現場実務の中で「薬学で患者を語る」とは何か
たいぞーさんは、日々の現場実務で患者さんに関わる中で、「薬学で患者を語る」ということを意識しながら実践していると話します。
これは、服薬指導などの中で患者さんの状態を確認し、いま起こっている症状が薬の影響によるものかどうかを見極めていく関わり方です。
体に不調があるとき、それが薬の影響なのかどうかを、発生時期や発生している状態などを踏まえて評価・判断していくといいます。
そのためには、薬の特性をきちんと捉える必要があり、患者さんの体で起こっていることを把握するための情報収集も欠かせません。
薬学の専門知識を統合的に自分の中で活用して、患者さんの状態を見極めるということを行うわけなんです。
日々の業務が「学びの時間」に変わっていく仕組み
こうした関わりを続けると、薬剤のことを考え、情報収集をして薬を知り、それが体にどう影響しているかを判断するために、薬学の知識を使い続けることになります。
その過程で、薬学の専門知識を改めて学び直したり調べ直したりということを、日々の業務の中で繰り返し行うことになるといいます。
その結果として、日々の業務で患者さんに関わること一つ一つが、薬剤師としての学びの時間に変わっていくと、たいぞーさんは自身の実践から感じていると語ります。
自己研鑽の時間を取りにくい人がいるという現実
薬剤師をはじめとする医療職は、生涯学習として、週末や空き時間に勉強会に参加したり、Webの動画コンテンツを視聴したりしながら知識をアップデートしていくことが多いといいます。
ただし、そうした研修に出かけるのは、自分自身のプライベートな時間を使って研鑽を積むことでもあります。
たいぞーさんは、子育てをしていて自分の時間を取りにくい人もいると指摘します。薬剤師は女性で免許を取得している人も多く、ライフステージの状況によっては研鑽の時間を確保するのが大変な人も多いのではないか、と話します。
仕事の時間を最大の学びに変えるという発想
たいぞーさんは、そうした人たちこそ、出勤して患者さんに向き合っている仕事の時間を、最大の学びの時間に変えることができるのではないかと提案します。
プライベートな研鑽の時間を取るのが難しくても、仕事の中できちんと研鑽を積み、薬剤師としての能力を磨いていくことができるという考え方です。
その上で、能力は学習というインプットだけでなく、現場で実践し、使うことも同様に、あるいはそれ以上に大事だと述べます。
たいぞーさんは、薬剤師になるまでにすでに多くの時間をインプットに費やしているのが医療職の実情だと言います。だからこそ、現場で実践し練習することが重要だと話します。
そうすることで、免許を取得するまでに大学で学んできたことも含めて、自分の能力として昇華していくことにつながるといいます。
この現場実践を通した研鑽のあり方こそ、「薬学で患者を語る」ことを実践する中で見つけられるのではないか、というのがこの回の中心的なメッセージです。
9月・10月に開催される3つのイベント告知
放送の後半では、たいぞーさんが関わる3つのイベントが紹介されました。
1つ目は、9月12日の土曜日15時から18時に開催される、薬剤師あゆみの会主催のWebセミナーです。
このセミナーでは、厚生労働省の井上さんが令和8年の調剤報酬改定について話し、全体像に触れます。その上で、たいぞーさんを含む薬局3者が、それぞれの現場での取り組みを紹介するといいます。
たいぞーさん自身は、令和8年の調剤報酬改定を受けて考え直した、残薬調整への薬剤師としての関わりについて話す予定だと語ります。参加申し込みは9月4日までとのことです。
2つ目は、9月26日の土曜日15時から17時に開催される、学生向けのWebセミナー「Tricon」です。
これは学生と現場の薬剤師が症例検討を行うイベントで、大学で学んだことを現場で使う経験を通して、学びを自分の中に定着させることを目指すといいます。参加は無料です。
現場の薬剤師の方は、自分の身近におられる学生の方に、こんなイベントがあるよということをぜひご紹介いただけたら嬉しいです。
3つ目は、10月25日に兵庫県姫路市で開催される、日本在宅薬学会のバイタルサイン講習会です。
講習会自体は満席となり、残っているのはインストラクター講習の枠だといいます。これは受講済みの人が参加者に手技のレクチャーを行うことで、手技や目的を再確認し、学びを深めるものです。
たいぞーさんは、以前受講したけれど改めて学び直したいという人の参加を呼びかけました。残りは3枠とのことです。
まとめ
限られた時間の中で研鑽を積むには、日々の現場実務そのものを最大の学びに変えるという発想が有効だ、というのがこの回の中心でした。「薬学で患者を語る」実践は、その一つの手段として提案されています。
- 患者さんの状態を評価・判断する実務が、薬学の学び直しの機会になる
- 自己研鑽の時間を取りにくい人こそ、仕事の時間を学びに変えられる
- 能力は学習と練習の掛け算で磨かれ、現場での実践が重要になる
- 9月12日・9月26日・10月25日に関連イベントが予定されている


