エビデンスがあれば選んでOK、ではない理由
サプリメントの選び方シリーズの締めくくりとして、たいぞーさんはまず前回までの内容を振り返ります。
これまでの話では、サプリメントをなぜ飲むのかという目的を見据えることと、統計的な有意差があるかどうかを正しく読み解くことが大切だと語られてきました。
その上で今回は、エビデンスの話にさらに踏み込みます。統計的な有意差がついた臨床試験があるかどうかは、有効性を判断する一つの指標になります。
ただし、たいぞーさんはそこで終わりではないと話します。有意差のある論文が公表されていれば、それだけで選んでよいわけではないというのがこの回の出発点です。
たいぞーさんは、エビデンスがあるかないかから、さらに一歩踏み込んで中身を見ていく必要があると話します。中身を見なければ、そのサプリメントにお金を払う価値があるかは判断しづらいというわけです。
用法用量と対象症状、確認すべき最初の2つの視点
たいぞーさんは、具体的に見るべきポイントは3つあると整理します。
1つ目のポイントは用法用量です。臨床試験で効果があったとされる結果が出ているとき、その試験で使われていた用法用量を確認します。
そのうえで、実際に飲もうとしている製品が、試験の用量に近いのか、それともかけ離れているのかを見比べます。近ければ近い効果が期待でき、かけ離れていれば買うに値しない可能性が高いと話します。
2つ目のポイントは対象となる症状です。自分が改善したい症状と、臨床試験で検証されている症状が一致しているかを確認します。
たとえば膝が痛くて困っているのに、膝の痛みに関する臨床試験が行われていなければ、あまり効果的とは言えません。
たいぞーさんは、関節に効きそうに見えても全身の関節に効くとは限らないと指摘します。臨床試験では特定の部位に対する有効性を判断している場合が多いからです。
そのため、どこに使って効果があると判断されたものなのかを見極めないと、思っている場所と違う部位に使っても効果的な結果にはなりづらいと話します。
見落としがちな「服用期間」という3つ目の視点
3つ目のポイントは服用期間です。たいぞーさんは、これが多くの人に抜け落ちるポイントだと話します。
臨床試験では、だいたい3か月から4か月、長いものだと1年以上かけて成果を測っているものがあります。そうした期間で効果が得られているなら、それくらいの期間は服用を続ける必要があると考えられます。
一方で、サプリメントには初月無料や1か月300円といったキャンペーンが多くあります。
最初は安いけれど2か月目以降は高くなるため、やめてしまう人も多いのではないかとたいぞーさんは話します。
たいぞーさんが個人的にデータを見ている中では、1か月で効果が出ると判断されているサプリメントはかなり少ないといいます。
だからこそ、ある程度の期間服用が必要だと踏まえたうえで、その期間をきちんと飲んでみることが大切だと語られます。
さらに、漫然と続けるのではなく、決めた期間を飲んで効果を実感できれば続け、なければやめるという判断も必要だと話します。服用期間は、やめるための判断基準にもなるというわけです。
グルコサミンで見る、エビデンスの「中身」の読み方
たいぞーさんは、3つの視点を具体的に理解するためにグルコサミンを例に挙げます。
グルコサミンには一定の有効性を確認したエビデンスがありますが、それは変形性膝関節症に対するものだと話します。
つまり対象はあくまで膝です。年齢についても、平均年齢55歳のエビデンスだったと記憶していると話し、そこからかけ離れるほど同様の効果が得られる可能性は下がると考えられると語ります。
有効成分の量にも定められたものがあるため照らし合わせる必要があり、服用期間については16週間の試験だったといいます。少なくとも4か月は続けたうえで効果判定を行うことが大事だと話します。
たいぞーさんは、なんとなく関節に良さそうだからと肩や肘、腰の痛みにグルコサミンを使うのは危険であり、お金の使い方としてももったいないと指摘します。
さらに、有効性のあるエビデンスがあるとはいえ限定的なものであり、有効性がないとするデータも出ているため、その点も踏まえた判断が必要だと話します。
| 視点 | グルコサミンの場合 |
|---|---|
| 対象症状 | 変形性膝関節症(膝が対象) |
| 対象年齢 | 平均年齢55歳 |
| 服用期間 | 16週間の試験、少なくとも4か月 |
飲んだ後まで見る、薬剤師が支援できること
たいぞーさんは、もう一つ重要な視点として「飲んだ後」を挙げます。飲んだ後にきちんと効果が出ているかを評価することで、サプリメントと上手に付き合えると話します。
薬剤師として、有効性のエビデンスとの照らし合わせだけでなく、服用後の効果判定まで含めてサポートすることを、日々の業務で行っていると語ります。
サプリメントはあくまで補助であり、何にお金を使うかは患者さん自身が選んで決めるものだとたいぞーさんは話します。
そのうえで、どうせ使うならより良いお金の使い方をして人生を豊かにしてほしいという思いを語ります。
それが、薬剤師が地域の中で患者さんに関わっていける役割の一つだといつも思っていると話します。
最後に、この放送がサプリメントの根拠や評価をきちんと見極めて使う視点を持つきっかけになれば嬉しいと締めくくられました。
まとめ
エビデンスの有無だけでなく、その中身を用法用量・対象症状・服用期間の3つの視点で読み解き、さらに飲んだ後の効果までを評価することが、サプリメントと上手に付き合う鍵として語られた回でした。
- 統計的な有意差のある試験があっても、それだけで選んでよいわけではない
- 用法用量・対象症状・服用期間の3つを、実際に飲む製品と照らし合わせて確認する
- 多くの人が見落とす服用期間は、続ける判断にもやめる判断にも使える基準になる
- グルコサミンは変形性膝関節症・平均年齢55歳・16週間など、限定的な条件のエビデンスである
- 飲んだ後の効果判定まで含めて支援することが、薬剤師の役割の一つになる



