社が教えた方がいいと思います。
でも一般的な、いわゆるパーソナルスキルと呼ばれるものは、自分で学べるし、会社が社会人に対して学んでくれと言うようなものではないというのが正直なところです。
うちの会社も新卒の子には名刺の受け取り方や渡し方、挨拶みたいなビジネスマナーは教えますよ。研修がありますからね。
でも、それができているからすごく優位かというと、そんなことはない。社会人だから当たり前、というところもありますからね。
だからこそ、会社の中で教わるもの以外のプラスアルファがないと、僕はなかなか他の人に先んじることはできないんじゃないかと思うんです。
評価は相対値。止まっていると「取り残される」
ここが一番伝えたいところなんですが、評価って基本的に相対値の中でされてしまうんですよね。
たとえば会社の中に10人いて、10人とも同じ研修は受けている。でも、あなた以外の9人は自学学習をして能力が上がった。
そうなると「一番能力が低い人だよね」と取り残されてしまうわけです。
給料として払える原資が同じなら、大小をつけたときに、その人が下がっていってしまう。止まっているつもりが、相対的には後退しているんですよね。
そもそも世の中って、価値や富が増えるように動いているんですよ。資本主義がいいか悪いかは置いておいて、社会全体がそうやって変化している。
だから、世の中の成長度合いと自分の成長度合いがイコールで、やっとトントンなんです。
1年経験すれば、去年の自分より成長はしているはずです。絶対に伸びてはいるんですよ。ただ、その伸びる角度が周りより低いと、相対的には成長していないように見えてしまう。
普段の仕事だけでも自然についていける人や、一を聞いて十を知るような人もいます。でも僕はそういうセンスがないので、本を読む、新聞を読む、そういう泥臭いことを延々とやらないと人並みについていけないんです。
AIに仕事は奪われる。でも、だからこそ考えておく
もう一つ、別の方から「AIは本当に私たちの仕事を奪うのですか?」という質問もいただきました。これも自学学習の話とつながると思うので書いておきます。
結論から言うと、僕は奪われると思います。というか、もうすでに奪われている人もいるはずです。
コールセンターの一部はもう音声の裏が『ChatGPT』みたいなところもあるでしょうし、Windowsには『Copilot』という形でAIが入っているわけですから。
ただ、楽観的に考えられるのは、その結果として新しい仕事が生まれるということ。人間がいる仕事の総量は、たぶん減らないんです。
でも今やっている仕事がそのまま維持されるかというと、それは間違いなくありえないと思います。
産業革命の頃、馬具メーカーが自動車の登場で廃業していきましたよね。でも一部は「革製品を作る技術」を活かしてカバンを作る方に移っていった。同じことが僕らのWebの仕事にもきっと来るはずです。
しかも気をつけたいのは、変化の速度なんです。『ChatGPT』が世に出てたった1年で、マイクロソフトが一番メインのOSに組み込む判断をして、もう実際に組み込まれている。
変化は指数関数的に速度が上がるはずなんですよ。ちょっと前まで一部の人が使っていただけのものが、気づいたらみんなが当たり前に使っている。
だから、変化がはっきりわかってから動き始めたら、もう遅いんですよね。周回遅れどころか3周くらい遅れている、という話になってしまう。
「この未来が来たら自分の仕事を全部AIに取られるかも」ということまで、ちゃんと考えておく。ある種クリティカルシンキング的な考え方だと思うんです。
最悪のことを想定して、そうなったとしても自分はどうするのか。そこに自分の可処分時間を突っ込んで自学学習をしておくのは、やっぱり大事なんじゃないかと思います。
まとめ
「会社が教えてくれるはずだから」で止まってしまうと、相対評価の世界ではじわじわ後ろに下がっていってしまう。だからこそ、半年後、1年後、3年後くらいの単位で、このままいったらどんな未来があり得るかを考えて、そこに向けて少しずつ学んでおく。いまの僕はそう考えています。
- 会社に教わったことは「できて当たり前」で、それだけでは優位性にならない
- 評価は相対値なので、自分が止まっていると相対的には後退してしまう
- 一般的なパーソナルスキルは、会社任せにせず自分で学べるもの
- AIに仕事は奪われるからこそ、最悪を想定して自学学習に時間を使っておく






