小学1年生からの質問に牧場が答える日
この日の配信は、前日に届いた質問への回答がテーマでした。質問してくれたのは、なんと小学1年生のお子さん。スプーンというアプリから「モグラきき線」さんのお子さんが寄せてくれたものです。
牛って何種類いるんですか?
川上さんは、子どもにも聞いてもらえる配信を目指していると話します。ポッドキャストのリスナー層は40代50代の男性が9割を超えているそうですが、そんな中で小学1年生が質問してくれたことをとても喜んでいました。
答えを探すためにGoogleで調べても「だいたい千種類くらいあります」としか出てこなかったそう。そこで川上さんは、AIのディープリサーチという機能を使って詳しく調べてみたと言います。
結果はとても面白かったようで、牛って千、二千種類ぐらいいるという認識だったのが、雑種や交雑種まで含めると3000種類くらいいるかもしれない、というところまで話が広がっていきました。
そもそも牛の種類はどこから増えた?
AIには「小学生からの質問」という条件を入れたので、回答も小学生向けの言い回しで返ってきました。世界には千種類以上もの牛の品種があると言われているそうです。
たとえばクラスの人数が30人だとすると、その30倍もの顔や体つきが少しずつ違う牛たちが、世界中で飼われているというイメージです。
科学者によると、今いる様々な牛は、遠い昔にヨーロッパやアジアにいたオーロックスという野生の牛が家畜化されたことが始まりとされています。
その後、それぞれの土地の気候や人間の都合に合わせて改良が重ねられた結果、これほど多くの品種が生まれました。牛肉用に育てられる品種もいれば、牛乳をたくさん出すよう改良された品種もいます。
牛肉専用の品種だけでも、世界には250種類以上いるという報告もあるそうです。日本では赤毛和種や黒毛和種などの和牛がいて、乳牛のほとんどはホルスタイン種が占めています。
モフモフと長い角、世界の個性派たち
ここからが川上さんイチオシの、世界のユニークな牛たちの紹介です。まず登場するのは、スコットランドのハイランドキャトル。
大きなセーターを着ているかのような、厚くて波打った毛皮に覆われた牛で、寒いスコットランドの気候に適応した姿です。目が毛で隠れて見えないほどモコモコで、日本にも受精卵などで輸入され、ペットのように飼われることもあるそうです。
ハイランドキャトルは6世紀からスコットランドにいると言われる歴史ある品種で、肉やお乳だけでなく、毛糸の原料になる毛まで提供してくれる役に立つ牛だと紹介されました。
次は、アメリカ・テキサス州のテキサスロングホーン。信じられないほど長い角を持ち、時には人間の背丈より長くなることもあるそうです。
昔スペインの探検家に連れてこられた牛が祖先とされ、野生で生き抜いてきたため丈夫な体を持っています。この長い角には、暑く乾燥した地域でも角の表面積で熱を逃がすという役割があるそうです。
長い角で表面積を増やし、暑く乾燥した地域で熱を逃がす役割を持つとされます
太く巨大な角を外敵から身を守る武器として使うとされます
アフリカには、アンコーレ・ワツシという巨大な角を持つ牛がいます。角は長いだけでなくとても太く、先端から先端まで2メートル以上になることもあるそうです。
2000年以上前からアフリカにいて、古代エジプトの牛とインドの牛の血を受け継いでいると言われています。この角は外敵から身を守る武器になるとのことでした。
ムキムキ牛と、コブのある牛
続いては、ベルギーのベルジアン・ブルー。まるでボディビルダーのような筋肉隆々の牛です。特別な体の仕組みで普通の牛より筋肉が発達していて、筋肉の上にさらに筋肉が続いているように見えるそうです。
ベルジアン・ブルーもね、一回ちょっと検索してみてもらえたら嬉しいんですけども、まさにAIで作ったイラストみたいな牛です。もうゴツゴツってなってますね。
海外にはバーベキューなどで赤身のお肉を食べる文化があり、お尻のお肉をいかに増やすかという方向で品種改良が進んだそう。ベルジアン・ブルーも、そのお尻の部位を増やそうというところからできたと言われているそうです。
一方、インドには背中に大きなコブを持つゼブーという牛がいます。このコブが他の牛との大きな見分けポイントで、コブにはエネルギーや水分を蓄えることができます。
垂れ下がった大きな耳や、首のたるんだ皮膚も体を冷やすのに役立っていて、暑くて湿気の多い気候に強いのが特徴です。ブラマン種とも呼ばれ、ブラマン種とも呼ばれることがあります。
川上さんは、地球温暖化で熱帯地域が増えている今、ホルスタインよりもゼブー種の方が産地に適しているという話にもふれました。ブラジルではゼブー種の牛が1億円で落札されたというニュースを見たこともあるそうです。
小さくても濃厚、ジャージー牛と胃の秘密
最後に紹介されたのは、イギリスのジャージー島原産のジャージー牛。他の乳牛に比べて体は小さいものの、とても濃厚な牛乳をたくさん出すことで有名です。
淡い茶色の体と、優しそうな大きな目が特徴。ジャージー牛の牛乳は乳脂肪分が豊富で、バターやチーズ、ヨーグルトなどの乳製品作りに向いているそうです。
このほかにも、ネパールの山岳地帯のヤクの血を引くドアフルル牛、北米のバイソンの遺伝子を持つビーフファロ、インドネシアのマドラ牛など、ユニークな牛が次々に紹介されました。
このインドネシアのマドラ牛はですね、乗ってレースに使われてまして、あのラクダレースとか競馬みたいなのの牛バージョンで出てきて、めちゃめちゃ面白かったです。
牛にまつわる豆知識もいくつか語られました。世界には10億頭以上の牛が生息していて、草食動物として草や干し草などの植物しか食べません。
食べた草を効率よく消化するために4つの部屋を持つ胃があり、一日の多くを、飲み込んだ食べ物を口に戻して噛む「反芻」に費やします。
モザイク模様も、群れの角も、生き抜く工夫
紹介を終えた川上さんは、牛好きらしくテンションが高まっていました。特に印象に残ったのが、大きな角を持つ牛たちが群れをつくることの意味です。
群れでその大きい角をいっぱい持ってる群れをすることによって日陰ができるんだって。角を一生懸命集めることによって、10人で1つの日陰ができたら1匹は助かるみたいな。
さらに、ホルスタインの白と黒の模様についても話が及びます。何万頭もの群れになったとき、模様がぼやけてモザイク柄になり、肉食動物に食べられにくくなるのだそうです。
コメント欄では、質問してくれた1年生が幼稚園でひらがなを習い、日記まで書いていることが分かり、川上さんも驚いていました。モコモコの牛について「めっちゃ役に立つやん」という反応もあったそうです。
最後に川上さんは、日本では和牛とホルスタインばかりになってしまったことに少しさびしさものぞかせました。生産量は少ないため、特色ある牛は付加価値としてしか売れないという構造もあると話します。
ホルスタインだけ、和牛だけになっちゃったのがちょっと悲しいですよね。多様性みたいなのがなくなってて、そんな感じがしますね。
まとめ
小学1年生の素朴な質問から、世界には千種類以上ものユニークな牛がいることが、具体的な品種とともに語られた回でした。それぞれの牛が、土地の環境や人間の暮らしに合わせて個性を持っていることが伝わってきます。
- 世界には千種類以上、牛肉専用でも250種類以上の牛の品種があるとされる
- 今の牛の祖先は、絶滅した野生の牛オーロックスが家畜化されたものと言われる
- モフモフのハイランドキャトル、長い角のテキサスロングホーン、ムキムキのベルジアン・ブルーなど、環境や用途に応じた特徴を持つ牛がいる
- 角で日陰を作る群れや、模様で身を守るホルスタインなど、牛の姿には生き抜く工夫が隠れている
- 川上牧場では、子どもからの質問も引き続き募集している



