実習生指導の現場で浮かんだ、AIとの関わり方への気づき
たいぞーさんは今、実務実習の学生を受け入れ、毎日学生への指導をしながら現場の実務を行う日々を過ごしています。
その関わりの中で、学生がAIを使ってレポートなどをまとめてくることに対し、指導者としてどう向き合うかという気づきがあったといいます。この話題は以前の放送でも取り上げたことがあると振り返っています。
AIを指導に取り入れるのは学生側だけの話ではありません。指導薬剤師や大学教員が、教育教材の準備などにAIを使うこともあると話します。
たいぞーさん自身も、先日行った集合研修でどんな内容を話すか考える際に、AIを活用したと述べています。だからこそ、AIを上手に使うことは学生も教員も含めて非常に大事だと考えています。
それでも、学生のレポートへのコメントにはAIを使わない
AIを使う場面がある一方で、たいぞーさんがあえてAIを使わないようにしている部分があります。それが、学生が毎日書くレポートや、1週間のまとめとして書く週報へのコメントです。
コメントを毎日どう書くかを考えるのは大変だと感じつつも、そこに関してはAIを使わずに返したほうが、自分個人としてはいいのではないかと考えて実施しています。
AIを使わないことそのものがどうということではなくてですね、ポイントになるのはやはり目的っていうところが非常に大事なんだなということを思いながら、(コメントを書くのに)AIを使わないということを今僕は選んでいます。
ここでたいぞーさんは、判断の軸を「目的」に置いています。あくまで現時点での選択だと断りを入れている点も特徴です。
コメントを書く本当の目的は「引き出す」こと
たいぞーさんは、日報や週報にコメントを書くそもそもの目的を問い直します。コメントを書くことそのものが目的ではない、という点が大事だといいます。
指導薬剤師が学生にコメントを書く理由は、そのコメントを通して、学生が自分の学んだことからさらに深い学びや気づきを得たり、学習への意欲が湧いてきたりすることだと説明します。
この目的に立てば、AIを使うか使わないかはあくまで手段の話になります。たいぞーさんは、AIを使ったほうが学生の意欲や学びの深さを引き出せるのであれば、積極的に使ったほうがいいとも述べています。
使ってみて感じた、今は自分の言葉のほうが効果的だという実感
それでも今コメントにAIを使わないのは、目的をより達成できるのが自分の言葉だと感じているからです。たいぞーさんは実際にAIを使ってもみたと明かします。
学生の文字だけでなく、その日1日の動きや反応も考慮したコメントを残そうとすると、今の自分のAIを使う技術の範疇では、意欲を引き出せるようなコメントを出力させる自信がないといいます。
自分が書いた方が、学生が学びや気づき、ポイントを押さえた、その日一日の動きや反応も考慮したコメントを残せる。(それが)より効果的なんじゃないかと今のところ思っています。
だからこそ、レポートへのコメントはどんなに少ない文字数になっても、自分の言葉で書くようにしようと思いながら行っていると話します。
一方で、これは固定した結論ではありません。今後、AIを使ったほうが目的の達成に近づくという気づきや結論が自分の中で見えれば、AIをどんどん使うようになっていくと述べています。
学生にも指導者にも共通する、目的を見据えた選択
たいぞーさんは以前、学生がAIを使うときに「それを使うことで目的が達成できるのか、より深い学びにたどり着けるのか」を考えることが重要だと話しました。これは指導者側にも同じく大事なことだといいます。
自分でやることにこだわりすぎるあまり、もっと深く学べたり意欲を引き出せたりする機会を阻害してしまうなら、それは本末転倒だと指摘します。
逆に、AIを使って楽をして業務を効率化できても、目的が達成できていないなら、それもまた本末転倒だと述べます。
この視点は学生にも指導者にもどちらにも重要だと、たいぞーさんは学生と関わりながら自分自身を振り返り、考察したうえで共有しています。
学生向けオンラインイベント「Tricon」の告知
放送の最後に、たいぞーさんは告知を行っています。9月26日土曜日の15時から17時までの2時間、学生向けのオンラインイベント「Tricon」を開催します。
このイベントでは、患者さんの1症例を現場の薬剤師と学生が一緒に検討します。現場で薬学の専門性を活かして患者さんにどう関わるかを体感し、自分が学ぶ薬学の価値を再認識して学習意欲を高める機会にしたいといいます。
先日の集合研修でたいぞーさんは、薬学の専門性を「患者さんに専門的なことをわかりやすく説明するために学んでおくもの」と認識している学生が多いことに気づいたそうです。
その視点も大事だとしつつ、たいぞーさんは、薬学を学ぶ本来の理由を次のように語ります。
ただただ説明するだけではなく、患者さんの治療がうまくいっているのか、いってないのか、それはなぜなのかを読み解いて、薬物治療の最適化を図る、そのために僕らは薬学を学んでいます。
そのことに気づくには、患者さんの症例に向き合い、実際に薬学を使って体験することが大きな学びにつながりやすいといいます。Triconはそうした学びを学生に届けたいという思いで開催するイベントだと説明します。
参加は無料です。学生に加えて、実務実習で学生を受け入れている現場の薬剤師にも、学生への案内を呼びかけています。
まとめ
この回のたいぞーさんの主張は一貫しています。AIを使うか使わないかは手段にすぎず、判断の軸は常に「その目的が達成できるか」に置くべきだという考えです。学生のレポートへのコメントにあえてAIを使わないのも、今は自分の言葉のほうが学びや意欲を引き出せると感じているからであり、状況が変われば使う可能性も残しています。
- 実務実習の学生指導で、たいぞーさんはレポートへのコメントにあえてAIを使っていない
- コメントの目的は、学生の内なる学びや意欲を引き出すことであり、書くこと自体ではない
- AIを使うか使わないかは手段であり、目的を達成できるかで判断すべきだと語る
- 自分でやることへのこだわりも、効率化のための安易な利用も、目的を見失えば本末転倒
- 9月26日には学生向けオンラインイベント「Tricon」を無料開催し、症例検討を通じた学びを届ける






