12年ぶりに漢方セミナーへ、再学習を決めた理由
この回でたいぞーさんが取り上げるのは、今年から学び始めた日本在宅薬学会の漢方セミナーです。日本在宅薬学会 ── 在宅医療に関わる薬剤師などの学びを支援する学会。漢方をテーマにしたセミナーも開催している。
たいぞーさんは、この漢方セミナーの師範セミナーを今年から受け始めていて、先日その第1回目の講習会が開催されたと話しています。
漢方との出会いは、薬剤師1年目の12年前にさかのぼります。日本在宅薬学会の漢方セミナーが初めて開催されるという誘いを受け、1年間勉強したのが最初でした。
その最初のセミナーで、漢方薬が「知識として学んでいたもの」から「現場での実践で使えるもの」へと変わったのが、当時のたいぞーさんの印象だったといいます。
漢方が教えてくれた、西洋薬と組み合わせる思考法
たいぞーさんは、漢方の知識を使って患者を診ることで、より良い治療を届けるための思考法を学んだと振り返ります。
具体的には、今使っている西洋薬をどう整理し調整するか、そして西洋薬では改善しきれない部分を漢方薬で改善できないかを考えていく道筋です。
西洋薬より漢方薬を使うほうが、よりよく改善に向かえる選択肢があるかもしれない。そうした思考方法を学べたのが漢方セミナーだったと話しています。
その後しばらく学ぶ機会から離れ、現場では自分なりに模索しながら漢方の知識を使って患者に関わってきました。ただ、うまくいく時とうまくいかない時があることが、たいぞーさんの課題感として残っていたといいます。
今回また改めて漢方セミナーが開催されると誘いを受けたことをきっかけに、もう一度学び直そうと決め、1年間学ぶことにしたと語られています。
「みる目が広がった」と思っていた自分に気づいたこと
第1回のセミナーに参加したたいぞーさんは、漢方の知識を改めて学び直す中で、自分の中で曖昧になっていた部分にも気づいたと話します。
そのうえで、一番印象に残った学びがあったといいます。漢方を学ぶことで、患者をみる目がさらに広がったと、最初にセミナーを受けた時から感じていました。
病気としての視点、つまり西洋医学的な視点で患者をみることと、漢方など東洋医学的な視点で患者をみることをミックスして、患者の状態を把握できるようになった、と考えていたそうです。
使いこなせてはいないものの、視野は広がった。そう思っていたたいぞーさんが、今回のセミナーで受け取ったのは、少し違う実感でした。
今回セミナーに参加して、僕はまだまだ患者さんを見るということができていないなということに、そういったことを実感することができました。
情報を集めて「みる気」になっていないか
たいぞーさんが自分の課題感として見つけたのは、患者のさまざまな情報を知ることで、患者をみれたような気になっていないか、という問いでした。
患者の情報をたくさん知ると、患者の状態がだんだんはっきり見えてくる。その感覚自体は確かにあるとたいぞーさんは認めています。
ただ、本当に患者をみるというのは、情報を集めて全体像を把握することだけではない、というのがこの回の核心です。
情報から薬剤師にしか見えない、専門家の目からしか見えてこない一歩奥の深いところ。その情報から考えた患者さんの姿を捉えていくことが、患者をみるということの本質なのかもしれない、とたいぞーさんは語ります。
さまざまな情報から患者の全体像を把握し、状態をはっきりさせる段階
専門家にしか見えない一歩奥、情報から考えた患者の姿を捉える段階
薬を診る視点と、患者をみる視点は似ている
たいぞーさんは、さまざまな情報を読み取って患者をみていくことは、薬の情報をたくさん集めて患者の体に適用し、体の中で薬がどうなっているかをみていく考えに近いと述べます。
薬のことも考え、患者自身の体で何が起こっているかにもきちんと向き合う。この両方をすることで、薬のこともよりきちんとみえるようになると話しています。
さらに、患者自身が把握している情報だけではないところから見えてくる姿を捉えることで、より良い治療の選択肢が見えてくるかもしれない、と語られています。
残り約1年、選択肢を増やせる薬剤師を目指して
これから約1年、たいぞーさんは漢方セミナーで学び続けていくと話します。
患者を診るという視点を、ただの情報収集ではなく、きちんと読み解いて患者を見極められるものへと磨いていきたい、とたいぞーさんは語ります。
漢方の知識と、これまで学んできた薬学の知識を生かし、患者により良い治療を届ける。幅広い選択肢の中から届けられる薬剤師として、一歩成長したいという思いで回を締めくくっています。
まとめ
この回は、漢方セミナーでの再学習をきっかけに、「患者を診る」とは情報を集めて把握した気になることではなく、その一歩奥を読み解くことかもしれない、と考えるたいぞーさんの内省でした。
- 12年ぶりに日本在宅薬学会の漢方セミナー(師範セミナー)で学び直すことを決めた
- 漢方は、西洋薬を整理・調整しつつ、改善しきれない部分を補う思考法を教えてくれた
- 情報を集めて全体像を把握することと、患者を本当にみることは同じではない
- 専門家の目でしか見えない一歩奥、情報から考えた患者の姿を読み解くことが本質かもしれない
- 薬を診る視点と患者をみる視点は近く、両方を診ることで治療の選択肢が広がる



