なぜミュージシャンがSNSにこだわるのか
サエキタカフミさんは、上場企業でのサラリーマンとミュージシャン活動を兼業しながら、このポッドキャストで自身の思考を発信しています。
発信の大前提にあるのは、自分の思考には自分でも気づけていないほどの価値が秘められている、という考えです。まずはその思考のファンになってもらい、傍らで発信する音楽も聴いてもらえたら、という流れを描いています。
僕の思考のファンになっていただいて、その人たちが僕が傍ら発信する音楽みたいなものも聞いてくれるといいな
主体はあくまでミュージシャンでありたい。そのうえで発信を副次的に作用させたい、という位置づけです。だからこそSNSをやらないという選択肢はない、と話しています。
なかでも、ポッドキャストで話しているような冗長ではない思考は、インスタよりもテキスト中心のXやThreadsと相性がいいと考えています。
「Xを伸ばす」とは、結局めちゃめちゃ使うこと
今回のテーマは、Xをちゃんとやりたいのにできない、と思っていた状態が動き出した、という話です。
まず「Xを伸ばす」とはどういうことか。サエキさんの答えは身も蓋もないもので、Xをめちゃめちゃ使うということだと言います。
その理由として、SNSプラットフォームの設計を挙げています。長く滞在している人を優遇する仕組みなので、たくさん使えば基本的には伸びる関係にある、という説明です。
めちゃめちゃ使っていれば基本的には伸びるみたいな関係性にある。そしたらユーザーも提供側もウィンウィンですよね
リプライや引用ポストの内容の善し悪しより前に、まずは量だと考えているそうです。
1日30分しかない。その30分をどう最大化するか
ただし、時間には制約があります。サエキさんは日中はサラリーマン、朝夕は2人の子供の世話をしていて、自分で動けるのは日中の8時から18時ごろまでの10時間、さらにその隙間時間だと話します。
そのなかで1時間をSNSに使うのはハードルが高い。あくまで自分の優先順位の話だと前置きしつつ、30分ならまだいけるという感覚があると言います。
だからこそ、その30分をどう最大化するかが課題になっていた、という流れです。
「ドパガキ」という言葉から生まれた発想の転換
ここで登場するのが「ドパガキ」という言葉です。サエキさんは、この言葉が最近急速に市民権を得ていると感じているそうです。
SNSは、Xに限らず人の脳をうまく支配するように設計されているとよく言われます。縦型で、マウスではなく指でスクロールする形式が、脳のドーパミンを放出しやすいのだろう、とサエキさんは推測します。
だからSNSを見始めると止まらない。特にショート動画を延々とスクロールしてしまう、というのがドパガキ状態です。
サエキさんは、これを裏返して考えました。スマホは自分の脳にドーパミンを放出させるスイッチなのではないか、という発想です。
自分のスマホっていうのは、自分の脳に対してこうドーパミンを放出させるスイッチなんじゃないか
ドーパミンは集中させる物質だとすれば、集中したいときにそのスイッチを押して「ドパガキモード」になれるといい。そう考えたと言います。
罪悪感を捨てて「意図的に集中して見る」時間に変える
やることが変わるわけではありません。変わったのは捉え方だと、サエキさんは強調します。
これまでSNSを見るときは、やりたいことが山積しているのにSNSを見てしまっているという罪悪感がありました。その状態で、気が向いたらポストやリプライをしていたそうです。
そこで発想を変えました。この30分は、意図的に脳内にドーパミンを放出させて集中してSNSを見る時間なのだ、と自分に言い聞かせるのです。
この三分は意図的に脳内にドーパミンを放出させて集中してSNSを見る時間なんだって自分に言うわけです
そう言い換えるだけで、実際にドーパミンの出具合も変わっている気がする。集中力がめちゃくちゃ上がる感覚があった、と語っています。
体感としては、30分もいらないと言います。本当に10分から15分あるだけでだいぶ違う、というのが実際のエピソードです。
やることが山積しているのにSNSを見ているという罪悪感を抱えたまま、気が向いたら投稿していた
意図的に集中してSNSを見る時間だと捉え直し、後ろめたさが消えて時間あたりの価値が上がった
3週間前の日記には「真逆のこと」が書いてあった
ここまで話しておいてなんですが、とサエキさんは打ち明けます。日々つけている日記を見返したところ、3週間前には真逆のことを書いていたそうです。
その日記には、最近Xを見るのがしんどい、という内容が書かれていました。タイムラインに「子を持つ親はこうありなさい」「SNS運用はこうやりなさい」といったノウハウばかり流れてくるのが理由でした。
自分がそういう投稿を見るから、アルゴリズムがさらに推奨してくる。一度見るのをやめて、今やりたい・やらねばと思っていることをやっていきたい、と当時は書いていたそうです。
その本人が3週間後には「意図的に見よう」と言い出している。変なことをやっているという自覚はあると認めつつ、それでも大きかったのは後ろめたさが消えたことだと振り返ります。
後ろめたいまま見ていたころは、後ろめたいから何かを得なければと思っていた。それが消え、意図的に見ていると捉えることで、単位時間あたりの価値が上がった気がする、というのが結論です。
最強の生産性向上策は「集中すること」
この気づきはSNSに限らない、とサエキさんは話を広げます。
最強の生産性向上策は、集中することだと考えています。
この時間はこれをやる時間で、それに全集中する。それをいかに徹底できるかが鍵であり、今回の発想もその一つのハックだった、とまとめています。
最近少し時間が作れるようになり、ポッドキャストもルーティンを設計して定期的に録るようにしているそうです。Xも1日10分から20分「ドパガキモード」になって頑張ってみようと、今はワクワクしていると語ります。
ただし、いつもワクワクして始めて頑張るものの、結果がすぐついてこないとやる気がなくなる。それは35年生きてきてわかっていることだと自嘲します。
すぐ結果がついてこないとやる気なくなっちゃうっていうのが、もう三十五年自分の人生を生きてきた中でわかってることなんですけど
そうなったらそうなったで、その結果もこの場で正直に伝えようと思っている、と締めくくっています。
まとめ
限られた隙間時間でSNSと向き合うために、サエキさんが見つけたのは「あえてドパガキになる」という発想の転換でした。やることは変えず、罪悪感を捨てて意図的に集中する時間だと捉え直すことが鍵だと語ります。
- Xを伸ばす基本は、内容の善し悪しより前にまず量。長く使う人を優遇するプラットフォーム設計に沿った考え方
- スマホを「ドーパミンを放出させるスイッチ」と捉え、集中したいときに意図的にオンにする発想
- 罪悪感を抱えて見るのではなく、意図的に集中して見ると捉え直すことで、単位時間あたりの価値が上がった
- 3週間前は「Xがしんどい」と日記に書いていたが、後ろめたさが消えたことが最大の変化だった
- 最強の生産性向上策は集中すること。この時間はこれをやると徹底できるかが鍵







