「頑張っているのに給料が上がらない」という声
たいぞーさんがこの回で取り上げたのは、日経DIオンライン ── 薬剤師向けの医療情報サイト。日経BPが運営し、薬局の実務や経営に関する記事やコラムを配信していますで連載されている「ぐで太郎の薬局お悩み相談室」というコラムの新しい記事です。
その記事には、頑張っているのに給料が上がらないという薬局薬剤師の話が載っていました。たいぞーさんは記事の内容そのものよりも、薬局薬剤師の昇給について自身が思うことを話すと前置きしています。
たいぞーさん自身も、会社員として臨床現場で働く薬剤師です。薬剤師の仕事はやりがいがあって面白く、とても好きだと話しています。
これは仕事でもあるので、やはりきちんと対価として賃金をいただいて、自分の頑張りに対する評価を、ちゃんと会社から受けたい。
たいぞーさんは、賃金などの外的な報酬という形でも認められたい気持ちが自分にもあると認めています。前職で人事の担当や会社全体の統括をしていた時期にも、給料が上がらないという薬剤師の声はよく聞かれたといいます。
患者への貢献は、会社の収益につながっているか
薬剤師はプロフェッショナルとして研鑽を積み、専門的な力で患者さんに関わり、より良い医療を届けようとします。たいぞーさんは、医療を行ううえでこれが確かに頑張りであると認めています。
一方で、たいぞーさんは会社の側の事情にも目を向けます。会社は利益を出して収益を上げる活動と、社会貢献性のある活動を、みんなで行う場として薬局を運営しているのではないか、という見方です。
研鑽を積み、専門的な力で一人ひとりの患者さんにより良い医療を届ける
薬局という事業で利益を上げ、収益を出していること
たいぞーさんによれば、会社が賃金を払うには、まず利益と収益が必要です。そのため薬剤師は、自分の頑張りが会社の収益につながっているかを健全に疑って見てみる必要があると話しています。
だってそこには渡すための収益が生まれてないんだから、渡せるものはないじゃないっていうのは、実際、正直なところだと思います。
たいぞーさんは、患者さんに真摯に向き合っていても、収益が生まれていなければ給料は上がらないと考えています。それが経済活動そのものなのかもしれない、とも述べています。
昇給の王道は、マネジメントへのキャリアアップ
たいぞーさんは、薬剤師のキャリアアップする道筋として、マネジメントを挙げます。店舗を束ね、複数の店舗を統括し、会社の運営的な立場で全体の仕組みに関わる道です。
育成や採用など、会社全体に関わる仕事を担うほど賃金は上がりやすくなります。たいぞーさんは、これは会社という組織の仕組みからみても理にかなっていると話しています。
店舗を束ねる
マネジメント職として店舗の運営を担う
複数店舗を統括する
育成や研修、採用など会社全体に関わる仕事を担う
会社運営に参画する
会社全体の仕組みづくりに関わり、昇給につながりやすくなる
専門性が認められなければ、後の世代は続かない?
たいぞーさんは、マネジメントで昇給するという仕組みを理解しています。それでも理想としては、患者さん一人ひとりにより良い医療を届けるプロフェッショナルとしての能力も、きちんと認められたほうが素敵だと考えています。
ただし、会社に声を上げて賃金アップを願うだけでは足りない、というのがたいぞーさんの立場です。専門的な能力で患者さんに良い治療を届けることを、会社の収益や利益につながる活動と結びつける必要があると話しています。
そのプロフェッショナルとしての仕事がきちんと認められるということがなければ、研鑽を積んでいこうという気持ちを持った人たちが、後の世代に続いていかなくなるんじゃないかなというふうに思います。
たいぞーさんは、専門性を極める仕事が熱意ある一部の人だけの活動になると、先細りしていずれしぼんでしまいかねない、と懸念しています。
調剤報酬の枠の外に道はあるか
たいぞーさんは、患者さんに専門的な力で関わる仕事を生涯続けたいと考えています。そのため、プロフェッショナルの仕事が認められる仕組みを作ることは、自分にとって死活問題だと話しています。
ただ、どうすればその仕組みを作れるのかについては、明確な答えはないと率直に語っています。そのうえで、調剤報酬 ── 保険薬局が調剤や服薬指導などを行ったときに、公的医療保険から支払われる報酬。点数は国が定め、原則として2年ごとに改定されますという国の保険制度の枠組みの中だけで考えることが本当に正解なのか、という問いを投げかけます。
たいぞーさんが目指すのは、やりがいや面白さといった内的報酬だけでなく、賃金や社会的な評価などの外的報酬にも結びつくプロとしてのキャリアです。それが実現すれば、後輩たちや、研鑽を積んできた先輩方が報われる道になるかもしれないと話しています。
前職で会社運営に関わっていた頃、たいぞーさんは薬学の専門性で患者さんの治療を良くしようとスタッフに語りかけ、一緒に実践してきました。その結果、能力の高い薬剤師は周りで確実に育っていたといいます。
(共感してくれた仲間が)評価を受けて報酬アップにもつながっていく仕組み作りに関しては、正直、しっかりと構築しきれたなという自信がないままに、前職の職場を離れてしまった。
たいぞーさんにとって、この経験は非常に後悔の残る出来事として心に刻まれています。
マネジメントだけではないキャリアの道筋を示したい
前職での後悔を踏まえ、たいぞーさんは現行のキャリアプランだけではない、プロフェッショナルとしてのキャリアの道筋を見つけ出したいと話しています。現行の道を否定するわけではなく、それ以外の選択肢も必要だという考えです。
たいぞーさんは、着地点のないふわっとした話になったと断りつつ、こうしたことを考えながら活動することが大事だと、コラムの記事を読んで改めて感じたと締めくくっています。
番組の最後には告知がありました。2月14日に兵庫県姫路市で共同主催の講演会が予定されていて、この回の話を体系立てて整理し、持ち帰れる気づきを届けたいといいます。
また12月8日には、たいぞーさんが登壇するWEBセミナーがあります。薬学の専門性で患者さんの状態を読み解き、治療をより良くする介入について、日々の活動からの気づきも含めて伝える90分の内容です。
まとめ
たいぞーさんは、給料が上がらない背景に会社の収益という現実があると認めています。そのうえで、マネジメントだけに頼らず、プロフェッショナルとしての専門性が賃金や評価にもつながるキャリアの道筋を模索しています。
- 会社が賃金を払うには利益と収益が必要で、自分の頑張りが収益につながっているかを健全に疑う視点が大切
- マネジメントや育成、採用など会社全体に関わる仕事を担うことは、昇給の「王道中の王道」
- 専門性が認められる仕組みがなければ、研鑽を積む人が後の世代に続かなくなるおそれがある
- 調剤報酬の枠組みの外も含めて、プロとしてのキャリアを外的報酬に結びつける道を探りたいと語られている



