コーダーさんは制作における守護神
独立されているデザイナーさんとの向き合い方は前にも書いたんですが、今回はコーダーさんバージョンです。
僕の場合は、正社員として制作会社に勤めておられる方ではなく、フリーランス、事業主としてやっておられるコーダーさんとの向き合い方ですよ、というところにこだわって書きます。
とにかくね、僕はコーダーさんに足を向けて寝られないんです。
デザイナーさんが作ったデザインにも感動しますけど、それがブラウザ上でホームページとして立ち上がったのを見ると、改めて「コーダーさんありがとう」と思うんですよね。
野球で例えるのもどうかと思いますが、コーダーさんは制作における守護神みたいな存在だと僕は思っています。
9回に出てくる抑えのピッチャーというか、この方が投げればもう勝てるでしょう、という心強さがあるんです。
コーダーさんこそクライアントに会わせたい
そんなコーダーさんとの向き合い方ですが、僕はコーダーさんこそクライアントと接触させたいと思っています。
対面できる機会があるなら対面してほしいし、それが叶わなくてもオンラインでも、極力会わせたいんです。
というのも、クライアントさんからするとデザイナーさんは分かりやすいんですよね。「このデザインをしてくださったのがあなたなんですね、素敵ですね」と言われやすい。
でもその後のコーダーさんがやっていることは、僕のクライアントのほとんどがイメージがつかないんです。
そもそもコーダーさんという言い方も伝わらないので、僕は「プログラミングを担当しているプログラマーさんです」と説明します。
デザインしたものに命を吹き込んで、ボタンを押したら次のページに行くとか、お問い合わせフォームの送信ボタンを押したらちゃんとメールが届くとか、そういう機能面を担当してくださっている、と伝えると「ああ、そういう役割があるのか」と初めて知ってもらえるんですよね。
コーダーさん自身からも「直接クライアントさんと話す機会はなかったので新鮮でした」とよく言われます。
一方で「自分が顔合わせすることに意味があるんでしょうか」と感じておられる方もいるんですが、いや、もちろん意味があるんです。
商談に来てくれるコーダーさんはかっこいい
欲を言うと、僕は商談の時こそコーダーさんに同席してほしかったりします。
機能面での提案は僕もある程度できますが、コーダーさんの視点で「そのご要望ならこういう方法がありますよ」と援護射撃してくれると、めっちゃかっこいいなと思うんですよね。
僕が勝手にできないと思っていたことを、「それ実はできますよ」とおっしゃる方もいて。
それをクライアントさんも聞いて「そんなことができるんですね、じゃあぜひお願いします」となって、その場で決まることも本当にあるんです。
究極は、コーダーさんが直接営業できると強いですよね。
僕の『ヤマジュク』の教え子で、コーダーでありながら直受けで営業に行く人もいます。ホームページの仕様面をよく分かっているので、やっぱり強みです。
だから僕はコーダーさんの発言のしやすさを大事にしています。追加費用がかかりそうな提案でも、「クライアントやその先のお客さんのためになるなら遠慮なく言ってほしい」と。
費用をどうするかはその後で話せばいい話なので、まずは提案の段階で「これ言ったら追加費用出るだろうな」と自分の中でひそめるのはやめてください、と伝えたりします。
コミュ力の高いコーダーさんが集まる理由
よく褒められて嬉しいことがあって。「ヤマヤさんがつながっているコーダーさんって、みんな喋るよね、コミュニケーション取れるよね」と言ってもらえるんです。
僕にはすっかり当たり前になっていましたけど、これは結構大事なことだなと思いました。コーダーさんこそコミュ力が大事なんですよね。
デザイナーさんとの連携も出てきますから。まだコーダーさんと直接やりとりしたことがなくて、「どんな風にデータを渡せばご迷惑にならないかな」と悩まれるデザイナーさんもいます。
そういう方に「こちらのことは一切気にせず、クライアントのためにいいデザインをしてください、実装は私がやりますから」と言えるコーダーさん、めっちゃかっこいいなと思います。
「お前は先に行け、ここは俺に任せろ」みたいな感じですね。
新米クリエイターの育成でコーダーもいますが、コーディングのスキル面はベテランのコーダーさんにお願いして面倒を見てもらっています。
僕がコーダーを育てる時に大事にしているのは、とにかくコミュニケーションです。お客さんと話す機会を持ってもらうし、制作チームの中でもちゃんと話せるように経験を踏ませています。
AIで時短できたから値下げ、は違う
最近、コーダーさんの悩みを聞く機会がありました。
AIの進化はすごいじゃないですか。コーダーさん自身も「AI使ってますよ」という方が増えました。僕はそれで全然いいんです。効率が上がっていいクリエイティブができるなら、ぜひ使ってくださいというタイプで、僕自身も議事録やワイヤーフレーム作成に使っています。
そのコーダーさんの悩みというのが、別の業務委託先から「AIを使えば時間短縮できるはずだから費用を抑えられないか」と値下げ交渉を受けて困った、というものでした。
あえて値下げ交渉する側に寄り添って考えると、言いたくなる気持ちは分かります。時間工数が下がるなら金額も下がるだろう、という理屈ですよね。
が、ですよ。時間工数ももちろん大事ですが、やっぱり価値なんですよね。
1時間かけたものでも10時間かけたものでも、納品するものの価値は変わらないわけです。
コーダーさんの時給を払っているわけではなくて、成果物に対しての報酬を払っているんですから。
だから胸を張って言いたいのは、価値が下がっていない、むしろ上がっているなら、金額を上げて出してほしいということです。
AIを取り入れてより良い実装ができるようになったなら、せめて据え置きか、金額を上げてもいいくらいだと僕は思っています。
AIを使いこなすディレクション費というか、AIにも課金すればお金はかかりますしね。AIの登場で時短したから金額を下げようとする、そういう方にはついていかなくていいんじゃないかなと思います。
僕はコーダーさんが胸を張って出される金額で発注させていただきたいんです。
僕が向き合っているのはコーダーさんという人間ですから。その向こうにAIがあるかもしれませんが、僕はAIに発注しているわけじゃなくて、コーダーという人間に依頼させてもらっているんですよね。
付加価値としては、コーダーさんにも実績として使っていただけるように手配しています。直受けの見積もりで「これは制作チームでやります」と伝えて、デザイナーさんもコーダーさんも全員の実績になりますよ、と。
完全黒子で動くと元請けが外注を使っていることが分かってしまうので出せない、というお悩みを持つ方も多くて、その印象はデザイナーさんよりコーダーさんの方が強いんです。
だから僕は全員が実績として使えるようにしています。今後は優秀なコーダーさんの奪い合いになってくるので、実績として使えますよ、という付加価値は増えてくるんじゃないかなと思っています。
まとめると、前回のデザイナーさんとの向き合い方も含めて、僕は本当に対等に向き合っています。相手も決裁権を持って個人で動いている以上、立場は対等なんですよね。
関係性を理由に、本当は言いたいけど言えない、みたいなことは絶対にやりたくないんです。それではいいクリエイティブができないので、全員が対等に意見を言える環境作りを意識しています。
今後は個人事業主が集まるクリエイティブチームで取り組む案件が増えていくと思います。チームとしての名刺と個人としての名刺を、2枚以上持つデザイナーさん、コーダーさんが増えそうだなと。名刺を2枚持つ活躍の仕方は、僕も今取り組んでいるところなので、これもまた今度書けたらいいですね。
改めて、デザイナーさん、コーダーさん、いつも本当にお世話になっております。ありがとうございます。心強いです。
これからもクライアントさんのために最高のクリエイティブが発揮できるよう、環境作りを意識して取り組んでいきます。これからもよろしくお願いします。
これからもいいクリエイティブをしていこうじゃありませんか。ではね、また次回。ではではでは。
まとめ
独立されているコーダーさんとは、時間工数ではなく成果物の価値で向き合いたい。AIで時短できたから値下げ、ではなく、価値が上がったなら金額を上げてもいいくらいだと僕は考えています。
- コーダーさんは制作における守護神。だからこそクライアントや商談に会わせたい
- スキル以上にコミュニケーション力を大事にし、発言しやすい環境を作る
- 報酬は時間ではなく成果物の価値に対して払うもの。AIでの時短を理由にした値下げにはついていかなくていい
- 実績として使ってもらえるよう手配し、全員が対等に意見を言えるチームを目指す





