調剤報酬改定で「算定要件の意味」が気になる季節
この回のテーマは、調剤報酬改定を前にした薬剤師の向き合い方です。たいぞーさんは、報酬改定の具体的な内容がそろそろ出てくる頃だと話しています。
改定で新しく新設された項目については、どういった要件になっているのかが現場の薬剤師にとって気になるところだと、たいぞーさんは述べています。
具体的な算定要件が出てくると、その要件が意味するところが明確に記載されていないものも出てきます。そこで疑義解釈などを通じて、その意図は何なのかを問い合わせ、回答されるやり取りが順々に進んでいくと、たいぞーさんは説明しています。
細かな要件の詳細を確認したくなる場面は、現場で働いているとやはり存在すると、たいぞーさんは実感を語ります。
詳細を確認して「すっきり」する裏で失われるもの
要件の詳細を確認することには、すっきりするという良さがあります。要件に従って保険調剤業務を円滑に運営するために必要な面もあると、たいぞーさんは認めています。
ただし、具体的にしようとすればするほど、一方で失うものもあると、たいぞーさんは感じています。ここが今回の話の中心です。
ただ、具体的に(要件を)しようとすればするほど、失うものも一方であるなということを思っていて、今日はそんなお話ができたらと思っています。
では、要件の詳細が明確になればなるほど失われるものとは何か。それは薬剤師の持つ専門家としての裁量ではないかと、たいぞーさんは懸念を示しています。
そもそも薬剤師の「裁量」とは何か
たいぞーさんはまず、薬剤師という専門家の立ち位置を説明します。薬剤師は国の制度の中で認められた専門家であり、免許や資格を持っているからこそできる仕事が存在します。
その役割は法律にも明記されており、国民の健康な生活を守るために認められた裁量の範囲があると、たいぞーさんは述べています。
一方で、そうした枠組みの中には、制度だけでは決めきれないグレーな部分、曖昧な部分がどうしても存在します。
たいぞーさんは、その曖昧な部分の仕事を薬剤師ができないわけではないと言います。むしろ法律に認められた範囲内での裁量で判断し、実施していくことこそ、プロとして免許を与えられた者の役割だと位置づけています。
制度の枠組み
報酬制度で要件が設計される
決めきれない曖昧な部分
制度だけでは判断しきれない領域が残る
薬剤師の裁量
法律の範囲内で専門家として判断し実施する
問い合わせて答えを得るほど、仕事の枠が縮む
問題は、この曖昧な部分について厚生労働省などに詳しく問い合わせるとどうなるか、という点です。
たいぞーさんは、明確な答えが得られれば得られるほど、自分たちが判断して業務を実施していく裁量の部分はだんだんと小さくなっていくと指摘します。
すっきりして業務が行いやすくなる一方で、専門領域での裁量が小さくなると、薬剤師の仕事の枠組みそのものが縮んでいくのではないか、というのがたいぞーさんの懸念です。
要件がすっきりし、業務が円滑に運営しやすくなる
専門家として判断する裁量が縮み、仕事の枠組みが小さくすぼむ
「明確にすべきか、裁量で行うべきか」を見極める
たいぞーさんは、すべてを明確にすればよいとは考えていません。これはきちんと明確にしておくべき事項なのか、それとも自分たちの裁量で行うべき仕事なのか、その見極めが大切だと話しています。
新しい制度が始まるにあたっては、厚生労働省や関係各所、会議の資料なども見ながら、専門家としての範疇を失わないように考えて仕事をしていきたいと、たいぞーさんは自戒を込めて語ります。
たいぞーさんは、この放送が薬剤師の専門家としての裁量を失わず、考えながら仕事をするとはどういうことかを、聞き手自身が考えるきっかけになればと締めくくっています。
まとめ
調剤報酬改定を前に、算定要件を問い合わせて明確な答えを得ることには、業務が円滑になる利点があります。ただしたいぞーさんは、答えを求めすぎることが薬剤師の裁量を縮めかねないと問い直し、明確にすべきか裁量で判断すべきかを見極める姿勢を促しています。
- 改定で新設される項目の要件が曖昧な場合、疑義解釈で意図が確認されていく
- 詳細を確認するとすっきりする一方で、専門家としての裁量が失われる面がある
- 制度で決めきれない曖昧な部分こそ、法律の範囲内での薬剤師の裁量が働く領域
- 答えを得るほど判断の余地が縮み、仕事の枠組みそのものが小さくなりうる
- 明確にすべき事項か、裁量で行うべき仕事かを見極めて働く姿勢が大切



