試験勉強で全部見たe-Learning、どれが一番役立った?
たいぞーさんは薬局の薬剤師として在宅医療や外来患者対応にあたりながら、社内の新人育成や研修講師、勉強会やセミナーの開催も行っています。
たいぞーさんは収録の前日に在宅療養支援認定薬剤師 ── 日本在宅薬学会が認定する資格で、在宅医療に関わる薬剤師の知識や実践力を示すものです。取得には筆記試験などが課されますの筆記試験を終えたばかりです。その試験勉強は、日本在宅薬学会のe-Learningを中心に進めたといいます。
(e-Learningは)様々なコンテンツがあって、どれも学びが多かったんですが、特に僕の中でこれはすごく勉強になったなと思うeラーニングトップ3をぜひお伝えできたらなと思います。
たいぞーさんは提供されているコンテンツに一通り目を通したうえで、その中から3つを選び、第3位から順に紹介していきます。
第3位、臨床薬理学はPKとPDの2つの視点
第3位は、永田先生による臨床薬理学のe-Learningです。臨床薬理学は、臨床で患者さんの体に起こることを薬理学の観点で読み解いていく分野だと、たいぞーさんは説明します。
たいぞーさんが勉強になったと語るのは、薬の働きの変化を2つの視点に分けて読み解く整理の仕方です。当たり前といえば当たり前だとしながらも、改めて自分の中で整理になったといいます。
投与してから全身循環に乗っていく過程
体に入ってから作用部位に移行し、効果を発現していく過程
このPKとPDという2つの過程の変化が、薬が体に働く度合いの変化につながっていくことを、臨床薬理学のコンテンツは整理して教えてくれたといいます。
講義の中では、腎機能の低下や肝機能の変化、薬との相互作用などで、薬の働きにどう変化が出るのかを、2つの視点を踏まえて学べる構成になっていたそうです。
その教えてもらった薬のことだけではなくて、様々な薬剤の影響を他の薬でも考える時に基本になる土台になる、とても重要な視点として学ぶことができました。
たいぞーさんにとって臨床薬理学のコンテンツは、個別の薬の知識というより、あらゆる薬を考えるときの土台になる視点を得られた講義だったといえます。
第2位、健康食品・サプリメントの知識を体系的に学ぶ
第2位は、千葉先生による「薬剤師が知っておきたい健康食品・サプリメントの知識と情報」というコンテンツです。
たいぞーさんは薬局で、患者さんから健康食品やサプリメントの相談を受けることがあります。これまでも自分なりにエビデンスを調べ、患者さんと一緒に最適な選択肢を考えてきたといいます。
ところが健康食品・サプリメントの研修を受けて、サプリメントの形をしたものに限らず、栄養機能食品 ── ビタミンやミネラルなど特定の栄養成分を一定量含む食品で、国の基準に沿っていれば届け出なしで機能を表示できる制度ですやトクホ ── 特定保健用食品の略称。国が個別に有効性や安全性を審査し、特定の保健の用途を表示することを許可した食品ですなど、患者さんも自分自身も多くの食品を摂取していると改めて気づいたそうです。
じゃあトクホって一体何がどういうふうに決められていて、栄養機能食品っていうのはどういうふうな仕組みで(機能が)表示されているものなのかというようなことを、改めて体系的に学ぶことができました。
たいぞーさんは、自分でも曖昧になっていた制度の違いが整理できたと話します。患者さんから相談を受けたときや、たいぞーさんの側から何かを勧めるときにも役立つ情報になったといいます。
健康食品の講義の学びは在宅だけでなく外来にも、さらには自分の生活にも役立つ内容だった、とたいぞーさんは振り返ります。
健康食品・サプリメントの講義では、食品の表示についても扱われていました。「微糖」「糖質ゼロ」などといった表示にはそれぞれルールがあり、たいぞーさん自身もその違いをきちんと把握していなかったため、学びになったそうです。
第1位、名前の似た創傷被覆材をどう見分ける?
たいぞーさんが一番勉強になったと語る第1位は、関根先生による「在宅医療のための創傷被覆材」というコンテンツです。
たいぞーさんが関わる在宅の患者さんには、褥瘡 ── 長時間同じ姿勢でいることで皮膚や組織が圧迫され、血流が悪くなって生じる傷。いわゆる床ずれですができている方が多くいます。褥瘡に塗り薬(外用剤)をどう使うかは、これまでも何度か研修で学んできたといいます。
一方で、褥瘡に使う被覆材については軽く学んだ程度だったそうです。ドレッシング剤などの被覆材は種類が多く、名前も似通っているため、違いをはっきり理解できないまま対応していることも多かったと、たいぞーさんは正直に語ります。
種類が多く名前も似ていて、何がどう違うのかはっきり理解できないまま対応することが多かった
種類と特徴が詳しく整理され、学んだ直後から在宅の患者さんに役立てられた
創傷被覆材のe-Learningでは、どんな種類があり、それぞれどんな特徴があるのかが詳しく整理されていました。さらに、学んだ直後にドレッシング剤の使い方を検討する患者さんを担当したことも、印象に残っている理由だといいます。
もうすぐに在宅医療の現場の中で患者さんに役立てることができる、そんな創傷被覆材に対する知識を網羅的に学ぶことができたコンテンツでした。
第1位の決め手は、知識の網羅性に加えて、学んだ直後に現場で使えたという実感にあったようです。
e-Learningをどう活用してほしいか
たいぞーさんは最後に、紹介した3つ以外にも日本在宅薬学会のe-Learningには多くのコンテンツがあり、それぞれ学びになるはずだと話します。
日本在宅薬学会に所属している人にはe-Learningを覗いてみてほしいと呼びかけます。何を学べばよいかわからない人にも、こうした研修があることを知って学んでもらえれば、現場で役立つ知識が得られるのではないかと語っています。
今日の放送が、薬剤師が学ぶeラーニングのコンテンツを選ぶ時の1つ参考になれば嬉しいなと思います。
まとめ
たいぞーさんが選んだ日本在宅薬学会e-Learningのベスト3は、薬を考える土台、患者さんの日常の相談、在宅の処置という、それぞれ違う場面で役立つ内容でした。いずれも、現場ですぐに活かせたという実感が評価の軸になっています。
- 第3位は永田先生の臨床薬理学。PKとPDの2つの視点で、他の薬にも応用できる考え方の土台が得られた
- 第2位は千葉先生の健康食品・サプリメント講義。トクホや栄養機能食品、食品表示のルールが体系的に整理された
- 第1位は関根先生の創傷被覆材講義。種類が多く名前も似た被覆材の違いが整理され、学んだ直後に在宅の患者さんに活かせた
- 日本在宅薬学会の会員や、何を学ぶか迷う薬剤師にとって、e-Learningは現場で役立つ知識を得る選択肢になりうる



