病院と薬局の連携で、なぜ抗がん剤治療が重要になるのか
たいぞーさんは、基幹病院で開催された薬局連携のための研修会に参加し、そこで感じたことを話します。薬局と病院の連携が大事と言われて久しいなか、その連携が特に重要になる治療の代表格が抗がん剤治療だといいます。
抗がん剤治療は、患者さんの体にも影響が出やすい薬物治療です。だからこそ病院とうまく連携しながら治療内容を調整し、副作用による苦しみを小さくしつつ、効果を得ていくことが求められます。
たいぞーさんは、こうした連携がより良い治療につながると考えています。地域の基幹病院が薬局との連携を図る研修会を定期的に開いており、たいぞーさんは先日その研修会に参加してきました。
学生時代に学んだ抗がん剤が、もう使われなくなっている
今回の研修会でも、テーマとして抗がん剤治療が取り上げられ、病院で行われている最新のがん治療についての話がされました。たいぞーさんは去年もこの基幹病院の研修会に参加しています。
抗がん剤治療は日進月歩で進化しています。たいぞーさんが学生時代、12、13年前に学んだ抗がん剤には、今も現場で使われているものもある一方、もう使われなくなったものも数多くあるといいます。
新しい薬になると、名前も聞いたことがなく、作用機序も以前より一段深く細かくなっています。体の中のメカニズムも新たに解明され、聞いたことのないような仕組みで作用する薬もたくさん出ていると、去年の時点でたいぞーさんは感じていました。
今回改めて参加した研修会でも、聞いたこともなく、どんな薬なのかピンと来ない薬が非常に多かったといいます。
学生時代に学んだ抗がん剤。今も一部は使われているが、使われなくなったものも多い
名前も聞いたことがなく、作用機序も一段深く細かくなった新しい薬が数多く登場している
知識のアップデートに追われる勉強はしんどい
薬物治療のなかには患者さんの命に関わるものもあります。そのため薬剤師は日々生涯研修を行い、情報をアップデートし、より良い治療を届けるための知識研鑽を積み上げることが大切だと、たいぞーさんは感じています。
一方で、たいぞーさんはもう一つのことにも気づきます。知識のアップデートは大切である一方、薬剤師も人生の中で限られた時間を生きているという点です。
全ての人生を勉強に捧げられる薬剤師は、多くの薬剤師のなかでも非常に限られているのではないか、とたいぞーさんは考えます。
進歩していく中で古くなっていく知識を、新しくアップデートしないといけない。知識の更新に追われるような勉強の仕方をしていくのは、非常にしんどい。
たいぞーさん自身、薬剤師として働きながらも、知識の更新に追われる勉強のしんどさをどこかで感じているといいます。
古くならない思考力という、生涯使える力
たいぞーさんは、知識は時代の変化とともに陳腐化し古くなっていく一方で、古くならないものもあると考えます。それが、患者さんをみて考える思考力です。
この思考力は、時代が経ってもなかなか古くならず、生涯使っていける力になると、たいぞーさんはとらえています。そして思考力があることで、自分の中にインプットしておく知識も必要最小限に抑えられるといいます。
たいぞーさんは、限られた人生の時間を過ごす中で、薬剤師として生きることだけがすべてではないとも考えています。家族との時間や自分のプライベートな時間を充実させたい思いがあります。
その一方で、患者さんの命に関わる医療という仕事を選んだ以上、責任を持って全うしたいという思いもあります。この両方を満たすために、たいぞーさんは普遍的な思考力、考える力に目を向けることが有効だといいます。
時代の変化とともに陳腐化して古くなる。日々アップデートし続ける負担がかかる
患者さんを看て考える力。時代が経っても古くならず、生涯使える。必要な知識も最小限に抑えられる
少しの情報から、患者への関わり方が湧き上がってくる
たいぞーさんは、思考力があれば、知識のアップデートの負担を軽減しながらパフォーマンスを下げないことが実現できるのではないかと、先日の研修会でも感じたといいます。
研修の中でたいぞーさんは、思考力があることで、この薬はこう使えばいい、この患者さんにはこう関わればいい、という考えが自分の中にどんどん湧き上がってくるのを感じたそうです。
考える力があれば、少しの情報からいろんなことを自分の中にインプットしていけます。古くなっていく知識をひたすら入れて更新するだけでなく、自分の中に普遍的に溜まっていくものに目を向けることが大事だと、たいぞーさんは話します。
それは気持ちを少し楽にしながら、きちんと成長していくためにも必要なことになるのではないか、というのがたいぞーさんの考えです。
そしてたいぞーさんは、この番組で掲げる「薬学で患者を語る」ということが、その積み重なる思考力という普遍的な力につながるのではないかと語りました。
学生向けオンラインイベント「Tricon」の告知
最後にたいぞーさんは告知をします。9月26日の土曜日に、Triconという学生向けのオンラインイベントを開催します。
このイベントでは、現場の薬剤師が学生にレクチャーをするだけでなく、現場の薬剤師と学生が一緒に一つの症例について検討を行います。
この検討を通して、薬学部で学ぶ専門知識の価値に気づいたり、その活かし方を学んだり、現場で働く薬剤師の具体的な将来像を見つけたりすることにつなげたい、とたいぞーさんはいいます。
学生は無料で参加できます。たいぞーさんは、現場で働く薬剤師にも、こうしたイベントがあることを学生に伝えてほしいと呼びかけます。学生が情報を知らないままにならず、参加するかどうかを自分で選べる機会を届けてほしいという思いからです。
まとめ
この回でたいぞーさんは、抗がん剤治療の連携研修を通して、陳腐化する知識と古くならない思考力の違いに目を向けました。限られた人生の時間の中で、知識を追い続ける負担を軽くしながら成長するために、思考力に注目することの意味を語っています。
- 抗がん剤治療は日進月歩で進化し、病院と薬局の連携が特に重要になる治療である
- 12、13年前に学んだ抗がん剤には、もう使われなくなったものも数多くある
- 知識は時代とともに陳腐化するが、患者さんを看て考える思考力は生涯古くならない
- 思考力があれば、必要な知識を最小限に抑え、少しの情報から患者への関わり方を導ける
- 9月26日に学生向けオンラインイベント「Tricon」を開催し、現場の薬剤師と学生が症例検討を行う


