ボーリングの筋肉痛とレモン絞りの痛みは同じ?
この回の収録は、ゴールデンウィークの連休明けに行われました。桜林さんが連休の過ごし方を尋ねるところから、二人の雑談が始まります。
中里さんは、2〜3月ごろから1〜2泊のテント泊で歩き回る計画を立てていました。しかし連休前半の天気が悪く、1日だけ歩く短縮版に切り替え、あとは近場に出かけたりごろごろしたりして過ごしたそうです。
桜林さんは連休を丸ごと青森で過ごしました。前半は弘前や青森市、後半は八戸や三戸の友達を訪ねる「はしご」の旅です。
子供が赤ちゃんの頃から知ってる子供がもう高校生なんだけど、その子も一緒に遊ぼうって一日ね、言ってて、何する?つったらボーリングすることになってさ。
桜林さんは、久しぶりのボーリングで右手だけが筋肉痛になったと話します。重いボールを指で持つ動きは、筋トレとはまったく違う負荷だったようです。
この話から中里さんは、5年ほど前に生レモンサワー作りにはまっていた頃のことを思い出します。1日に何杯も作るうちに、人生で初めて右腕の関節の付け根あたりが痛くなったといいます。
初めて最近やり始めたことって、生レモンサワーの生レモン絞ることしかなかったから。
中里さんは「どうでもいい話」と笑いつつ、最近のボーリングで似たところが痛くなったと付け加え、雑談は締めくくられます。
千葉のバチさんから届いた、父親としての相談とは
本題は、リスナーから届いたお便りです。中里さんが今回の「のろい」を「父親として妻をどのように支えればいいか」と紹介し、桜林さんが読み上げました。
中学2年生と小学6年生の娘を持つ父親です。長女中2は起立性調節障害があり、次女小6は時々自傷行為をしてしまうことがあります。次女の件については、スクールカウンセラーや担当の先生、母親と一緒に面談を行いながら対応しています。
娘は母親とはよく話し合えているのですが、父親である私にはその話題をあまり相談したくないようです。そのため、私は娘に直接関わるというよりも、主に話を聞いている妻を支えたいと思っています。ただ、子供と向き合う時間が長い分、妻の心理的な負担も大きいのではないかと感じています。
私は医療系の仕事で土日祝も仕事が多く、家庭では妻が家事や育児の多くを担ってくれています。こうした状況の中で、父親として妻をどのように支えれば良いのでしょうか。また、自傷行為のある子供がいる家庭で、父親はどのような立ち位置で関わるのが良いのかも教えていただけると嬉しいです。娘本人に無理に踏み込まず、家族として支えるために父親ができることがあれば知りたいです。
相談を聞いた二人は、まず「大変ですね」と声をそろえました。
自傷行為については専門家と本に任せる
中里さんは本題に入る前に、自傷行為への対応方法は番組では伝えないと断りました。医師や専門医に相談したほうがよい、というのがその理由です。
代わりに中里さんが紹介したのが、依存症の専門医として知られる松本俊彦先生の著書『自傷・自殺する子どもたち』です。止めようとする前に知っておくべきことなどが丁寧にまとめられた本だといいます。書名『自傷・自殺する子どもたち』
(本を読むのは)お父さんだけじゃなくてお母様だけど、親ができることの一つじゃない。勉強するっていうことはできることよね。
桜林さんの指摘は、学ぶこと自体が親にできる支え方の一つだという視点です。自傷行為の話はここで区切り、二人は夫婦の支え合いへ話を移します。
妻を支える一番の方法は、話を聞くこと?
桜林さんはまず、娘さんが父親にあまり相談しないこと自体は自然だと受け止めます。中里さんも「思春期ですしね」と応じました。
お父さんがお母さんと同じ役割をしなくても別にいいと思う。
そのうえで桜林さんは、相談者が迷っているのは「妻を支えたい」の具体的な行動だろうと読み取ります。答えとして挙げたのは、妻の話を聞くことでした。
話を聞くっていうのが一番できることなのではないかなっていうのが第一印象です。
中里さんも「僕も全く一緒」と同意します。相談相手が身近にいると思えるだけで、妻の気持ちは楽になるはずだと話しました。
さらに中里さんは、話を聞いたうえで頼まれたことを実際に動いてこなす積み重ねを挙げます。たとえば妻の代わりに何かを買ってくるといった、具体的なオーダーへの対応です。
桜林さんは、娘さんから「お父さんには秘密ね」と言われていないのであれば、妻が娘との会話や様子を夫に話せるとよいと付け加えます。情報だけでなく、「こう言われてつらかった」という感情も夫婦で共有できるといい、という考えです。
話を聞く
妻の話を聞き、相談相手が身近にいると感じてもらう
共有する
娘の様子や、妻が感じたつらさを夫婦で共有する
具体的に聞く
家事や育児のどの部分を手伝ってほしいかを尋ねる
動く
頼まれたことを実際にこなし、積み重ねる
上の図は、二人の話をもとに、話を聞くことから具体的な行動へつながる流れを整理したものです。
夫婦の役割分担に正解はないのか
中里さんは、話す時間が取れていない可能性にも触れます。ただ、相談文によればスクールカウンセラーや先生との面談には夫婦で行っているはずなので、その行き帰りに時間はありそうだと考えました。
この件に関して、この次女さんのこの部分は僕も一緒に動くねとか、なんかできそうですけどね。
桜林さんは、子供に問題があるかどうかに関係なく、夫婦の役割分担は家庭ごとにまったく違うと話します。何が得意か、時間があるかないかの組み合わせは夫婦の数だけある、という見方です。
もう全夫婦その組み合わせのパターンは全部違うから、話せとしか言えないよね。
もし夫婦で話せていないとしたら?
中里さんは、相談文には書かれていないと前置きしたうえで、夫婦がまだ話せていない場合の話もしておこうと提案します。考えられる理由として、時間が取れないことや、妻が夫に相談する気持ちになっていないことを挙げました。
桜林さんは「わかんなすぎるよね」としつつ、話せていないなら、話す時間や環境を作る努力をするしかないと答えます。
中里さんの具体案は、子どもが寝た後などに2人で話す時間を取ることです。直接会って話すのが難しい関係なら、Branchの保護者から聞く例のように、LINEなどテキストでやりとりするのも十分ありだといいます。
桜林さんは、「こういうことがあった」「今こういう状態です」と伝えるだけの情報共有でも意味があると話します。そのうえで、会話がないと起こりうるすれ違いを指摘しました。
本当は妻を支えたいって思いやりを持っているのに、何も行動に起こしてないと、もしかしたら妻お母さんはあの。何もしてくれないって思ってるかもしれないし。
一人でやんなきゃって抱え込んじゃってるかもしれないし。
桜林さんは、会話をしないことで、すれ違いや思い込みはどんどん大きくなってしまうとまとめます。
話す時間がないまま十数年、という夫婦の例
中里さんは、親世代の知人夫婦の話を紹介しました。夫は看護の仕事をしていて、土日祝日の勤務や夜勤も多かったそうです。
その夫婦は、夫が悪い人だったわけではないものの、話し合う時間がない状態が十数年続いたといいます。離婚はしていないものの、今では2人で話し合う時間がまったくなくなっているそうです。
桜林さんは、話さないことのほうが当たり前になってしまうのだろうと応じます。中里さんは、千葉のバチさんの状況とは違うかもしれないと断りつつ、話す時間がまったくないなら何とかして作ったほうがいいと個人的な考えを述べました。
それ(話す時間がない状態)を放置しておくと、取る時間ってずっと取れないままいっちゃったりするんですよね。ご自身が転職でもしない限り。
夫は土日祝や夜勤の多い仕事で、夫婦が話し合う時間が取れない
その状態が十数年続き、今では2人で話し合う時間が一切なくなった
この知人夫婦の例は、話す時間の不足は放っておいても自然には解消されないことを示しています。
職場でも起きる「話す前の敵認定」
桜林さんは、相談文の情報だけでは家庭の中のことはわからないとしながらも、話すことは頑張ればできることだと話します。そして話題は家庭の外にも広がりました。
話さないから想像と想像でなんか大問題になってたりするけど、実はなんか、仕事に対する方向性は一緒だったりとか、よくしていきたいっていう気持ちは一緒だったりするのに、どんどんどんどんすれ違って大問題になったりする
中里さんが話すことの難しさに触れると、桜林さんは、話す前に相手を敵と認定してしまう思い込みもよくあると指摘します。
話す前に敵認定する傾向、俺もちょっとあるからドキッとしたけど。いや、あるね。
桜林さんによれば、話してみれば誤解が解けることもあれば、本当に無理だとわかることもあります。どちらにせよ想像ではなく事実で判断できる点が大事だと考えているそうです。
一方で桜林さんは、話すことも能力の一つだと付け加えます。思ったことをそのまま言える人もいれば、言葉にするのが苦手な人や、自分が何を思っているか気づくのに時間がかかる人もいるからです。
話し合いの場において、私はどうしたって強者になってしまうので、みんながそれができるわけじゃないっていうのは。
向かい合わずに話す。皿洗いと横並びの効用
話すのが難しい人向けに、中里さんはBranchでの経験を持ち出します。何もかも嫌になっている子どもに「相談してね」と言っても言葉が出てこないのに、好きなことを一緒にやっているうちにぽろっと相談が出てくる、というよくある場面です。
中里さんは、これを夫婦に当てはめた知人の工夫を紹介しました。子どもがいると家事は効率的に分担しがちですが、その夫婦はあえて皿洗いだけは2人で一緒にする時間にしているそうです。
その行為をやってるうちにポロッとなんか話は出てきたりするから、それが夫婦円満のコツだみたいなこと言ってるご夫婦って、僕もちょっとちょっと真似してたりするんですけど。
桜林さんが「本当は邪魔だけど」と返すと、中里さんも、一緒にやらないほうが効率はいいと認めます。それでも、あえて何かを一緒にやるという時間の使い方もある、という提案です。
「話しましょう」と正面から場を設ける。話を聞き出す力がある人には向くが、多くの人には難しい
皿洗いや面談の行き帰りなど、横並びで同じことをしながら話す。ぽろっと本音が出やすい
この対比は、桜林さんの「向かい合って話しましょうっていうのはやっぱ難しい」という言葉と、中里さんの提案を整理したものです。
中里さんは、千葉のバチさんの場合は面談の行き帰りが一番相談しやすそうだと話します。桜林さんも、歩きながら、面と向かうより横並びのほうがいいと言われるしね、と応じました。
最後に二人は、会話のきっかけを作れるといい、という一点で意見をそろえます。次回は「何もかもが嫌、面倒くさいという息子を見ていてイライラする」というのろいを取り上げると予告し、番組は締めくくられました。
まとめ
仕事で家を空けがちな父親が妻を支えるには、まず妻の話を聞き、夫婦で情報と感情を共有することが出発点だと二人は話します。向かい合うのが難しければ、皿洗いや面談の行き帰りのように、一緒に何かをしながら話すきっかけを作るのも一つの方法です。
- 自傷行為への対応は専門医や本に頼り、親が学ぶこと自体も支えになる
- 父親が母親と同じ役割を担う必要はなく、妻の話を聞くことが一番できること
- 話さない状態を放置すると、すれ違いや思い込みは大きくなり、時間は取れないままになりやすい
- 話す前の敵認定を避け、想像ではなく事実で判断するために話す
- 正面から話すのが難しければ、皿洗いや横並びの移動など一緒に何かをする時間を作る




