サイエンスポットの声と、気象学・オーロラへのリクエスト
サイエントークのおたより回後編は、地下ブレンドから番組を知ったという「元文系女子」のカズミンさんのおたよりから始まります。科学や数学は苦手だったものの、短くまとまったサイエンスポットは聞きやすいという声でした。
科学の基礎知識がないのでわからないことも多いですが、サイエンスポットは短くまとまっていて聞きやすいです。
カズミンさんは日本での阪神タイガース観戦にも触れていました。エマさんは、前回話した日本滞在でタイガースの試合を見て、イギリスに戻ってからも仕事に向かう気持ちになったと振り返ります。
タイガースの試合を見て、ちゃんと私も仕事しなきゃっていう気持ちになったから、今イギリス帰ってきてちゃんと仕事してます。
続くリクさんは、通勤中の車内で番組を聞きながら、気象学を勉強しているリスナーです。いつか気象の話題もしてほしいというリクエストが届きました。
私は今気象学に興味を持ってお天気の勉強をしています。いつか気象の話題もしていただけるととても嬉しいです。
レンさんは、科学史の初期に地球の成り立ちや酸素濃度の話はしたものの、天気の話はあまりしていないと認めます。二人で気象学は物理か地学かと確かめ合い、地学系だろうという話に落ち着きました。
エマさんは、ヨーロッパにいる間にオーロラを見たいので、その前にオーロラの話をしてほしいと提案します。レンさんは、オーロラの話をしてから実際に見に行く企画は「結構いいかもしれない」と前向きでした。
高校の先生が自作の授業資料を送ってくれた?
ゆずっこさんは、高校で教える先生です。量子の回を聞き、物理化学は説明するのも理解するのも大変だと、エマさんに共感を寄せました。
ゆずっこさんは、番組で扱ったキログラムの定義 ── 質量の単位キログラムは長く金属製の国際キログラム原器で定められていましたが、2019年からはプランク定数という物理定数をもとに定義されるようになりましたの話を、まさに高校2年の授業でしているといいます。自作のスライド教材も送ってくれていて、レンさんは定義の変遷や歴史がたくさん詰まった資料だと紹介しています。
科学の教育は高校では古典的なことばかりになりがちですが、今にどうつながっているか、子供たちの未来にどう関わってくるかを伝えていく必要があると思います。そのためのきっかけをいただける、本当にいい教育ポッドキャストだと感じています。
レンさんは「教育ポッドキャスト」と言われたのは初めてではないかと驚きます。一方で先生からのコメントはたびたび届いていて、先生たちも情報収集をしているのだと感じているそうです。
正直仕事としては(指導要領どおり)それやったらさ、達成をされてるわけじゃん。
でもさ、それでもプラスアルファでさ、こうなんか子供たちの未来にとかさ、考えて多分いろいろ授業も工夫したりとかしてると思うんだけど。
レンさんは、こうした熱意ある先生が増えれば教育は良くなると話します。先生は生徒に直接関わる教育の最前線であり、先生が面白い話をすれば生徒の目も輝き、勉強のやる気に直結するという見方で、エマさんも同意しました。
先生の工夫
指導要領に加えて、今や未来とのつながりを伝える
生徒の反応
面白い話に目がキラキラする
やる気
「この先生だからテスト頑張る」と勉強につながる
「先生だけはなりたくなかった」エマさんの理由
エマさんは、自分が高校の先生と同じくらいの年齢になった今、その立場から先生と話してみたいと言います。そのうえで、自分は先生にだけはなりたくなかったと打ち明けました。
思春期のさ、ホルモンバランスのさ、乱れてる子たちのあの精神的なケアをするのも大変だし。
特に高校生とかになったらさ、頭いい子もいるし、そうじゃない子もいるしみたいな感じで。なんかカバーする範囲広そうだからさ、大変そうだなとか思って。
レンさんは先生側の勉強も大変だと付け加えます。ただレンさん自身は、高校生のころ先生を職業として見ておらず、自分が先生になったらと考えたことがあまりなかったそうです。エマさんは生徒時代からずっと「先生は大変そう、よくやるな」と思っていたといい、向き不向きがあるという話になりました。
レンさんの授業を受けたいというコメントが届くこともあるそうです。けれどレンさんは、好き勝手に話せるポッドキャストと、時間が限られ、やるべきことの多い実際の授業はまったく違うと話しています。
実際の授業とこうやって喋るのは全然違うと思いますよ、やっぱ。
レンさんはさらに、高校生リスナーがいるのも学校の先生の面白い授業がきっかけかもしれないと考えます。つまらない授業ばかりなら、自分から調べてポッドキャストを聞こうとはならないのでは、という推測です。
国語の先生との対談と、先生コラボの構想
レンさんは最近、ポッドキャストを配信している国語の先生と話したそうです。その先生はサイエンマニアにゲスト出演していて、教育現場でポッドキャストを使う話などがとても面白かったといいます。
めっちゃ面白いんで。教育現場にポッドキャスト使いますみたいな話とか。だからそういうね、なんかいろいろ使えたら面白いですよね。
エマさんは「先生コラボありだな」と応じ、レンさんは先生の声を集める企画も挙げます。興味がある先生はおたよりを、と二人は呼びかけました。
プロポーズ前の同棲は「ぬるっと」している?
ユキノシタさんは、以前のプロポーズ回を聞き、背中を押してほしいとおたよりを送ったリスナーです。今回はその続報が2通届きました。
僕と彼女の関係は放送で言われていたぬるっとした状況です。パキッとしたいですが、彼女は感情の起伏があまりない方で、プロポーズを受け入れてくれるかヒヤヒヤしてます。彼女の誕生日が夏なので、そこで勝負ベットします。
この度まだ結婚できていません。6月より同棲を開始します。夏頃プロポーズできればと思っています。
エマさんは「人の人生史を聞くのはいい」と喜び、同棲しているならもう大丈夫ではないかと話します。レンさんも、同棲まで進んで結婚しなかった人は周りにいないと応じ、外堀は着実に埋まっていると見ています。
なんかもう同棲したら結婚するんだろうなって、正直自分が親だったらそう思う。
それでもレンさんは、プロポーズの言葉はちゃんと言ったほうがいいと考えます。話は、結婚の約束がない状態で「同棲しよう」と言えることのほうが勇気がいるのではないか、という疑問に広がりました。
レンさんとエマさんは、プロポーズの後に一緒に住み始めたそうです。エマさんは、別れたら引っ越しなども大変なので何のための同棲かと感じる一方、すでにほぼ住んでいるような状態から自然に始まる同棲もありそうだと話しています。
レンさんとエマさんの場合。結婚の約束をしてから一緒に住む
ユキノシタさんの場合。「住んじゃえば?」とぬるっと始まることも多そう
二人は、まだプロポーズしていない段階をリアルタイムで報告してくれることを楽しみ、リスナーと一緒に応援しようと続報を呼びかけました。
弟子・激烈ヌポヌポ菩薩さんが帰ってきた
次は、昔から番組を聞いていたリスナーなら知っているという、エマさんの弟子を名乗る激烈ヌポヌポ菩薩さんです。高校生リスナーのシミ君の回で名前が出た翌日ほどに、このおたよりが届いたといいます。
シミ君回聞きました。これだけは言わせてください。シミ兄さん名前出してくれてありがとう。本当に感動しました。
私には学はありませんが、科学的なことには興味があり、サイエントークをはじめ科学系ポッドキャストを聞いてインプットしています。もし学生をやり直せるなら、シミ君のように理数系の勉強をしたいと思いました。
私も部下の女子に知識をひけらかすため、日々精進してまいります。ちなみにですが、サイエントークエマ顔は3回ほど検索しました。
レンさんは、リスナー同士の謎の共鳴が起きていると笑います。エマさんは弟子を「私たちの子供みたいなもん」と表現し、もう一人の弟子コウメツキングさんの名前も挙がりました。
弟子リストは作っていないものの、弟子は自分で名乗ってかまわないそうです。しばらくおたよりがなかった人が久々に送ってくれるのも嬉しいと、二人は話しています。
「ガウス記号はお餅」から人生史への反響まで
よくおたよりをくれるフェリックスさんは、ガウスの回の感想を送ってきました。エマさんがガウス記号を「お餅みたいなやつ」と表現した場面を、神フレーズとして挙げています。
今回の神フレーズは「ガウス記号なんだっけ?お餅みたいなやつ」。この発想は到底私には出てこない。修行します。
エマさんは改めて確認し、お餅のような形はオームで、ガウス記号はカッコのような記号だとようやく覚えたと話しています。
毎回おたよりをくれるタタタさんからは、漁師の回のあとに「聞いたよメール」が届きました。本格的すぎて文系オヤジには厳しいとしつつ、人生史ロンドン編を早くやってほしいという内容です。
二人のこれまでを語る人生史のコーナーは評判が良く、阪神タイガースのファンで地下ブレンドとのコラボから聞き始めた未成年のおむすびさんも、人生史を中心に聞いているそうです。
私はまだお付き合いをしたことがなく、どこかでいい出会いがないかなと思っていますが、レンさんとエマさんの出会いやなれそめを教えてください。
レンさんは、なれそめは語ると長いので200回で話そうと提案します。顔を出さず声だけの番組なので、こうした話でどんな人たちかが伝わるかもしれない、という考えです。
ミルクティーの膜の正体は?ラムスデン現象
最後は、去年から答えられずにいた内海麻さんの小さな科学の疑問です。家で温めたミルクティーには膜が張るのに、自販機のミルクティーには張らないのはなぜか、という質問でした。
なんとなく牛乳のタンパク質とかが反応しているのかなとは思っているのですが、ミルクティーの膜って一体何なんですか?正体を教えてください。
エマさんも、鍋でチャイを作りながら同じ質問をレンさんにしたことがあるそうです。レンさんによると、この膜にはラムスデン現象 ── 牛乳などを加熱したとき、液面にタンパク質や脂肪を含む膜ができる現象。ホットミルクやスープの表面に張る膜もこれにあたりますという名前が付いています。
成分はカゼインっていう牛乳に入ってるタンパク質(が)、変性して固まって押し上げられて膜になってる。
エマさんは、加熱で変性するなら鍋の中全体で固まってもよいのでは、と疑問をぶつけます。レンさんの説明では、空気に触れる表面で水分が蒸発し、タンパク質の濃度が高まりながら変性してくっつき合うため、膜は表面にだけできるそうです。
水分の蒸発
温めると表面から水分が抜けていく
濃度の上昇
表面のタンパク質の濃度が高くなる
変性と凝集
変性したタンパク質がくっつきやすくなり固まる
膜の膨らみ
下から出る水蒸気に押し上げられて膜になる
液体の中は変性しても固まらず、水分が抜けた表面だけが「ギュッ」と凝集する、とエマさんも納得しました。
一方、自販機のミルクティーに膜ができないのは、均質化という処理がされているためだとレンさんは説明します。本来大きさがバラバラな牛乳の成分の粒を、圧力をかけるなどして細かく均一にすると、固まりにくくなるそうです。
さらに乳化剤 ── 水と油のように混ざりにくいものを均一に混ぜ合わせ、分離しにくくする物質。食品では口当たりや品質を保つために使われますが入っていて、タンパク質や脂肪がくっつくのを防ぐ効果もあるといいます。
家で温めたミルクティー: 成分の粒が大きくバラバラで、表面で凝集し膜が張る
自販機のミルクティー: 均質化で粒が細かく、乳化剤もあり膜が張りにくい
レンさんは、こうした小さな質問にも答える練習をしたいと話し、200回記念の質問コーナーへの質問も呼びかけて回を締めくくりました。
まとめ
おたより回の後編は、高校の先生の教育への思いからリスナーの人生の続報、ミルクティーの膜の科学まで、番組とリスナーの距離の近さが伝わる回でした。
- 高校の先生から、科学が今や未来にどうつながるかを伝える「教育ポッドキャスト」と評された
- 熱意ある先生が増えれば教育は良くなると二人は語り、先生コラボの構想も挙がった
- 同棲を始めたユキノシタさんのプロポーズ続報を、リスナーと一緒に応援する流れになった
- なれそめなどの人生史は、200回記念で話す予定
- ミルクティーの膜はラムスデン現象で、自販機の製品は均質化や乳化剤で膜が張りにくい







