そもそも牛乳は「血液」から作られている?
今回のテーマは、リスナーから届いた「牛乳ってなんで白いの?」という素朴な質問です。
川上さんいわく、Googleで検索すると「牛乳の中のミネラルが乱反射して白く見える」とサラッと出てくるそうですが、この放送では酪農家目線でもう少し踏み込んで答えていきます。
まず川上さんが投げかけたのが、牛乳が血液からできているという事実です。赤血球や白血球など、血液は赤いのに、そこから白い牛乳ができるのはなぜでしょう。
牛乳は血液の成分からできているんですけど、血がそのまま出てきているわけじゃないわけですよ。赤いやつが白くなってるわけですから。
牛の乳腺というおっぱいの器官で、血液の中の栄養成分を取り込み、再構成することで白い液体、つまり牛乳が作られています。
赤い血液が白くなる、乳腺のはたらき
血液が赤いのは、赤血球の色素であるヘモグロビンが赤く見えるからです。
ところが、乳腺で牛乳が作られるとき、この赤血球や白血球などの血球成分は完全に取り除かれます。だから牛乳は赤くならないんですね。
除かれたあとは、エネルギーの元になるブドウ糖、タンパク質の元になるアミノ酸、乳脂肪になる脂肪酸などが再構築されます。
この乳脂肪が、牛乳のコクや、こってりしたバターのもとになる成分です。ほかにもビタミンやミネラル、水分が組み合わさって牛乳ができあがります。
血液の栄養を取り込む
乳腺が血液中の栄養成分を取り込む
血球成分を除去
赤血球や白血球など赤い成分を完全に取り除く
栄養を再構築
ブドウ糖・アミノ酸・脂肪酸などに組み立て直す
白い牛乳に
ヘモグロビンがないので赤くならず白い液体になる
白く見えるカギは「カゼイン」と光の乱反射
ヘモグロビンが含まれないので赤く見えず、ビタミンやミネラルなどが入って白く見える、というのが基本の答えです。
もう少し正確にいうと、白く見えるのは牛乳の中に含まれるカゼインというタンパク質の粒子や、乳脂肪が光をいろんな方向に散らすからです。
川上さんは、理科の実験で鏡や虫めがねで太陽光を集めて紙を焦がした経験を例に挙げます。光が一点に集まると白っぽく見える、あの感じと近いそうです。
カゼインミセルという粒子のサイズは100から300ナノモルほどで、この細かい粒子が光をいろんなところに乱反射させることで、牛乳は白っぽく見えます。
おもしろいのが、ろ紙を使った実験です。牛乳をろ紙に通すと、カゼインが紙を通り抜けられないので、下に出てくる液体は透明になるんだそうです。
その透明な液体を飲んでみると、ちゃんと牛乳の味がするというから不思議ですよね。
ジャージー牛乳が少し黄色いのはなぜ?
ここで川上さんは、市販のちょっと変わった牛乳の話にうつります。ジャージー牛乳やガンジー牛乳、ブラウンスイスの牛乳を飲んだことはあるでしょうか。
これらをグラスに注いでよく見ると、わずかに黄色っぽく見えることがあります。
この黄色っぽさは、牛が食べた草に含まれるベータカロテンが多く含まれているために出るものだそうです。
ジャージー牛乳のヨーグルトなどを上から見ると、少し色が濃く、黄色っぽく見えるとのこと。気になる人は、ちょっとお高めのスーパーで探してみると出会えるかもしれませんね。
カゼインや乳脂肪が光を散らして白く見える
草由来のベータカロテンでわずかに黄色っぽく見える
お便りから広がる「牛乳と血糖値」の話
質問への答えのあとは、川上さんが以前配信した「牛乳と血糖値」の回に届いたコメントを紹介します。
コメントの主は、大腸がんとともに糖尿病と高血圧を指摘され、食事法を見直したところ血糖がみるみる改善していったと綴っていました。
そのうえで、2024年のガイドライン変更で糖質制限食を半年から1年なら続けてもよいとされたことや、スーパー糖質制限を勧める内容が寄せられていました。
川上さん自身は、厳しい食事制限をしているわけではなく、牛乳が血糖値を穏やかにする効果的な食品だと伝えたくて配信したと説明します。
私はまだ人間ドック行ってもそんなに引っかかることもないので、それまではちょっと好きなものを好きなだけ食べさせていただきたいなと思ってますね。
リスナーからは「スーパー糖質制限を調べてみて」という声のほか、酪農家の衣替えや作業着についての質問も届いていました。
作業着はワークマンやスズリのものが多いそうで、こうした質問には次回以降の配信で答えていくとのことでした。
まとめ
赤い血液から白い牛乳ができる仕組みを、酪農家の川上さんが乳腺のはたらきや光の乱反射までかみくだいて解説してくれた回でした。素朴な質問こそ、酪農家目線だとぐっと面白くなりますね。
- 牛乳は血液中の栄養成分を乳腺で再構築して作られている
- 赤血球など赤い成分は完全に除去されるので牛乳は赤くならない
- 白く見えるのはカゼインや乳脂肪が光を乱反射させているから
- ジャージー牛乳などの黄色っぽさは草由来のベータカロテンによるもの
- ろ紙に通すとカゼインが除かれ、透明なのに牛乳の味がする液体になる



