改定を絡めた社内研修の準備中に浮かんだ問い
たいぞーさんは薬局で在宅医療や外来対応にあたりながら、社内の人材育成室にも所属しています。
その役割の一つが、社内研修で講師として話すことです。来週に控えた研修の内容を、1週間前というギリギリのタイミングで練っている最中だといいます。
ちょうど令和8年調剤報酬改定の内容が明らかになったところで、改定の具体的な中身は別の担当者が話す予定です。たいぞーさんはそれに付随して、スタッフの学びになる研修を担う立場にあります。
身近な課題に絡めれば、聞くスタッフも「自分ごと」として受け取りやすくなります。そこで改定を絡めた話を組み立てようと構成を考える中で、一つの問いが浮かびました。
SNSで飛び交う「厳しい」「大変」という声
SNS上では、令和8年調剤報酬改定に対して厳しい、大変だという声が多く上がっています。たいぞーさんもそうした言葉に触れる機会が増えていると感じています。
そこでたいぞーさんは、なぜこの改定を「厳しい」「大変」と思うのかを、研修の準備をしながら考えてみることにしました。
第99回国家試験が思い出させた「傾向の変化」
たいぞーさんが薬剤師になったのは12、13年前で、受験したのは第99回薬剤師国家試験でした。この回は、ある種有名な回だといいます。
6年制の国家試験のなかで、当時としては最低の合格率だった年でした。合格率は60.84パーセントと、それまでより大幅に低い数字でした。
現役で受験したたいぞーさんの印象では、問題そのものが手も足も出ないほど難しかったわけではありませんでした。
ただし、出題傾向は大幅に変わっていたといいます。暗記した知識で解く形式から、覚えた知識を使って思考し、考えることが求められる形式へと変化していました。
この合格率の低下は、問題が難しくなったからではなく、出題傾向が変わったことで従来の対策が機能しなくなった人が一定数いたためではないか、とたいぞーさんは振り返ります。
「厳しさ」の正体は変化だった
ここからたいぞーさんは、改定を「厳しい」「大変」と感じる思いの正体を読み解いていきます。難しさを感じさせる要素として浮かび上がったのが「変化」でした。
令和8年の調剤報酬改定は、まさに変化の改定だといいます。テーマとして組み込まれているのが、立地依存型の調剤薬局のビジネスモデルからの脱却です。
従来の運営形態のまま薬局を続けようとすると、確かに厳しく大変なものになります。だからこそ変化が求められています。
つまり、慣れたやり方から変わらなければならないこと自体が、厳しさや大変さを感じさせる要素になっているのではないか、というのがたいぞーさんの気づきです。
暗記型から思考型へ出題傾向が変化し、従来の対策が通用しなくなった
従来のビジネスモデルからの脱却が求められ、慣れたやり方を変える必要が生じた
乗り越える鍵は「変化への適応」
たいぞーさんは、この厳しさは「厳しい」「大変」と言っているだけでは乗り越えられないものだと話します。
乗り越えるために考えるべきは、変化に適応することです。どう適応して制度の中で薬局を運営し、患者に関わっていくのかが大切なポイントになります。
研修では、この変化への適応を「問題解決」という視点で話す構成を考えているといいます。時間が迫るなか、焦りながら内容を作り上げている最中だと明かしました。
変化には大変な部分やしんどい部分もあります。それでも、変化への適応はいつの時代も必要なことだとたいぞーさんは語ります。
ネガティブに捉えて身動きが取れなくなるのではなく、変わると腹を決めて行動を起こしていく。それが今年の薬局に求められていることだと締めくくっています。
まとめ
令和8年調剤報酬改定を「厳しい」「大変」と感じる背景には、慣れたやり方を変えなければならない「変化」があります。たいぞーさんは、その変化を乗り越える鍵は適応にあると語りました。
- 改定の中身そのものより、それがもたらす「変化」が厳しさの正体だと読み解いている
- 第99回国家試験の合格率低下も、出題傾向の変化に対応できなかったことが一因だと振り返る
- 令和8年改定は、リッチ依存型の調剤薬局のビジネスモデルからの脱却がテーマの一つ
- ネガティブに固まるのではなく、変わると腹を決めて行動することが薬局に求められている



