名もなき家事とは何か?夫婦会議を公開する理由
今回のテーマは、料理や洗濯のように名前のある家事ではなく、名前のついていない家事や育児である「名もなき家事」です。茂木さんが妻と一緒に、夫婦の話し合いをそのまま公開する形で話しました。
茂木さんによると、名もなき家事は2017年にフランスで漫画家がFacebookに投稿した漫画をきっかけに広まったそうです。漫画では夫が「頼んでくれればやったのに」と言い、妻が指示役になっている構図が描かれていたといいます。
日本でも同じ2017年に、大和ハウス ── 日本の大手住宅メーカー。が名もなき家事に着目したプロジェクトを展開したと茂木さんは話しています。ただし詳細は記憶があいまいだとも断っています。
具体例として挙がったのは、衣替えや、娘の服に名前のシールを貼ることです。茂木さんは、自分は名ある家事育児はそれなりにやっている認識だが、名もなき家事はあまりやれていないと話しました。
シール一枚の裏にあるタスクとは?見えない作業の中身
妻は、夫が名ある家事をよくやってくれていることに感謝を述べました。具体的には、子どもの着替えや食事、食洗機に入れる洗い物などです。一方で妻自身は、観葉植物の水やりなどができていないと話しました。
名もなき家事の例として、妻は名前シールを挙げました。シールをどこで作るかの選定、デザイン、注文に加え、「シールを買わなくちゃ」と頭に置いておくことから、すでに作業が始まっているといいます。
衣替えも同様です。タイミングの見極めや、洗濯物がよく乾くうちに秋物を洗っておくといった作業があり、一日で終わるものではないと妻は話しました。多くの家庭でお母さんが担っているのではないか、というのが妻の個人的な見方です。
頭に置く
「シールを買わなくちゃ」と覚えておく
選定
どこで作るかを選ぶ
デザイン
デザインを考える
注文
注文する
名もなき家事を名ある家事にすれば解決するのか?
茂木さんは、家事育児の分担が女性に偏りすぎていることが、希望する子ども数の実現を阻んでいるという研究があると話しました。見えないものを見える化するナレッジマネジメントの考え方を応用し、名もなき家事を名ある家事に変えられないかと提案しています。
これに対して妻は、名もなき家事を名ある家事にして半分ずつにするのは、そこまでシンプルではないと答えました。こだわりがある人がやるほうがよいと考えているためです。
名前のシールのデザイン、じゃあお願いねって言って、これやるねって言われて、え、これ?っていうデザインでも言いづらいし、頼んでおいた手前、やり直しもできない。
妻は、こだわりがあるのは一般にお母さんのほうが多いのではないかと述べ、そのぶんお母さんの担当が増えるのは必然だと話しました。
私個人として求めてるのは全部半分っていうよりは、あ、これもやってくれたんだね、ありがとうっていう、気づいてもらうことと感謝してもらうこと。
茂木さんはこれを受け、名もなき家事を名ある家事に変えるよりも、具体的な中身を認識して感謝を示すことが大事だと整理しました。
なぜ感謝の量に差が出るのか?フェアさと温度差
妻は、名もなき家事を子どもが寝た後や自分の休憩時間にやっている一方で、夫は自由時間に自分のやりたいことをしていると感じ、フェアではないと思ったことがあると話しました。茂木さんは、娘たちの服のセールを見ているのが妻の自由時間の使い方だと受け止めています。
茂木さんは、二人の暫定的な結論を「名もなき家事があると認識し、感謝するのが第一ステージ」と整理しました。妻も、自分が気づいていない夫の名もなき家事もあるはずだと応じています。
妻はベッドのシーツ洗濯を例に挙げました。洗おうと気づき、洗濯機を空にし、シーツをまとめて入れ、干すまでの流れが想像できるため、自分も経験のある作業には自然と感謝が強くなると話しています。
一方、茂木さんは子ども服の買い方の違いを挙げました。自分は店に行ってその日に5着ほど買うが、妻は複数の店やセール時期を見てよいものをいい値段で買う、という違いです。
そうやって一生懸命探してくれてることに、さっきのシーツぐらいの100の感じでありがとうって、やっぱり思えないかもしれないわけよ。
茂木さんは、もちろん感謝はしているが、自分なら1時間で終わるのにと思ってしまうことがあると打ち明けました。こうしたやり方や温度差の違いは、こだわりをどちらが持つかの問題だと妻は指摘しています。
気づいたら店に行き、その日に5着ほど買う。1時間で終わる
複数の店やセール時期を見て、いいものをいい値段で買う
こだわりで分けるなら誰に何が偏るのか?任せきる大切さ
妻は、ロボット掃除機の両端に溜まる髪の毛クズを、気づいたときに取り除いていると話しました。夫は新型になってからほとんど触っていないとのことです。
妻は、任せた作業がされていないと「なんでやってないのか」と思ってしまう性格だと言い、一度任せたら任せきることが大事だと話しました。
茂木さんは、自分はキッチンにこだわりがあり、朝起きたときにピカピカでないと朝ごはんを作りたくないと話しました。こうした領域は任せてもらうほうがよいと考えています。
ただ、こだわりで分けると、現状では妻のほうにタスクが多く偏るという点では、二人の見方が一致しました。妻は、こだわりをなくす、完璧を求めすぎずボーダーラインを引くことも大切かもしれないと述べています。
衣替えをなぜやらないのか?指示する負担も残る
妻は、衣替えは「変えるだけ」に見えて、時期の選定、天気予報の確認、去年の服が着られるかを子どもの体に当てて確かめる作業を含むと説明しました。まずそうしたステップを共有し、任せられる部分を頼むのがよいという考えです。
洗濯やサイズ当てなど、茂木さんは全部できるとしつつ、自分は衣替えをしたことがないからかもしれないと話しました。子どもの頃にTシャツ短パンで過ごしていた経験にも触れています。
茂木さんは、男女で家事育児を平等にしても、マネジメントは女性が担うため女性の負担が多くなるという論文を見たと紹介しました。そのうえで、指示する負担をどう捉えるかを妻に尋ねています。
これをしなきゃっていうのが、多分たくさんツブツブツブツブって。娘の友達に誕生日会に呼ばれたら、多くのママはもう10ぐらいふわっと考えると思うんだよね。
誕生日会に誘われたら何を考えるか?頭の中のタスク
妻が、誕生日会に誘われたとき何を思い浮かべるかを尋ねたところ、茂木さんは返信や送り迎えなど、自分がやることを挙げようとしました。妻が聞きたかったのはタスクの一覧ではなく、頭に浮かぶことでした。
茂木さんの答えは「嫌だなぐらい」「めんどくさい」でした。妻は、行けば楽しいはずだと返しています。
妻の場合は、プレゼントの内容を考え、共有のGoogleカレンダーに予定を入れ、場所を登録してカーナビですぐ行けるようにします。さらに、プレゼントか現金送金かを主催者に一言確認するなど、お母さん同士のコミュニケーションも必要だと話しました。
そういうのも名もなき家事だよね。
妻は、スペインは産休取得率もほぼ100%と言われるほど男女平等が進んでいるのに、子どもの誕生日の出欠連絡のグループは100%ママだと指摘しました。茂木さんは、パパは入っていない人ばかりだと同意しています。
妻は、逆に男性側が細かく気づくケースもあると断りつつ、自分が自由時間にこなしている作業が多いため、ふとした時にイラッとすると話しました。
公開リスト化で何を決めたのか?夫婦の結論
妻は、収録後に夫婦でお互いのしていることを話し合い、名もなき家事をリスト化して見える化し、丸ごと任せられるものはどんどん任せたいと提案しました。
茂木さんは、公開した方がよい場合もあるとして、ビデオポッドキャストにしてリストアップする案を冗談交じりに出しました。妻は壮大すぎると笑っています。
結論として茂木さんは、名もなき家事をできる限り名ある家事にし、任せるところは任せる方向でまとめ、妻も同意しました。二人は実際にリストアップを試すことにしています。
まとめ
今回の話では、名もなき家事を半分ずつに分けることよりも、中身に気づき、感謝し、こだわりに応じて任せることが重視されました。
- 名もなき家事は、シールや衣替え、誕生日会の準備のように、見えにくい多くの作業を含む
- 妻が求めているのは、全部半分にすることより、気づいて感謝してもらうこと
- こだわりの強い人がやる方がよい一方、現状ではそれが妻に偏りやすい
- 一度任せたら任せきることや、こだわりの線引きも大切
- 二人は名もなき家事をリスト化して見える化し、任せられるものを任せていく方針





