国家試験で目立った「学校薬剤師」の出題
たいぞーさんは、先日実施された第111回薬剤師国家試験について、当日のうちに予備校から問題と解答が公開されたと話します。
たいぞーさん自身も「薬剤師国家試験を実務に生かすセミナー」を開催すると決めていたため、今年の全345問に目を通し、実際に解いてみたそうです。
その中で、1つ印象的だった点が挙げられました。それが学校薬剤師の業務に関する問題が目立って出題されていたことです。
学校薬剤師の業務に関する問題、これが目立って出題されていたなというのが、今回の国家試験の中で(僕の中で)印象的な出来事だった。
具体的には、実践問題の衛生の分野の最後の3問が学校薬剤師の業務に関するものだったといいます。
内容としては、プールの水質調査や空気環境の調査など、学校薬剤師が担う業務が問題として取り上げられていました。
薬剤師法第一条に定められた3つの任務
たいぞーさんは、薬局の現場で医療に直接関わる仕事をしていると、薬剤師の業務の広がりをつい忘れがちになると指摘します。
薬剤師の任務は薬剤師法第一条に規定されており、3つの役割が責務として定められていると説明されました。
調剤
処方に基づいて薬を用意する業務
医薬品の供給
薬を必要な場所へ届ける業務
その他薬事衛生
人が健康に暮らすための環境整備
国民の健康な生活を守る
3つをつかさどることで達成する目的
調剤は、薬局や病院などの医療現場で働く薬剤師にとって、日々の業務の中心になる部分だとされています。
医薬品の供給は調剤と似通う部分もありますが、OTC薬品の販売や、卸売業者で働く薬剤師の存在も含まれます。
すべからく日本全国に薬を届けていくというところに、薬剤師が役割として担っている部分がある。
そして3つ目の「その他薬事衛生」は、人が健康に暮らすための環境整備の部分であり、薬剤師が専門的な領域として担っているところだと語られます。
たいぞーさんは、その代表的な仕事の1つが学校薬剤師業務にあたると位置づけています。
子どもたちの学習環境を整えるという貢献
今回の国家試験の出題について、たいぞーさんは臨床能力だけでなく、地域の子どもたちの学習環境の整備にも薬剤師が関わることを示していると受け止めています。
次世代の若者が学びを深め、成長していける環境を作るところにも薬剤師が貢献している、そのことを改めて感じさせる問題だったと話されました。
在宅医療の現場に広がる「環境」への視点
たいぞーさんは、この視点を在宅医療の現場にも重ねます。フォローアップを中心に薬物治療が適正に行えているかを見るのは、もちろん薬剤師の大きな役割だとした上で話を進めます。
在宅医療では、患者が暮らす個人宅を訪問して対応するため、その生活環境が健康に過ごすために適したものになっているかを見極める役割もあると語られました。
たとえば、患者が訴える不調について、病気かもしれないという視点で医師が読み解き、薬の影響はないかを薬剤師が見ていきます。
一方で、薬も病気もなく治療も順調なのに、環境が悪さをしている場合があることにも気づけると指摘されます。
その場合は、ケアマネージャーを中心にヘルパーや訪問看護師とも協力しながら、適切な換気や温度管理といった環境整備に一緒に関わっていくことになります。
患者さんが元気に暮らせる環境整備というところにも一緒に関わっていく、そんな役割を薬剤師が担っていくことができる。
こうした環境への介入までを含めることで、調剤、医薬品の供給、その他薬事衛生をもって国民の健康な生活を守るという薬剤師法第一条を、現場で実践できるのかもしれないと語られました。
国家試験の問題が投げかけたもの
たいぞーさんは、今回の放送が薬剤師と環境衛生の関わりについて改めて考えるきっかけになればと締めくくります。
国家試験の問題を通して、薬剤師が環境衛生に関わる役割を担っているという原点を見直せたことが、この回の中心にあります。
まとめ
第111回薬剤師国家試験で目立った学校薬剤師の出題を入り口に、薬剤師法第一条に定められた「その他薬事衛生」という役割が語られた回でした。臨床だけでなく、学校や在宅の生活環境の整備までを含めて考える視点が示されています。
- 第111回国家試験の衛生分野で、学校薬剤師業務に関する問題が目立って出題された
- 薬剤師法第一条は、調剤、医薬品の供給、その他薬事衛生の3つの任務を定めている
- 学校薬剤師業務は「その他薬事衛生」の代表例で、子どもの学習環境の整備に関わる
- 在宅医療でも、換気や温度管理などの環境整備に薬剤師が関わる余地がある
- 環境への視点まで含めることが、薬剤師法第一条の実践につながると語られた



