なぜ令和8年の調剤報酬改定は「厳しい」と言われるのか
今日の本題に入る前に、まず前回の放送で触れた調剤報酬改定の話が振り返られます。令和8年の改定が厳しいと言われるのは、現場のあり方そのものを大きく変える必要がある改定だったからだと話されています。
これまでの薬局は、医療機関としっかり連携し、患者に薬物治療を届けるインフラを整えることが重視されてきました。調剤報酬 ── 薬局が調剤や服薬指導などを行った際に受け取る公的な報酬。制度改定によって評価される業務や点数が見直される。の中でも、その立地に依存した運営形態が色濃く評価されていたといいます。
しかし、薬局のインフラ整備が概ね整った今、評価の軸は中身の質や、時代に応じた薬局の役割へと移りつつあります。
つまり、立地に依存した形態から脱却し、新たな視点で薬局運営を考える必要が示された。それが「厳しさ」を感じさせる要因だと整理されています。
変化の時代に、たくさんの課題を上手にさばくには
こうした厳しさを乗り越えるには、変化に伴って生じる問題や課題を解決し、変化に適応していくことが大切だと話されています。
ただ、目の前の課題を一つずつ考えれば解決できるとはいえ、変化の時期には多くの課題が一度に押し寄せます。
変化の時というのは、たくさんの課題が一度に生じるということも、もちろん考えることとしてあります。
だからこそ、上手に問題解決をしていくことが重要になる。そして、その問題解決にはコツがあるといいます。
問題解決のコツは、たった3つのステップ
コツ自体は非常にシンプルだと話されています。問題解決の際に、3つのプロセスを順番通りに踏むことがポイントだといいます。
その順番は、まず問題を考え、次にその原因を特定し、最後に原因に対して対策を講じるというものです。この3ステップを踏むことで、問題解決がスムーズにできるようになると説明されています。
注意したいのは、人は問題に直面するとすぐ対策を考えたくなる点です。対策へ一足飛びに進むと、原因を飛ばしてしまい、的確な解決に至らない可能性が高くなると指摘されています。
血圧が高い人に「塩分を減らそう」は正解か
原因を飛ばすとどうなるか。たいぞーさんは血圧の例で具体的に説明します。
血圧が高くて困っている人に「塩分を減らしましょう」と伝えるのは、薬局の患者対応でもよくある指導です。
これ自体は理にかなっています。塩分の摂取が増えると血圧が高くなる因果関係は証明されており、日本人の食生活は塩分が高めになりがちだからです。決して間違った指導ではないと話されています。
ただし、その人がおかずなどを人より非常にたくさん食べている場合は事情が変わります。食事の塩分濃度を減らそうとしても、加えられる塩分の量には限界があるからです。
あまりにもしょっぱい食事って、基本的にはあまり美味しいと思えないものになってしまうので、食事に入れられる塩分には上限もあります。
つまり、原因が塩分濃度ではなく食事の「量」にある人もいます。そうした人に塩分を減らす指導をしても、効果がないとは言えないものの、効果的な対策にはなりません。
むしろ、食事の量をどう調整するかを考えるほうが、トータルの塩分量を減らすことにつながる可能性が十分にあると説明されています。
塩分を減らす指導が有効になりやすい
塩分を減らすより、食事の量の調整のほうがトータルの塩分減につながる可能性
「原因を飛ばさない」が問題解決を前に進める
この血圧の例は、原因をきちんと考えることで、その人にとってどちらの対策が有効かを見極められることを示しています。
原因を正しく捉えれば、目の前の課題に本当に必要な対策が見えてきます。その結果、問題がよりスムーズに解決へ向かう糸口をつかめると話されています。
問題を捉え、原因を突き詰め、その原因に対策を打つ。この3ステップを守ることが、令和8年の調剤報酬改定という厳しさを乗り越えるための気づきにつながればと、放送は締めくくられています。
まとめ
問題に直面したときほど、人はすぐ対策に飛びつきたくなります。だからこそ「問題→原因→対策」の順番を守り、原因を飛ばさないことが、変化の時代に課題をさばく鍵になると語られた回でした。
- 令和8年の調剤報酬改定は、立地依存からの脱却を迫る「現場のあり方を変える改定」と受け止められている
- 問題解決のコツは「問題を考える→原因を特定する→対策を講じる」の3ステップを順番通りに踏むこと
- 対策へ一足飛びに進むと原因を飛ばし、質の低い対策を選びやすくなる
- 血圧が高い人でも、原因が塩分濃度か食事の量かで有効な対策は変わる
- 原因を正しく捉えることが、問題をスムーズに解決へ向かわせる糸口になる




