再生数1位は意外にも質問コーナー?
RUNCAMPの関門ギリギリラジオは、10月10日土曜日の朝6時過ぎに収録されました。冒頭でhayateさんは、30回以上収録してきたのに、まだ収録場所が決まっていないという悩みを打ち明けます。
朝に録ったり、どこかのスタジオで録ったりと、収録場所は毎回変わってきました。そこでhayateさんは、東京のアパートを代々木公園のすぐ近くへ引っ越すことが決まったと報告します。職場が多い表参道にも近いため、今後はその部屋が収録現場になるかもしれないそうです。
一応(新しい部屋は)12平米あるんで。めちゃめちゃ広いと思うんで。
めちゃめちゃ広いかは知らんけど。それはどうかなって思うけど。
続いてhayateさんは、Spotifyのアナリティクスで過去のエピソードの再生数を確認します。仙福さんは、ふざけた内容だった「腰高フォーム」の回が1位ではないかと予想しました。
実際の上位3本は次のとおりで、そのうち2本が質問・解説系の回でした。
仙福さんは、面白いと感じた回が上位に来ているのは、2〜3回聴き直すリスナーがいるからではないかと推測します。3位の回については、RUNCAMPの活動内容を知りたいというニーズが見えたと受け止めました。この結果をきっかけに、今回は質問コーナーを開くことになります。
サッカーのオフサイドをランニングに置き換えると?
最初の質問は、RUNCAMPメンバーのマサイトさんからです。サッカー観戦にハマっているマサイトさんは、サッカー経験のあるhayateさんに、ちょっと変わった問いを投げかけました。
ランニングにオフサイドがあるとしたらどんな行為だと思いますか?私は未だにオフサイドのことが、なんのことやらわかりません。
hayateさんはまず、オフサイドとは何かを説明します。攻撃側の選手が相手ディフェンスラインより先で待ち、そこへパスが通ると反則になるというルールです。これを認めると、超ロングパスを出して待っている選手がすぐにゴールできてしまうため、禁止されています。仙福さんは、いわゆる「裏を取る」ことができないということだと言い換えました。
ランニングで似た行為を考えるうえで、hayateさんが例に挙げたのはベルリンマラソンです。中国人のインフルエンサーが途中で自転車を使ったという話題でした。
そう。あれ(自転車の件)オフサイドじゃない?
いや、レッドカードやで。いや、なんでや。オフサイドどころじゃないやろ。退場やて。
仙福さんによると、オフサイドは「ついやってしまうこともある」程度の反則です。ショートカットやローラースケートのような明らかなズルとは違う、と仙福さんは線を引きます。
hayateさんが代わりに持ち出したのは、競歩の歩型ルールです。競歩では両足が浮くとイエローカードになり、イエローが溜まるとレッドカードになります。これにならって「フォームが汚かったらプラス5分」「歩いたらプラス1本」といった案が出ました。仙福さんは「エイドで1人1個のところを2個取ったら減点」という案を出し、2人で笑い合います。
ただ、2人とも「ちょっとしたズル」はなかなか思いつきませんでした。仙福さんはそこから、ランニングというスポーツの性質に気づきます。
そのぐらいさ、ランニングってさ、ごまかしようのないスポーツってことよね。
仙福さんは、バスケットボールなら人を壁にしたり裏を取ったりと、頭を使った戦略がいろいろあると比べます。トップ層には駆け引きがあるものの、ほとんどの市民ランナーにとってマラソンはフィジカルとメンタル、ペース配分が試される、ごまかしのきかないスポーツだと仙福さんは話します。
夜しか走れない人は、どうすれば眠りやすくなる?
マサイトさんからは、睡眠についての質問も届いていました。番組で以前「夜ランは眠れなくなる」と話していたことを受けたものです。
夜ランは眠れなくなるとか言っていましたが、夜しか走れません。エクササイズすると幾分か眠りやすくなるでしょうか。
仙福さんはまず、番組は夜に走ることを否定しているわけではないと説明します。「朝と夜を選べるなら朝のほうがいい」という立場で、夜に走ってもかまわないとしています。そのうえで、ストレッチなどのエクササイズで眠りやすくなるかという質問には「はい、そうです」と答えました。
仙福さんの説明では、走ると心拍数が上がり、交感神経 ── 自律神経のうち、体を活動・興奮モードにする働きを持つもの。運動中や緊張しているときに優位になり、心拍数や血圧を上げますが優位な状態になります。走ってシャワーを浴び、そのまま寝るだけではスイッチが切れていないため、リラックスできる行動を挟むとよいそうです。
寝つきをよくするために仙福さんが挙げた方法は、次のようなものです。
- 深呼吸や瞑想をする
- 水シャワーを浴びる(副交感神経も高まるといわれる)
- 運動直後に寝ず、2〜3時間空けてから寝る
仙福さんは、運動から寝るまで1時間では短く、2〜3時間は空けたほうがよいとしています。この回答を「おふざけなし」と自ら締めくくりました。
腹圧は「高める」ものではなく「高まる」もの?
次の質問は、北海道在住で47歳の小浜さんからです。小浜さんは自らを「さんずいの男」と名乗っています。
腹圧が入っている状態とはどんな状態ですか?反り腰にならないように股間を少し前に出すような感じが腹圧なんでしょうか?お腹を少し膨らませた状態なんでしょうか?それとも全く違うことなんでしょうか?腹圧の正体を教えてください。
仙福さんは、腹圧の話だけで1回分のテーマになりそうだと前置きしたうえで、結論から答えます。
仙福さんが挙げたわかりやすい例は、10kgのお米の袋を持つ場面です。重いものを持つと背骨がずれるストレスがかかるため、お腹の力で固めて背骨を動かないようにします。これが腹圧が最大限高まっている状態だそうです。
ランニングでも、着地のたびに体重の2〜3倍の負荷がかかるといわれます。体重60kgの人なら180kgほどになり、その衝撃に耐えるために腹圧が一瞬高まる必要があります。ただし仙福さんは、それは意識ではどうにもならないと言い切りました。
hayateさんは理由を考え、重いものを持つときは筋活動の結果として腹圧が高まるのに対し、ランニングにはそうした筋活動が生まれにくいのではないかと答えます。仙福さんはそれを認めつつ、着地時間はコンマ数秒しかないため、そのたびに意識して力を入れるのは無理だと補足しました。
YouTubeで腹圧高めるにはこうだみたいな、こう意識しろって言ってるYouTubeがあったら、あのちょっと通報です。
仙福さんが示した正解は「腹圧は構造によって高まるもの」というものです。仙福さんは目の前のペットボトルを使って説明しました。上下も側面もふさがっていれば、落としても中の圧は逃げません。穴が開けば水が漏れ、それが腹圧が抜けた状態にあたります。
人体に当てはめると、腹圧を閉じ込める「容器」は次の部位でできていると仙福さんは説明します。
| 容器の部分 | 体の部位 | 特徴 |
|---|---|---|
| 上の蓋 | 横隔膜 | 姿勢が崩れると蓋が抜ける |
| 底の蓋 | 骨盤底筋 | 穴が開くと圧が漏れる |
| 側面(後ろ) | 背骨 | 胴体の後ろ側を支える |
| 側面(前・横) | 腹横筋・内腹斜筋 | コルセット状に胴体を包む |
姿勢が悪くなると、これらのどこかに「穴」が開き、着地の衝撃で圧が漏れてしまいます。仙福さんの見解は、腹圧を意識して高めるのではなく、姿勢や骨の位置を整えれば勝手に高まるというものです。小浜さんが挙げた「股間を少し前に出す」動きも、骨の位置を変えて腹圧が高まるポジションになる可能性はあるとしています。ただし走りながら維持するのは難しいため、走る前から状態を整えることを勧めています。
hayateさんがランナーに多い「抜け」のパターンを尋ねると、仙福さんは肋骨が前に開くリブフレア ── 肋骨の下部が前や外に浮き出るように開いた状態。お腹の前側の筋肉がゆるみやすく、反り腰などにつながるとされますを挙げました。お腹の前側がゆるんで圧が漏れ、腰が落ちたり反ったりしてくるそうです。
さらに仙福さんは、お腹だけがポコンと出る体型や、お尻が垂れる状態も、骨盤の傾きが変わってお尻の筋肉の張力が失われた結果だと説明します。仙福さんはこれを「パンツのゴム紐がビロビロの状態」に例えました。hayateさんが銭湯で見かけるおじいちゃんの話に乗せると、仙福さんは冗談交じりに「だからインナー付きショートパンツを勧める」と締めくくります。
走り方は誰にも習ったことがない?
続いて、ルンルンランランさんから届いたコメントが紹介されます。8月に友人4人が出る大会の応援に行ったとき、知らない女性ランナーが「ランニングをちゃんと習いたい」と話しているのを耳にしたそうです。
ルンルンランランさんはRUNCAMPのことを伝えるか迷ったものの、話しかけられませんでした。そして「誰しも走り方を知ってるようで知らないことがたくさんある」と感じ、次にチャンスがあれば声をかけてみようと思った、とつづっています。
仙福さんは、走り方は誰も習わないものだと応じます。hayateさんも、体育の授業でバスケやバレーは教わっても、長距離走はタイムを計るだけだったと振り返りました。
仙福さんは、フルマラソンは人体に適切な距離ではない「不健康競技」だと話します。そのため、体の使い方ができているかどうかが如実に表れます。大事なのは速いか遅いかではなく安全に走れているかで、それができていない人は非常に多いと仙福さんは指摘しました。
コーチ同士で指摘し合うなら、どこを直す?
最後の質問は、RUNCAMPメンバーのカエルのコポ太郎さんからです。hayateさんは、カエルのアイコンからそのメンバーに心当たりがあるようでした。
お二人の掛け合いを聞いているうちに、お二人がもしお互いをコーチとして指導していたらどんな風になるのか聞いてみたくなりました。ここは直した方がいいんじゃない?(人としてではなく、ランナーとして)と言ってみたところ、喧嘩にならない範囲で聞いてみたいです。
仙福さんによると、2人は普段お互いの走りにほとんど口を出さないそうです。仙福さんがRUNCAMPを始めたころにhayateさんへシューズのアドバイスをしたことや、トレーニング指導をしたことが1〜2回ある程度でした。
先に指摘した仙福さんは、まず「自分で髪の毛を切るのはやめたほうがいい」と言い、hayateさんから「人としてではなく、と書いてある」と突っ込まれます。本題として挙げたのは、hayateさんの最近の怪我でした。アキレス腱や足底筋膜など、足元の怪我が多いと仙福さんは見ています。
仙福さんは、hayateさんの足が内側に倒れ込むプロネーション ── 着地時に足首が内側へ倒れ込む動き。自然な動きだが、強すぎると足元の怪我につながることがあるとされますが強いことを、普段からじっと観察しているそうです。プロネーションで力を生み出して速く走る人もいるため一概には言えないものの、怪我をしている以上は介入したほうがいい、というのが仙福さんの考えです。
怪我は右に多いとhayateさんが答えると、仙福さんはセミナーでもよく話している考え方を紹介しました。
右の足裏をほぐしたり、アキレス腱をケアしたりと、痛む右側をなんとかしようとする
右に負荷がかかりすぎているのは、左に体重を乗せられていないからかもしれない。左に乗るエクササイズをする
仙福さんは、hayateさんにはそうしたエクササイズをしてほしいと思うものの、やれとは言わないと付け加えました。
次にhayateさんの番です。hayateさんはまず「そもそもランナーじゃないから」と返します。仙福さんも、最近はテニスをしていて、月間走行距離が100kmに届かないことを認めました。
まあもしなんかフルマラソンで自己ベストを出すためにこの何ヶ月間頑張るんだっていうのであれば、もっと走った方がいいんじゃない?
俺も思う。わかる。マジでそう。だから自己ベスト出した時も走ってましたもん。
さらにhayateさんは「痩せたほうがいい」とも指摘します。身長176cmで体重82〜84kgほどだという仙福さんに対し、hayateさんは速めのランナーなら62〜64kgくらいだと話しました。仙福さんは「俺が俺じゃなくなっちゃう」と笑いつつ、収録直後の富山の大会の次のマラソンでは、もう一度頑張ってみるかもしれないと語っています。
hayateさんはこの指摘を、仙福さん以外のランナーにも広げます。走り方やシューズを気にする人は多いものの、まずはもっと走ってみたらどうかと思うことが多いそうです。
なんかそれ(走り方やシューズ)でなんか5分10分変わるんやったら、まあ少し検討してもいいんですけど、多分走った方が多分20分30分変わるんで。
仙福さんもこれに同意します。たくさん走ったうえで怪我をするなら別の介入が必要になりますが、まずは量だと受け止めました。番組の最後には、概要欄の質問フォームで質問や「タレコミ」を募集していると呼びかけています。
まとめ
オフサイドの例え話からコーチ同士のダメ出しまで、質問はばらばらでしたが、どの回答にも、小手先より体の土台と走る量を重んじる2人の考え方が表れていました。
- ランニングはズルや戦略の余地が少なく、フィジカルが試されるごまかしのきかないスポーツです
- 夜ランのあとは深呼吸や瞑想で交感神経をしずめ、運動から2〜3時間空けて寝るのがよいとされています
- 腹圧は意識して高めるものではなく、姿勢や骨の位置を整えれば自然に高まる、というのが仙福さんの見解です
- 右側の怪我は、左に体重を乗せられていないことが原因かもしれません
- 走り方やシューズを気にする前に、まずは走る量を増やすことが大切です





