12月に増えた、マイナ保険証を出す患者
この回で薬剤師のたいぞーさんが取り上げるのは、マイナ保険証をめぐる薬局現場の変化です。12月になって社会保険加入者の健康保険証の有効期限が切れたことで、薬局でマイナンバーカードを利用する人がだいぶ増えたと話しています。
たいぞーさんは、この増加を数字ではなく現場での体感として実感していると述べています。制度の切り替えが、日々の窓口対応にじわじわと表れてきている段階だといえます。
マイナ保険証で薬局が得られる情報とは?
たいぞーさんによると、マイナンバーカードを利用してもらう一番のメリットは、他の医療機関で使っているお薬の履歴を確認できることだといいます。これにより、併用薬 ── 複数の医療機関から処方され、患者が同時に使っている薬のこと。組み合わせによっては効果が強く出たり、副作用のリスクが高まったりするため、確認が重要になりますの飲み合わせのチェックができるようになります。
一方で、たいぞーさんが強調するのはチェック機能だけではありません。これまでお薬手帳だけではわからなかった、病院での入院の記録なども、情報を読み解くと見えてくるようになると話しています。
具体例として挙げられるのが、病院で使用した点滴の薬や、整形外科で使っている注射薬の内容です。院内で処置され、お薬手帳には残らなかった情報も、マイナンバーカードでは見られるようになります。
たいぞーさんは、これによって薬局では気づけなかった薬の使用状況を把握できるようになると語ります。今まで薬局では気づけなかったお薬の使用状況も把握できるようになった点を、大きな変化として受け止めています。
薬局や外来で処方された薬の記録が中心。院内で処置された点滴や注射薬は残らないことがある
他院での薬の履歴に加え、入院記録や院内で使った点滴・注射薬まで確認できる
患者の経過まで見えてくる情報の価値
マイナンバーカードを通じて得られる情報は、薬の記録だけにとどまらないとたいぞーさんは話します。入院中の薬の使用履歴を見ると、患者の体調の経過まで見えてくるといいます。
たとえば、今日は元気に来局している患者が、実は先日まで体調を崩していたといったことがわかる、とたいぞーさんは具体例を挙げています。薬の履歴が、患者の最近の様子を知る手がかりにもなるわけです。
さらに、マイナンバーカードを通して得られる薬剤情報は、薬局の薬歴 ── 薬剤師が患者ごとに作成する薬の使用記録。処方内容や服薬指導の経過などを残し、次回以降の対応に活かすための情報ですにも転記できるようになっているとたいぞーさんは説明します。
併用薬チェックがスムーズになった実感
たいぞーさんは最近、お薬手帳で確認しつつ、マイナンバーカードを提示してくれた人にはその記録も併せて確認しながら併用薬のチェックを行っていると話します。以前よりチェックがスムーズになってきたといいます。
一方で、目視だけで作業していると抜け漏れが出てしまう、ともたいぞーさんは率直に語ります。マイナンバーカードの情報によって、確認が漏れていた薬や、記録を残し忘れていた点に気づくケースも出てきているそうです。
そのため、マイナンバーカードを提示してくれる患者に対しては、本当にありがたいと最近特に感じていると話しています。
手帳もカードもない患者に感じるヒヤヒヤ
一方でたいぞーさんは、お薬手帳もなく、マイナンバーカードも持ってきていない患者への対応をするときには、正直とてもヒヤヒヤする思いが湧き上がるようになってきたと打ち明けます。
当初は、マイナンバーカードがあってもなくても、お薬手帳で併用薬を確認できると考えて対応していた面もあったとたいぞーさんは振り返ります。しかし使い慣れてくると、もうなくてはならないものになってきたといいます。
新しいものは使っていくとすぐ慣れていくものだ、とたいぞーさんは自身の変化を語ります。情報が得られることが当たり前になったことで、情報がない状態への不安が強まったといえます。
お薬手帳で併用薬を確認できるので、カードがなくても対応できると考えていた
使い慣れて手放せなくなり、手帳もカードもない患者にはヒヤヒヤするようになった
これから広がる情報連携と薬剤師の責任
たいぞーさんは、これから医師が記載するカルテの情報や採血結果などもマイナンバーカードで共有されるようになると話します。より多くの情報をスムーズに薬局で得られるようになる見通しです。
たいぞーさんは、患者の薬物治療をきちんと見極めるための情報源が増えていくのは心強いと述べます。同時に、共有された情報をきちんと活かすことで、マイナンバーカードを使うメリットを患者にも体験してもらえるようにしたいと語ります。
そのために、薬剤師として一つ一つの仕事を丁寧にこなしていかないといけないと、たいぞーさんは業務での出来事を通して強く感じたと締めくくっています。
まとめ
マイナ保険証は、薬局が得られる情報を大きく広げつつあります。たいぞーさんは、その価値を実感すると同時に、情報を活かす薬剤師の責任も強く意識していると語りました。
- 12月の保険証切り替えで、薬局でマイナ保険証を利用する患者が体感として増えている
- 他院の薬の履歴に加え、入院記録や院内の点滴・注射薬まで確認でき、併用薬チェックがスムーズになる
- 薬の履歴からは、患者が最近体調を崩していたといった経過まで見えてくる
- 使い慣れると手放せなくなり、手帳もカードもない患者への対応には不安を感じるようになった
- 今後はカルテや採血結果の共有も進む見通しで、情報を活かす薬剤師の丁寧な仕事が問われる



