きっかけは、ブックオフで見つけた1冊
今回のテーマは、原田自身の話ではなく、ある書籍に書かれた「遊びの心得三カ条」だ。取り上げるのは、精神科医で医学博士の斉藤茂太による『笑うとなぜいいのか』。
この本は2015年に初版が出て、2016年には7刷りされている。今から約10年前の本だ。
原田はこの本を、たまたま立ち寄ったブックオフの安いコーナーで見つけたという。値段は120円ほど。その安いコーナーを眺めるのが好きなのだと語っている。
ブックオフでね、そうやって自分の気になる本を探して、冒険のように探してみるっていうのも面白いでしょうし。
「遊び心を持とう」に覚えた既視感
原田がまず注目したのは、本の冒頭部分だ。読み上げてみると、自分が普段このラジオで言っていることと重なって、既視感を覚えたという。
本には「遊び心を持とう」「もっと遊ぼう」と、著者が人に勧める言葉が並ぶ。ものは考えようで、平凡な日常もひっくり返せば楽しみを見つけ出せる、という趣旨だ。
原田はこのラジオで、もっと遊ぼう、Do Something Funといったメッセージを繰り返し発信し、ステッカーを売ったりもしている。だからこそ、著者の言葉に強く共感したと語る。
いや、原田みがすごいよね。
一方で、「もっと遊ぼう」と言うと、必ず返ってくる問いがある。「じゃあ私は何をやって遊べばいいの?」というものだ。本はこの問いに、遊びの心得三カ条で答えていく。
一つ目、義務感を捨てられるもの
三カ条の一つ目は「義務感を捨てられるもの」。仕事はしなければならないもの、遊びは好きでするもの、というハンス・セリエ教授の言葉が引かれている。
仕事にはノルマや締め切りがある。それを遊びに持ち込んだら、遊びが遊びでなくなる、というのが本の主張だ。
原田は最初、「そんなことは分かっている、誰が持ち込みたいんだ」と感じたという。だが、その後に続く旅行の話がいい言葉だったと振り返る。
本には、びっしり予定が組まれたパック旅行はあまり好まない、遊び心の赴くまま自由気ままにできるから個人旅行がいい、という著者の考えが書かれている。
これは、このラジオでも何度か話したテーマと重なる。今は何でも調べられるから、個人旅行ですら予定を全部決め込んでしまいがちだ、という話だ。
(旅の予定を全部決めて)それをこなすことが旅行になってしまうっていうのが現代ではあるよね。
原田は遊び全般にも同じことが言えると言う。釣りで「10匹釣るまで帰らない」といった目標も、ゲーム性として楽しむ程度ならいい。だが、あまりにシリアスになりすぎると良くない、というわけだ。
二つ目、羞恥心を捨てられるもの
三カ条の二つ目は「羞恥心を捨てられるもの」。絵を描く、ヴァイオリンを習うといったことをやるとき、うまくなってやろうと思わないこと。下手でも、自分が楽しければいい、という内容だ。
原田は、周りと比べてしまう気持ちはよくあると認める。ヴァイオリンをやっていると言えば「上手いんでしょ?」と期待され、バカにされる、笑われると感じてしまう場面だ。
スポーツでも同じだと原田は言う。サーフィンが趣味だと言うと上手いと思われがちだが、実際は年に数回するだけで得意ではない、と自分の例を挙げる。
でも趣味なんだからいいじゃないの、なんでもっていうところですかね。
三つ目、下心を捨てられるもの
三カ条の三つ目は「下心を捨てられるもの」。これをやって一儲けしてやろう、という考えを持たないこと。本ではそれを「ゲスな考え」と表現している。
遊びのつもりで書いた小説が新人賞を取って一儲けできた人もいる。だが、それを真似して同じことをしようとすると、才能がないと気づいた途端にやめてしまう、と本は説く。
遊びはできるだけ長く続けたい、一生の趣味にしたい。だからこそ、下心を持たず純粋に楽しむのが長く楽しむコツだ、という主張だ。
原田は、この三つ目こそ本の出版から10年経った今、ファクターが強くなっていると指摘する。個人で情報発信でき、AIが動画も音楽も作ってくれる時代だからだ。
個人のクリエイティブが楽になり、大量に生産して稼げる世の中になった。それゆえに、遊びを稼ぎに変えないのは無駄だと感じてしまいやすい、というのが原田の見立てだ。
こんだけ小説読んでるんだったら、これを書評を書いて(プロの書評家)みたいになった方が良くない?とかね。
そう意識しすぎると、これもまたシリアスになりすぎて遊び心が失われる。だからやめた方がいい、と本は書いている。
目標はダメなのか、原田自身の葛藤
ただし原田は、この本の主張をそのまま受け取ってはいない。自分がやっているこのラジオを例に、目標との付き合い方を語る。
原田自身、ラジオの再生回数やランキング上位を一応は目指している。目指しているからこそモチベーションになり、頑張れるのだという。
だから必ずしもそういう目標がダメってことじゃないと思うんですね。
問題は、目標に完全に飲み込まれてしまうことだ。「全然バズらないからやめよう」となって、心から楽しめなくなるのは往々にしてある、と原田は言う。
だから、ほどほどにという解釈がいい、というのが原田の落としどころだ。生活を全ベットするようになると、それはもうただの仕事になってしまう。
再生回数やランキングを一応目指すことで頑張れる。遊びを続ける後押しになる範囲。
目標に完全に飲み込まれ、バズらないとやめてしまう。心から楽しめなくなる状態。
昔も今も、遊びの話は同じ場所にたどり着く
原田は、この三カ条が特に目新しいわけではないと感じている。むしろ、このラジオで再三話してきたことと重なる点が多い。
だからこそ、今の時代でも昔でも、遊びの話をする人は同じところにたどり着くのだな、と原田は受け止める。
この本自体は遊びというより笑顔の話で、エビデンスがない自己啓発本っぽい作りだと原田は言う。それでも簡単に読めて、笑顔でいることの大切さを痛感したと振り返る。
最後に原田は、月曜日だからと沈んだ顔をしないで、今日も今週も楽しく遊んでいこうと呼びかけて締めくくった。
まとめ
精神科医・斉藤茂太の「遊びの心得三カ条」は、義務感・羞恥心・下心を捨てることを勧める。遊び学者・原田光は、それを自分のラジオや趣味に引き寄せながら、目標との付き合い方も含めて読み解いた。
- 遊びの心得三カ条は「義務感」「羞恥心」「下心」を捨てられるものを選ぶこと
- 予定を決め込みすぎたり、目標がシリアスになりすぎると、遊びは遊びでなくなる
- 下心を捨てる話は、個人が稼ぎやすくなった今こそファクターが強い、と原田は指摘する
- 目標そのものは悪ではなく、飲み込まれずに「ほどほどに」付き合うのが原田の落としどころ
- この本は120円のブックオフの棚で見つけた1冊。冒険のように本を探すこと自体も遊びになる





