家計調査「ぎょうざ」項目の前提条件
今回のテーマは、2025年2月7日に総務省統計局から発表された、2024年家計調査の「ぎょうざ」という項目です。
結論から言うと、餃子の支出金額1位は浜松市、2位は宮崎市、3位は宇都宮市という順番になっています。ニュースでもよく取り上げられている部分です。
ただし、この「ぎょうざ」項目には前提条件が多いと小野寺さんは説明します。データは、二人以上の世帯を対象にした分析です。
項目に含まれるのは、スーパーで売っているチルド餃子、調理済みの餃子、持ち帰り専門店の餃子です。
一方で、冷凍餃子や飲食店の餃子は含まれません。餃子屋さんから持ち帰った分も、基本的には「外食」に含まれます。冷凍食品は「冷凍調理食品」に分類されます。
この項目には「支出金額」と「購入頻度」があり、それぞれ違った傾向が見えると言います。支出金額は使ったお金、購入頻度は金額に関係なく購入した回数です。量そのものは出てきません。
また、東京の人が宇都宮で餃子を食べても、それは宇都宮ではなく東京都民の外食として計上されます。細かい注意点はありますが、大まかな傾向として参考にできると話されています。
支出金額ランキングと宇都宮の陥落
まず支出金額の上位を見ていきます。
浜松市は4066円で、去年と同じくらいの金額です。2位の宮崎市3517円も横ばいです。
注目は3位の宇都宮市2801円です。宇都宮市はこれまで3000円を切ったことがなく、今回初めて3000円を割りました。
ここ数年ずっと減少傾向にあり、ついに3000円を切ったというのが小野寺さんの率直な感想です。今回の家計調査で一番大きなトピックだと位置づけています。
宇都宮市、今まで3000円を切ったことがなくて、初めて3000円を切ってしまいました。かれこれ数年かけてずっと減少傾向にあったんですけど、ついに3000円切ったなというのが率直な感想です。
4位のさいたま市は意外に思われるかもしれませんが、これまでも上位に入ってきました。埼玉のスーパーで生餃子がよく売られており、丸庄食品などの影響が大きいと見ています。
6位の大津市も、これまで上位常連の街です。近畿圏では滋賀や京都が多かったものの、今回は京都が全国平均を下回っており、小野寺さんも気になると話します。
8位の福島市はこれまで上位に出ることが少なかったものの、最近は福島餃子が注目され、市民が餃子を食べる頻度が上がったのではないかと分析します。
10位の鹿児島市は宮崎の隣で、鹿児島餃子協議会が立ち上がり、南九州ダービーを繰り広げているところだと紹介されています。
なぜ宇都宮は下がったのか
宇都宮市の支出金額は過去最低になりました。最も多かった時期は6000円ほどまで行ったのが、今回は3000円を切っています。
ピーク時は約6000円まで到達
2024年は2801円で過去最低
理由として小野寺さんが最も大きいと見るのが、冷凍調理食品へのシフトです。宇都宮餃子のほとんどは冷凍餃子に対応しているため、食べたくなれば冷凍餃子を買えます。
外食にも流れているものの、外食の数字はそれほど増えていないため、やはり冷凍餃子に振れているのではないかと考えられます。
このままいくと、宇都宮市は3位どころか10位以下に落ちるのが目に見えていると話します。2025年から2026年あたりで、埼玉やかつての京都のような街に抜かれる可能性があるといいます。
一方で浜松と宮崎は1位2位をキープしていますが、両市とも食料費全体は増加傾向にあり、食料品に対する餃子の割合はだんだん下がっています。
これも冷凍餃子へのシフトが理由で、支出金額の低下はトップの3市だけでなく全国平均でも同じだと指摘します。
冷凍調理食品の急成長と統計の限界
冷凍調理食品は大きく成長しています。金額の伸びは顕著です。
冷凍調理食品が2000年当時の4556円から2024年には約2.2倍に成長しているため、その中身をもっと分解してほしいというのが小野寺さんの意見です。
ただし分解するかどうかは総務省統計局の判断になります。去年のパブリックコメントには間に合わなかったため、次は5年後になりそうだと話しています。
この番組を聴いている方で総務省統計局にお知り合いがいる方は、冷凍調理食品の金額がデカすぎるから、もっと細かく出してほしいとお願いしていただけるとありがたいです。
購入頻度ランキングと宮崎の危機
続いて購入頻度です。これは1年間に何回買ったかを示す数字で、100世帯当たりの回数で表されます。
1位の宮崎市761回、2位の大津市755回、3位の浜松市721回と、上位3市はかなりの僅差です。
4位以下は、大阪市、相模原市、福島市と続き、この辺りは支出金額の上位ともリンクしています。回数が多く金額も上がっているのが実態だといいます。
7位は和歌山市、8位は松江市、9位は前橋市、10位は岐阜市です。これらは支出金額では上位に来にくい街です。
理由として、地元の安い生餃子が回数を押し上げるものの、金額が上がってこないためだと分析します。特に前橋市のある群馬県は日本で一番餃子を作る県で、本来もっと知られていいはずだと話します。
購入頻度では、これまで宮崎市が圧倒的な1位でしたが、2位の大津市755回と宮崎市761回で、差がだいぶ縮まっています。
この落ち込みを考えると、2025年の家計調査では宮崎市が2位に落ちる可能性もあると小野寺さんは見ています。
購入頻度を上げる鍵はメディア露出
購入頻度を上げるために何をすべきか。小野寺さんは、何よりメディアに餃子の絵が出ることだと言います。
地元の餃子がテレビに出ると、地元の人がこぞって餃子を買うためです。宮崎の餃子を宮崎のテレビやラジオで放送することが、購入頻度の上昇につながります。
同じことは他の街にも言えます。浜松では家計調査の発表があると数字が上がるといいます。
だからこそ、発表を数日だけでなく1年かけてテレビ露出に活かすことが大事だと話します。大阪や相模原、福島も、地元の餃子が全国放送で取り上げられ、地元の人が買う傾向にあるといいます。
自治体や観光協会が旗振りをして地元の餃子を紹介するとよいと提案されています。
「ぎょうざ」項目の限界とインフレの影響
小野寺さんは、家計調査の「ぎょうざ」項目を見ても、もうあまり意味がなくなってきていると明言します。
消費がほぼ冷凍調理食品へシフトしているため、その中身がわからない限り、餃子の正確な購入傾向は見えないからです。
外食を見ると、コロナ禍で一気に落ち込んだものの、コロナ前より回復しています。ただし宮崎はもともと内食が強い地域柄で、外食に思い切って振れることはなかったと分析します。
外食費全体は支出金額でおよそ20万円と大きく、金額が上がっているのはほぼインフレの影響だと見ています。原材料や光熱費が上がり、店の値段が上がっているためです。
消費者の財布が豊かになったのではなく、同じものを食べても金額が上がっている状況だと話します。統計局の発表でも、消費支出は実質1.6パーセント減少、名目は1.5パーセント増加とされています。
また京都は全国平均を下回っています。惣菜として売られるチルドや調理済みの餃子の取り扱いが減り、冷凍餃子へシフトしているとみられます。
京都では逆に外食費が猛烈に上がっており、外食にシフトしている様子が見えると話します。実情を知る京都の人からの情報を求めています。
盛り上がりに欠く家計調査と、これからの餃子の街
最後に「今日の一言本音」として、小野寺さんは毎月の家計調査を分析していると明かします。年間の結果は、だいたい1カ月前にはわかる状況だといいます。
以前に比べて盛り上がりに欠けており、宇都宮はもう完全に家計調査をどうでもいいものとしていると話します。それは正しい判断だと小野寺さんは見ています。
実質的に盛り上がっているのは浜松と宮崎だけで、2都市だけでは盛り上がりに欠けます。そこで他の街も巻き込み、「我が町は餃子の街だ」という盛り上げ方を煽っていきたいと語ります。
ターゲットになるのは鹿児島、群馬の前橋、埼玉あたりだといいます。これらの街の人と一緒に盛り上げていきたいと呼びかけて、番組は締めくくられます。
まとめ
2024年家計調査の「ぎょうざ」項目からは、宇都宮市の初の3000円割れと、餃子消費が冷凍調理食品や外食へ移っていく構造変化が浮かび上がりました。小野寺さんは、統計の項目自体が実態にそぐわなくなっていると指摘しています。
- 支出金額は浜松市が1位、宮崎市が2位、宇都宮市が3位で、宇都宮は初めて3000円を割った
- 宇都宮の陥落の背景には、冷凍調理食品への消費シフトがある
- 冷凍調理食品は2000年から約2.2倍に成長し、中身の分解が求められている
- 購入頻度では宮崎市が1位だが大津市との差が縮まり、来年は逆転の可能性もある
- 購入頻度を上げる鍵はメディア露出で、盛り上げの次のターゲットは鹿児島・前橋・埼玉と見られている
