薬学生の頃に出会った「もう一つの働き方」
たいぞーさんがバイタルサインという考え方に触れたのは、大学生の頃だったと振り返ります。就職活動や実務実習を通して、これからの働き方を考えていた時期でした。
そこで聞いたのは、薬剤師がバイタルサインをただ測定するのではないという話でした。
測定した結果を、薬学部で学んだ専門知識を使って読み解き、考えるためのツールとして使うのだ、という考え方だったと話されています。
薬剤師ってこんな働き方もあるんや、ということに気が付いた。そんな機会だったかなというふうに今振り返っても思います。
この出会いが、いまの「薬学で患者を語る」という活動の原点にもつながっていると語られています。
バイタルを使うと「薬の動き」が見えてくる
現場に出てからは、バイタルサインを積極的に使って患者に関わるようにしていると話されています。
そうやって関わると、患者の見え方が大きく変わるといいます。
測定した結果を専門知識で読み解くことで、薬剤師の持つ知識を最大限に活かせる。たいぞーさんはそこに大きな価値を感じています。
学ぶ人は増えたのに、現場で使われていない
一方で、講習会の講師も務めるたいぞーさんは、学びの広がりを実感しているといいます。
在宅薬学会のバイタルサイン講習会だけでも、多くの薬剤師が受講してきたと話されています。
さらに地域の薬剤師会のセミナーや、大学の授業でもバイタルサインが扱われるようになってきました。
大学教育
多くの学校で授業が設けられている
講習会・セミナー
学会や地域の薬剤師会でも開催
学んだ薬剤師の増加
大多数がバイタルサインを学んできている
ところが、それだけ学ぶ人が増えても、現場できちんと活用されているとは限らない。ここに課題があると指摘します。
「分かる」と「できる」の間にある壁
なぜ現場で使われないのか。たいぞーさんは講師としての経験から、一つの壁を挙げます。
セミナーで聞けば、価値があること、やったらいいことだと「分かる」ところまではたどり着けるといいます。
しかし、分かることと、実際にできることの間には大きな壁があると話されています。
セミナーで価値を理解し、やったほうがいいと納得する段階
現場で実際に実践し、患者に活かす段階
わかるとできる、実行するというところの間には大きな壁があって、現場で使ってみるというところにはもう一歩ハードルがある。
壁を越えて初めて生まれる価値
この壁をどう越えるか。たいぞーさんは、明確な答えはまだ自分の中にないと率直に語ります。
それでも、学んで満足するだけでは足りないという思いははっきりしています。
現場で実践し、壁を越えることで初めて、学んだことの価値が生まれるのだと考えられています。
たいぞーさん自身も講習会を続けていく予定であり、どう関われば壁を越えられるのか、この課題に向き合っていきたいと話されています。
まとめ
バイタルサインを学ぶ薬剤師は増えている一方で、それを現場で活かせるかどうかは別の問題です。「分かる」と「できる」の間にある壁をどう越えるかが、この回の問いかけでした。
- 薬剤師にとってのバイタルサインは、測定結果を専門知識で読み解くためのツール
- 使うことで、薬が体の中でどう効いているかが見えるようになる
- 大学教育や講習会が広がり、学ぶ薬剤師は大多数になっている
- しかし現場で活用しきれておらず、「分かる」と「できる」の間に壁がある
- 学んで終わりではなく、実践して壁を越えて初めて学びの価値が生まれる



