「急いでるから早く」と言われる薬局の待ち時間問題
薬局には、来局した瞬間に「急いでいるから早くしてほしい」と伝えてくる患者がいます。たいぞーさんは、そうした声は現場で時々あると話します。
口に出さない患者でも、薬局での待ち時間は長いより短いほうがよいと感じている人は多いのではないか、とたいぞーさんは指摘します。
患者さんの中には、薬局に来られた瞬間に「今日は急いでんねん、早よしてくれ」と言われる方が時々おられます。
だからこそ待ち時間は薬局にとって大きな課題であり、多くの薬局が待ち時間を短くしようと工夫していると、たいぞーさんは説明します。
待ち時間と患者満足度は相関しない、という研究結果
ここでたいぞーさんは、待ち時間には注意が必要だと切り出します。根拠として挙げるのが、患者満足度に関する研究のデータです。
医療や薬学の分野で行われてきた患者満足度調査の研究を見ると、医療機関や薬局の待ち時間は患者満足度とあまり相関を示さない、という結果が多いといいます。
つまり、待ち時間を短くすることを意識するのは大切でも、短くしたからといって「いい薬局だった」と満足してもらえるわけではない、という点が重要だとたいぞーさんは述べます。
待ち時間短縮より、患者と関わる時間の質
たいぞーさんは、必死で待ち時間を短くしても、患者に「またこの薬局に来たい」と思ってもらえる可能性は実は高くない、と話します。
もちろん待ち時間が長いことは不満の一つになるため、不必要に長くするのは好ましくありません。ただし、患者にきちんと対応するために必要な時間は、患者からいただくことが大切だといいます。
むしろ満足度を上げようとして時間を短くした結果、対応が雑になってしまえば、結局何も生み出さないことになる、とたいぞーさんは指摘します。
たいぞーさんが挙げるのは、薬の相互作用の確認、患者の状態把握による薬物治療の評価、採血結果からの副作用の兆候チェックといった対応です。こうした対応の質のほうが、患者満足度に影響しやすいと言われていると説明します。
患者満足度とはあまり相関しない。不必要に長くしないことは大切だが、短くしても満足にはつながりにくい
相互作用の確認、状態把握、副作用の兆候チェックなど。むしろ患者満足度に影響しやすい
だからこそ、待ち時間を不必要に長くしないよう意識しつつ、専門家として患者と向き合う時間を大切にすることが、薬局の満足度を高める鍵になる、とたいぞーさんはまとめます。
「確認したこと」を患者と共有できているか
たいぞーさんは、もう一つ大切な視点として、確認した事実を患者と共有できているか、という点を挙げます。
例として挙げるのが、患者が薬局で預けるお薬手帳です。手帳を確認するのはどの薬剤師もやっていることだと、たいぞーさんは言います。
(お薬手帳を)確認したかどうかを患者さんにちゃんと共有できているでしょうか。
飲み合わせや相互作用の確認も同じで、確認したという事実を患者ときちんと共有できているか、とたいぞーさんは問いかけます。
薬局でのそうした確認は薬剤師が普通に行っていることですが、それが患者と共有できていないことで満足度を下げている、という研究結果も見かけると、たいぞーさんは述べます。
たいぞーさんは、待ち時間の短縮に躍起になるより、自分たちの仕事を全うし、その仕事を患者と共有することが大切だと語ります。
薬物治療が今どうなっているのか、相互作用に問題はないのかを患者と共有し、患者自身に治療を把握してもらう。そうした時間を充実させることが、患者満足度につながるという考えです。
待ち時間の呪縛から解き放たれる
最後にたいぞーさんは、待ち時間の呪縛にとらわれず、患者ときちんと向き合い、その仕事を患者と共有することの大切さを考えるきっかけになればと締めくくります。
待ち時間を短くする努力自体は否定されていません。ポイントは、短縮を目的化せず、対応の質と共有に軸足を置くことだとたいぞーさんは話します。
まとめ
待ち時間と患者満足度はあまり相関しない、という研究をふまえ、たいぞーさんは薬局が力を入れるべきは待ち時間の短縮そのものではなく、対応の質とその共有だと語りました。
- 医療機関や薬局の待ち時間は、患者満足度とあまり相関しないという研究結果が多い
- 待ち時間を短くしても、それだけで「またこの薬局に来たい」とは思ってもらいにくい
- 相互作用の確認や状態把握など、対応の質のほうが患者満足度に影響しやすい
- 確認した事実を患者と共有できていないことが、満足度を下げている場合もある
- 待ち時間は不必要に長くしないよう意識しつつ、専門家として向き合う時間を大切にする



