フォロワー8千人のアカウントを2人で開く
この回は「X投稿フィードバックリアルタイム回」の第2回です。とある思想系の発信者のアカウントを実際に開きながら、2人で気づいた点を話していきます。
パーソナリティ1は、まず得られた具体的な指摘から抽象化して、聞いている人にXの運用のコツが伝わればいい、という狙いを共有しています。
いや、なんか偉そうなこと言えるわけじゃないんだけど。
見ているのはフォロワー数が8千人ほどのアカウントです。パーソナリティ2は、そのプロフィール画面を開いた瞬間に「改善した方がいいかも」と感じた点が一つあると切り出しました。
最初に目が止まるのはアイコン、という指摘
パーソナリティ2が「一番最初に目に入るところ」として挙げたのは、プロフィールでもアカウント名でもなくアイコンでした。パーソナリティ1もヒントをたどってアイコンにたどり着きます。
最初の最初に目に入るところで一個。
なぜアイコンなのか。パーソナリティ2は、Xがそもそも文章のプラットフォームであることを前提に、読者の目線がどこから始まるかを説明します。
だから目線をどっからずらしていく?って話なんよね。
タイムラインを上から下へスクロールすると、人は文字を左上から読む癖があるため、必然的にアイコンで手が止まる、というのがパーソナリティ2の見立てです。
無意識にどっからまず目が合いますか?ってなったらさ、この文字一番左上から読んでるから、必然的にこのアイコンから、手が止まるでしょっていう話。
パーソナリティ1は、アイコンの黒っぽい印象と中の人物でアカウントの印象が決まると受け止め、対面の第一印象と同じだと整理しました。
「その他大勢」に埋もれないアイコンとは
パーソナリティ2は、埋もれるアイコンの例として、どこにでもいる猫の画像などを挙げます。有名でも手が止まらなければ意味がない、という指摘です。
こんな猫ちゃんなんてさ、どこにでもいるなと思って手止まんないじゃん。
目指すべきは、何も説明していないのに「このアカウントは何か」が一言で伝わる状態だと言います。何のメッセージ性もないアイコンでは、その他大勢に埋もれて手が止まらないという点が核心です。
このアカウントって何?っていうのをもう一言でなんか抽象化されて、なんか何も言ってないのに入ってくるぐらいまで。
一方で、アイコンをコロコロ変えるのも良くないとくぎを刺します。世界観がぶれ、覚えてもらえなくなるためです。ただし変えること自体をためらう必要はない、とも話しています。
変えることに躊躇持っちゃいけないと思うね。
アイコンと名前で「こいつは何者か」を一発で伝える
パーソナリティ2は、アイコンがそのツイートをする人を「ほぼ言語化している」状態、いわば偶像になっているかが大事だと続けます。ここでカギになるのがアカウント名との組み合わせです。
見ているアカウントの名前は「脱力リーマン」です。パーソナリティ2は、あえてツッコミどころを残す狙いは想像しつつも、名前とツイート内容が結びついて入ってこないと指摘します。
理想は、名前とアイコンだけで何者なのかがわかることだと言います。パーソナリティ2は、自分ならという前提で「ぶった × サラリーマン」のような組み合わせを例に挙げました。
なんで、あえて脱力してないやんっていうツッコミ所を残すっていうところもあるんだろうけど、なんか入ってこないというか。
ホリエモンのような有名人でない限り、まず「こいつは何者なのか」というフックを作る必要がある、というのがパーソナリティ2の考えです。
何者でもないやつが、気づいてもらえるんだったら、まず、こいつは何者なのかっていうフックを作る。引きを作る。
さらにパーソナリティ2は、プロフィールのクリックがXのエンゲージメント指標の一つであることも補足します。
フォローしていない人のツイートがアルゴリズムでタイムラインに流れてきたときに、プロフィールをクリックするのは「この人に興味を持った」という指標だと説明しました。
プロフィールクリックされて、ツイートを何個かスクロールして、「あ、これもいいな」ってなって一発でフォローされるっていうのが多分一番理想だけど、そこまでは一足飛びに行かない。
ニーチェか、それとも「ニッチェ」か
ここでパーソナリティ1は自分のアカウント名に話を移し、哲学者ニーチェを掛けた「働くニーチェ」という案を出します。ただしパーソナリティ2の反応はまだ薄いものでした。
パーソナリティ1がニーチェを推す理由は、ターゲット設定にありました。少し悩んでいる人や、素直になれなかった過去の自分のような人に気づきを届けたい、という狙いです。
ちょっと悩んでるとか素直になれへん自分、過去の自分みたいな人たちに気づきを与えられたら嬉しいなと思ってる。
パーソナリティ1は、番組「ひっかかりニーチェ」の影響でニーチェの認知度が上がっていること、コアなターゲットが20代前半からアラサー手前であることも挙げ、フックになりやすいと考えています。
これに対しパーソナリティ2は、ニーチェという言葉を使うと「神は死んだ」的な文脈を強制的に背負うことになる点を懸念します。
ニーチェっていう言葉を使うことによって、ニーチェっぽさが強制的にちょっと投影されなきゃいけなくなっちゃう。
そのうえでパーソナリティ2は、ストレートに使うのではなく崩したい、と提案します。例に挙げたのは芸人のニッチェでした。
なんか音の響きとしてニーチェっぽいけど、ニーチェとは言ってないみたいな。
パーソナリティ1は、固有名詞のいいところはキャラクターに価値が溜まっていくことだと受けて、この崩し方に手応えを感じています。
ブッダを「ゴータマ」に崩す発想
名前の話は仏教にも広がります。パーソナリティ1が好きな哲学者としてブッダを挙げると、パーソナリティ2はここでも「ストレートじゃなくて変化球にしたくなる」と自分の性格を説明します。
ストレートじゃなくて、ちょっと変化球したくなる。
パーソナリティ2は、ブッダの本名がゴータマ・シッダールタである点を使い、そこを「ゴータマ王」や「ゴータマ」と可愛く崩す案を出します。
パーソナリティ1は、この崩しから「ゴータマやってもうた」というトーンが生まれ、ツイートの流れまで作れると乗ります。硬い名前をあえて崩すことで親しみが出るという発想です。
関連して、著作権やIPの問題には触れつつ、「働くジャイアン」のような既存IPに乗ったアカウントも一つの正解だと2人は認めます。ただし自作ではないため拡張しにくい、という違いも確認しました。
あれはね、IPに乗っかってるっていうのがあるから。
パーソナリティ2は、硬い仏教っぽい名前なのに崩す、という方向をさらに具体化します。例えば「般若」という名前に、可愛い般若面のイラストアイコンを合わせるといった案です。
めっちゃ硬い仏教っぽい名前してるのに崩してるみたいなね。
企画のうまさの正体は「大喜利脳」
一連のやり取りを見て、パーソナリティ1は、パーソナリティ2の発想のうまさを「大喜利がうまそう」と表現します。硬さと崩しのバランスを見極める力だと感じています。
大喜利うまそう。だからやっぱ中身と崩しの方向性を持っていくのがうまいんやな。面白さを見極める力がすごいと思う。
パーソナリティ2は、自分の頭の中を「一本の芯を、どこで重心をずらして崩すか」という感覚だと言葉にします。硬い一本芯はポキッと折れるが、柔らかいものは柔軟性がある、という対比です。
このまっすぐ一本をなんかどこで重心ずらして、崩すかみたいな。合気道みたいなさ。
この「崩し」の発想は名前だけの話ではありません。パーソナリティ2は、目の前のカフェメニュー(カレー、スイーツ、ドリンク)を見て、そこからでも発想を広げられると話します。
だって宇宙から繋がってるならカレーから繋がるでしょ。
具体例として挙がったのが「和だしのキーマカレー」でした。和だしとキーマカレーという極端な組み合わせが、ワクワクして頼みたくなる引きになっている、という読み解きです。
和だしとキーマカレーってなんか組み合わせなんかすごい極端じゃね?
パーソナリティ1は、この読み解きから「好奇心をくすぐればいい」という共通点を見つけます。漢字とカタカナ、間にひらがなの「の」を挟むといった、硬さと柔らかさの配合まで話は及びました。
思想・哲学・仏教など、まっすぐで硬い骨格。単体だとポキッと折れやすい
音の響き、可愛いイラスト、極端な組み合わせなどで重心をずらし、引きを作る
AIに勝てるのはどこか、超えられていきたい理由
話は発想力とAIの比較に移ります。パーソナリティ2は、ChatGPTとしりとりをすれば人間は勝てない、と言います。無限に言葉が出てくるためです。
多分ChatGPTとしりとりやったら勝てないと思うよ。
一方で、条件が変わると勝てる領域があると続けます。「おもろい返しをしてこい」という制限をつけたら、ChatGPTには勝てる自信があるという発言です。
おもろい返ししてこいっていう制限をつけたら、絶対にChatGPTには勝てる自信がある。
パーソナリティ1は、その理由を「人の解像度」の差だと分析します。AIはリクエストへの理解にとどまるが、パーソナリティ2は相手一人ひとりに最適な粒度で面白さを当てられる、という見立てです。
人の面白いの百色、そこの百色を塗りにいける才能があると思う。
最後にパーソナリティ1は、自分の役割を「対話で相手の力を引き出すこと」に置き、みんなに超えていってほしいと語ります。この会話自体が自分の夢の実現途中だ、とも話しました。
まとめ
この回は、1つのXアカウントを実況で見ながら、アイコンとアカウント名の作り方を具体化し、その根っこにある「硬さを崩す大喜利脳」という発想論にたどり着く流れでした。名前づけからAIとの違いまで、面白さを見極める力が一貫したテーマになっています。
- Xでは文章より先にアイコンで手が止まるため、その他大勢に埋もれない一言で伝わる印象づくりが起点になる
- アイコンとアカウント名で「こいつは何者か」を一発で伝え、フック(引き)を作ることが無名アカウントの第一歩
- ニーチェを「ニッチェ」、ブッダを「ゴータマ」のように、硬い名前をあえて崩すと親しみと引きが生まれる
- 「和だしのキーマカレー」のような極端な組み合わせは好奇心をくすぐる。硬い芯の重心をずらす発想が企画のうまさの正体
- しりとりでは勝てなくても、「おもろい返し」や相手一人ひとりへの最適化ではAIに勝てる領域が残る




