冷凍回数が少ない餃子は美味しいのか、という仮説
この回のテーマは、以前も番組で触れた「冷凍前に加熱していない生餃子が美味しい」という話の先にあります。
つまり、冷凍の回数が少なければ、餃子はもっと美味しくなるのではないか、という仮説です。
検証には、AIサービスのGoogle NotebookLMが使われました。冷凍や解凍に関する論文を集めて投げ込み、AIが音声で解説する形式です。
ここでの「ワンフローズン」とは、作ってから一回しか凍らせていない餃子を指します。この状態のおいしさの可能性を探るのが、今回の中心です。
なぜ冷凍と解凍は品質を落とすのか
そもそも、なぜ冷凍や解凍が食品の品質に影響するのでしょうか。基本的なメカニズムは、食品の中の水分が凍るときにできる「氷の結晶」にあると説明されました。
これがですね、特にゆっくり凍らせたり、保管中に温度が上がったり下がったりすると大きく育っちゃうんですよ。
大きく育った氷の結晶は、食品の細胞の壁や膜を物理的に壊してしまいます。安藤さんたちの研究でも、この点が指摘されているそうです。
解凍したときに出る赤い汁「ドリップ」も、この現象と関係しています。
あれ、別に血液じゃなくてですね、肉で言えば旨味成分、タンパク質、ミオグロビンとか、水分ですね。それが壊れた細胞から流れ出ちゃったものなんです。
肉・野菜・皮それぞれへの影響
餃子の主役である肉、野菜、皮のそれぞれに、冷凍と解凍はどう影響するのでしょうか。
まず肉や魚介類は、タンパク質が変性して水を保つ力が弱まり、ドリップが出やすくなります。特に水分の多い魚介類は影響を受けやすく、色が変わることもあると説明されました。
野菜も細胞壁が氷の結晶でダメージを受け、解凍後に組織が柔らかくなりすぎる「軟化」が問題になります。キャベツの研究では、ビタミンCやポリフェノールなどの栄養成分が減る可能性も示唆されています。
皮、つまり小麦粉の生地についても、冷凍で弾力性が変わったり、氷の結晶の大きさが食感に関わったりすることが分かっているそうです。
氷の結晶ができる
水分が凍り、ゆっくり凍結や温度変動で結晶が大きく育つ
細胞が壊れる
大きな結晶が細胞の壁や膜を物理的に破壊する
品質が落ちる
ドリップの流出、野菜の軟化、皮の食感変化が起きる
冷凍・解凍を繰り返すとどうなるか
では、冷凍と解凍を繰り返すと、ダメージはどうなるのでしょうか。AIは、品質の低下がどんどん積み重なると答えました。
繰り返すと、一度できた氷の結晶がさらに大きく成長する「再結晶化」という現象も起きやすくなります。
ドリップの流出とか食感、風味の劣化っていうのは、回数を重ねるごとに深刻になる可能性が高いと言えるでしょうね。
この点から、皮、肉、そしておそらく野菜も、凍結解凍の回数が少ない「ワンフローズン」の方が、素材本来の風味や食感を保ちやすい可能性が高いと示唆されました。
ただし現状では、パッケージを見てもワンフローズンかどうかを消費者が判断するのは難しい、という限界も語られています。
餃子から持続可能性へ広がる話
話は最後に、食品業界全体で凍結回数を減らす取り組みへと広がります。小野寺さんは、それが美味しさだけでなく環境にもプラスになる可能性を尋ねました。
冷凍とか解凍に必要なエネルギーの削減とか、もしかしたら食品ロスの削減にもつながって、環境にとってもプラスになるなんていう可能性もあったりするんですかね。
AIは、冷凍解凍のプロセスを減らせればエネルギー効率が上がり、品質劣化が抑えられればロス削減にもつながるかもしれない、と応じました。
美味しさと持続可能性みたいなものが結びつく、未来の食品技術の一つの方向性と言えるかもしれないですね。
AI音声の制作の裏話
後半は、この音声をどう作ったのかという裏話です。実はNotebookLMに5回ほど音声を作らせ、指示であるプロンプトを少しずつ変えながら、それらを繋ぎ合わせたと明かされました。
人間のように息継ぎしたり相槌を打ったりして機械らしさが少ない一方、「フローズン」「イチフローズン」など言い方の揺れがあり、まだ発展途上な部分もあると話しています。
最初は専門用語を解説する内容だったため、餃子に触れるよう指示し、肉・野菜・皮・小麦粉と項目を分けて、さらに持続可能性への言及や締めの挨拶までディレクションしたそうです。
NotebookLMにはPDF、テキスト、音声、YouTube、ウェブサイトなどを読み込ませられます。ただしPDFはURLではなくダウンロードして渡す必要があるなど、手間のかかる場面もあったといいます。
中国語やフランス語、イタリア語なども扱えますが、今回はテスト企画のため中身の精査まではせず、ざっくりまとめてもらったものを共有したと断っています。
AIとどう働くか、という一言本音
最後は「今日の一言本音」として、AIへの率直な思いが語られます。
ここ数ヶ月のAIの進化がすごすぎちゃってですね、ほんと僕も仕事どうしようという感じになっております。
かつて2045年に人工知能が人間を追い越すと言われていたのに、2025年の時点でかなり追い越されている感覚だと話します。
一方で、AIを使って新しい仕事ができるのではないか、それが何かを考えるのも人間の仕事ではないか、とも語られました。
まとめ
冷凍や解凍で氷の結晶が細胞を壊し、回数を重ねるほど品質が落ちるという論文の知見から、餃子も「ワンフローズン」の方が美味しい可能性が高いと示唆されました。AIとの対話とその制作過程を通して、道具としてのAIの可能性も語られた回です。
- 冷凍・解凍で氷の結晶が細胞を壊し、ドリップや軟化、食感の劣化が起きる
- 凍結解凍を繰り返すと再結晶化が進み、品質低下が深刻になりやすい
- 肉・野菜・皮のいずれも、凍結回数の少ないワンフローズンが有利と示唆される
- 現状ではワンフローズンかを消費者が判断するのは難しいという限界もある
- 音声はNotebookLMで5回作りプロンプトを調整して繋いだ、AI活用の実験でもある
