セミナーの振り返りから見えた「専門性を現場で使う」大切さ
たいぞーさんは、薬局で在宅医療や外来患者対応に取り組みながら、新人育成や社内研修、外部講演なども行う薬剤師です。この音声配信では、薬学で患者を語るというテーマで、現場で感じたことや仕事の面白さを共有しています。
今回のきっかけになったのは、先日みずから開いた薬剤師国家試験を実務に生かすセミナーです。国家試験には実務に生かせる問題がたくさんあったという話は以前もしていますが、セミナーを主催してあらためて感じたことがあったと話します。
それは、薬剤師の専門性を現場で使い、生かしていくことの大切さです。国家試験の問題を解きながら、自身が薬剤師を目指した頃の思いにも触れる機会になったといいます。
僕自身は、めちゃくちゃ薬剤師になりたいという強い思いを持って薬剤師になったわけではなかったなということを、改めて思いました。
6年と膨大な学費で得た資格を、現場で最大限に使うということ
たいぞーさんは、薬学を6年間かけて学び、決して安くない金額を支払って薬剤師の資格を得たと振り返ります。その資格を現場で最大限に使うことに意味があると考えています。
ここでいう「使う」とは、薬剤師の専門性があるからこそ見える患者の姿として状態を捉え、薬物治療をより良くする選択肢を示すことです。その選択肢を医師と共有し、一緒に模索していく仕事だといいます。
薬剤師の専門性があるからこそ見える患者さんの姿として捉えて、薬物治療をより良くしていく選択肢を示していく。
たいぞーさんは、こうした仕事を天職だと感じながら毎日働いていると話します。そう思えるようになったのは、薬学を使って患者を見ることを意識して実践するようになったことが大きかったといいます。
薬剤師人生を時間に換算すると見えてくる「84000時間」
話は、薬剤師として現場で働き続ける時間の長さに移ります。たいぞーさんは、現場に出てこの仕事をずっと続けるとすれば、およそ40年間、毎日を仕事の時間として費やすことになると考えました。
そこで、会社員の薬剤師として1日8時間労働を40年間続けると仮定して計算したところ、ある数字が出てきたといいます。
その結果が、40年間でおよそ84000時間という時間です。話しながらあらためて、膨大な時間だと感じたとたいぞーさんは述べています。
同じ84000時間を「面白い時間」に変える視点とは
たいぞーさんは、この84000時間の使い方に2つの向き合い方があると整理します。1つは、医師の処方通りに薬を揃え、患者に分かりやすく説明して渡す仕事です。これも重要で意義のある仕事だと前置きします。
ただ、たいぞーさん個人としては、そうした仕事だけを行うことに大きな魅力を感じるわけではないといいます。もう1つの向き合い方として挙げるのが、薬学を使って患者のことをきちんと読み解いていくことです。
その読み解いたことがうまく読み解けていたら、患者さんの治療がより良くなって、いい仕事したな、面白いな、この仕事やっててよかったなと思えるようになる。
たいぞーさんは、薬学をいかに使うかを考え、患者の状態を薬剤師の視点で見ることができるだけで、同じ84000時間が大きく変わるのではないかと話します。
重要で意義はあるが、たいぞーさん個人としては大きな魅力は感じにくいと話す働き方
専門性を使って患者を捉え、治療をより良くする選択肢を考える。主体性とやりがいが生まれる働き方
たいぞーさんは、患者の状態を薬剤師の視点で見ると、そこに主体性が生まれ、治療をより良くする選択肢を考えることになると説明します。同時に責任も生まれ、責任が生じるところにやりがいも生じると考えています。
きちんと患者さんの治療に向き合い、自分が背負うべき責任を背負っていくということが、仕事を本気で取り組む姿勢にもつながる。
たいぞーさんは、今日の放送が、薬剤師人生の84000時間を面白くやりがいのあるものに変えるにはどうしたらいいかを考えるきっかけになればと述べて、回を締めくくっています。
まとめ
たいぞーさんは、セミナーの振り返りを起点に、薬学の専門性を現場で使うことの意味を、薬剤師人生の時間という切り口で語りました。同じ約84000時間でも、薬学で患者を読み解く視点があるかどうかで、その充実度は大きく変わると考えています。
- 薬剤師の専門性を現場で最大限に使うことが、仕事の面白さにつながる
- 会社員薬剤師が8時間労働を40年続けると、仕事の時間は約84000時間になる
- 処方通りに薬を渡すだけでなく、薬学で患者を読み解く視点が同じ時間の価値を変える
- 患者を薬剤師の視点で見ると主体性が生まれ、責任とともにやりがいも生じる



