高校時代の片思いが忘れられない大学1年生、連絡すべき?
サイエントークの質問コーナーは今回で最終回です。冒頭でレンさんは、エマさんの肩書き「OL」はもう死語ではないかという改名案と、リスナーの正式な愛称を、質問コーナーのあとで決めると予告しました。
最初の質問は、リスナーのRさんからの恋愛相談です。
こんにちは。最近はサイエントークにハマっていて、暇さえあればずっと聴いています。今年大学1年生になったばかりなのですが、高校時代に好きだった同級生の女の子のことがどうしても忘れられません。彼女とは通っている大学も違い、今は遠い存在のように感じてしまって落ち込むことも多いです。連さんとエマさんならこんな時どう乗り切りますか?重い相談でごめんなさい。よろしくお願いします。
エマさんは、サイエントークにリアルな恋愛相談が届くのは初めてではないかと驚きます。レンさんも、過去にプロポーズの悩みはあったものの、こうした相談はほとんどなかったと振り返りました。
2人はまず前提を整理します。2人とも、RさんはLINEなどで彼女に連絡できる状態だと仮定して話を進めることにしました。レンさんは、連絡手段がなければSNSなどで取れるようにしたほうがいいと付け加えます。
エマさんの最初の答えは意外にも「自分なら何もしないかも」でした。新しい出会いもあるので、仕方ないと諦めてしまうのが自分の性格だといいます。
でも、なんかちょっと羨ましいなとも思う。なんかこんだけ忘れられないぐらい好きな人がいるってさ、なかなかないじゃん。
一方のレンさんは、お便りを送ってきた時点で背中を押してほしいのではないかと読み、連絡できるならしたほうがいいと答えます。
いや、あの、連絡できるんだったらした方がいいと思う。だって(連絡)しない理由ってなくない?
レンさんは、相談文の「今は遠い存在のように感じて」という表現に注目しました。感じているだけなら、物理的には会おうと思えば会える距離なのではないか、という読みです。
エマさんも、何もしていない状態なら行動するのは十分ありだと考え直します。大学生は時間もお金も自由になりやすく、時間が経つほど相手に恋人ができる可能性も高まるため、2人とも「早いほうがいい」という意見でまとまりました。
最初のLINEは「元気?」でいいのか論争
連絡するとして、最初に何を送るか。ここで2人の意見が分かれました。エマさんは「元気?」だけでいいと言い、レンさんは露骨すぎると反対します。
最終的にはその付き合いたいって持ってくるんだったら、どこかでその目的を明らかにさせなきゃいけない。それだったら初めから「元気?」ってしてみたらいいんじゃん。
レンさんは、親密度によると返します。中ぐらいの仲の良さで突然「元気?」と来たら、相手は「何これ?」と戸惑うのではないか、という懸念です。
エマさんは自分の体験を思い出します。大学2、3年生のころ、浪人時代の知り合いから突然LINEのおみくじだけが送られてきて、無視したことがあるそうです。レンさんも、アプリの友達紹介が送られてきて、送り主が「間違った」と言った経験があるといいます。2人とも、不審な連絡はよくないという点では一致しました。
エマさんは、女子目線なら「元気?」と来ても嫌ではないと話します。恋愛の可能性を探られているかもと感じつつも、そうでない可能性もあり「どっちだろう」と見ながらやり取りするイメージだそうです。
レンさんは「どっちだろうと思わせる」ことが大事だと賛同しつつも、「元気?」だけでは恋愛の意図が強く透けると考えます。最終的に2人は、「元気?」の後に続けられる話題を用意しておくべきだという点で合意しました。
話題は用意して、しかもなんかある程度やりとりできる話題を用意しといた方がいいと思う。一往復で終わったらさ、正直意味ないじゃん。
「お前のツルギを隠せ」自然に会うきっかけの作り方
話題探しの中で、エマさんが具体案を思いつきます。相手の大学の近くに行く予定があるので、おすすめのお店を教えてほしいと聞く方法です。
レンさんは、この人に聞く理由がちゃんとある点がいいと高く評価しました。相手が何かに詳しいなら「ちょっと教えてほしい」と頼むのも自然だといいます。
レンさんが強調したのは、最初から好意が見え見えだと引かれたり、軽く見られたりする可能性があるという点です。
エマさんも、今は遠い存在なのに急に好意をぶつけられたら驚くかもしれないと納得します。レンさんが「元気?」を避けたい理由も、まさに好意が透けて見えるからでした。
2人が組み立てた連絡の流れは、次のように整理できます。
レンさんは別案として、彼女と同じ大学に通う共通の友人に会いに行く形で、複数人の食事会を設定する方法も挙げます。エマさんは「男子はそういう協力者を作るの?」と驚きながらも、まず喋れる機会になる点には納得しました。
もうだって接触回数を増やすしかないと思う、正直。
エマさんが相談を「楽しい」と何度も言うことに、レンさんは「寄り添っていない」とツッコミを入れます。最後は2人で、Rさんの健闘を祈りました。
母のがんを支える日々に届いた、サイエントークへの感謝
次にレンさんは、質問ではないものの感動したというムーンさんのお便りを読みました。
この半年の間にサイエントークにどハマりし、やっと最近全部拝聴できました。科学は苦手な方ですが、レンさんエマさんのやりとりや声に癒され大好きに。今年母がステージ4の大腸がんになり、突然生活が一変し、家のことを全て手伝うことになり、大変な日々を過ごしていた中、サイエントークに出会いました。家の中にいる間は毎日聴いていたので、あまり好きではない家事が今では大好きな時間になりました。あれから母は手術が無事大成功し、今は退院もできて、抗がん剤治療をしながら順調に進んでいます。
そして1つ要望があります。以前やっていたきのこたけのこ激論が一番大好きな回で、またこのような企画をぜひやってほしいなと思います。一度犬派猫派をやりたいなとお話ししていたので、別の企画でもいいのでぜひぜひお願いしたいです。
よかった。少しでもね、支えになれたのであれば。
犬派猫派の企画は、これまで「やるやる」と言いながら実現していないものです。レンさんは、ナショナルジオグラフィックの犬の本と猫の本をロンドンに持ち込んでおり、犬の本はすでに読んだといいます。エマさんは猫の本の写真を見ただけだと白状しました。
2人は、ここまで言われたら今年中にやると約束します。レンさんは「サイエントークといえばこれ」と打ち出せるような面白い回にしたいと意気込み、家事が好きになったという言葉を本当に嬉しいと受け止めました。
出演依頼が来たら受けてしまうYouTuberは?
広告をはさんで、ひのはさんからの質問に移ります。
いつも楽しい配信ありがとうございます。お2人とも大好きです。質問ですが、このYouTuberから出演依頼来たら受けちゃうなという人はいますか?
エマさんはまず、YouTubeは服装や画角まで気にしなければならず難しいと尻込みします。ポッドキャストもやっているYouTuberに、ポッドキャストへ招かれる形なら大歓迎だそうです。
レンさんに「話してみたい人」で考えればいいと促され、エマさんはエミリンさんや毒雨を挙げました。YouTuberはキャラが強い人が多く、ポッドキャスターはインテリ系が多いイメージだとも話します。
大体断れねえよな、そんな有名な人から来たら。だって話してみたいもん。
レンさんは、サカナクションの山口一郎さんの配信の切り抜きをよく見ていて「一緒に踊りたい」と言います。ロバート秋山さんのクリエイターズファイルに、謎の名誉教授役をやってもらって話してみたいというアイデアも出ました。
エマさんは自分の登録チャンネルを見返し、ほとんど曲を聴かないのにあいみょんさんを登録していたことに驚きます。ほかに料理系ではリュウジさんのバズレシピ、ABEMAや投資系、中里さん、猫のチャンネルなどが並んでいました。
科学監修した動画と、ゆる言語学ラジオ水野さんとの縁
レンさんはここで、ポッドキャストではまだ話していなかったエピソードを思い出します。YouTubeチャンネルビジュアルウムの動画に、科学監修のような形で関わったことがあるそうです。
そのチャンネルは動画5本ほどで、登録者は3万人ほどだといいます。「三体問題と二重振り子の不思議な世界」という動画で、制作者から表現についてのアドバイスを求められました。
動画にはオウムアムア ── 2017年に発見された、太陽系の外から飛来した初の恒星間天体。細長い形や加速の仕方が話題になりましたも登場し、最後にはレンさんの名前もクレジットされています。再生回数は20万回以上だと思う、とレンさんは話しました。
答えを促されたレンさんは、ゆる言語学ラジオ ── 言語学をテーマにした人気のポッドキャスト・YouTube番組。水野太貴さんと堀元見さんの2人が掛け合いで語りますの水野さんと話せたことが奇跡だったと振り返ります。エマさんは、当時は登録者が100人ほどしかいなかったのに、水野さんとの回をきっかけに1000人に届いたと話しました。
出演はSNSでのやり取りから案外あっさり決まったそうです。レンさんは、同時期に始めた番組として、あの掛け合いは真似できないと敬意を示しました。
最終的にレンさんは、どこからの依頼でもまず断らないと答えます。教養系の番組や、有隣堂しか知らない世界、学研の図鑑編集部の番組なども相性がよさそうだと挙げました。チカモトさん、ねるねるねるね、東京書籍と続くコラボに、2人は「どこに向かっているのか」と笑います。
温室効果ガスと温暖化に相関はないという主張は本当?
続くマックさんの質問は、一転して硬いテーマです。
温室効果ガスと地球温暖化について、実は相関関係がないという話を聞くことがあります。相関関係があるという主張とないという主張を比較して、レンさんエマさんのご意見を聞けるとありがたいです。
レンさんは、地球温暖化は嘘だという派閥はあるものの、大体は陰謀論として扱われていると前置きします。温暖化には科学的根拠がたくさんあり、それをきちんと検証する団体もあるといいます。
否定派は、気候変動は太陽活動の変化によるもので、長いスケールで見れば誤差だと主張します。レンさんはこれに対し、過去100万年の温度変化と今の変化の速さを比べました。
約5000年かけて4〜7度ほど変化する、緩やかな過程
1900年代半ばからの約100年弱で、すでに0.74度上昇
エマさんは、今のペースなら1000年で7度になり、自然変動の5倍のスピードだと計算します。レンさんは、人類が経験したことのない急激な上昇を示すデータは世界中の研究者から出ていると話しました。
温室効果ガスの濃度についても、レンさんは数字を挙げます。2019年のデータでCO₂濃度は過去200万年のどの時点よりも高く、メタンや二酸化窒素(一酸化二窒素)も過去80万年で最も高いといいます。
太陽活動が原因だとする説については、観測されている太陽の変化では0.1〜0.2度ほどしか説明できず、0.7度の上昇は説明できないため、科学的には否定されているとレンさんは説明します。
レンさんによれば、否定論を唱えるのは大体がCO₂を排出する企業や工場側の人たちで、ロビー活動もあり根強く残っているそうです。温度データは独立した機関や各国の衛星が複数方向から確認しており、温室効果ガスの増加と気温の上昇は揺るぎない事実だと結論づけました。
温室効果ガスが上がっているのは事実で、温暖化してるのも事実だから、因果関係はわかんないけど、相関関係はあるって言えそうですよね。
なぜCO₂は地球を温めるのか?
エマさんは、酸素や窒素は温室効果ガスではないのに、なぜCO₂には保温効果があるのかと質問します。
レンさんの説明は、太陽の光で温まった地球から熱が出ていくのを、温室効果ガスが抑えて保温する、というものです。
太陽光が届く
太陽の光が地球にやってくる
熱が出ていく
地球の表面から赤外線として熱が出ていこうとする
CO₂が吸収する
CO₂の分子の結合が赤外線の一部を吸収しやすい
地表へ戻す
吸収した熱を地球の表面に跳ね返し、熱が溜まる
物質によっては光や熱をただ透過させるだけですが、CO₂は分子の構造上エネルギーが溜まりやすい、というのがレンさんの噛み砕いた説明です。温室効果ガスは本来必要なもので、なければ地球の気温はマイナスになるという話もあるといいます。
レンさんは専門のど真ん中ではないと断りつつ、土地を開発しまくる人間の活動を見れば影響するのは当然だとも話しました。カーボンニュートラル ── 温室効果ガスの排出量から、植林や回収による吸収量を差し引いて、実質ゼロにする考え方の話は長くなるため、今回は見送りです。
200回続けて届くようになった、多様な声
これで200回記念の質問フォームに届いた質問には全部答えたはずだと、レンさんは締めくくります。答えられていない人は、もう一度お便りで指摘してほしいとのことです。
レンさんは、ウルトラフォーが生まれたシーズン1の50、51回のころと比べて、届く声のダイバーシティがだいぶ違うと感じています。エマさんも、聴く人の数が増え、聴いてくれている時間の歴史も長くなったと話しました。
多分僕らより僕らに詳しい人が結構いっぱいいる。
エマさんは、恋愛相談をくれたRさんは番組開始当時は中学生だったのかもしれないと、歴史を感じます。2人は、男女それぞれの視点で話せるので恋愛相談もどしどし送ってほしいと呼びかけました。エマさんは、RさんにLINEお便りで詳しい状況を教えてほしいと、続きが気になる様子です。
「OLエマ」から何に改名する?
最後に、予告していた2つの決めごとに入ります。まずはエマさんの肩書き「OL」の改名です。レンさんは、世の中でもう誰もOLと言っていないことに気づいたといいます。
エマさん自身も普段はOLという言葉を使いません。友達が使っていた言葉が頭に残っていて、「普通のOL」にしたのだそうです。その前の肩書きは「国際系女子」でした。
コミュニティから出た候補は「会社員エマ」「一般人エマ」「普通の人エマ」です。エマさんは「普通の人エマ」を気に入ります。ただ、研究者の対比になる言葉は難しく、「一般人」では研究者が特別な存在に見えてしまいます。
なんか研究者を別にこう神格化したくないんだよね、俺絶対。
「事務職員エマ」は硬いと却下され、試しにエマさんがオープニングを「研究者と普通の人が」と言い直してみます。この回の冒頭のオープニングは、この試しの言い直しでした。
レンさんは違和感がものすごいと言いながらも、ひとまず「普通の人エマ」でいくことに決まりました。正式な呼び方は「サイエントークのエマ」「サイエントークのレン」で、研究者は説明のための言葉だとレンさんは位置づけています。
モルモット、コッペパン、寒天培地…集まったリスナーネーム候補
もう1つは、リスナーの愛称決めです。レンさんは、聴いている人全般は「リスナーさん」でいいとしたうえで、サイエントークを熱心に聴いていることを示すための名前を作りたいと説明します。
候補はLINEオープンチャットで募集しました。オープンチャットの参加者は203人に増えています。
| 系統 | 候補例 | 2人の反応 |
|---|---|---|
| サイエン系 | サイエンフレンズ、サイエンリスナー、サイファー、サイエントーカー | 略して使えて便利とエマさん |
| 実験系 | 実験体、モルモット、検体、被検体、寒天培地、サンプル | モルモットは可愛いと2人とも好感 |
| 番組ネタ系 | ウルトラフォー、ウルフォー、フォーイスト、チョモランマー | フォーイストはエマさんが気に入る |
| その他 | おもち、クマムシ、キュリオシティ、シンポジオン | おもちはレンさんが推す |
エマさんは、既存の単語だと意味が混ざって分かりにくいのではと指摘します。「リスナーの皆さん」を「モルモットの皆さん」と呼ぶのはサイコパスっぽいという声も出ました。
ただレンさんは、全員をその名前で呼ぶのではなく、名乗りたい人がお便りで「私〇〇です」と自己紹介に使うイメージだと説明します。そう考えるとモルモットもありだと、2人の意見は揺れ始めました。
エマさんは真面目系なら「サイエンフレンズ」、面白系なら自分で思いついた「コッペパン」を推します。レンさんは「サイエンリスナー」か「モルモット」で、意見は分かれました。
決定、リスナーネームは「サイファー」
決定をエマさんから託されたレンさんは、10分ほど悩んだ末に「サイファー」を提案します。サイエンファミリーの略として出てきた候補です。
レンさんによると、サイファーは英語で暗号を意味し、専門的な話を解読することを「デサイファー」と言います。さらに、円になって即興でラップをする場もサイファーと呼ぶそうです。
なんかちょっと合ってそうじゃん。あと(サイファーは)ラップの即興セッションのことも言うらしくて。なんかそういうさ、語り合う的な感じのイメージもある。
エマさんも、モルモットやコッペパンのように誰もが知る言葉だと初めて聞いた人が戸惑うと考えていました。オリジナルの言葉で、聞いてすぐリスナーのことだとわかる点で、サイファーに賛成します。
こうして、サイエントークを熱心に聴いているファンの愛称は「サイファー」に決まりました。名乗りたい人はぜひ名乗ってほしいと2人は呼びかけます。
レンさんは、200回まで来られたので次は300回に向けて、あるいはシーズンが変わるかもしれないと話し、いつものウルトラフォーで回を締めくくりました。
まとめ
質問コーナー最終回は、恋愛相談の温かいやり取りから温暖化のデータまで幅広く答え、最後にエマさんの肩書きとリスナーの愛称を決める回になりました。
- 片思いの相談には、好意を見せすぎず、相手に聞く理由のある話題で自然に連絡を始め、接触回数を増やすことを提案
- 温暖化は約100年で0.74度と自然変動よりはるかに速く、温室効果ガスとの相関はあるというのが主流の結論
- CO₂は赤外線の熱を吸収しやすい分子構造のため、地球を保温する働きがある
- エマさんの肩書きは「普通のOL」から、ひとまず「普通の人」に変更
- 熱心なリスナーの愛称は、サイエンファミリーの略で暗号やラップの輪も意味する「サイファー」に決定






