無敗の首位と、なでしこジャパン3連覇
収録は10月5日。福岡J・アンクラスは2日前の10月3日、アウェイで柳ヶ浦高校と対戦し、2対0で勝利しました。
柳ヶ浦高校戦の得点は、1点目がオウンゴール、2点目が田邊いちご選手です。よしださんが「元気印」と呼ぶ田邊選手にとって、待望の今季初ゴールでした。
アンクラスはこの時点で10勝2分け、12試合負けなしで首位をキープしています。ただし2位のFC琉球さくらは消化試合が2つ少なく、直接対決も残っています。
(首位を)このままね、逃げ切りたい。
よしださんは女子サッカー界の大きなニュースとして、愛知・名古屋で開かれたアジア大会にも触れました。なでしこジャパンは決勝で北朝鮮をPKで破り、大会3連覇を果たしています。
少し前のU-17アジアカップでは、日本は決勝で北朝鮮に敗れていました。よしださんは、その相手に今回勝ったところにドラマがあったと振り返ります。
いつかアンクラスからもね、(日本代表に)選ばれるように。
国見戦の初ゴールは、怪我明けから間もない一撃
森田さんがインタビューしたのは田川葵選手です。収録は中断期間明けの国見戦で田川選手が得点した直後で、放送までには少しタイムラグがあります。
国見戦は1対0の勝利で、決勝点が田川選手のアンクラス初ゴールでした。田川選手自身は「あんま覚えてない」と言いつつ、クレア選手のクロスを中で左足で合わせた得点だと説明しています。
田川選手は今季、加入直後の怪我でリハビリから始まりました。初出場は5月24日の柳ヶ浦戦、初スタメンは5月31日の神村戦で、そこから結果を出すまでが早かったと森田さんは指摘します。
やっぱ素直に嬉しかったです。
弟がうらやましくて始めたサッカー
田川選手は福岡県出身です。サッカーを始めたのは小学3年生のときで、きっかけは1つ下の弟でした。
当時の田川選手はスイミングを習い、弟はサッカーをしていました。田川選手には、サッカーのほうが道具をたくさん買ってもらえることが羨ましく見えたといいます。
スパイクもいっぱい買えたり、ボールもすぐ買い直したりして。それに比べてスイミングは水着とゴーグルがあればできるんで。
いっぱい買ってもらえるサッカーがしたいなーってなって、サッカー始めました。
最初に通ったのは、名門バディFCの女子スクールです。けれど田川選手は物足りなさを感じ、小学3年生の終わりからバディFCの男子チームに混ざってプレーするようになりました。
男子チームではBチームだけでも男子20人に女子2人という環境でした。試合に出づらかったため、小学6年生ごろからは女子だけのFCバロンピエとバディFCを掛け持ちします。FCバロンピエは現在はもうないチームです。
中学ではブリステルでプレーしました。そこでは、アンクラスの伝説のストライカーと森田さんが紹介する田頭陽子さんと選手として一緒にプレーしていたそうです。
負けず嫌いの「走るしかできない」左サイドハーフ
森田さんの目に映る田川選手は、いつもニコニコしている柔らかな雰囲気の選手です。しかしサッカーでの性格を尋ねると、返ってきたのは正反対の答えでした。
(自分は)負けず嫌いなので。一つ一つのプレーでも負けるのが嫌で、よくファウルもしちゃうんですけど。
技術どうこうじゃなくて、とにかく走ることしかできないんですけど、それでひたすらボールを追いかけるって感じで。
田川選手がサッカーで伸びたと感じる時期は高校です。進学先の筑陽学園は、実家から通えて、そこそこレベルが高く、女子サッカー部ができたばかりの3期生だったことが決め手になりました。
筑陽学園の練習はあまりハードな印象ではなかったものの、週1回は外部コーチによる走りのトレーニングがありました。2時間の練習なら最初の1時間から1時間半を走り込み、残りのミニゲームのために皆で頑張ったといいます。
高校3年生のとき、筑陽学園は選手権の全国大会に出場しました。県大会の決勝では東海に敗れたものの、2位まで進める九州大会で沖縄と大分のチームに勝ち、全国への切符をつかんでいます。ポジションは当時から今と同じ左サイドハーフでした。
大学は岡山へ、そして地元アンクラスへ
大学は岡山県の近畿国際大学を選びました。実家からは出たいけれど遠すぎるのは嫌で、関西より近い中国地方にしたといいます。
近畿国際は、なでしこリーグ2部に所属しているので、大学生のうちからその舞台に立てるチャンスがあると思って、そこの大学を選びました。
近畿国際大学のチームはアンクラスとも対戦してきました。田川選手は1年生のときの対戦を覚えていて、大学時代も地元のチームとしてアンクラスの順位や試合結果をずっと気にしていたそうです。
大学卒業後、地元に帰りたいと考えた田川選手にとって、福岡での選択肢はアンクラスしかありませんでした。アンクラスは九州リーグ1部のチームです。
やるんだったら遊びじゃなくてちゃんとやりたい。
入団直後に続いた肉離れをどう乗り越えたか
アンクラスに合流して2〜3週目の練習で、田川選手は太もも裏の肉離れを負いました。その後も怪我が続き、左右の太ももの前後すべてで肉離れを経験したといいます。
(肉離れが)治って練習に入ったら、また1週間で今度前が痛いとか言って病院行ったら、また肉離れで。
それでも田川選手は、肉離れはある程度動ける怪我で、リハビリ中もボールを蹴れたため、あまり苦痛ではなかったと話します。4月加入で5月には試合に出ており、森田さんも「よく考えたら長期離脱ではない」と受け止めました。
初ゴールを決めて、チームの一員になれたとホッとした気持ちもあったと田川選手は認めています。
チーム内で仲が良いのは田中花選手です。田川選手によると、田中選手はクールだけれど、たまにふざけるのが面白い人です。いつも笑顔の理由を聞かれた田川選手は「みんなが面白いんで自然と笑顔になります」と答えました。
23歳の新婚生活と、コロナ禍の公園での出会い
森田さんはインタビュー中、田川選手の左手薬指の指輪に気づきました。聞いてみると、田川選手は今年の8月8日に入籍したばかりの23歳の新婚でした。
相手は4つ年上で、同じ高校のサッカー部出身です。在学時期は重なっておらず、交際は田川選手が高校3年生のときから約6年になります。
コロナ時期の時に、部活もお互いない、学校もない時で、お互い違う友達と同じ公園にいて。
二人の出会いは、コロナ禍の公園でそれぞれ友達とボールを蹴っていたときでした。森田さんは「青春じゃないですか」と声を上げています。
結婚生活について田川選手は、何も変わったことはなく実感はあまりないと話します。仕事もしながらサッカーを続けていて、料理は旦那さんの担当です。旦那さんは大学時代ずっと一人暮らしだったからではないかと田川選手は推測しています。
自分は家事担当で。洗濯だったり。
旦那さんの良いところは「優しい」ところ。旦那さんも社会人サッカーの九州リーグでプレーしているため日程が合わず、まだ田川選手の試合を見に来たことはないそうです。
ホーム再開戦へ、田川選手の抱負
インタビューの最後、森田さんはホームでの再開試合に向けた抱負とサポーターへのメッセージを求めました。
田川選手は、がむしゃらに走る姿と、そこから生まれるプレーやゴールを見せられるように頑張りたいと語りました。
スタジオで振り返る「ニコニコの負けず嫌い」
インタビュー後、森田さんは指輪に気づいた瞬間を振り返りました。学生のように若く見え、新入団選手のような雰囲気だったため、結婚しているとは思っておらず驚いたといいます。
よしださんが「旦那さんのいいところ」という質問に驚いたと話すと、森田さんは結婚式の司会もしているため、新郎新婦への打ち合わせのようなスイッチが入ってしまったと笑いました。
プロフィール写真のとおりいつもニコニコしている田川選手について、よしださんは、プレーでは負けず嫌いでよくファウルをすると話していたギャップに触れ、「逆にちょっと怖さも」と表現しました。
いつもニコニコしていて、怪我の間はスタッフとして試合を手伝っていた
負けず嫌いで、ひたすら走ってボールを追い、よくファウルもしてしまう
左サイドハーフとして後ろから得点に絡めている点も、よしださんは高く評価しました。
森田さんは、アンクラスにはもう一人の既婚者として渋澤選手がいることも紹介しました。渋澤選手の旦那さんはサガン鳥栖の選手で、試合を見に来たり、逆に渋澤選手が見に行ったりと応援し合っているそうです。
どんな動機でも、始めてみることが大切
よしださんは、道具を買ってもらえる弟が羨ましくて始めたという動機に、田川選手の負けず嫌いがにじみ出ていたと振り返ります。
よこしまな動機だろうがなんだろうが、やっぱり始めてみることっていうのは何より大切やなって。
森田さんは、選手たちが午前中に練習し、午後から仕事に行く生活を続けていることにも触れました。仕事をしながら社会人まで女子サッカーを続けること自体がすごいと二人は称えます。
料理を旦那さんが担う田川選手の家庭について、よしださんはどちらがやる・やらないの問題ではないと話しました。女性の活躍推進はアンクラスとしても取り組みたい部分であり、そうした話をもっと発信していきたいと締めくくっています。
残り2試合、首位を懸けた直接対決へ
今後のスケジュールは、10月18日が今シーズン最後のホームゲームとなる神村学園戦です。その後、アウェイでのFC琉球さくらとの直接対決が控えています。
いや、10月18日(の)ホーム(の客席を)埋めたいな。
試合情報はアンクラスの公式SNSや公式LINEで発信されています。番組では選手への質問や感想をGoogleフォームで募集しており、Xで「#アンクラスのロッカールーム」を付けた投稿も拾っていくとしています。
まとめ
田川葵選手は、弟への羨ましさから始めたサッカーを、男子チームや新設の高校女子サッカー部、なでしこリーグ2部の大学チームを経て続け、地元アンクラスで怪我を越えて初ゴールをつかみました。笑顔の新婚選手が見せる負けず嫌いな走りが、残りのシーズンの見どころです。
- アンクラスは10勝2分けの無敗で首位、FC琉球さくらとの直接対決を残す
- 田川選手は国見戦でクレア選手のクロスを左足で合わせ、アンクラス初ゴール
- サッカーを始めたきっかけは、道具をたくさん買ってもらえる弟への羨ましさ
- 入団直後に肉離れが続いたが、リハビリ中もボールを蹴れて苦痛は少なかった
- 8月8日に入籍した23歳の新婚で、出会いはコロナ禍の公園でのボール蹴り






