まずはクライアントと直接話してもらう
僕がデザイナーさんにお願いするとき、まず大事にしているのは、できる限りクライアントさんと直接お話ができる機会を設けることです。
究極は対面ですね。それが叶わなければオンライン越しでもいい。それも難しければ、僕がクライアントさんと話している映像か音声を、見て聞いていただきます。
依頼されている方がどんな熱量で、どんなことに困っていて、何を求めているのか。それを、僕からの伝言ゲームで聞くだけにしないってことです。
これは独立しているかどうかに関係ないとも思うんです。ただ、独立されているデザイナーさんは、会社の看板や制限の中で動いているわけではないですよね。
ご自身が表現したいことを、裁量を持って自由にできるのが、独立されている方だと思っています。
だからこそ、その裁量をできる限り消さずに、あなた自身のお客さんだと思って話を聞いて、提案してくださいと伝えることを大事にしています。
名刺は、その人の名刺で出してもらう
クライアントさんに紹介するとき、僕は進行ディレクター、チームリーダーとして間に入ります。
でも、そこで僕が一方的に喋るわけではありません。デザイナーさんには、デザインのことを直接ヒアリングして、直接提案していただきます。
名刺も、ご自身の名刺を渡してくださいねと言っちゃいます、最近は。僕の下請けだからと気を使って出さない、みたいなことはしなくていいと。
本当にプロの方に仲間として協力いただいている、というご案内をしているので、むしろその方の看板と名前で動いていただく方がいいんです。
これは僕のこの5年ぐらいで大きく変わったポイントですね。過去は正直、業務委託の仲間を隠していた時期がありました。
僕がやっている体で、実は後ろでビジネスパートナーが手を動かしていた。こんなに素晴らしいクリエイターさんが力になってくれているのに、手柄を自分だけにしていた訳です。
いま思えば、自分の自信のなさもあったんでしょうね。反省することがたくさんあります。
その方の名刺で動いていただくと、制作実績として使っていただけるという付加価値もあります。実績になると、やる気もより上がりますよね。
時には厳しいことも言う。それはデザイナーさんを守るため
デザイナーさんとの向き合い方で、もうひとつ大事にしているのは、時には正直に厳しいことを言う場面もある、ということです。
第一案を、いきなりクライアントさんに出すのではなく、まず僕に見せていただく。そのとき、あれ、この方もっとやれるはずじゃないか、と思う場面が時々あるんです。
そういうときは正直に言います。何かありましたか、と。もっといいもの作れると思うので、もっと本気出してもらっていいですか、と。
たとえるなら、飲食店の師弟関係みたいなものかもしれません。師匠はお客さんに料理を出す前に味見をして、これは出せない、一回作り直してこい、と言うわけです。
厳しいなと思うかもしれませんが、それはお客さんに「いつもと違うね」と言わせないためでもあります。
そして実は、頑張っている弟子を守るためでもあるんです。お客さんにそれを言われたら、その人が自信をなくしてしまうかもしれないので。
僕にはデザイナーさんとの師弟関係はないですが、クライアントさんに出す基準は、割と高めに設定して見させてもらっています。
これ出したら気に入ってくれる気もするけど、もっと良くなるかな、いつもの感じと違うぞ、というときは、出さずに一回戻しますね。
それはクライアントさんのためでもあり、デザイナーさんを守るためでもあると思っています。
これは結構高等テクニックかもしれません。クライアントの好みや、その先にいるお客さんのことまでわかっていないとできないので、これはさすがにAIには無理でしょう。
コーダーさんへの気遣いと、相性の見極め
もうひとつ見ているのが、仲間であるコーダーさんとの関係性です。
コーダーさんを乱暴に、上から目線で扱うようなデザイナーさんは、僕の周りには誰一人いないんですけど、仮にいたら僕はめっちゃ怒ると思います。
これは、こういうデータを用意しないとダメ、という技術的な話ではありません。スタイルガイドを絶対作れ、という話でもないです。
コーダーさんがいてくれて初めて成立する制作物なので、ありがとうございます、お世話になります、力になってください、という姿勢ができているかどうかを見ています。
あと、正直に言うと相性はありますね。このデザイナーさんにはこのコーダーさんが良さそうだな、というのは、人間なのできれい事なくあります。
その見極めをすることも、チームリーダーとして大事なことだと思っています。
とはいえ、コーダーさんに迷惑がかかるかな、なんて気遣いをデザイナーさんにさせる必要はありません。
デザインはクライアントさんの課題を解決する手段であって、コーダーさんのためにしているわけではないので。まずはクライアント側を向いてデザインしていただく、これは変わりません。
そのクリエイティブを100%発揮できる環境を整えるのが、僕のチームリーダーとしての責任であり役割だと思っています。
最近も、業務委託のチームを作りたいという制作会社さんから、丁寧なご連絡をいただくことがあります。
ただ、条件を聞くと、決裁権も裁量も渡さない、基本はこっちの指示に従ってくださいという姿勢のことが多いんです。
うちはある程度の決裁権を持っていただいて、その方の名刺で動いて実績にも使っていただく取り組みをしています、とお伝えして、一度Zoomでお話しましょうかと返すと、返信すらないこともあります。
外に出したくないクリエイターを集めたいんだろうな、というのが見えるんですよね。
もう少し、独立してご自身の名刺で動かれているデザイナーさんやコーダーさんのことを考えた取り組みに変えられたらどうかな、と思ったりします。いろんなご事情もあるとは思うんですけどね。
いいものが出来上がってくると、本当に感動しますし、この方だからこそできたこと、ありがとう、と思います。
来週は、独立されているコーダーさんとの向き合い方について書きたいと思っています。
いつも聞いてくださって、ありがとうございます。また来週もよろしくお願いします。ではではでは。
まとめ
独立したデザイナーさんとは、クライアントと直接向き合ってもらい、その方の名刺と裁量で動いていただく。時に厳しいことを言うのも、デザイナーさんを守るためだと考えています。
- クライアントと直接話してもらい、伝言ゲームにしない
- その人の名刺で動いてもらい、実績としても使ってもらう
- 高めの基準で一度止めるのは、デザイナーさんを守るため
- 100%発揮できる環境を整えるのがチームリーダーの役割




