159回続けた放送の年末振り返り
この放送は、薬局で在宅医療や外来対応にあたりながら、新人育成や研修講師、勉強会やセミナーの開催もこなす薬剤師たいぞーさんによるものです。
12月31日、2025年最後の日の配信として、この回は始まります。たいぞーさんは、番組「薬学で患者を語る10分講座」を今年の夏頃に開始したと話します。
そこから毎日少しずつ放送を積み重ね、今回で159回目を迎えました。ほぼ毎日、12月31日まで続けられたのは、聞いてくれる人がいるおかげだと振り返っています。
日々少しずつではあるんですけども、聞いてくださる方がいるおかげで、(放送を)12月31日の最後までほぼ毎日続けることができたなということを思っています。
今年一番聞かれたのは「料理と似ている」回
年の瀬の振り返りとして、たいぞーさんが選んだのは、約半年の放送の中で一番聞かれた回を改めて届けることでした。
その回とは、放送を始めた最初の頃に配信した「薬学で患者を語るのは料理と似ている」という内容です。薬学で患者を語ることを、料理にたとえて整理しています。
たいぞーさん自身、今改めて聞いても日々の実践の中で大事な視点だと感じるといい、今年の締めくくりとしてもう一度聞いてほしいと語ります。
美味しい料理に必要な、材料と調理の技術
ここからは、実際に一番聞かれた放送の中身に入ります。たいぞーさんは、美味しい料理を作るときのことを想像してほしいと切り出します。
料理を作るときは、まず材料を集め、その材料を使って調理します。とっておきの食材を揃え、うまく調理できれば美味しい料理の出来上がりです。
けれど、材料が足りなかったり、材料の品質が悪かったらどうでしょうか。あるいは美味しい材料が集まっても、調理の技術がなければ、美味しい料理を作るのは難しくなります。
患者さんの情報にあたる部分。足りなかったり品質が悪かったりすると、良い料理はできない
薬学的な思考力にあたる部分。技術がなければ、良い材料も宝の持ち腐れになる
患者を語るための「材料」とは何か
たいぞーさんは、薬学で患者さんのことを語るときも、料理と同じことが言えると話します。まず必要なのは、材料になる情報をしっかり集めることです。
例えばお腹が痛い患者さんなら、お腹のどの辺がいつ頃から痛いのか、痛みがずっと続いているのか、途切れ途切れに出ているのかが大切な情報になります。服用している薬があるかどうかも重要です。
把握すべき薬は飲み薬だけではありません。湿布の貼り薬や目薬なども症状に影響している可能性があるため、すべての薬剤を押さえておく必要があると話します。
さらに、検査値などの客観的な情報や、いつ頃から症状があるのかという時間経過の情報など、様々な情報が患者さんのことを考えるのに役立ちます。
- 痛みの部位・時期・続き方などの症状
- 服用している飲み薬
- 湿布や目薬などの飲み薬以外の薬剤
- 検査値などの客観的情報
- 症状の時間経過
情報が揃っても、技術がなければ活かせない
材料が揃うだけでは足りない、とたいぞーさんは続けます。情報が十分に集まっていないと、どんなに知識があっても、なんとなくそれっぽいことを伝えるだけで終わってしまいます。
逆に、情報が揃っていても、それをどう読み解いて活かすかという薬学的な思考力がなければ、せっかくのいい材料も宝の持ち腐れになると指摘します。これが料理でいう調理の技術にあたります。
たとえたくさんの大切な情報を聞き取れていても、技術がなければ「へー、そうなんですね」で終わってしまうことがある、と具体的な場面を挙げます。
そうなると、患者さんにとってより良い治療の選択肢を見つけるところまで至るのは難しくなります。情報という材料と、薬学的な技術で調理すること、この2つが揃って初めて薬学で患者を語る関わりができると話します。
本質はシンプル。材料を集め、知識と技術を活かす
たいぞーさんは、「薬学で患者を語る」という言葉だけを聞くと、特別で難しいことのように聞こえるかもしれないと認めます。
けれど、その本質はとてもシンプルだと語ります。材料をしっかり集めて、自分の持っている知識や技術を活かす、ただそれだけだといいます。
この放送が、薬学的な視点で患者に関わるとはどういうことか、そのイメージを自分の中で作り上げるヒントになればうれしい、という言葉で締めくくられています。
まとめ
2025年最後の放送は、約半年で159回続けた番組の中で最も聞かれた「薬学で患者を語るのは料理と似ている」回の振り返りでした。薬学で患者を語ることを料理にたとえ、材料集めと調理の技術という2つの要素で整理した内容です。
- 番組は今年の夏頃に始まり、12月31日で159回を迎えた
- 一番聞かれたのは「薬学で患者を語るのは料理と似ている」という初期の回
- 患者を語るには、症状・薬・検査値・経過などの情報という「材料」を集める必要がある
- 情報が揃っても、読み解いて活かす薬学的な「調理の技術」がなければ活かせない
- 材料と技術の2つが揃って初めて、薬学で患者を語る関わりができる



