AIに仕事を奪われる話は、なぜ何度も繰り返されるのか
最近、AIの進歩が目覚ましく、薬剤師の仕事もAIに取って代わられるのではないかと言われるようになっています。
ただ、たいぞーさんは、この手の話は今に始まったことではないと指摘します。
たとえばパソコンやインターネットが普及し始めた頃には、それらが薬剤師の仕事を奪うのではないかと言われていました。
たいぞーさんが薬剤師になった頃には、ロボット技術の進歩を背景に、これからの薬剤師の仕事はロボットに奪われる、という話をよく耳にしていたそうです。
では、テクノロジーは本当に薬剤師の仕事を奪ったのでしょうか。奪った部分は確かにあると認めつつ、それで薬剤師の仕事がなくなったわけではなく、今があるのだと振り返ります。
奪われた先に生まれる「次の仕事」とは
テクノロジーができる仕事が増えれば、仕事の一部が奪われること自体は起こる、とたいぞーさんは言います。
一方で、そのときには今までとは違う次元の仕事へシフトしていくことが起きる、と考えています。
つまり、仕事を奪われた結果として、より地域や患者さんに貢献できる薬剤師の仕事に、しっかり向き合えるようになる。それがAIに仕事を奪われることの結末ではないか、というのがたいぞーさんの見方です。
これまで薬剤師が主な仕事だと思ってやってきたことは、AIが代替する可能性が十分にあります。
だからこそ、テクノロジーが代替できない領域の仕事にシフトしていくことを考えておく必要がある、と話されています。
「奪われる」から「共同する」へ視点を変える
テクノロジーが仕事を奪うという話には、もう一つ大事な視点があるとたいぞーさんは言います。それは、テクノロジーといかに共同して仕事をするか、という視点です。
具体例として挙げられたのが、情報へのアクセスの変化です。
昔は専門書を開いて読み込まなければ対応できなかったことが、今はインターネットで数秒のうちに専門知識にアクセスできるようになりました。
そのため、専門知識を知っていることや情報に早くアクセスできること自体よりも、アクセスした情報をいかに使うかへと重心が移っている、と整理します。
任せるべきところはテクノロジーに任せ、その上で自分たちがどう使うのかを考える。それが、仕事を奪われた先の未来の仕事を見つけるきっかけになる、と語られています。
専門知識を知っていること、情報に早くアクセスできること
アクセスした情報をどう使うか、テクノロジーとどう協力するか
AIは道具である。だから目的を問う
たいぞーさんは、AIに任せられる仕事、自分たちがやらないといけない仕事、AIと協力すべき仕事は何かを考えることが、これから特に大事になると話します。
その上で強調するのが、AIはただの道具であり、何のために使うのかという目的を考えておく必要がある、という点です。
たとえに使われたのが包丁です。美味しい料理を作るために使うのか、人を傷つけるために使うのかで、同じ包丁でもまったく違う結果を生みます。
AIにも同じ側面がある。だからこそ、目的を見据えて使っていくことが大切だ、とたいぞーさんは述べています。
AIをテーマにしたシンポジウムで一緒に学ぶ
この回で語られたAIの話題は、たいぞーさんが実行委員として関わる日本在宅薬学会の学術大会ともつながっています。
学術大会では、AIをテーマにしたシンポジウムの開催が予定されています。たいぞーさんは、参加者と一緒にAIについて学んでいきたいと呼びかけています。
今回の大会は在宅だけに特化した内容ではなく、外来・在宅・OTCの三本柱で、これからの薬局を考えることが一つのテーマになっているとのことです。
まとめ
AIに仕事を奪われるかという不安は繰り返されてきたテーマですが、たいぞーさんは奪われた先に生まれる次の仕事と、テクノロジーとの共存に目を向けます。大切なのは、AIを何のために使うのかという目的を問い続けることだと語られました。
- AIに仕事が奪われるという話は、パソコンやロボットの時代から繰り返されてきた
- 仕事を奪われた先には、より患者や地域に貢献できる次元の仕事へのシフトが起こる
- 情報を知っていること以上に、情報をどう使うか、テクノロジーとどう共同するかが重要になる
- AIはただの道具であり、包丁と同じく何のために使うかという目的が結果を左右する
- 学術大会ではAIをテーマにしたシンポジウムが予定され、共に学ぶ場が用意されている



