問題とは「現状」と「あるべき姿」のギャップである
問題解決の話をここ数日連続で行ってきたたいぞーさんは、最終編となる今回、もう一つの大事な視点を取り上げます。
そもそも問題を認識しようとするなら、「問題って何なのか」を自分の中で突き詰めておく必要があると言います。ここが曖昧だと、問題を捉えようとしても捉えられなくなるためです。
たいぞーさんが示す捉え方はシンプルです。今ある現状と、こうありたいというあるべき姿。その間に生じているギャップこそが問題だという整理です。
問題というのは、今ある現状と、こうありたいというあるべき姿、この間にあるギャップが生じている。このギャップのことを問題というふうに捉えると、非常にわかりやすいんじゃないかなと思います。
今、実際に起きている状態
こうありたいと望む状態
処方箋集中率で考える問題解決の全体像
たいぞーさんは薬局の状況を例に、この捉え方を具体化します。
たとえば処方箋集中率が現状95%あり、算定要件なども踏まえて85%を達成したい場合。このとき、あるべき姿は集中率85%であり、その差である集中率が高いことそのものが問題になります。
そのうえで、その差が生じる原因は何かを考え、対策を講じることで85%へたどり着く。これが問題解決の全体像だと説明します。
現状を認識する
集中率95%という今の状態を把握する
あるべき姿を設定する
目標である集中率85%を定める
ギャップ=問題を捉える
差である「集中率が高い」を問題とする
原因を考え対策を講じる
差が生じる原因を探り、手を打つ
現状の解像度を上げるとはどういうことか
このように問題を捉えることが問題解決の第一歩でありスタートラインになる、とたいぞーさんは言います。
そのうえで強調するのが、現状とあるべき姿をきちんと具体的に認識しておくことの大切さです。集中率95%、目標85%という数字は端的で分かりやすい一方、その背景には多くの情報が隠れているためです。
たいぞーさんは、現状を掘り下げるとどんな要素が挙げられるかを列挙します。
- どういう患者が来て、処方箋をどれくらい応需しているか
- どの診療科で、どの年齢層・男女比の患者が来ているか
- 勤めている薬剤師やアシスタントスタッフの数
- 外来業務やフォローアップの基本的な対応の仕方
- 在宅医療への介入の仕方や、他職種とのやりとり
こうして現状の解像度を上げていくことが、問題を正確に捉える土台になると考えられます。
理想論ではなく「リアルなあるべき姿」を描く
現状だけでなく、あるべき姿の描き方にもたいぞーさんは注文をつけます。
大きく風呂敷を広げた理想論を語るのではなく、現実味を帯びた、本当に達成したいリアルな姿を思い描いておくことが大切だと言います。
たとえば、薬剤師が患者にこう対応することで処方箋集中率が下がる、という結果にたどり着くためのアクションにつながる。そうした仮説も含めたあるべき姿を描くことが求められます。
現状とあるべき姿を具体的に描ければ、リアルな問題、つまり両者のギャップを本当の意味で認識できます。原因と対策は、そのギャップの中から自ずと垣間見えてくるものだと話されています。
曖昧な現状把握と過剰な理想論が招く失敗
逆に、ここを曖昧にしたり、できもしない理想論を掲げすぎたりすると、問題解決の効果は損なわれます。
たいぞーさんは、そうした場合に起こりうることとして、結果的にできない対策や、やっても意味の薄い対策が出てきてしまう可能性を挙げています。
だからこそ、現状とあるべき姿を大切に捉える時間を取ることが、問題解決をうまくやるうえで重要なポイントになると考えられます。
3日間で語られた問題解決の3つのポイント
最後にたいぞーさんは、この3日間で語ってきた問題解決のポイントを総括します。
全体像として何のために問題解決をするのかという目的を押さえること。そして問題、原因、対策の順番で行うときに、原因を飛ばさないこと。そこに今回の現状とあるべき姿を捉えることが加わります。
この3つのポイントを押さえながら取り組むことで、効果的な問題解決を行い、より良い未来を自分たちで作っていけるのではないか、とたいぞーさんは締めくくっています。
まとめ
問題とは現状とあるべき姿のギャップであり、その両者をどれだけ具体的に描けるかが問題解決の成否を左右します。原因や目的の話と合わせ、この3つを押さえることが効果的な問題解決につながります。
- 問題とは、現状とあるべき姿の間に生じるギャップのこと
- 処方箋集中率のように、現状と目標を数字で捉えると差が問題として見える
- 現状は解像度を上げ、あるべき姿はリアルで達成可能な形で描く
- 現状とあるべき姿の設定に問題解決の9割がかかっている
- 目的を見据える・原因を飛ばさない・現状とあるべき姿を捉える、が3つのポイント




